メガビョーゲンに対抗するべく、プリキュアの五人は光と共に姿を変えていく。
「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」
「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」
「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」
「静かにひろがる白い雪景色!キュアスノー!」
「夜明けにひろがる眩い朝日!キュアサンライズ!」
「「「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」
五人が変身を完了するとクルシーナはメガビョーゲンへと指示を出す。
「やれ。メガビョーゲン」
「メガビョーゲン!」
メガビョーゲンは目を光らせるとビームを放つ。五人はそれを躱すとまずはウィングがメガビョーゲンの周囲を飛び回って牽制する。
「こっちです!」
「メガ……」
「「たあっ!」」
そこにスカイとサンライズの二人が拳をメガビョーゲンへと命中。ダメージを与えることに成功する。だが勿論その程度でメガビョーゲンが怯む事はない。
「メガビョーゲン!」
すると反撃とばかりに体から葉っぱ型のエネルギー弾を連射してくる。
「はあっ!」
それを見たプリズムが気弾を使って何とか着弾前に相殺していき、被害を減らす。
「多分、攻撃が地面に当たったらそこが蝕まれる。どういう原理かはわからないけど、これ以上侵食を進行させたらダメだよ!」
「「「「うん!」」」」
五人はメガビョーゲンの周囲に陣取るとバラバラの方向から同時に攻撃を叩き込む。これにより、メガビョーゲンはダメージを受けて下がった。
「やっぱり皆凄い。これなら……」
「いいえ、何か変よ」
「……え?」
「メガビョーゲンって奴がやられてるのにクルシーナは動じてない。もしかすると何か考えがあるのかも」
「それって……」
すると戦況が不利だと感じたクルシーナはメガビョーゲンへと更に指示を下す。
「メガビョーゲン。アレを使え」
「メガ!」
すると今度はメガビョーゲンが花粉を放つと周囲へと飛び散らせる。
「こんな花粉なんて……」
すると突如としてプリキュアの視界が変化。メガビョーゲンの位置がボヤけて見えるようになってしまう。
「何……これ」
「アイツの場所が……」
「こんなのこけおどしだ!」
サンライズは迷いを振り切ると突撃。炎を纏わせた拳を放つがそれはメガビョーゲンには命中せず。代わりに体勢を崩したサンライズが攻撃を喰らう始末だ。
「ぐうっ……」
「アイツ、どこを狙って……」
「ううん。多分アレはプリキュア達に幻覚を見せる花粉なのかも。だからメガビョーゲンの位置がわからなくなって攻撃も当たらなくなってるのかもしれない」
あげはの言葉にクルシーナは拍手を送る。それはまるであげはを賞賛するようだった。
「ご名答。今のアイツらはメガビョーゲンの幻覚作用のせいでまともにメガビョーゲンを狙えていない。今の奴等では俺のメガビョーゲンを倒すことなど叶わないという事だ」
「ッ……」
「どうすれば……」
迂闊に攻撃を仕掛ければ確実に攻撃は躱されて手痛い反撃を喰らうのは目に見えている。
「だったら!ヒーローガール!プリズムショット」
プリズムが真上に向かってプリズムショットを放つ。するとプリズムショットが弾けて周囲へと降り注いだ。その瞬間、地面に攻撃が当たる中、メガビョーゲンにも攻撃が命中。メガビョーゲンがそれを防ぐために声を上げてしまう。
「そこだ!」
スカイ達は命中時の音とメガビョーゲンの声を頼りに場所を特定。そこへと一斉攻撃を仕掛けるとメガビョーゲンはダメージを負う。更にこのタイミングで幻覚の効果時間も終わり全員の視界が元に戻った。
「幻覚が解けた!」
