熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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いざ、フェアリーパークへ! オリジナルストーリー2話

ヨヨの呼びかけによって朝食後に虹ヶ丘家の居間に集められたユキ達。そんな中でヨヨが持ってきたのはフェアリーパークという場所からの招待状だった。

 

「フェアリーパークって何!?」

 

「ボク達も全く聞いた事無いですよ!」

 

「それにフェアリーパークのフェアリーって……何の事!?」

 

いきなり知らない場所から招待状が来たという事でさっそく大混乱な様子の一同。ただ、ヒョウがフェアリーの意味を知らないという事でアサヒやましろはズッコケてしまう。

 

「えっ、この街に来たばかりのソラちゃんやユキちゃんなら兎も角としてヒョウ君はフェアリーの意味知らないの!?」

 

「そんな事言っても知らないんですよ。……俺、ツバサと違ってお馬鹿だし……」

 

ヒョウはしれっとツバサを持ち上げつつ自分が馬鹿だという。ヒョウは幼い頃から優秀な兄妹達と比較されて両親から馬鹿扱いされていたのでこういう言い回しになってしまうのも仕方ない所だった。

 

「はぁ……。フェアリーっていうのは日本語に直すと妖精って意味だよ」

 

「妖精……何とも可愛い呼び名ですね!」

 

「つまり、妖精のテーマパークって所になるのか」

 

「しかもこの感じだとその妖精さん達が運営してそうな感じだよね」

 

その招待状の文の中には“妖精達が溢れる”という文言があるため、テーマパーク中に妖精の要素や場合によっては妖精達が運営をしているようにも見える。

 

ただ、そこまで来ると6人にはにわかに信じ難い。妖精達が運営をやるテーマパークなんて物が実在するのか……どうしても疑問だった。

 

「あら、まだ皆信じて無さそうな感じね」

 

「はい……妖精自体ならまだわかるんですけど……」

 

「テーマパークってなると、どうしても」

 

ユキ達は一応妖精そのものは見た事がある。この前会ったなぎさ達が連れていた妖精達がそれに該当するし、何ならツバサやヒョウのようなプニバード族も一般的には妖精に当てはまるだろう。

 

そのため、妖精という単語を聞いてもそこまで疑う事は無い。しかし、テーマパーク規模となると話は変わってしまう。

 

「うーん……」

 

「あ、そういえば。ヨヨさんはその手紙を誰から貰ったんですか?」

 

「えっと、それってどういう事?」

 

「多分、手紙を誰から受け取ったのかという方が正しいかもですね」

 

要するに、手紙を家に届けてくれたのは誰なのかという話である。そのルート次第ではどうしても疑いが残ってしまうだろう。そのため、ヨヨはにこやかに微笑むと平然とした様子で答えを返した。

 

「ああ、それなら一昨日くらいにこんな事があったのよ」

 

〜回想〜

 

二日程前、ユキ達が学校に通っていた時間帯。ヨヨがいつものように庭のガーデニング作業を行なっているとそのタイミングで空から何かが虹ヶ丘家のある方角に近づいていた。

 

「ロプ〜ッ!!」

 

「あら?」

 

ヨヨがそれに気がついて空を見上げるとそこにはツバサと同じようにオレンジ色の体毛をした巨大ペンギンが空を飛んでおり、ヨヨはその様子にそこまで驚く事は無くそれを見つめる。

 

「のぞみ達と会ったこの街のプリキュア……どこにいるロプ……」

 

どうやら“のぞみ”という単語が出ている辺り、夢原のぞみことキュアドリームの変身者と知り合いのようだった。この巨大ペンギンは以前プリキュア達の戦いに駆けつける際にココとナッツを乗せていた妖精……シロップである。

 

そのシロップはユキ達を探している様子だった。何しろ、のぞみ達が出会ったのはユキ達4人だけ。そのため、ツバサやヒョウの事は知らないという事。そしてその2人は偶々家の中でそれぞれの勉強をやっていた事もあってシロップはヨヨがプリキュアの関係者だとは気が付けなかった。

 

「あのペンギンさん、もしかして……」

 

ヨヨが地上から見えるシロップがプリキュアの関係者であると何となく察していると突如として空に突風が吹き荒れる。虹ヶ丘家付近には裏山もあるという事もあって時折り空に突風が吹くのだが、丁度シロップは運悪くそれに巻き込まれてしまった。

 

「えっ、ちょっ……ロ、ロ、ロプ〜!?」

 

シロップはそのままバランスを崩して墜落し始めてしまう。それはそのまま虹ヶ丘家に向かう坂道の真ん中付近に落ちていく。

 

「ッ、いけない!」

 

ヨヨはそれを見て慌てて落ちてしまったシロップの元に向かうとそこでは他の妖精と同じくらいの大きさにサイズダウンしたシロップが倒れていた。

 

「痛てて……急にあんな風が吹くなんてビックリしたんだロプ……」

 

