熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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陰陽の剣士・オクニの力 オリジナルストーリー13話目

ベンケイによって分断された後に北西に存在する剣を破壊するためにやってきたキュアプリズム。

 

その剣の周辺が不気味な霧によって辺りが覆われる中で突如として響き渡るオクニの声。プリズムは慌てて構えるとオクニを探す。

 

「ッ、一体何処に……」

 

「さぁて、何処かしらねぇ」

 

オクニは周りを見渡すプリズムをまるで嘲笑うように惑わせようとする。それを受けてプリズムは考えるが、何処にいるかなんてまるでわからない。

 

「このままじゃあアタシを見つけるなんて夢のまた夢よ?」

 

「……どうすれば場所を……そっか!この手があった!」

 

するとプリズムはいきなり両手を真上に掲げる。それを見たオクニはプリズムが何をするのかわからずに困惑した。

 

「それは降参のポーズかしら?」

 

「ううん。私はあなたなんかに降参なんてしないよ!ヒーローガール!プリズムショット!」

 

するとプリズムが自身の使える技を発動。自分の真上にプリズムショットを生成するとそれを弾けさせる。

 

「弾けて!!」

 

「ッ!?」

 

その瞬間、プリズムショットが爆発と共に大きな気弾が文字通り弾けて小さな気弾へと分裂。それが一気に周囲へと降り注ぐ。

 

「ッ!?」

 

「見つけた!!」

 

するとオクニはそれを見て姿を現すと飛んできた気弾を切り刻む。そして、プリズムはその好機を逃さない。すぐさま走って距離を詰めると拳を振るった。

 

「やあっ!」

 

「ふふっ、アタシの場所を見つけたのは褒めてあげるわ。だけど、その程度じゃアタシには届かないわよ?」

 

オクニはプリズムの機転に遅れを取ったものの、すぐに対応してきたのか。手にした剣で受け止めてしまう。プリズムは攻撃を受け止められたのを見るとすぐに後ろに飛び退いてから両手から気弾を発射。

 

「へぇ。あなたの戦い方は何となくわかったわ。中〜遠距離からの気弾に重きを置いた射撃型。近距離は少し苦手よりだから無理には攻めてこない。そんな感じ?」

 

「大体正解だよ。だけど、わかった所で止められる?」

 

プリズムは弾幕での攻撃でオクニを寄せ付けないように攻め立てる。プリズムの利点は気弾連射によって技を使わずとも弾幕を張れる事。数多くいるプリキュアだが、何のアイテムも必殺技も使わずに気弾攻撃をできる事例は割と少ない。

 

大体の場合はアイテムを使う、もしくは個人の必殺技を使う事で弾幕を張れるパターンが多い。……ただ、プリズムの場合は個人の基礎ステータスとして技どころかアイテムを介さずとも弾幕を張る事ができる。これは相手にとってはかなり厄介だろう。

 

「ふふっ、確かにアタシが正面から近づくのは現実的じゃないわね。……だけどねぇ。別に正面からじゃなくても近づく手段はあるのよ?」

 

その瞬間、オクニへと多数の気弾が命中する……が、何故か攻撃がオクニをすり抜けていた。

 

「えっ!?」

 

「ダメよ?目の前にいる相手だけに気を取られたら」

 

その瞬間、オクニはプリズムの真後ろに来るとプリズムは慌てて振り向く。ただ、オクニはそんなプリズムを揶揄うように彼女の頬に指を当てる形で所謂ほっぺつんを決める。

 

「ッ……むっ!?」

 

「ふふっ、慌てる姿も可愛いわ。だけど、この程度で裏を取らせるなんてまだまだね」

 

「くっ!!」

 

プリズムが慌てて飛び退くと気弾を放つ。しかし、オクニはそれを簡単に弾いてしまう。

 

「あなたじゃアタシを楽しませるには力不足……かしらねぇ?できればもう少しは遊びたいのだけど」

 

「遊び……ごめんだけど、私は遊びになんて……」

 

「ふふっ、残念。付き合ってもらうわよ」

 

オクニはまるでプリズムを嘲笑うようにいきなり彼女の前に移動。同時にその瞳が怪しく光るとプリズムはいきなり体が痺れたように指一本動かせなくなる。

 

