熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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湧き出る闇の兵士達 オリジナルストーリー10話

17人のプリキュア達がシャドーの前に勢揃いし、彼を見据える。絵面だけ見たらどう見ても過剰戦力にはなるのだが、相手はあのシャドーだ。スノー達4人だけの時に本気を引き出す事さえ叶わなかった相手。

 

そう考えると過剰戦力気味ながらもプリキュア側が全力で挑むのは当然の事だろう。

 

「……なるほど、プリキュア。それが俺達を邪魔する者の名か」

 

「「「「「……えっ?」」」」」

 

すると、シャドーの反応を聞いてスノー達ひろプリ組の5人は困惑する。何しろ、今のシャドーの反応はまるでスノー達の事を知らない反応だった。

 

そのため、普段から彼との激闘を繰り広げていたスノー達が困惑するのも無理はない。

 

「お、おいシャドー。何で俺達の事さえも知らないんだ!何度も戦っただろ!」

 

「戦った?何の事だ。それに、俺は確かにシャドーだが……お前達に名乗った覚えは無いぞ」

 

シャドーの言葉にスノー達は顔を見合わせる。何しろ、ついこの前までバチバチにやり合っていた相手から初対面宣言をされてるような物だ。そのため、彼等の困惑は計り知れない。

 

「本当に私達の事を知らない……」

 

「どういう事だろ……」

 

「えっと、アイツはスカイ達の知り合いなんだよね?」

 

スノー達が困惑していると彼女達以上にシャドーの事を知らないピーチ達他のプリキュアはもっと困惑した様子だった。

 

「う、うん。私達とはいつも戦ってて。凄い強さを見せてくるんだけど……」

 

「何故か記憶が無いって事ですか……」

 

「考えても仕方ないよ!どっちにしてもレインボージュエルを狙うのなら倒さないといけないし!」

 

メロディにそう言われてスノー達も事情はどうあれシャドーがいるという事は戦わないといけないという事に変わりはない。

 

「まぁ良い。お前達に俺を倒すという目的があるのと同じ、俺にもそこにあるレインボージュエルに闇の力を注ぐという目的がある」

 

「闇の力を……注ぐですって!」

 

「そんな事、絶対にさせないよ!」

 

「それに、アタシ相手に1人で挑むわけ?流石にそれで勝てるなんて思ってないよね?」

 

ベリー、リズム、マリンが口々にそう言ってシャドーを牽制するとシャドーの方はその言葉は最もとばかりに笑みを浮かべる。

 

「……ああ、俺とてそこまで馬鹿では無い。お前達17人を相手に俺が1人で真っ向勝負をした所で勝ち目は薄いだろう」

 

どうやら、シャドーも自分1人でこの人数相手に勝てるとは思ってないようで。プリキュア側の主張を否定する様子は無かった。

 

「だから俺にも打つ手がある。まずはそれを見せてやろう」

 

そして、シャドーは自分には策があるとばかりに手を地面に置くとそこに闇のエネルギーを流し込む。

 

「我が配下の兵……影の兵士よ、来るが良い!!」

 

その瞬間、地面に黒い沼地のような物が発生すると真っ暗な液体が隆起し始めた。

 

「ッ!何あれ!」

 

「液体が人型に変わってるわ!」

 

「まさか、兵士って事は……」

 

「その通りだ。此奴らは俺の……いや、シュラ様から与えられた俺達幹部の私兵達。影の兵士だ。力は俺に遠く及ばないが、闇の力がある限り幾らでも呼び出せる」

 

シャドーの解説が進むごとにその闇の力は完全な人型として完成。そして、プリキュア達を睨むように顔を上げて赤い瞳を発光させて起動完了する。

 

「成程、これだけの数を出せるから私達を見ても驚かなかったわけね」

 

「多分、砂漠の使徒で言えばスナッキーみたいなポジションなのかも」

 

「でも、数を揃えたって1人ずつは弱いはず」

 