「大丈夫?」

 

ヨヨがシロップの元に到着すると彼に向かって声をかける。シロップはそれを聞くとヨヨの方を向いて普通に答えを返そうとする。

 

「このくらい平気ロプ。それよりも、この手紙をのぞみ達の友達に……うん?」

 

その瞬間、シロップはヨヨの姿に凍りついてしまう。そして、改めて彼女の方を向くと自分の事を不思議そうに見ていたために自分が何をやらかしたのかを自覚した。

 

「うわぁああっ!?」

 

シロップは慌てて“ポン”という音を立てながら人間へと変身。金髪の中学生くらいの男の子へと姿を変えた。

 

「こ、これは違うんだ!!オレは空も飛んでないしペンギン似の妖精でも無い!ただの男の子だ!」

 

そう言ってシロップが変身した妖精は慌てて先程までの自分の姿を否定する。要するに、妖精の姿を一般人に見られてしまった事を隠そうとしているのだ。ただ、もう割と手遅れな状況ではあったが。

 

そんな彼の言い訳をヨヨはキョトンとした顔で聞いていたが、優しく微笑むと慌てるシロップを安心させるように答えを返した。

 

「そんなに慌てなくても大丈夫よ。私はプリキュアの関係者だから」

 

「そうなんだな……って、はぁ!?」

 

シロップはヨヨが落ち着いた様子でとんでもない事を言っていると言わんばかりに驚きの声を上げる。

 

シロップからすれば、悪の組織との対決期間中に家族へとプリキュアの正体がバレているという事自体がレアケースなために流石に今の発言は耳を疑った。

 

一応家族にプリキュアの正体がバレてるケースというのは無いわけではない。だが、それはあくまで最終決戦のような悪の組織との戦いが終わる間際のような規模が大きい戦いの際に発生する事が多い。

 

「こまちやかれんは家族バレしてるから別にあり得ない事は無いけど、まさかこんな所でプリキュアの事を知ってるプリキュアの家族に会うなんて驚きだな……」

 

「初めましてね。私は虹ヶ丘ヨヨ。キュアプリズム、虹ヶ丘ましろさんの祖母って聞いたらわかるかしら」

 

「あ、ああ。ましろのおばあさんか。オレは甘井シロー。妖精の時の姿はシロップって名前だ」

 

どうやらシロップの人間態の時はちゃんとした人間としての名前があるらしい。これは人間界に溶け込む際に無いと困るからと言えるだろう。

 

「それで、シローさん。その様子だとプリキュアに何か用事があるのかしら?」

 

ヨヨはシロップにある程度事情を理解してもらった所で早速本題である彼がここに来た理由について聞く事に。

 

「ッ、そうだ!これを届けに来たんだよ」

 

シロップことシローは懐から一枚の手紙を取り出すとそれをヨヨへと手渡す。

 

「これは……」

 

「この前のぞみ達と遊んでもらったお礼。まぁ、のぞみ達本人はタイミングが合わないから行けないけど……」

 

ヨヨはそれを聞いてシローの目的がこのフェアリーパークへの招待状をプリキュアである4人に渡す事だと考える。そして、彼女は微笑みつつ頷いた。

 

「わかったわ。これはソラさん達プリキュアに渡しておくわ。日付に関してはこの手紙に書いてある通りで良いのよね?」

 

「それで大丈夫だ。4人によろしくお願いします」

 

そう言ってシローはもう一度巨大ペンギン状態のシロップへと変化するとそのまま飛び去って行く事になる。

 

〜現在〜

 

ヨヨはその経緯を一通り話し合えるとプリキュアの6人はようやく疑いの気持ちを無くす事になる。

 

「なるほど、じゃああの時のペンギンの妖精さんが持ってきてくれたんですね」

 

「それにしても空を飛ぶペンギンって改めて聞くだけでもファンタジーだよな……っと、スカイランドじゃ鳥に乗って空を飛ぶのは割と当たり前か」

 

「いえ。確かにスカイランドで鳥は空を移動するための手段ではありますけど、そもそもスカイランドにはペンギンという動物自体がいないのでボク達からしてもファンタジーな出来事ですよ」

 

「「ペン……ギン?」」

 

「あー、ユキ姉とソラさんはペンギンを知らないんだよな。また後で教えるから今は我慢してて」

 

スカイランド組の2人はまずペンギンについて気になっていたが、ひとまずそれは2人に知りたい気持ちを我慢してもらうとして。まずはフェアリーパークの件だ。

 

「それで、皆はここに行きたいかしら?」

 

「えっと……」

 

「うーん……」

 

ただ、やはりまだ一同は行きたい気持ちになってないのか。少し反応が微妙になっていた。こういう時にイメージ画像とかがあれば良いのだが……残念ながらフェアリーパークは不定期かつ、期間限定。しかもオープン期間は僅か数週間というオープンしている事自体がレア中のレアの場所にある。

 

