熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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剛力の剣士・ベンケイの力 オリジナルストーリー12話

プリキュア達の前に現れた四剣刃。彼等が課したミッション、それは観覧車のメーターが一周するまでの間に四方にある剣を破壊する物だった。そして、それが伝えられた直後。ベンケイの力によって分断されたプリキュア達。

 

その衝撃から少しずつ各地に散らばったプリキュア達は目を覚ます事になる。

 

「ッ……ここは……はっ!!そうだ、時間!!」

 

遊園地の一角で目を覚ましたスカイは慌てて観覧車の時間を確認。ただ、幸いな事にあまり時間は経過してないのか。針は2進んで現在3目盛り目であった。

 

ちなみに一周した時の目盛りは12。そのため猶予はあと9目盛り分となる。

 

「ッ、まだ大丈夫ですがあまりうかうかとはしてられませんね。皆さんもきっと近くの剣の元に集まるはず。先を急ぎましょう!」

 

スカイは急いでその場から駆け出すと自信の視界の先にある剣へと向かう。その先にあったのはレインボージュエルから見て南東の柱だった。

 

「早く、早くしないと……ッ!?」

 

ただ、走るスカイの目の前には多数の影の兵士達が待ち構えている。それを見たスカイは邪魔をするなと言わんばかりに真っ直ぐ突撃して拳のラッシュを繰り出す。

 

「はぁあああっ!だだだだだだだっ!」

 

スカイからの猛攻撃を前にあっという間に蹴散らされる影の兵士達。しかし、当然ながら彼等は割とすぐに影から湧き出る形で復活してしまう。

 

「ッ、やはりこの兵士達はあまり相手にしない方が良いですね!」

 

先程のように湧き出る源泉を見つけてそこを丸ごと叩けるだけの火力のある技が使えれば一掃するのもありだが、生憎スカイ1人でそれをやるのは難しい。

 

加えて今回のゲームのクリア条件に影の兵士達を撃破するというのは入っていない。彼等はプリキュアを邪魔するためだけに召喚された所謂肉壁でしか無いのだ。

 

「今は急いであそこにある剣へと向かわないと!」

 

スカイは自分の正面から来る個体だけを相手しつつ蹴散らす形で前に前にと進んでいく。もし立ち止まればその瞬間に影の兵士が群がってきて長時間の足止めを受けてしまうからだろう。

 

「ヒーローガール!スカイパンチ!はぁあああっ!」

 

スカイはスカイパンチを発動させると直線上にいる影の兵士達を容赦なく薙ぎ払っていく。そして、その群れを突き抜けるとそのまま地面を踏み込んで猛スピードで加速。完全に置き去りにする形で進んで行った。

 

「良し、あとは逃げ切るだけです!」

 

スカイは暫く走ってから一瞬だけ振り返ると追ってきていた影の兵士達はスカイを見失ったのか……誰1人としてスカイを追う者はいなかった。

 

「どうにか撒きましたね……っと」

 

そして、スカイが影の兵士を撒いたと同時に走っていた状態から急停止する。そこにあったのは彼女の目的の物……レインボージュエルに力を送る巨大な剣であった。

 

「これが四剣刃の皆さんが言っていた剣ですね……近くで見ると途方も無いくらいの大きさですけど、これさえ壊せば……」

 

この巨大な剣のサイズは巨大な剣の形をした城とも言えるくらいの大きさであり、少なくともスカイが単独で壊すにはかなり厳しい予感がしていた。

 

「他の皆さんが来るのを待つべきか、それとも……」

 

「ふん。もう1人兵士達を突破してここに来たか。少しはやるようだな」

 

その瞬間、野太い声が響くとそこに1人の男……剛力剣のベンケイが姿を現す。そしてベンケイは自身の扱う武器として巨大な大剣を構えていた。

 

「如何にも力強そうな人ですね」

 

「お主の言う通り、我は四剣刃随一のパワーを持つ者。お主にこの我を突破できるか?」

 

「確かにあなたは力強いかもしれません。それでも、私はここで退くわけには行かないんです!」

 

スカイは剣を破壊するためには目の前にいるベンケイを相手にしないといけないと判断。まずはその屈強な肉体へと打ち込む形で連続での拳を放つ。

 

「はぁあああっ!」

 

「来い!」

 

するとベンケイはスカイからの攻撃を避けるどころか動く事すらせずに真正面から受け止める。

 

「ッ!?な、何で避けないんですか!?」

 

「答えは簡単だ。……その程度、避ける必要すらない」

 

スカイが何故か攻撃を回避してこないベンケイに対して困惑する中、ベンケイは仁王立ちしたままスカイの拳のラッシュを微動だにせず受け切ってしまう。

 

「そんな、全然効いてない!?」

 

「ならばこちらからも行くぞ」

 

するとベンケイは手にした大剣を振り抜くとスカイは咄嗟に後ろに跳んで回避する……が、その凄まじいパワーの影響か。剣を振るった直後に衝撃波が駆け抜けた。

 