「良し、これなら戦える!」
五人は一気にメガビョーゲンを倒すために勢いづく。だが、それをクルシーナは黙って見ているはずがない。
「やあっ!」
スノーが攻撃をするために飛び出した直後。クルシーナはスノーの前に出てくるといきなりスノーを殴る。
「きゃあっ!?」
「スノー!」
スノーは叩きつけられるとこれまでの比ではないダメージに顔を歪ませた。そこにスノーをやられてサンライズが出てくると拳をクルシーナの顔面に命中させるがクルシーナにとってはそんなの痛くもないとばかりにサンライズの腕を捕まえてから地面へと叩きつける。
「ぐうっ……」
その間にスノーが立ち上がると浄化技を使ってクルシーナを浄化しようとした。
「ヒーローガール!スノーインパクト!」
スノーからのボレーキックが放たれるとクルシーナはそれを防御姿勢で簡単に受け切ってしまう。
「ッ……嘘。全然効いてない!」
「むしろその程度でよく倒せると思ったな?」
その瞬間、スノーは脚を捕まれるとそのままグイッとクルシーナの前にまで移動させられる。
「なっ!?」
「さてと……うーん。お前じゃないな」
「……え?」
その直後、スノーはクルシーナから衝撃波を喰らうと吹き飛ばされる。その間にメガビョーゲンと交戦する三人は疑問を抱く。何故スノーでは無いと言ったのか。その理由がわからなかった。
「スノーに何してやがる!」
サンライズはそんなのどうでも良いとばかりに突撃。炎を纏わせた拳を突き出す。それをクルシーナが受け止めるとその衝撃波が周囲を駆け巡る。
「……!」
サンライズの攻撃の瞬間威力が確かに上がったのを感じたクルシーナ。それを受けてクルシーナは下がると笑みを浮かべる。
「なるほど。お前は怒るとパワーが上がるのか。……これなら使えるかもしれないな」
「何?」
するとクルシーナはサンライズへの攻撃の手を執拗に強め始める。サンライズは油断したら何かをされると踏んで気を引き締めるとクルシーナに対応。
「ふふっ。なかなかやるじゃないか」
クルシーナが狂気の笑みを浮かべつつサンライズを攻め立てる。そんな中、サンライズは一旦クルシーナから距離を取ろうとする。どうにかしてスノーとの連携技を使えればクルシーナを倒しに行けるからだ。
「サンライズ!」
そこにスノーからの礫がクルシーナへと飛ばされるとサンライズは体をしゃがませる。そのタイミングで礫がサンライズの上を通過。そのままクルシーナへと命中。サンライズはその隙を逃さずに回し蹴りをぶつけた。
「くうっ……」
「スノー!」
「うん!」
サンライズとスノーはクルシーナが怯む一瞬の隙に二人揃うと手を繋ぐ。これはつまりプリキュア・エレメントスクリューの構えだ。
「サンライズフレイム!」
「スノーアイス!」
「二つのプリキュアの魂が!」
「闇の僕達を打ち砕く!」
「「プリキュア!エレメント……」」
その瞬間だった。クルシーナが二人の目の前にいたのは。技を発動させる寸前だった二人はそれをキャンセルせざるを得ず、防御をするために手が離れてしまう。そのためエネルギーは露散。しかももっと不味かったのはクルシーナが片手に何かの欠片を持っていたのだ。
「……え?」
「お前の体……使わせてもらうぞ」
それからクルシーナは手にした何かの欠片をサンライズへと押し当てようとする。
「ッ!サンライズ!」
その時。スノーが咄嗟にサンライズを突き飛ばすとその身代わりとしてスノーの体に欠片が押し当てられた。
「ッ!?」
「スノー?」
するとその欠片がスノーの体にめり込むように入っていく。と同時にスノーの体は悲鳴を上げ始めた。
「くっ!?うぅ……ぁあああっ!」
「スノー!?」
「はぁ……はぁ……う……ううっ」
そのままスノーは倒れ込み変身解除。ユキの姿に戻るとユキは顔を歪めて苦しがる。
「ユキ姉!」
「ユキちゃん!大丈夫!?しっかりして!私達がわかる?」
