熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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河原での決闘 カバトンとの決着

先代プリキュアとのトレーニングを終えたアサヒとユキの二人。二人はソラ達と合流するとカバトンやシャドーの待つ河原へと移動した。

 

「来たか……なのねん」

 

「この時を待ち侘びたぞ」

 

カバトンとシャドーの前にアサヒ、ユキ、ソラの三人が並ぶ。そしてその様子をましろ、ツバサ、あげは、ヒョウ、エルが見守った。

 

「ビビって逃げ出したかと思ったのねん」

 

「約束は守ります!カバトン、あなたも約束は覚えていますね?」

 

「ああ。もし俺が負けたらプリンセスには手を出さない!まぁ、負けるわけがねーがな!」

 

するとカバトンが手を出すとそこにはいつもより凄まじい量のアンダーグエナジーが出てきていた。

 

「……ッ!」

 

「いつもより強いパワー……これが狙いか」

 

「おう。これが俺の奥の手。この三日で最大限まで高めたアンダーグエナジー。これを俺自身に注入する」

 

そして、シャドーの方は体に激しい火花の散るアンダーグエナジーのオーラを身に纏う。そのパワーは四段階の彼のリミッターの中の三段階目まで発動させていた。

 

「シャドーも本気で来るつもりみたい」

 

「上等だ。それでも俺達でアイツを救う」

 

「行くぞ。カモン!マックスアンダーグエナジー!」

 

その瞬間、カバトン自身に大量のアンダーグエナジーが取り込まれていくとその姿が巨大化。それはカバトンがランボーグと一体化したようなものとでも言える姿であった。

 

「ぐあはははっ!TUEEE!」

 

「ユキ」

 

「うん。あっちもあっちでヤバそう。でも、私達はソラちゃんを信じる。だから」

 

「ええ、こっちは任せてください」

 

三人が話す中、カバトンは漲る力を身体中に感じていた。そして、笑みを浮かべるとパワーを放出させる。

 

「最強にTUEEE!」

 

「まさか、自分自身をランボーグっぽくするなんて」

 

「もしかして、かなりピンチな感じ?」

 

「えるぅ……」

 

「ソラちゃん、頑張って……」

 

そして、相手が出揃ったタイミングでユキ達三人もプリキュアへと変身するためにミラージュペンを構えた。

 

「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「静かにひろがる白い雪景色!キュアスノー!」

 

「夜明けにひろがる眩い朝日!キュアサンライズ!」

 

「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」

 

三人が変身を終えると最初に仕掛けたのはカバトンとシャドーだ。シャドーの姿が揺らぐと一瞬にしてサンライズ、スノーへと突撃。手にした刀を抜く。するとサンライズとスノーはそれをしっかりと防御して受け止めた。

 

「!?」

 

「いきなりこれかよ。でも!」

 

「うん。今の私達には全然見える!」

 

サンライズとスノーは先代とのトレーニングのおかげなのかシャドーが繰り出す超速の斬撃をしっかりと防いでいた。

 

「ほう。少しは腕を上げたようだな。ならば俺も力を上げていくとしよう」

 

そのままサンライズとスノーは二人がかりでシャドーとの戦闘を進めていくことになるのであった。そして、カバトンの方もスカイへと巨大な拳を繰り出す。

 

「俺はTUEEE!」

 

その一撃をスカイは躱すものの、地面が抉れるほどの威力であるためにスカイや他の面々も驚く。

 

「なっ!?なんてパワーだ!」

 

「オラッ!」

 

更にカバトンは跳び上がってスカイへと連続で拳を繰り出す。それをスカイは躱していく。

 

「どうだ?最強にTUEEEだろ!一発でも喰らえばお前は終わりなのねん!」

 

カバトンがそう言いつつ拳を放つ。そんな時だった。スカイは集中力を高めるとその一撃を避けてみせる。

 

「ぐぬぬ……うぉおおお!」

 

それからカバトンがラッシュを仕掛けるが、スカイはことごとく躱してしまう。そして、隙だらけとなったカバトンへとスカイが拳を叩き込む。

 

「たあっ!」

 

スカイからの一撃にカバトンは大きなダメージを受けたのか下がる。しかも、カバトンはその威力に驚いていた。

 

「ば、馬鹿ななのねん」

 

「あれは山の主に習った技!しかも、ヒョウさんの石に宿っているキュアライトピラーからの特訓の成果ですね!」

 

実はスカイは、ソラは山に特訓に行った際にキュアライトピラーから特別なトレーニングを受けていたのだ。

 

(回想)

 

