熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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道がわからない事による邂逅 オリジナルストーリー7話

ユキ達の他にアサヒ達もつぼみ達プリキュアチームと出会うのに前後して。そのどちらとも合流できていなかったプニバード族組であるツバサとヒョウの2人が合流。

 

ただ、ここも他の2組と同じく他の4人とは合流する事ができなかったがためにどうするべきか悩んでいた。

 

「あっ、ツバサいた!」

 

「ヒョウ!良かった」

 

ひとまずは2人で合流こそできたものの、どちらにせよ他の4人とはバラバラになってしまったためにまずは合流の必要がある。……ただ、この2人は合流する上で致命的な問題があった。

 

「ヒョウ、そういえばここがどこかわかりますか?」

 

「えっ?えっと……あれ?」

 

この2人が不運だった理由。それはタイミング悪くこのテーマパークの地図を持っていなかった事である。このテーマパークの中に入ったタイミングで貰っていた地図は丁度ましろが持っていたためこのような問題が起きてしまったのだ。

 

「どうしよう。地図、持ってない」

 

「ッ……それは困りましたね。ひとまず地図を探さないと」

 

ひとまず2人は他の4人を探すのと並行して現在の位置情報を知るために地図を探さないといけなくなってしまう。

 

「ツバサ、地図を探すとは言ってもましろさんが使っていたような地図って入場口以外に置いてある場所ってあるのかな」

 

「うーん……。確かに地図は普通テーマパークの出入り口付近にあるのが一般的ではあります。……ただ、それは手で持てるサイズのパンフレットに一緒に載っている小さい地図に限定した話になります」

 

「えっ?」

 

ヒョウはツバサの言葉に困惑する。手持ちサイズの地図以外にどこにテーマパーク全体を写した地図があるかわからなかったからだ。

 

「ほら、そう言ってる間に着きましたよ」

 

「あっ、これって……」

 

そこにあったのは大きめな看板に描かれているこのフェアリーパーク内を記した地図であった。確かに手持ちサイズの地図をテーマパーク内部で確実に手に入れる方法は限られている。しかし、その手の大型テーマパークの地図はこういう案内用の看板にも描かれている時が多い。

 

「このテーマパークの地図。ツバサ、よくこんなのがあるってわかったな」

 

「これを使えば現在地を割り出す事もできるはず」

 

それから2人が目の前の案内板に描かれた地図内部に現在地と書かれた赤い丸の部分を見つける。

 

「ここが現在地か……」

 

「現在地がわかったら次は皆と合流を……」

 

しかし、そこまで行った所で2人は思考が停止。理由は単純。地図でテーマパーク全体像を見てしまったが故に広い敷地内のどこを探せば良いのかが分からなくなってしまったのだ。

 

「な、なぁツバサ。俺達、どこを探せば良いんだ?」

 

「うっ……どうしましょう。ボク達の現在地がわかった所で他の皆さんの場所がわかるわけじゃないんですよね」

 

一応自分達が逃げてきたと思われる方向は逆算すれば出てくるのでそれ以外を探せばどうにかはなる。しかし、他の4人も当然自分達を心配して歩き回るだろう。そう考えた場合、歩き回る事自体が悪手になりかねない。

 

「歩き回っても迷子になってダメ。その場にいても来てくれるか分からない……ッ、どうすれば」

 

「そうだ、それこそ皆に連絡を取ってみるのは?ここに地図があるからここまで俺達が案内して誘導すれば……」

 

「なるほど、それならボク達が動かなくても皆さんと合流できます!」

 

2人も前回説明した通り、当然スマホを所持している。そのため、通話しながら他の4人にここに来て貰えば万事解決するだろう。そして、その方法なら地図を持っていないましろ以外の3人もここに来ることができる。

 

「こうなったら早速電話だな」

 

「はい!」

 

それから早速2人はユキ達他の4人へと電話をしようとする。……しかし、イレギュラーというものは突然発生する物だ。

 

「えっと、ユキ姉ユキ姉……」

 

「ッ!ヒョウ、危ないです!」

 

「えっ?」

 

その瞬間、ツバサが何かに気がついて慌てて声を上げるとヒョウがそれを聞いてツバサの方を向く。その視線が移動する一瞬の刹那。目の前に人が背を向けながら自分のいる方向に向かってきているのに気がついた。

 

「響、前!!」

 

「へ?ま、前?」

 

そして、そのタイミングで迫ってきている人の連れの人と思われる声が聞こえるとヒョウの前に迫っていた人が振り向く。

 

同時に視線が下を向いていたヒョウはその人への反応が遅れ、同時に今振り向いた人もヒョウの存在に気がつくのが遅れていた。

 

「「うわっ!?」」

 

そのままヒョウと歩いてきていた人が正面衝突。そしてプリキュアのお家芸と言わんばかりのおでことおでこのゴッツンコが発生。直後に体格差で押し負けたヒョウはその場に尻餅を着いてしまう。

 

その時、何故かヒョウが女の子のような悲鳴を上げたのだが……それはさておくとして。

 

「えっ、あっ!きゃっ!」

 

