熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

120 / 254
旅行の始まり すこやか市での市内観光

山登りの日から一週間が経った。この日、ユキ達は一台のバスに乗って移動中だ。向かっている面々はユキ、アサヒ、ソラ、ましろ、エル、ツバサ、あげは、ヒョウである。

 

「旅行、今からすっごく楽しみですね!」

 

「ソラちゃん、この一週間ずっと楽しみにしてたものね」

 

「でも折角ならひかるの奴も来れば良かったのに……」

 

アサヒが一人そう言う。実はこの旅行。本当ならひかるも連れて行く予定だったのだ。しかし、それを学校で誘ってみたらどうやらひかるもひかるでおいしーなタウンという場所に旅行に行くらしい。しかも並行世界にいるらんこ達と共にだ。

 

「仕方ないよ。ひかる君もらんこちゃん達と行きたいんだしさ」

 

そのため、今回はひかるは抜きでの旅行となっている。するとバスが森の中を抜けてのどかな街並みが見えてきた。

 

「おお!あれが!」

 

「うん!すこやか市だよ!」

 

「綺麗……」

 

この街は割と都会よりのソラシド市に比べると自然に囲まれたゆったりとした街であり、心を休めるのには最適と言えるだろう。

 

「到着です!」

 

それから一同はバスを降りるとソラが興奮した様子で周りの景色に目を奪われていた。

 

「さて、まずは今日泊まる旅館でチェックインしようか」

 

あげはの言葉で移動を開始すると向かったのは旅館沢泉である。ここはこの街の中でも有名な温泉旅館であり、あげはがここを選んだのももてなしが手厚いという評判を聞いての事だ。旅館に到着すると若女将である沢泉なおが出迎えた。

 

「本日は旅館沢泉にようこそお越しいただきました」

 

「女将さんだ……」

 

「綺麗……」

 

ましろやユキがそう言うとなおはお礼を言ってからひとまず部屋へと案内する事になる。ちなみに今回はニ部屋分取ってあり、ツバサ、あげは、エル、ヒョウの四人部屋とアサヒ、ユキ、ソラ、ましろの四人部屋で別れるようだ。

 

「取り敢えず荷物を置いて……」

 

それから一同はどこを巡るのかという話になった。あげはがスマホで早速この街について調べようとするとそこに灰色ががった黒い髪と瞳を持つ女の子がやってくると声をかける。

 

「あの、この街には観光に来られた感じですか?」

 

「え?あ、はい」

 

すると少女は街のマップを出すとそれをユキ達へと見せつつ説明をする。

 

「この街の目玉スポットはこの展望台や水族館、商店街にあるすこやか饅頭とかになりますね。一度行ってみてはどうでしょうか?」

 

「ありがとうございます!行ってみますね」

 

「あ、ちゆ。こっちも手伝って」

 

「はい!では楽しんでくださいね!」

 

そう呼ばれた少女は手伝いのために行ってしまう。それを見たユキは一人考えていた。

 

「あの子、私達と多分同年代。なのにあんなにしっかりしてる」

 

「ユキ姉もしっかりしてるとは思うけど」

 

「でも、何だか不思議な感じがするの。妙な親近感というか……」

 

ユキとヒョウがそんな事を言う中、アサヒ達とどういう街の回り方をするべきかという話になりそのまま話に参加する事になる。

 

「ふぁああ……」

 

まず最初にユキ達が移動した先は高台に建っている展望台。その形は遠目から見るとハート型に見えるというなかなかオシャレなデザインで、あると同時に街のランドマークとして有名だ。

 

「すっごく良い景色!」

 

「はい。しかも、この広がる海がとても綺麗です」

 

「ひ、広い……。これが海というものですか!?」

 

「スカイランドの湖とは比べ物にならないよ」

 

ユキやソラは海を見た事が無かったためにこの広大な海を初めて見ただけで相当な驚きだった。

 

「あはは。そういえば、海はこの世界の七割を占めるぐらいには広いから……」

 

「な、七割!?」

 

「え?もしかして私たちが今いる場所ってたった三割の中に含まれているって事?」

 

それを聞いてユキとソラは軽いカルチャーショックまで受ける始末である。流石にこればかりは驚きという他無いだろう。

 

「じゃあ早速記念撮影しよっか」

 

「えっと……」

 

アサヒがどうにか写真を撮るために誰か撮ってもらえる人を見渡す。すると丁度良く走ってくる少女の姿があった。それはピンクのジャージを着ており、髪と瞳はピンクブラウンで髪型はボブヘアー。髪には右側に2本のヘアピンを付けており、そのうち1本にはピンク色の花飾りが付いている。

 

「すみません!」

 

「え?あ、私ですか?」

 

少女はランニングの脚を止めるとアサヒの方へとやってくる。そして、ましろがアサヒと共に少女へとお願いをした。

 

「すみません、写真を何枚か撮ってもらう事ってできますか?」

 

「お願いします」

 

「……ッ!?」

 

するとましろの声を聞いた途端少女は驚いたような顔つきに変わる。それを見たましろは疑問符を浮かべた。

 

「どうかしましたか?」

 

「えっ、あ……ううん。大丈夫ですよ」

 

それからユキ達は並ぶと展望台をバックにして記念撮影を行った。それから少女にカメラを返してもらうとお礼を言う。

 

「すみません。ランニングの手を止めさせてしまって」

 

「いえいえ。観光客の方ですか?」

 

「うん。この街でゆっくりしに」

 