「うっ!?」

 

「これでわかったでしょう。アタシはあなたの事をいつでも弄べるのよ?」

 

そしてオクニはプリズムへと手にした剣を振り抜くと痛ぶり始めた。当然体が金縛りのように動かせないプリズムにこれを回避する術は無い。

 

「ふぐっ!?ああっ!!きゃあっ!?あうっ!?ううっ!?」

 

「あはははっ!良い声で鳴いてくれるわねぇ。もっともっとその顔を歪ませたいわ」

 

「(こ、この人……性格が捻くれすぎだよ……)」

 

オクニは弱らせた無抵抗の相手を痛ぶるのが大好きなようであり、サディストと言うのがピッタリと言えるような性格をしていた。

 

「(どうにかしないと、でも……体が全然動いて……ううっ……)」

 

プリズムはどうにか耐えるので手一杯。どんどん体は傷つき、疲弊していく。一方でオクニはプリズムがまだ倒れないように手加減しているのか、一旦攻撃を止めた。

 

「さて、このまま痛ぶるのも最高だけど……折角なら最大限苦しいやり方で痛めつけてあげたいわ。うーん……」

 

「(ッ、逃げるなら今の内……なのに、何でまだ体が動かないの!?)」

 

オクニがプリズムを見回しながら料理方法を考える間、プリズムは脱出を試みるが、まず体が動いてくれない。

 

「決めたわ。あなたを虐めるのは電撃が最適かしらね」

 

その瞬間、オクニは自らの剣に電撃を纏わせるとプリズムを潰すためにそれを振るおうとする。

 

「さ、これで終わりに……」

 

「「させない(です)!」」

 

その瞬間、どこからともなく声が聞こえるとピンクと青の光が飛んでくる。そして、その2つの光はオクニへと一気に接近するといきなり後ろを向いた。

 

「「プリキュア!ダブルおしりパンチ!」」

 

「えっ!?」

 

「は?」

 

そこに来たのはキュアブロッサムとキュアマリンであり、彼女達が繰り出したのはまさかのおしりパンチ。

 

そして、その技名を聞いたプリズムは困惑。そしてオクニはもっと困惑したようで。防御が遅れてしまうとその一撃が名前の通りおしりによるパンチとしてオクニの体に命中。彼女は吹き飛ばされると地面を転がった。

 

「ぐへえっ!?」

 

「ッ!金縛りが解けた!?」

 

そして、同時にプリズムにかかっていた金縛りがようやく解除される。恐らくだが、オクニの金縛りは彼女が金縛りをする対象を見ている間しか作用しないのだろう。だからこそ今の一撃で吹き飛ばされた際に解除されたと言うべきだが。

 

「ッ、まさかお楽しみを邪魔する無粋な輩がいるなんてねぇ。良いわ、3人纏めて」

 

「3人?それは勘違いじゃないかな」

 

「ええ、私達は一言も助けに来たのが2人だけ(・・・・)なんて言ってませんよ!」

 

「ッ、まさか!」

 

「サンシャインフラッシュ!」

 

その瞬間、後からやってきたキュアサンシャインがオクニの前に姿を現すとすかさずポーズを取りつつ小型の光のエネルギー弾を発射。それによってオクニは視界を潰される形でダメージを受け、後ろに押し戻される。

 

「くうっ……まさかもう1人いたなんてね。でも、楽しむ相手を増やしてくれて嬉しいわ。これで心置きなくあなた達を痛ぶれる」

 

「プリズム、大丈夫?」

 

オクニはまるで遊ぶための玩具が増えてくれて嬉しそうな顔を見せるとそれに対してサンシャインはブロッサム達と合流。まずはプリズムを心配する。

 

「プリズム、大丈夫ですか?」

 

「うん……助けに来てくれてありがとう。ブロッサム、マリン、サンシャイン」

 

「どういたしまして!」

 

「どうにか間に合って良かったよ」

 

4人は固まるとオクニの動きを油断なく見る形で警戒。対して彼女もまた4人相手だとすぐに追い詰めて痛ぶる事はできないので距離を取って相手の出方を見ていた。

 

