ベンケイ、オクニと戦うプリキュア達が彼等に苦戦していた頃。サスケと戦うウィング達も彼を相手に苦戦を強いられていた。
「「「「はぁああっ!」」」」
「「「「あははっ!少しはやるな。だけど、それじゃあ勝てないぜ?」」」」
ウィング、メロディ、リズム、ビートの4人は影分身で増えたサスケと1対1で戦っていたものの……そのスピードを前に攻撃は躱すか防がれてしまう。
しかも自分達が攻撃すればする程にプリキュア側はその隙を突かれて逆に細々としたダメージを受け続けていく。
「うっ!?」
「くうっ……」
「このままじゃ……」
ただ、焦れば焦る程攻撃はサスケ相手に見切られて逆に何発もお返しの斬撃が当たってしまう。
「「「「おらよっ!」」」」
「「「「うわぁああっ!?」」」」
4人はサスケからの攻撃を受けて吹き飛ばされてしまうと地面に激突。そして、サスケは岩の上に降り立った。
「もう少しは楽しませてほしいかな。これじゃあ君達は人間サンドバッグだよ」
「くっ、このっ……」
「待ってウィング」
ウィングはサスケから煽られたためにムキになってしまいそうになるが、そこでメロディが待ったをかける。
「今のままじゃ結局さっきと同じだよ」
「そうね、何か手を考えないと……」
「だけど、アレだけのスピードをどうにか抑える方法なんてあるかな?」
サスケの厄介な所は木々を使った機動力の高さに加えて多彩な忍術による幅広い戦法だ。これがある限り、プリキュア側はサスケに勝つ事ができない。
「ッ!それならボクに一つ考えがあります」
「それって?」
「少し賭けにはなってしまいますけど……」
それからウィングがある事を提案。メロディ達はそれを聞いて頷く。それならばサスケ相手に勝てると考えたらしい。
「オッケー。ウィングのその作戦。私達は信じるよ」
「ありがとうございます!でしたら早速」
「ええ!」
4人の作戦会議が終わるとサスケはその間も4人へとプレッシャーを与えるために分身を維持したまま周囲の木々を使って彼女達の周囲を動き回る。
「作戦会議をしてたみたいだけど……それでこの俺が止められるかな?」
「残念だけど止めさせてもらうわよ!」
するとメロディ、リズム、ビートが突如として一箇所に集まった。それを受けてサスケは疑問符を抱く。
「む?何をする気だ?」
その間に3人は手を重ね合わせるとそのまま自らの中に存在するハーモニーパワーを高めていく。そしてそれが3人の前にハートと一体化したト音記号を出現させる。
「「「プリキュア!パッショナートハーモニー!」」」
「「「「ッ!?」」」」
それは先程メロディ、リズムが2人で発動した合体技であり今回はビートも含めた3人バージョンだった。この技は2人以上かつ心が一つになっていれば何人でも発動できる利点がある。そして、人が増えるごとに単純に威力が上がるので可能なら大人数で使った方が良いのだ。
それはさておき、3人はこの技を発動させるとエネルギー波を放出。そのまま周囲を一気に薙ぎ払う形で一回転しつつ放つ。
「「「はぁあああっ!」」」
「な、何!?」
そしてその影響で周囲にあった木々が消し飛ばされていくとサスケの分身体もエネルギー波に巻き込まれて次々と消滅。サスケは本体を丸裸にされてしまう。
「見つけましたよ!はあっ!」
「チッ……」
ウィング達の狙いはこのようにしてサスケの姿を捉えやすくする事だった。今までは周囲に存在した木々が彼の動きを覆い隠しており、そのせいでサスケを捉える事ができていなかった。しかし、こうやって先に隠れられる場所を潰した事でサスケは木々を使って隠れながら撹乱という選択肢を消したのである。
「なるほど、俺の選択肢を減らしたか。確かにお前達にとってはそれが楽なんだろうが……まさかそれだけで勝てるなんて思ってねぇよな?」
その瞬間、サスケの姿がブレると彼は更にスピードを上げて高速で走り回った。
「速い!?」
「やっぱり想定してたとはいえ……ぐうっ!?」
「障害物が消えて更にスピードが上がってる感じ……うわあっ!?」