それはトレーニング期間中の事である。山でのトレーニングを進めていたソラを見ていたヒョウは自らの持つ石に宿ったキュアライトピラーからソラの元に行くように言われていた。

 

『ヒョウ。私をキュアスカイの元へ』

 

「あ、はい!」

 

それからヒョウが行くとライトピラーが幻影として現れる。そして指を鳴らすと山の主であるリスの中にエネルギーが注ぎ込まれた。

 

「な、何を!?」

 

『この山の主に私の力を授けました。そして……』

 

するとその瞬間、山の主の姿が光と共に変化すると紫のオーラに包まれる。そしてその姿が露わになるとそこにいたのは青い薔薇の戦士だった。

 

「青い薔薇は秘密の印!ミルキィローズ!」

 

「ええっ!?」

 

「どうして……」

 

『私の幻想の力で山の主の姿を書き換えさせてもらいました。彼女は単体での純粋な戦闘力の面ならプリキュア戦士達の中でもトップクラス。彼女と組み手をしてもらいます』

 

それからスカイは擬似ミルキィローズとのトレーニングの成果もあって実力をめきめきと上達させたのだ。

 

(現在)

 

「スカイは、ソラちゃんは擬似的なミルキィローズとの組み手でレベルアップしたんだよ!」.

 

「うん!これなら十分通用する!」

 

「行ける。カバトンに勝てる!」

 

「頑張れー!」

 

そんな中、カバトンは苦しさに悶えながら更にパワーを上げるために力を込める。

 

「舐めやがって……俺は最強にTUEEEんだ。力さえあればお前なんかに負けるわけねぇ!」

 

するとカバトンは両側からスカイを挟み込むように手を繰り出す。そのままスカイを圧力で押し潰そうとした。

 

「これでどうだ!」

 

スカイはそれを受け止めるべく両腕からの圧力に耐えるがその力は凄まじく、止めるので手一杯となってしまう。

 

「ああっ!」

 

「スカイ……」

 

「どうだ!これでちょこまかできないのねん。このまま潰してやる!」

 

カバトンが力を強く込めるとスカイはその苦しさに顔をしかめる。そんな時だった。

 

「「「「ソラちゃん(さん)!!」」」」

 

「えるぅー!」

 

隠れていたましろ達五人がスカイへと応援の声を出す。それを聞いてカバトンは笑みを浮かべた。

 

「ぐふふふ。やっぱり近くにいたのねん!探す手間が……」

 

「はぁあああっ!」

 

するとスカイはその体に力を入れるとカバトンからの押しつぶしを押し返し始めた。そのため、カバトンは驚くと共に声を上げる。

 

「な、何だと!?パワーじゃ俺が圧倒的に上なのねん!なのにどうして……」

 

「それは、皆の……皆の応援が私に力をくれるんです!」

 

「お、応援だぁ?そんな物、強さには関係ねぇ!」

 

カバトンは両腕を外すとパンチを繰り出すために体にオーラを纏って拳を繰り出す。そのタイミングでスカイは咄嗟に頭の中にある事が浮かんだ。

 

「ミルキィローズ直伝!クレーターパンチです!」

 

スカイが地面を思い切り殴るとカバトンの足元辺りまでの地面がへこむ。これにより、カバトンはバランスを崩した。更にスカイは跳び上がるとカバトンへとパンチを命中させる。

 

「はあっ!」

 

「なっ!?」

 

「ヒーローガール!スカイパンチ!」

 

そのままスカイが放ったスカイパンチはカバトンを吹き飛ばすと近くの地面にまで叩きつけさせた。

 

「や、やりました!」

 

「勝ったんだよね!」

 

「凄いよ、スカイ!」

 

「これで後はシャドーだけだ!」

 

「えるぅ!」

 

一同が喜ぶ中、カバトンは自分が負けたという事実を受け止めきれずにいる。

 

「俺が……負けた」

 

すると空に僅かに黒い雷雲が現れる。そしてそれは少しずつ大きくなっていった。

 

「ひ、ひぃい……」

 

「カバトン、約束通り……二度とエルちゃんには……」

 

「そんな約束、忘れたのねん!どんな手を使っても最後に勝ったやつがTUEEEのねん!」

 

その瞬間、カバトンが手を翳すと漆黒の手がカバトンから伸びていく。そしてそれはあげはが抱えているエルを狙っていた。

 

「ッ!?やばい!」

 

「エルちゃん!」

 

サンライズとスノーがそれに気がつくも、シャドーの相手で手一杯のために二人はカバーに動く事ができない。

 

「プリンセスさえ手に入れられれば俺の勝ちだ!」

 

「そうはさせるか!ライトピラー、お願い!」

 