「皆気をつけて。オクニはいきなり背後を取ったりしてくるから」

 

「ッ、それは瞬間移動を使うって事ですか?」

 

「多分違うと思う。あの動きはきっと瞬間移動じゃないはず」

 

プリズムは先程オクニのいた場所に攻撃が当たった際にそれがすり抜け、尚且つその直後に後ろから声をかけられたので瞬間移動とは別の手段で一気に移動してきたのだと予想する。

 

「だとしたら尚更気をつけないとですね」

 

「くううっ、このモヤモヤした怪しい空気感も邪魔なくらいだし……焦ったい!!」

 

マリンの言う通り、先程からずっと展開されている怪しげな空気感の影響でその場には息苦しさや緊張感を感じて余計にプリキュア達を疲弊させやすくしていた。

 

「ふふっ、じゃあ行くわよ」

 

「来るよ!」

 

「「「うん!」」」

 

するとオクニは早速手にした剣を構えつつプリキュア達へと向かって行き、戦いを開始。こちらでも4対1の人数差での戦闘が開始される事になるのであった。

 

場面がまた変わり、ツバサ達の元から離れて1人でフェアリーパーク内を移動していたヒョウ。しかし、彼はプリキュア以外の存在の中でただ1人フェアリーパーク内に取り残されてしまっていた。

 

「ッ……何がどうなってるんだよ。多分プリキュア達が向かった際に敵がいるんだろうけど」

 

ヒョウはツバサや響達と別れて以降、どうにかフェアリーパークからの脱出を目指して移動する。……しかし、突如としてフェアリーパーク内に出現し始めた影の兵士達を目撃したせいで思うように逃げる事ができなくなってしまったのだ。

 

今はフェアリーパークの入り口から少し離れた売店エリア付近にいる所である。

 

「くっ……。アイツら、シャドーやカバトンとは違う敵だよな……。それにしても湧き過ぎだろ。逃げ道が無い」

 

ヒョウはどうにか物陰に避難していたものの、戦う力が無いので結局ここでやり過ごすしか無く。どうすればこの場所を突破して出口に行けるかを考えた。

 

「ッ……ダメだ。お馬鹿な俺の頭じゃ何も浮かばない。せめてツバサがいてくれたら……」

 

ヒョウが脱出方法について必死に考えを巡らせていたその時、突如としてヒョウの耳に何かが聞こえてくる。

 

「何でこうなるんやーっ!?」

 

「とにかく逃げるにゃーっ!!」

 

「「「逃げる(ですぅ)(ですっ)(でしゅ)!!」」」

 

「えるぅうっ!!」

 

「プリプーッ!!」

 

「……何だ?この声……って、はあ!?」

 

ヒョウが物陰からそっと声のする方を覗くと慌てたような顔つきになる。そこにいたのは何故か影の兵士達に追いかけられている妖精ーズがいた。その内訳はフレプリからシフォンとタルト。ハトプリからシプレ、コフレ、ポプリ。スイプリからハミィ。ひろプリからエルだ。

 

尚、フェアリートーンは何故この場にいないのかという理由だがまずフェアリートーンはスイプリが変身する際に変身に使うための4体はモジューレに取り込まれる。そして、残る4体はプリキュア達の武器を使うために必要なため基本的には彼女達の元にいるのだ。

 

従って、この場にいない事にはこれで説明がつく。逆にハトプリの方は変身に必要なプリキュアの種の生成に妖精が必要なものの、妖精自体が変身アイテムになるわけでは無いので前に出会ったブラック、ホワイト、ルミナス、ブルーム、イーグレットのように妖精が必ずプリキュアと一緒にいる必要が無い。

 

「エルちゃんがここにいるって事は俺以外は皆合流したって事か。というか、絶対助けないとヤバいやつだろこれ!」

 

ヒョウは今影の兵士達から逃げている妖精を助けられるのは自分だけだと感じると急いでその場から飛び出す。

 

「このままじゃ追い付かれるですぅ!」

 

「やけど皆はバラバラやしあの剣を壊すさかい、助けになんて……」

 