プリキュア達にとって賭けだった部分。それは、サスケが隠れる場所であった木々が無くなったことで見通しが良くなった代わりにサスケ側も障害物が無くなってその分素早く動けるようになれる点だ。
そして、自由に動けるようになったサスケは先程以上に高速で動き回ると両手で逆手持ちした短刀を使ってプリキュアへと攻撃を仕掛けてきた。
「これじゃあさっきより状況悪化してない!?」
「でも、サスケの姿が見えないよりも見えてた方がマシだと思ったから……」
「おいおい、対応できなきゃ見えても見えてなくても結局は同じだろ?」
サスケの言葉にプリキュア達は反論ができず、ただやられる一方である。流石に一撃一撃の威力はそこまで大きな物じゃないが、やられっぱなしであるためにダメージの蓄積は止まらない。これではいつかやられてしまう。
「それそれそれ!」
「ッ!やあっ!」
どうにかプリキュア側は反撃しようとするものの、サスケはそれをあっさり防御しては受け流して態勢が崩れた所をすぐに一撃入れてから離脱する。
「「「「はぁ……はぁ……はぁ……」」」」
それから暫くプリキュア達はサスケからの超速連打に全く対応できず。一方的にやられてしまうと息を荒げていた。
「どうした?まさかこれで終わるなんて事は無いよな?」
「ええ……まだ終わらないわよ。何しろ、ここで負けたら女がすたる!」
「男がすたるじゃなくてですか……?メロディは女なのである意味間違っては無いですけど……」
ウィングは僅かに呆れたような目線を向けつつも、自分もメロディと同じ気持ちとばかりに立ち上がってみせる。
「なるほど。じゃあ、当然これを喰らっても立っていられるよなぁ?」
そんな時、サスケは短刀を構えるとそのまま体を高速で回転。自身を中心に赤黒い竜巻を発生させるとその竜巻に斬撃のようなエフェクトが追加で現れた。
「なっ!?何アレ!?」
「これは不味いわね」
リズムやビートがこの光景に危機感を覚えるとサスケはプリキュアを倒すべく容赦無しに自身の持てる最強の技を発動させた。
「疾風・烈刃斬!」
サスケがそう叫びつつ竜巻を纏わせたままプリキュア達へと突撃。その威力でプリキュア達を呑み込むと無数の斬撃を彼女達の体に刻みつけていく。
「「「「うわぁああああっ!?」」」」
4人はサスケからの無数の斬撃を受けて体中に傷を負うとそのまま力無く吹き飛ばされてから地上へと叩きつけられる。
「「「「あ……ううっ……」」」」
流石に必殺技だけあって総合的なダメージ量は今までの比では無い程に大きい。その後、プリキュアへと攻撃を命中させたサスケは竜巻化を解いて地上へと降り立つと倒れているプリキュアを見下ろすのだった。
一方その頃、シャドーと交戦するスノー達の方もシャドーの戦闘能力を相手に苦戦を強いられてしまう。
「やぁあっ!」
「うおらっ!」
「「だだだだだだっ!」」
スノーとサンライズがシャドーを正面両側から連続攻撃によるラッシュで追い詰めようとするが、シャドーの方はまるで平然とした様子のまま対応してしまう。そして、2人は自分達の攻めが一撃も入らない事で焦ってしまっていた。
「私達の攻撃が通用してない……」
「まだだ!だぁあっ!」
「ふん。隙だらけだ」
その瞬間、サンライズが強力な攻撃を放つために一瞬だけ拳を後ろへと強めに引っ込める。シャドーはそれを受けてすかさず両手に刀を持ったまま半時計回りに薙ぎ払う形でスピン。
「ッ!?」
スノーはシャドーがいきなりスピンをしながらの切り払いをしてきたため慌てて回避。サンライズも咄嗟にその場でしゃがむ事で攻撃を回避。同時にシャドーに隙をできたと感じたため一気に引っ込めた拳を振り抜こうとする。
「貰っ……」
「遅いな」
しかし、ここで対応してくるのがシャドーだ。彼は半時計回りにスピンをしている間に両手に持っていた2本の刀を連結。巨大な1本の太刀に戻した状態で彼は先程のスピンの勢いを利用して容赦無くサンライズを斬りつける。
「な、何!?ぐあっ!?」
サンライズは動揺している間にもシャドーからの斬撃が体に命中。そのままサンライズの真横にいるスノーも纏めて吹き飛ばした。