「……私は行きたい!」

 

そんな時だった。ユキがここに行きたいと誰よりもやる気な顔で言い出したのは。

 

「ユキ……。ユキは行きたいのか?」

 

「うん!だって折角お友達って事で招待状まで送ってくれたんだよ。それに、行かなかったら凄く後悔する気がする」

 

ユキは珍しく“フンス”と鼻息が出る程に興奮しており、それだけ前に出会ったのぞみ達の友達だという認識をしてくれたシロップの言葉が嬉しかったのだろう。

 

「ふふっ、確かにそうですね。どんな所かはわかりませんけど、行かず嫌いをするなんてヒーロー失格です!」

 

「うん!私もそうやって2人の気持ちを聞いてたら色々とうずいてきたかも!」

 

“ラビリンも行きたいラビ!!”

 

ユキの提案に沿う形でソラやましろも賛成の声を上げる。尚、何故かましろの肩には半透明な霊体として小さな兎の妖精がおり……ましろのうずいてきたというのはこの妖精が原因だろう。

 

「アサヒ君も行こうよ!折角楽しそうな所に行けるんだよ?行かないと損だよ!」

 

そう言ってユキはアサヒの手を両手で勢いよく掴んで詰め寄る。勿論ユキにいきなりそんな事をされればビックリするわけで。

 

「ッ!?ゆ、ユキ……ああ、乗り掛かった船だしな。俺も行きたい!」

 

「ちょっ、アサヒが行くなら俺も行く。今のアサヒをユキ姉と2人にさせたら何するかわからないし!」

 

「はぁ?何でそうなるんだよ。というか、ヒョウの中で俺への信頼性ゼロか!!」

 

「ふ、2人とも落ち着いてくださいよ」

 

アサヒが行く事に了承するとヒョウはその際にアサヒがまたユキに手を握られた事に対してデレデレしたと判断。すかさず釘を刺すようにして自分も行く事を表明した。

 

勿論アサヒだってヒョウからあらぬ疑いをかけられたためにすぐにそれを否定しつつヒョウを睨みつける。そんな険悪な2人にツバサが慌てて落ち着くように言った。

 

「じゃあ、アサヒ君とヒョウ君も行く事にして。エルちゃんとツバサ君はどうします?」

 

「え?えっとボクは……」

 

「え〜るぅ!」

 

するとツバサが答えを返す直前にエルが行くと言わんばかりに声を上げる。そうなるとプリンセスの騎士であるツバサが行かない理由も無くなるわけで。

 

「ボクも行きます!プリンセスの騎士として、ボクもフェアリーパークを楽しみたいです!」

 

「ふふっ、じゃあ皆行く事に決定したわね」

 

一同の話が纏まった所で早速ヨヨは手紙と一緒に同封されたチケットに人数を入力するとそれをソラに手渡す。

 

「これがフェアリーパークに行くためのチケットよ」

 

「はい!ありがとうございま……って、あれ。7人……。ヨヨさんは行かないんですか?」

 

ただ、チケットを受け取ったソラはそこに記入された人数が7人しか無いという事で困惑する。つまり、ヨヨが人数に含まれてないのだ。

 

「私は前々から進めていたスカイランドとこの世界を繋ぐトンネルを作るための作業が丁度手が離せない作業に入っちゃったのよね。だから一緒には行けないわ」

 

「そうなんだ……残念」

 

「それなら、ヨヨさんの分まで楽しんできます!」

 

ヨヨは今回行けないという事で残念そうにするましろ。ただ、彼女にも都合がある。こればかりは仕方がない事だろう。そんなわけでヨヨが不参加である理由を聞いた所で早速ユキ達はフェアリーパークに行く……のだが、彼女達はそこに行く手段が無いことに気がついて慌てる。

 

「それでは早速、フェアリーパークへ……」

 

「って、その前にフェアリーパークの場所がわからないんだが!?」

 

「それに、ボク達は車も持ってませんし仮に持ってても運転ができませんよ!?」

 

このままでは折角招待状を貰っても行く事ができない。しかもチケットの有効期限は今日限りだった。

 

「あわわ、どうしよう……」

 

「大丈夫よ。そこのチケットに書かれてる人数の下に四角い記号があるでしょう?」

 

「えっ?あっ、本当ですね。あります!」

 

「そこを押したら……」

 

「ここを押せば良いんですね!」

 

「ちょっ、待てソラ。話を最後まで……」

 

「えいっ!」

 

アサヒはヨヨの話が最後まで終わってないのに押すのは危険だと踏み留まらせようとするが、ソラはさっさと押してしまった。その瞬間、ユキ達7人は光に包まれて虹ヶ丘家から姿を消してしまう事になる。

 

「行っちゃったわね……ふふっ。皆、楽しんできてね」

 

ヨヨはフェアリーパークへと向かったユキ達がいなくなったのを見届けてから微笑みつつ自分の作業を進めるために部屋へと戻る事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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