妖精達は自分達を助けに来るプリキュア達が全員フェアリーパーク内の剣を破壊するために動いているためどうしようもできないと考えてしまう。

 

「はぁあああっ!」

 

その瞬間、妖精達を追っていた影の兵士の中で先頭にいる個体が物陰から飛び出したヒョウによってタックルされる形で吹き飛ばされる。

 

「な、なんですか!?」

 

「えるぅ!」

 

「皆、大丈夫か?」

 

「あなたは……!」

 

「さっきポプリ達が出会った少年でしゅ!」

 

ヒョウは構えを取る中、影の兵士達は数で圧倒するべく手にそれぞれの武器を構えてヒョウ達を取り囲む。

 

「あんた、ここは危険やさかい!逃げなあかんで!」

 

「わかってるよ……だけど、あなた達だって襲われてるんだから結局逃げるなら一緒にいた方が良いはず」

 

ヒョウは正直、この影の兵士達に勝てる気はしなかった。勿論前に対峙したカバトンと比べたら確実に1体1体は弱いだろう。しかし、今ここで戦える状態なのは自分だけ。対して影の兵士達は少なく見積もっても30〜50体はいる。このままでは妖精達を守り切るなんて無理だ。

 

「それでも俺がやらなきゃ……俺がこの子達を守らないと!!」

 

「「「「……」」」」

 

すると影の兵士達は邪魔者は排除するとばかりに容赦無く生身のヒョウやその後ろにいる妖精達を潰すべく動き出す。

 

「皆、俺の後ろに隠れてて」

 

ヒョウは無駄だとわかっていたが、自分が盾になれば少しでも妖精達は生かせられる。そうすればプリキュア達の誰かが来る可能性に賭けられると思った。そして、影の兵士達はとうとう我慢の限界とばかりにヒョウ達へと襲いかかってくる。

 

「来る!」

 

『はぁ……ほんと、仕方ない子ね』

 

「ッ!?」

 

その瞬間、ヒョウの脳内に声が響くと彼の体を包み込むようにミントグリーンの輝きが発光。その力の影響なのか、影の兵士達は衝撃波によって纏めて吹き飛ばされる。

 

しかも、ヒョウに比較的近かった個体は何体か消滅する程の力があった。ヒョウはその力を発揮した理由が自分が首にかけている石のカケラが原因だと思い至る。

 

「ッ、また……!」

 

『勘違いしないで。あなたに今死なれたら私も、他のプリキュアの皆も困るでしょ。……それに、あなたをまだプリキュアにできない私にも責任があるから』

 

そして石のカケラに宿った戦士、先代のプリキュアことキュアライトピラーがツンツンした対応をしながらも少し申し訳なさそうな雰囲気でヒョウに話しかけた。

 

「それでも、また助けてくれてありがとう。あなたは……」

 

『ライトピラー。……キュアブリザードやキュアバーニングサンと同じ先代のプリキュアよ。改めてよろしく、ヒョウ』

 

「こちらこそお願いします。キュアライトピラー」

 

「えるぅ!」

 

「この力、プリキュアの力にそっくりにゃ!」

 

「それに改めてだけどあなたの声、どこかで聞いた事があるですぅ!」

 

ヒョウがライトピラーに改めて挨拶を済ませるとそのタイミングでハミィやシプレが彼に話しかける。

 

「どこかでって……俺は皆と会うのは今日が初めてだろ」

 

「そうだけどあるんですよっ!」

 

「えぇ……」

 

ヒョウが困惑する中、同時刻。どこかの街のライブスタジアムでライブの準備をしていた国民的な人気アイドルのマネージャーがクシャミをしてしまう。

 

「へっくし!」

 

「ダビィ、大丈夫?」

 

「ええ、ちょっと鼻がムズムズしちゃっただけよ。仕事には問題無いわ」

 

そして、そのダビィと呼ばれた女性は話しかけてきた人気アイドル。まこぴーこと剣崎真琴と仕事の話をする事になる。

 

それはさておき、これでこの場を切り抜けられる可能性が出てきた。ヒョウはキュアライトピラーの力を借りつつも影の兵士達に立ち向かう事になる。




また次回もお楽しみに。
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