「なっ!?」

 

「動きが止まってるぞ?」

 

するとその瞬間、ベンケイは大剣を振り抜いた勢いでそのまま体ごとその剣の勢いに任せるように向きを変更。そして剣をスカイから見て上に振り上げた体勢を作り出す。

 

「ッ!?」

 

「はあっ!」

 

ベンケイがまた勢いよく太刀を振り下ろすとスカイは無理矢理体を捻る形で攻撃を紙一重だったが回避。ただ、その一撃も重いためか後ろに衝撃波が駆け抜けていく。

 

「一撃一撃が重い……その分動きは遅めで大振りですけど、その欠点を補うようにベンケイ自身の肉体の防御力の高さ。これは強敵です……」

 

「ふむ、お主も中々やるな。そこまでの身のこなし、普通の生活では身につかない物だぞ」

 

「ええ、私は毎日トレーニングをして体は鍛えてますからね。ただ、それでもあなたの防御力には勝ててないみたいですけど」

 

「では俺を相手に打って来いお前の力をぶつけてみろ」

 

「言われなくてもそうします!!」

 

ベンケイに全力でぶつかるように促されたスカイは積極的に前へと出るとベンケイへと殴りかかる。

 

「たぁああっ!」

 

スカイは大剣を振るって対処しようとするベンケイに対し、回避重視のヒットアンドアウェイ戦法で挑む。勿論可能なら踏み込んだ強力な一撃を当てたいのだが……ベンケイを倒すには彼が対応できない程の連続攻撃が有効だとスカイは考えていた。

 

「む、俺を少しずつ弱らせる気か」

 

「ええ、あなたの一撃は重いですからね。少しずつ対処させてもらいます!」

 

スカイは高速移動をしながらベンケイへと攻撃を当てる。そのままの流れで一旦離れるを繰り返して僅かずつ着実にダメージを与えていった。対してベンケイはスカイの動きを追っても無防備な瞬間を狙われると思ったのか。逆に急所だけを守る防御姿勢を持ってして対応してきた。

 

「ッ、彼が守りに入った……でもこれはチャンスです」

 

スカイは防御姿勢でダメージが入りにくくなったものの、結果的に自分への攻撃の頻度が減るのならそれは彼女にとって好都合だった。このままベンケイが反撃できなくなるまでダメージを与え続ければその間に他のプリキュアが剣を破壊するという事に繋がる。

 

「だだだだだ!」

 

「ぬうっ……」

 

スカイは息づく暇もなく次々と攻撃を命中させてはベンケイへと拳、蹴り、肘打ち、飛び膝蹴りと様々な攻撃を当てて自分のペースに持ち込む。

 

「あなたはこのまま私が引きつけます!」

 

「なるほど、良い作戦だ。だが!」

 

するとベンケイは突如として目を光らせると地面から土で練り上げられた棘が生えてくる。そして、それを見たスカイは慌てて体を捻って土の棘を回避した。

 

「くっ!?」

 

「ぬん!」

 

スカイは棘を回避こそしたものの、それはつまりベンケイへの連続攻撃を止めてしまう事を意味する。同時にわざと土の棘を回避させたベンケイの斬撃が彼女を襲った。

 

「うわぁあああっ!?」

 

スカイは体を斬られるような痛みに襲われると吹き飛ばされて自分が壊す予定だった巨大な岩の剣に激突。そのまま地面に落下した。

 

「あ……ううっ……」

 

これによりスカイの肉体は酷く傷つき、彼女はその痛みに悶える。同時にベンケイは倒れたスカイへと視線を向けた。

 

「ッ……たった一撃喰らっただけなのに……どうしてこんな……」

 

「言ったであろう。我は剛力剣の使い手。我の一撃は常に相手の身を滅ぼす程の力がある。

 

「強い……戦い方は力で押してくるだけの脳筋思考なのに……」

 

スカイはベンケイからの言葉に冷や汗を流しながら考える。ベンケイの振るう太刀を一言で言い表すなら一撃必殺。つまり、1発当たるだけでも致命傷になりかねない程のダメージを受ける可能性が高いわけだ。

 

現に今も一撃受けただけのはずなのにこうして彼女は膝をつかされている。そしてベンケイはスカイに休ませる暇なんて与えてくれない。

 

「ではこの攻撃は避けられるかな?」

 

「ッ、どんな攻撃が来ても避けてみせます!」

 

スカイの言葉に対してベンケイはスカイへと手にした大剣を振るうために構える。ただ、今の2人の距離は剣の間合いの外だった。そのため、スカイはベンケイがその距離感で構えたのに違和感を感じた。

 

「何故この距離で……いや、という事は!」

 

スカイは大剣を振っての衝撃波を想定して前に対しての防御を行い、姿勢を低くする。こうすればダメージを軽減できるし、運が良ければ攻撃が当たらない事もあると考えた。

 

「ふっ、その勘は褒めてやるが読みはハズレだ」

 