ヒョウは手にしていたスマホを思わず手放しそうになってしまう。するとヒョウにぶつかってしまった相手が咄嗟にヒョウの体を支えるように動くと彼が倒れないようにフォロー。そのおかげでスマホを落としてしまうという最悪の事態は避けられた。

 

「ホッ……セーフ」

 

その相手は明るめの茶髪をした少女であり、髪形はツーサイドアップ。髪留めは左右共にピンクのリボンを使っていた。また、瞳の色は暗めな青で見た目から如何にも体育会系な雰囲気を見せていた。ただ、同じ体育会系女子のラブと比べると髪のボリューム量で差別化できそうである。

 

「大丈夫?」

 

「えっ、は、はい」

 

「良かったです。お二人共怪我は無さそうですね」

 

「勿論大丈夫だよ!」

 

この一連の光景を見ていたツバサは安堵したような顔つきで駆け寄ってくると同じタイミングでそこに3人の人影が現れる。その3人はヒョウにぶつかってきた少女へと詰め寄った。

 

「もう、響ってば。はしゃぎすぎ」

 

「ごめんごめん奏。私も気持ちが乗っちゃって」

 

「まぁ、浮かれる気持ちはわかるよ」

 

「でも、だからって人様の迷惑になるような行為はダメでしょ」

 

やってきた3人がツーサイドアップの少女を戒めるように話すとその少女は申し訳なさそうに頭の後ろを掻く。この3人の容姿を纏めて説明すると以下の通りだ。

 

1人はオリーブ色に近い茶髪の少女で髪はセミロングヘアを頭頂部でハーフアップにしていた。瞳の色は暗めな緑で見た目はツーサイドアップの子と比べると比較的大人しそうな雰囲気を見せる。身長はツーサイドアップの子とほぼ同じだ。

 

1人は紫の髪色をした少女であり、長髪の髪の一部を左側で黄色のシュシュを使い一房纏めたサイドポニーのような髪型にしている。また、瞳は橙色がかった金であった。また、顔つきは太眉のデコが出ておりツリ目なのがクールさを引き立てている。

 

1人はオレンジ寄りの茶髪の髪色をした少女であり、髪型はボブカット。また、他3人と比べると背が低く。その影響で幼さが出ている。また、赤いアンダーリム眼鏡をかけているため幼さとは裏腹にしっかりしてそうな印象は見えた。

 

「ごめんね、響が前を見てなかったせいで迷惑をかけて」

 

「い、いえ。俺もスマホを出すのに夢中で」

 

「ほ、ほら。この子もこう言ってくれてるし……」

 

ヒョウが自分の悪い所を話していると響と言われた少女は完全に自分1人が悪い状況にされているのをどうにかしようとする。しかし、それを彼女の友達と思われる人達が許すはずがない。

 

「それでも今回は明らかに響が悪い」

 

「そうね。流石にこれはアコの意見が正しいかな」

 

「ちょっ!?アコ、エレンまで……」

 

「わかったら反省する!」

 

「はい、すみません……」

 

この状況を見たプニバード組の2人は唖然とした顔つきのままだった。流石にここまでの事態は想定してなかったようである。

 

「え、えっと……」

 

「ほら、響」

 

「もう、そんなに言わなくてもわかってるよ。……さっきはごめんね」

 

「いえ……」

 

それから謝罪が済んで4人と別れそうになった時。ふとエレンと呼ばれた子が何かに気がつく。

 

「あれ、そういえばあなた達。どうしてこんな所でスマホで電話をかけようとしてたの?」

 

「「えっ?」」

 

エレンに聞かれて2人が顔を見合わせる。そして、アコと呼ばれた少女ががそんなエレンの疑問に補足した。

 

「ここで待ち合わせしてたとかじゃない?丁度わかりやすい目印の前で待機してたとか」

 

「あはは、実は……」

 

それからツバサとヒョウは4人へと事情を説明。自分達が友達と一緒にここに来ている事、そしてその友達と逸れてしまっている事。それを聞き終わると響と呼ばれた少女が興奮したように声を上げる。

 

「じゃ、じゃあ2人はパーク内にいる友達を探してるんだね!」

 

「端的に言うとそうなります」

 

「なるほど、私達と同じか」

 

「同じ?」

 

「実は私達も同じなのよね。待ち合わせの時に響が家に財布を忘れてきちゃったから」

 

「なっ!?そんな事言ったら奏だって皆に配る予定のクッキーを忘れた〜って言って取りに帰ったじゃない!」

 

どうやら、この4人の内、響と奏の2人が家に忘れ物をしたらしく。それを取りに戻った影響で待ち合わせに遅刻したようだった。

 

尚、もし仮に忘れたまま転移していたとしてもチケットの効果で忘れ物は自動的に手元に来る仕様のためこの2人のやった事はただの無駄足なのだが。

 

「なるほど……その友達というのは?」

 

「えっと……とあるサークルみたいな物?」

 

「12人くらいで集まるって話だったから」

 