ミューズの予想通り、この影の兵士の個々の戦闘力はそう大した事は無い。だが、そう思って油断していると数の暴力で押し切ろうとしてくるのは明白だろう。

 

「皆、油断せずに行こう」

 

「おっと、当然だがこの俺も直接お前達の相手してやる」

 

するとシャドーも背中の刀を抜き放つとやる気を見せる。そのため、プリキュア側はより一層気を引き締めた。

 

「やれ、影の兵士よ」

 

その瞬間、シャドーの指示と共に影の兵士達はプリキュア達を倒すために走り出す。同時にプリキュア側も飛び出すと戦いを開始するのだった。

 

「はあっ!」

 

影の兵士達は基本的に無言ながらもプリキュア達を敵と認識してるらしく。シャドーの指示に従ってプリキュア達を攻撃。ただ、その戦闘力は低いのでプリキュア達からしてみれば割とあっさり対応はできてしまう。

 

「行くよ!リズム!」

 

「うん!」

 

メロディとリズムは呼吸を合わせると2人が手を叩き、ステップを踏むとそのまま手を繋ぎ、技名を叫ぶ。

 

「「プリキュア!パッショナートハーモニー!」」

 

そして、繋いだ腕を上に掲げてから前に突き出すと正面にハートと合体した金色のト音記号が生成。それが回転するとエネルギー波として一気に放出。その力で影の兵士達は次々と蹴散らされて行った。

 

「だだだだっ!」

 

更にスカイは兵士達に向けて突撃すると勢い良くラッシュを繰り出して迫り来る敵を倒していく。

 

「皆行くよ!」

 

「「オッケー!」」

 

続けてピーチ、ベリー、パインが同時に踏み込むと跳び上がり、影の兵士達に向けてキックする体勢に入る。

 

「「「トリプルプリキュアキーック!!」」」

 

3人同時のキックが影の兵士へと炸裂。兵士達は吹っ飛ばされるとそのまま他の兵士達を巻き込んで叩きつけられる。

 

「たぁああっ!」

 

その時、遠距離攻撃手段のあるプリズムが気弾を連射するとそれで兵士達を制圧。ただ、兵士達はそれを見てプリズムを厄介な存在として認識したのか。気弾に狙われてない兵士が彼女のいる場所へと両側から迂回する形で回り込もうとする。

 

「させませんよ!」

 

「おっと、ここからは通行止めだからね!」

 

しかし、当然その動きはプリキュア側からも見えている。そのため、ブロッサムとマリンがすかさず対応するとそれぞれが技を放つ。

 

「ブロッサムシャワー!」

 

「マリンシュート!」

 

2人が手を正面で動かすとブロッサムが桜吹雪。マリンが水弾を放つ。それらが回り道しようとした兵士達を一蹴していく。

 

「私達も負けない!はぁああっ!」

 

「ふふっ、やっぱりミューズは負けず嫌いね!」

 

ビートとミューズもそれぞれが格闘戦で兵士達を圧倒。そして、シャドーの方もここはいつも通りと言うべきか。スノーやサンライズとの交戦を開始。

 

「シャドーがこっちに来た!」

 

「俺達を最初に狙いに来るのは変わらないのか」

 

「何の事だかわからんが。まずはお前達からだ!」

 

シャドーは背中の刀で2人を薙ぎ払うように攻撃。2人はそれにダブルパンチで対抗する。

 

「「はぁああっ!」」

 

そのパワーは拮抗するが、当然シャドーは全くもって全力を出してない。そのため、シャドーが少しずつ押し込んでいくと2人は纏めて吹き飛ばされてしまう。

 

「ぬん!」

 

「「うわっ!?」」

 

「受けてみろ!」

 

シャドーが刀を前に突き出すと周囲に生成された闇の刃が次々と2人へと射出される。

 

「そうは行かないよ!サンフラワーイージス!」

 

だが、この攻撃はサンシャインが展開したひまわりの花型のバリアによって防がれるとシャドーは目を見開く。

 

「私もいるわ!」

 