あげはとヒョウが駆け寄る中、ユキは顔が青くなっており明らかに気分が悪くなっているのが見て取れた。
「テメェ!!」
その瞬間、クルシーナへとサンライズが怒号と共に殴りかかる。それをクルシーナが受け止めるとその威力にクルシーナは僅かに下がった。
「……ふん」
「ユキに何しやがった!」
「別に?メガパーツを埋め込んだだけだけど?」
「メガパーツ?」
それを聞いたクルシーナは違和感を感じ取る。キングビョーゲンを倒したプリキュアだと言うのならメガパーツぐらいは知っているはずだ。だがこのプリキュア達はそれを知らないと来ている。
「……チッ。コイツら、キングビョーゲン様を倒したプリキュアじゃないって事か。どうりで弱いわけだ」
「何だと!?」
その瞬間、クルシーナは衝撃波を放つとサンライズを吹き飛ばしてしまう。その後、呼吸さえも苦しくなっているユキを見下ろした。
「そいつに埋め込んだメガパーツって言うのはそこにいるメガビョーゲンの一部から生み出された欠片だ。それを俺達ビョーゲンズが取り込む事で進化を遂げる事ができる。……そして、人間にそれを使えば新たなるビョーゲンズを生み出せる。まぁ、その力は俺よりは下回るからそこまで強いかと言われればそうじゃないがな」
「それでユキを……」
「勘違いするな。あの女はお前を庇った結果自分から感染しただけだ。元々はあの女よりも育てやすそうなお前に投与するつもりだったしな」
それを聞いてサンライズの中の何かがキレた。それは自分にとって大切な人を傷つけられただけでない。その事に対して相手が全く悪びれてない事にも怒ったのだ。
「ふざけんな……ふざけるなぁああっ!」
サンライズは体に獄炎を纏うとクルシーナへと突撃する。クルシーナはそれを受け止めるが、サンライズの怒りの炎は簡単に消えない。何度も何度も拳をぶつけてクルシーナをメチャクチャにしようと暴れる。
「ユキを、ユキをあんな目に遭わせておいて……お前だけはぁあっ!」
サンライズは拳に浄化の炎を纏わせてからそれをそのまま直接パンチとして繰り出す。
「ひろがる!サンライズブレイク!」
その一撃はクルシーナへと命中するが、それだけでは倒し切る事ができずにクルシーナはそのまま近くの壁に激突するのみだった。
「チッ。だが良いのか?俺にばかり気を取られて」
すると突如としてスカイ、プリズム、ウィングが吹き飛ばされてくると倒れ込む。そこにいたのはメガビョーゲン更に巨大化した様子だった。
「ッ!?」
「メガビョーゲンは時間が経てば経つほど進化する。お前らが戦っている間にも成長は続いていたんだよ」
という事はユキの症状も放置すればどんどん悪化していく。そう思ったヒョウはユキだけでも近くの病院にまで離脱させようと彼女に肩を貸そうとする。
「おっと。そうはさせない。その女にはこれからもっと苦しみを味わってもらわないとな」
そう言ってクルシーナは更にメガパーツをユキに投与しようとする。サンライズはそんなクルシーナを止めるために飛び出すが、今度は動きを見切られて逆にカウンターを喰らってしまう。
「ぐあっ!?」
「さて、邪魔なやつも消えたし……この女にもっとメガパーツを入れて強化してやらないとな」
そう言ってクルシーナはユキへと歩み寄る。それをスカイ達は痛みに耐えながら見ているだけしかできなかった。
「止めろ……止めろぉおっ!」
「「「プニシールド!」」」
その瞬間だった。三つの影が降り立つと共にクルシーナを吹き飛ばしたのは。
「ッ!?」
そして、そこにいたのはピンク、青、黄の衣装を着た少女達。更に後から紫の衣装を着た少女もやってくる。
「お前らは……」
「「「「地球をお手当て!ヒーリングっどプリキュア!」」」」
それはキングビョーゲンと激戦を繰り広げた果てにこの街を救ったヒーロー達の登場であった。
また次回もお楽しみに。