ベンケイは手にした大剣をスカイに向かって振るう……のでは無く、その先端を地面に向かって突き刺す。その瞬間、スカイの足元に赤いエネルギーが光ると彼女は慌てて回避しようとする。

 

「ッ!?しまっ!!」

 

しかし、もう遅い。防御姿勢をした分反応がここで一手遅れてしまうとスカイは地面から噴き上がったエネルギー波をまともに喰らってしまった。

 

「うわぁあああっ!?」

 

「俺を相手に少しは頑張ったな。だがこれで終わりだ」

 

ベンケイはスカイの事を戦士として優秀な存在だと認めた。そのため、全力で彼女を潰すべく自身の決め技とも呼べる最大技を発動させる。

 

「受けてみろ」

 

するとベンケイが地面から大剣を引き抜きつつ両腕で右側に持ってくる形で構えた。その瞬間、周囲から無数の岩が集まってくるようなエフェクトと共に持ち手から上。つまり、刀身部分が一気に巨大化したような形となる。

 

「剛力・巨岩斬!」

 

「なっ!?」

 

そのままベンケイは巨大化した大剣を落下してくる最中で回避ができないスカイへと振り抜こうとする。

 

「まずは1人!!」

 

「ッ!!」

 

スカイはどうにか攻撃に耐えようと両腕をクロスさせて痛みに備える。……その瞬間だった。

 

「「プリキュア!ダブルキック!」」

 

突如としてどこからともなく声が聞こえると二つの影が技を放とうとするベンケイへとダブルキックを繰り出す。

 

「むっ!?」

 

ベンケイは予期せぬ攻撃に技を強制中断。そのダブルキックを大剣で受け止める。

 

「ッ!ベリー!パイン!」

 

そこにいたのはフレッシュプリキュアの2人。キュアベリーとキュアパインである。そして、2人のキックによってベンケイが僅かに後ろに押し戻されるとすかさずベリーが声を上げた。

 

「ピーチ!」

 

「悪いの悪いの飛んで行け!」

 

するとベリー、パインが左右に分かれる形で後ろに下がるとその後ろ。ベンケイから少し距離が離れた場所にキュアピーチが先程3人で繰り出した技と同じ発動プロセスを踏むと両手でハートを作り出す。

 

「プリキュア!ラブサンシャイン!」

 

ピーチから放たれたピンク色のエネルギーはベンケイへと命中すると彼に少しだけダメージを与える。

 

「ぐうっ……」

 

「大丈夫?」

 

「は、はい!ピーチにベリー、パインですね。ありがとうございます!」

 

そこにはパッションを除いたフレッシュプリキュアの3人が集結していた。同時にスカイは彼女達が応援に来てくれた事に頼もしさを感じる。

 

「どういたしまして」

 

「私達こそ遅くなってごめんね」

 

「ここからは私達も一緒に戦うよ」

 

「はい、お願いします!」

 

スカイはピーチ達の参戦を受け入れると同時にベンケイも笑みを浮かべていた。

 

「我の元に4人のプリキュアか。良いだろう。纏めて来るが良い」

 

「良いわよ。完璧な私達なら……」

 

「うん。きっと勝てるって信じてる!」

 

「全員で幸せをゲットするよ!」

 

「はい!」

 

こうして、スカイ達は4人でベンケイとの真っ向勝負を受けると双方が相手に向けて突撃を開始する事になる。

 

一方、少し時間を遡りレインボージュエルから見て北西の剣の付近。そこでは不気味な空気が漂っており、目を覚ましたキュアプリズムが途中の影の兵士達を振り切った上で到着していた。

 

「この辺に剣があったと思うけど……」

 

プリズムが不気味な空気のせいで視界が悪い中、キョロキョロと周りを見渡すと目の前に巨大な剣……プリキュア達が破壊しないといけない岩の剣が見える。

 

「ッ!あった!」

 

ただ、やはり近づくとその大きさがプリズムを見下ろすように立ちはだかっており……自分1人での破壊が現実的じゃない事を思い知らせてきた。

 

「この剣を私1人では厳しそう。他の皆が来てくれると良いけど……」

 

「あらあらぁ?アタシの所にもちゃんと来てくれたのね」

 

「ッ!?」

 

その瞬間、突如として声が聞こえてくるとプリズムは慌てて身構える。同時に声の主を何となく察した。

 

「この声はオクニ!?」

 

「そうよ〜。覚えてくれて嬉しいわ。これからあなたの事をたっぷり可愛がってあ・げ・る」

 

「ッ……!」

 

プリズムは姿を見せる事なく彼女へとプレッシャーをかけてきたオクニの存在に気持ちを集中させる。

 

「どこ……」

 

「ふふっ、そんなに心配しなくてもすぐ近くにいるわよ?あなたが見つけられてないだけだから」

 

「えっ!?」

 

プリズムは視界に映ってないのに近くにいると言い出したオクニからの言葉に困惑。ただ、それでもどうにか彼女を見つけるために必死に周りを見渡すのだった。




また次回もお楽しみに。
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