更に驚いているシャドーに対してパッションがアカルンの能力で瞬間移動。そのまま回し蹴りを叩き込む。流石に蹴りそのものは刀で防御されたものの、後ろに押し込まれて飛ばされた。そこにすかさずムーンライトが追撃する。

 

「プリキュア!フローラルパワー・フォルテッシモ!」

 

繰り出されるのは当然ムーンライトが単体で放つことができる最高火力。手にした銀色の杖、ムーンタクトを構えると共にムーンライトの前にffのマークが浮かび上がる。そしてその光を自らに纏い、銀色のハートマークのエネルギーを纏うと一気にシャドーへと突進した。

 

「はぁあああっ!」

 

「ッ!」

 

シャドーはそれに対して刀で防御する……が、流石は歴戦の戦士であるムーンライト。彼女のパワーはシャドーを圧倒するとそのまま地面に叩きつけさせた。

 

「ぐっ……」

 

その直後にムーンライトは煙の中から飛び出すとスノーやサンライズの前に着地する。

 

「強い……ムーンライト、私達と比べて二回りくらいは上の力があるのかも」

 

「ああ、でもこれならシャドーを……」

 

「安心するのはまだ早いわ。それに、少し嫌な予感もしたのよね」

 

「「嫌な予感?」」

 

スノーとサンライズはキョトンとした顔を浮かべる中、直後に煙が一気に吹き飛ぶとシャドーが割と平気そうな顔で現れる。どうやら、ムーンライトの攻撃を余裕を持って耐え切ったらしい。

 

「今のは効いた。だが、俺を倒すのには届かないな」

 

「ムーンライトのあの技でもダメか」

 

「これはかなりの強敵かも」

 

その余裕さからパッションやサンシャインもシャドーの強さをある程度認識したのか、気を引き締めた顔を見せる。

 

「さぁ、来るが良い。まだまだ俺の力はこの程度では無いぞ」

 

そのまま5人のプリキュア達はシャドーとの交戦を再開。一方で影の兵士を圧倒するプリキュア達も違和感を感じ始めていた。

 

「この兵士達、やられてもやられても復活してませんか!?」

 

「うん、倒された分だけ生成されていそうって言うか……」

 

「だったら一箇所に纏めて一掃するよ!」

 

「そうね、やってみましょう!」

 

プリキュア達はバラバラに影の兵士を倒すのでは無く、影の兵士と戦いながら彼らを一箇所に纏めるように攻撃を開始。

 

「で、でも一箇所に纏めるって言ってもどうやって……」

 

「あなたは私と一緒に追い込む役。行きましょう」

 

プリズムが困惑する中、ビートが話しかけると彼女は水色のギター型のアイテム、ラブギターロッドを構える。

 

「ララ!」

 

「弾き鳴らせ!愛の魂!ラブギターロッド!」

 

そして、ギター上部にラリーが装填されるとギターを弾き鳴らしつつ音符型のエネルギー弾を生成。すると音符の丸い部分が矢印のような尖った形状に変化する。

 

「ビートソニック!」

 

そのまま射出されたエネルギー弾が影の兵士達の周囲に着弾して少しずつその動きを一箇所に集まるように誘導して行った。

 

「あっ、そういうことか!はあっ!」

 

プリズムもそれを受けて自分の役割を理解。少しずつ影の兵士を誘導していく。その中でミューズは影の兵士が増殖している場所を探す。

 

「兵士が無限に出てくるならきっと生まれる場所があるはず……ッ!」

 

すると先程シャドーが最初に兵士達を生み出した場所辺りに闇のエネルギーの水溜りのような場所があるのを見つけた。

 

「あの水溜り、まだ残ってる……そっか、あそこから!!」

 

それからミューズはそこから兵士が生まれているのを確認すると他のプリキュア達にそれを伝える。

 

「皆!最初にシャドーが兵士を生んだ場所!あそこに誘導して!」

 

「わかりました!」

 

「そうと決まれば!」

 

「「プリキュア!ダブルシュート!」」

 

ブロッサムとマリンは兵士を誘導するために掌から同時にエネルギー弾を射出。兵士を脅す形で集めていく。

 