ツバサとヒョウは何となくその話を聞いて違和感を感じていた。見た様子だと中学生くらいの集まりなのだろうが、それだとアコという明らかに小学生くらいの子がいるのは浮いてしまう。そういうサークルって言われたらそれまでだろうが……どうしてもその大人数でパッと浮かんだのがそれだったのか。ヒョウは思わずそれを口にする。

 

「サークル……大人数。もしかしてプリキ……」

 

「ヒョウ、ストップです止まってください!!」

 

ヒョウが思わずプリキュアを口走ろうとした瞬間にツバサが慌てて彼の口を手で抑える形で止める。そして彼は慌てた様子でヒョウへと言い聞かせた。

 

「プリキュアの事は言ったらダメですよ!まだそうと決まったわけじゃないんですから」

 

「ご、ごめんツバサ。ついうっかり……」

 

「「待って、あなた達。今プリキュアって言いかけた?」」

 

ただ、ヒョウの言葉を一部聞かれてしまったのか。先程まで遅刻の責任を押し付けあっていた響と奏が物凄い勢いで食いついてきた。

 

「「うわあっ!?」」

 

その瞬間、2人は驚いて思わずプニバード族にその姿を変えてしまう。そしてこうなると……もう言い逃れはできなさそうだった。

 

「「……あっ」」

 

結局その後、一同は別の場所に移動して改めて自分達がプリキュアとその仲間であると言うことをカミングアウトした。勿論ツバサとヒョウは会話するのに合わせて再度人間態に戻っていたが。するとその際に響達4人もプリキュアである事が発覚する。

 

「まさかこんな所に私達と約束していた子達以外で他のプリキュアが来てたなんて」

 

「まぁこの前のダークネスの件があったのでプリキュアがいる……というのは把握してましたけど」

 

「私達もビックリだよ。アコみたいに小学生のプリキュアがいるのはわかってたけど、まさか男の子のプリキュアがまた新しく誕生してたなんて」

 

「……なんかすみません、俺はプリキュアじゃなくて」

 

「あはは、そこは気にしなくて大丈夫だよ……」

 

響達がツバサのように新しい男子プリキュアの誕生に驚く中、ヒョウは自分だけプリキュアじゃないために除け者にされたようで少し不機嫌になっていた。

 

「あ、自己紹介が遅れたけど。アタシは北条響」

 

「私は南野奏。響とは幼馴染なの」

 

「私は黒川エレン。よろしく」

 

「私は調辺アコ。あなた達は?」

 

この自己紹介でツーサイドアップの子が北条響。ハーフアップの子が南野奏。紫髪の子が黒川エレン。一番幼い子が調辺アコというのが確定。続けてプニバード組のターンである。

 

「ボクはツバサです」

 

「俺はヒョウ」

 

「「「「……うん?」」」」

 

4人が自己紹介をした後にツバサとヒョウが自己紹介をすると首を傾げてしまう。

 

「どうしました?」

 

「えっと、名前はツバサ君とヒョウ君なんだろうけど……苗字は無いの?」

 

「「苗字……あっ」」

 

2人は指摘を受けて頭を抱えてしまう。今までは自分の名前だけで通していれば良かったのだが、今回のように外で会う時に苗字が無いというのは色々と不便であることを感じ取った。

 

「そ、それはえっと……」

 

「じ、実は……」

 

「そっか。まだ決めてない感じね……あのさ。私、元々は猫の妖精だったのよ」

 

2人がどうにか誤魔化そうとするとエレンが自分が元々猫の妖精だったという話をしだしたために2人は驚きの声を上げる。

 

「へぇ……猫の妖精」

 

「って、ええっ!?」

 

「今はもう変身できないけどね。でも、人間界に溶け込むのなら苗字はあった方が都合が良いから」

 

「そう……ですよね」

 

「考えてみます」

 

エレンからのアドバイスを受けて2人は人間態の時に名乗る苗字が必要だという事を意識するようになる。

 

それはさておき。まだ自分達の問題が全て解決したわけでは無い事を思い出すとツバサは響達にある事をお願いした。

 

「あの!響さん達にお願いが……」

 

「ツバサ?」

 

「ボク達と一緒にお互いの友達を探しませんか?」

 

それを聞いてヒョウは驚いたような顔になる。勿論その方が効率が良いというのはヒョウとてわかっているが、自分達の都合にあまり巻き込むのも良くないのではないかと感じていたのだ。

 

「ツバサ、それ大丈夫なのか?」

 

「でも、その方がお互いにとっても見つけやすくなると思いますよ」

 

2人が会話をしていると響達は4人で顔を見合わせてから微笑みを浮かべる。

 

「わかったよ。それじゃあ、私達で一緒に探そう」

 

「ッ!?良いんですか?」

 

「勿論だよ。むしろ、私達の方も手伝ってくれてありがたいし」

 

「ええ。その方がきっと見つけやすいと思うわ」

 

「ここまで来たら一緒に頑張りましょう」

 

響に続いて他の3人も納得。そして、相手が納得しているのなら迷っていたヒョウからしても断る理由は無い。

 

「ッ……皆さん。よろしくお願いします」

 

「「「「オッケー!」」」」

 

こうして、ツバサとヒョウのコンビも響達と共にバラバラになってしまった友達を探す事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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