「次に行く所が決まってないのでしたらこのワゴン式移動カフェとかオススメですよ」

 

「カフェ!?わ、私行きたい」

 

ユキはカフェに反応するとそれからアサヒ達も賛成し、少女に改めてお礼を言ってから向かう事になる。それからユキ達が去っていった後、少女はましろの方を見て小さく呟いた。

 

「あの子……ラビリンにそっくりな声……」

 

展望台から移動すると少女に勧められたワゴン式移動カフェとその近くにある平光アニマルクリニックのある場所へとやってくる。

 

「ここじゃない?」

 

「あ、ありましたよ!」

 

それからカフェで注文を済ませてから席に座ると丁度クリニックから一人の少女が出てきた。容姿は薄い茶色の髪と瞳。髪型はウェーブがかかったツインテールをしており黄色を基調とした服を着ている。

 

「うわぁ。今日のお客さんは大所帯だね」

 

「えっと……君は?」

 

「うちは平光ひなた。さっきカフェの方でスタッフをしていたお姉さんがいたでしょ?あの人はうちのお姉ちゃんなんだ」

 

それを聞いてあげはは平光アニマルクリニックの看板を見てからひなたへと質問する。

 

「あ、もしかして君って」

 

「うん。この家の娘だよ。えっと……」

 

それからユキ達が自己紹介をしてからひなたと仲良くお喋りをする事に。ただ、ソラが間違えてスカイランドについて口走りそうになった所をましろ達が慌てて止めたのは余談である。

 

「あ、そういえばましろん。なんかましろんの声はどこかで聞いた事あるような声なんだよね」

 

「え?そうなの?」

 

ひなたが必死に誰の声か思い出そうとするが彼女はあまり記憶力が良い方では無い。成績とかも良くない方なのでどうしても思い出せないのだ。

 

「うぅーん……」

 

「無理に思い出さなくても大丈夫だからね?」

 

「それもそっか」

 

ひなたが勝手に納得するとユキ達は次の場所へと移動する事になったため移動を開始した。

 

「まったねー!」

 

「バイバーイ」

 

それからユキ達が去ってからひなたはハッとましろの声に似た妖精を思い出すが結局ユキ達には言えない事だったために思い出せなくて良かったと安心する事になっていた。

 

一行は更に先へと進むと今度は商店街へと到着。そこにはお店が出回っており、賑わいを見せていた。その中でヒョウは何かを見つける。

 

「あ。これじゃないか?すこやかまんじゅうって」

 

そこにあったのは先程ちゆと呼ばれた少女から教えてもらったすこやかまんじゅうであった。するとアルバイトと思われる金髪に紫の瞳をした女性がおり、その女性が対応してきた。

 

「いらっしゃいませ。ようこそ、すこやか市に」

 

「背高っ……」

 

「ボク達が並ぶと大人と子供みたいですね」

 

「ま、まぁ向こうは大人だろうし……」

 

「いいえ、私は……」

 

女性が何かを言おうとするものの、それを途中で口籠る。彼女にもやはり言えない何かがあるようだ。

 

「えっと、このすこやかまんじゅうをください」

 

それからユキ達はすこやかまんじゅうをお土産用と食べる用でそれぞれ購入。店を後にする事になった。

 

「あの方々……のどか達と同じような雰囲気を感じますね」

 

ユキ達が去った後にこの女性もそう小さく言っていたのは完全な余談である。

 

ユキ達は森林公園でひと休みするために公園に到着するとレジャーシートを広げて先程買ったすこやかまんじゅうをいただく事になる。

 

「はむっ……美味しい」

 

「うんまぁ〜」

 

「色んな味があってどれも美味しいね!」

 

ユキ達は話しつつゆっくりとした時間を過ごす。そんな中、ユキは先程まで出会った少女達のことを考えていた。

 

「そういえばさっきの子達って皆私達と同じくらいの年頃ばかりだったよね」

 

「言われてみればそうだな」

 

「金髪の女性に関しては一人だけ大人みたいだったけどね」

 

「もしかするとあの子達も私達と一緒で同じ学校で友達同士なのかも」

 

ユキ達がそんな期待に胸を膨らませる中、その瞬間突如として轟音が鳴り響く。

 

「ッ!?な、何!?今の……」

 

ユキ達が慌ててその方向に向かうと一人の少年のような存在がいた。その少年の周囲は赤い何かに蝕まれており、少年はユキ達を見据える。

 

「あなたは……」

 

「俺か?俺の名はクルシーナ。キングビョーゲン様を復活させるために動く者」

 

「キングビョーゲン?」

 

「それが何なのか知りませんがこの惨状は……」

 

その直後、クルシーナの近くに花が変化したと思われる巨大な怪物が現れる。

 

「メガビョーゲン!」

 

「ランボーグじゃ……ない!?」

 

「そのランボーグって言うのが何なのかは知らないが、とにかく俺の元に来たって事はお前らがキングビョーゲン様を倒したプリキュアって奴らか」

 

ユキ達はそれを聞いて驚く。そもそもユキ達はキングビョーゲンについては何も知らない上にそれを倒したプリキュアという事はこの街にもプリキュアがいたという事になる。

 

「まさか私達の知らないプリキュア……この街にもいたんですね」

 

「とにかく今はアイツを止めよう!」

 

それからユキ達はヒョウやあげは、エルを下がらせるとミラージュペンを構えると共にプリキュアへと変身。

 

「「「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「「「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

五人が変身を完了すると早速メガビョーゲンとの戦闘が開始されるのであった。




また次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。