「良し、段々集まってきてます!」

 

スカイは兵士達が全員水溜り付近に集結するのを確認。彼女は万が一兵士が逃げていて撃ち漏らしがいたら困るために改めて確認を行うとそれが無い事を伝える。

 

「皆さん!これで兵士は全部です!」

 

「わかった!じゃあ後は!」

 

するとミューズは胸に装着していたアイテム、キュアモジューレを取り外すとそこにフェアリートーンを装填する。

 

「おいで!シリー!」

 

「シシー!」

 

そのままモジューレを反転させるとボタン側に吹き口が展開して掛け声を叫ぶ。

 

「“シ”の音符のシャイニングメロディー!」

 

ミューズが吹き口から息を吹きかけると“シ”の音が周囲に鳴り響く。同時にミューズの体が五つに分身すると影の兵士達が固まっている水溜りを囲むように正五角形の五つの頂点として並ぶ。

 

そして、その5人がモジューレを突き出すと光が飛び出して星を描くように5人が結ばれる。

 

「プリキュア!シャイニング・サークル!」

 

ミューズが構えながらそう叫ぶと地面からエネルギーが浮かび上がり、影の兵士が完全に逃げられなくなる。

 

「今がチャンスだよ!」

 

「任せて!」

 

そこでまずはピーチ、ベリー、パインが手を上で叩いてから3人揃って同じポーズを取る。

 

「「「悪いの悪いの飛んで行け!」」」

 

それからピーチがハート、ベリーがスペード、パインがダイヤマークを手で作ると同時にエネルギー波を放出する。

 

「「「プリキュア!トリプルフレッシュ!」」」

 

3人が放出したピンク、青、黄色のエネルギー波は影の兵士に降り注ぐとその数を減らしていく。ただ、やはりまだ威力が足りていない。そこにすかさずブロッサムとマリンがアイテムを取り出す。

 

「「集まれ!花のパワー!」」

 

2人はブロッサムタクト、マリンタクトを構えるとクリスタルドームの部分を回転させつつ2人揃って掛け声を放つ。

 

「「集まれ、二つの花の力よ!プリキュア!フローラルパワー・フォルテッシモ!」」

 

ブロッサムとマリンはそれぞれfの字を描くとそれが二つ分でムーンライトと同じffへと変化。二つの球体が合体してハート型を作り出すと影の兵士を轢き潰す形で全部纏めて粉砕する。

 

「「ハートキャッチ!」」

 

その瞬間、爆発が起きて影の兵士は消滅する……が、まだ水溜りが残っているためにそこから復活しそうになっていた。

 

「嘘ぉ!?まだそれが残ってたら復活しちゃうの!?」

 

「いいえ、それなら!」

 

「これで決める!」

 

その水溜りの処理を請け負うのはメロディとリズムだ。2人がそれぞれのアイテムであるミラクルベルティエ、ファンタスティックベルティエを構える。

 

「ミラクルベルティエ!」

 

「ファンタスティックベルティエ!」

 

「「セパレーション!」」

 

2人がベルティエを分割するとすかさず分割した片方を相手へと移行させつつ再度合体させる。

 

「「2つのトーンを1つの力に!」」

 

「ミラクルベルティエ・クロスロッド!」

 

「ファンタスティックベルティエ・クロスロッド!」

 

「「駆け巡れ!トーンのリング!」」

 

そして2人が薄青色、薄橙色、薄ピンク、薄黄色の4つリングを生成して手を繋ぐ。直後にピンクの5つ目のリングが生成されると一気に力を解放する。

 

「「プリキュア!ミュージックロンド・スーパーカルテット!」」

 

掛け声と共に5つのリングから一斉放出されたエネルギー砲は水溜りを地面ごと抉るように呑み込むと一気に浄化の光で包み込む。

 

「「せーのっ!フィナーレ!」」

 

直後に大爆発が発生して再度生成されようとしていた兵士が闇の液体ごと浄化。完全に攻略される事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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