するとそこにヒョウが飛び出すと手を翳す。その瞬間、キュアライトピラーが力を貸すとエネルギーバリアが展開。攻撃を防御した。

 

「ヒョウ君、ありがとう!」

 

「ましろさん、ツバサ。後はお願い!」

 

「「うん!」」

 

そして、二人もミラージュペンを取り出すとプリキュアへと変身する事になる。

 

「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

二人が変身を完了させるとプリズムが気弾を放ってカバトンを牽制。そのままウィングがエルと共にあげはを抱えて離脱する。

 

「ウィング、ナイス!」

 

「プリンセス、もう大丈夫です!」

 

「えるぅ!」

 

その間にプリズムがスカイの元に移動すると二人は浄化技を発動。スカイトーンを装填する。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!」」

 

二人が放った浄化技によってカバトンは吸い込まれるとその身に纏うアンダーグエナジーが浄化されていった。

 

「スミキッタのね〜ん」

 

そのままカバトンは傷だらけの状態で倒れ込む。そこにスカイとプリズムが並んだ。

 

「カバトン、あなたの負けです」

 

「い、嫌!負けるなんて絶対嫌なのねん!」

 

すると先程まで小さかった雷雲が巨大化。辺り一面を覆い尽くすと戦闘をしていたスノー、サンライズ、シャドーも一旦戦いを中断してその様子を見ていた。

 

「な、何だアレは!?」

 

「あ、あぁ……アンダーグ帝国じゃYOEEE奴に価値はねぇ。だから俺は必死にTUEEE奴になろうと……」

 

するとカバトンは何かのエネルギーによって空中へと吸い上げられ始める。これはつまり、アンダーグ帝国にとってカバトンはもう用済みだという事だ。

 

「ひ、ひいいっ!や、やめて!まだ俺は役に立ちます!どうか、どうかお許しを!!」

 

カバトンが慌てる中、周囲には雷が落ちていく。それはアンダーグ帝国にいるであろうカバトンの主が彼を粛清せんとする様子だった。

 

「サンライズ!」

 

「ああ。今はシャドーの相手をしている時じゃない!」

 

すると二人の持っているキュアブラックとキュアホワイトのスカイトーンが輝くとそれを二人はスカイミラージュに装填して手を繋ぐ。

 

「ブラックサンダー!」

 

「ホワイトサンダー!」

 

すると前に使ったマーブルスクリューよりも更に強い雷が二人の元に落下。その時、上空にも強力な雷のエネルギーが高まっていた。それを見たスカイは飛び出す。

 

「スカイ!?」

 

「カバトン!今助けます!」

 

「俺はお前の敵なのねん!何故!?」

 

「わかりません!」

 

「……え?」

 

「でも、こうする事が正しいと思ったからです!」

 

スカイがカバトンを助けるために突撃する中、サンライズとスノーも技の発動態勢に入る。

 

「プリキュアの美しき魂が!」

 

「邪悪な心を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!マーブルスクリュー!」」

 

二人は雷を纏わせた拳を一度後ろに下げるとそのまま二人同時に腕を突き出す。

 

「「マックス!」」

 

二人から放たれた電撃の奔流。それはカバトンへ目掛けて落下していった雷と激突して激しく競り合う。そしてその間にスカイがカバトンの元に到達するとカバトンを突き飛ばす。その刹那、カバトンは思い知った。

 

「こ、これが本当の強さか……ふっ。俺の負けだ。お前はTUEEE。俺なんかよりもずっとな。あばよ……」

 

そしてそれと同時にマーブルスクリューマックスが落下した雷を相殺。カバトンはそのまま重力に従って落下し、川へと落ちることになった。

 

「って、ええっ!?下川なの!?ザボン!」

 

すると雷雲はカバトンを消すのが不可能と断定して消え去り、残されたシャドーは呟く。

 

「ふん。あんな奴、わざわざ助ける必要はあったか?」

 

「……カバトンのあの目は生きたくて必死だった。それを助けるのは当たり前だ」

 

「うん。シャドー。あなたと同じでね」

 

「ヘドが出るぜ……」

 

「それにしてもお前も案外優しいんだな」

 

それを聞いてシャドーは疑問符を浮かべる。するとスノーがその事を話し始めた。

 

「カバトンを助けている私達を攻撃すればあなたは勝てたんだよ。なのにしなかった。シャドー、あなたにも優しい心がある証拠だよ」

 

「……お喋りが過ぎたな。続きをやるぞ」

 

それを聞いて二人はやはり戦うしか無いと構える。そして、シャドーは再度体にオーラを纏わせるとサンライズ、スノーとの決闘の続きをするのであった。




また次回もお楽しみに。
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