「えっ……きゃっ!?」
「「うわぁああ」」
2人が纏めてシャドーの前から飛ばされる中で今度はパッションとミューズが走ってくると攻撃を仕掛ける。対してシャドーはもう一度刀を二刀流にして対応した。
「今度はお前達か」
「ええ、あなた達の思い通りになんてさせない!」
「はあっ!」
その瞬間、パッションはミューズの手を掴むと彼女を瞬間移動させてシャドーの死角である真後ろへ。同時にミューズに触った手を握り締めるとそのまま拳として繰り出す。対してミューズは背後から跳び上がると空中で前転しつつ踵落としを後ろからシャドーの背中をめがけて振り下ろす。
「やぁああっ!」
「はぁああっ!」
「無駄だ!」
その瞬間、シャドーはノールックのままパッションの能力でミューズがワープした先を完全に把握すると両手に装備していた2本の刀の内、左手に持った刀をノールックで左側に投げ捨てる。その様子を見たパッションとミューズが目を見開く中、シャドーは右手に残した刀を両手で握ってパッションへと中段から横薙ぎにする形で切りかかった。
「(パッションの方に対応した!?それなら私が……)」
「ミューズ!左から来るわ!!」
ミューズは自分の事を完全に無視した対応に構わず脚を振り下ろそうとするものの、そのタイミングで何故かムーンライトが声を上げる。その声に釣られて咄嗟に左側を見るとそこには先程投げ捨てていたはずの刀が回転しながらミューズの方に飛んできていたのだ。
「しまっ……うわぁああっ!?」
「ミューズ!?」
シャドーはミューズがワープした後にどういう動きをするか予想し、それに合わせる形で刀を横に投げて意識をその投げる動きに誘導。
再度意識が攻撃の動きにまで切り替わる時間を利用して死角から攻撃したつもりが逆にシャドーからの攻撃を死角にしてしまうという状況を作ったのである。
「余所見してる場合があるのか?」
するとミューズが投げた刀によってダメージを受け、吹き飛ばされるのに気を取られたパッションへとシャドーは手にした刀を振り抜く。
「させないわ!」
「ッ!?」
そのタイミングですかさずムーンライトがカバーに入ると手にしたムーンタクトを使って防御する。
「ふん。やはりお前は他の奴と比べて一回りか二回り強いな。だが!」
シャドーはそのままムーンライトを力で押し切ると彼女がパッションと共に少し下がったタイミングでミューズを撃墜するために投げていた刀をキャッチ。すかさず太刀を合体させて長い物にする。
「はあっ!」
「ムーンライトリフレクション!」
シャドーが刀を振るって斬撃波を飛ばすとムーンライトは攻撃を跳ね返すバリアを展開。その凄まじいパワー同士がぶつかって押し合いになる。
「くううっ……」
「まさか、ムーンライトでも互角だなんて……」
パッションはムーンライトが展開するバリアでもほぼ互角の力に持ち込んでいるシャドーの力に驚きの声を上げた。そんな中、サンライズが何かに気がつく。
「ッ……何だ?シャドーのお面が……」
その視線の先にあったのはシャドーが着けているお面がシャドーの力の増幅に合わせるように黒く邪悪に輝く所であった。
そんな中、シャドーの攻撃に押し込まれてしまっているムーンライトはパッションにも支えてもらってどうにか耐え切ると攻撃を相殺。
「「はぁああっ!」」
ただ、抑え込むだけでもかなりの労力と体力を使った。そこにシャドーが追い討ちをかけるために構えを取る。
そしてそれは普段のシャドーがやる“ひろがる・シャドーブラッドムーン”と同じような円月殺法のような物だった。ただし、円を描く方向が普段と反対向きであるという点や自身の背後に出現した月が青白い月であるという差異が見られる。
「月光・満月斬!」
「ッ!来るわ!!」
ムーンライトの掛け声に慌てて周囲に散っているスノー達も防御の構えを取った。しかし、シャドーはそんなのお構い無しとばかりに太刀を振り下ろす。ただ、その太刀自体に当たり判定は無く。プリキュア達は唖然とする。
「「「「「えっ!?」」」」」
だが、その一瞬の硬直が致命的だった。直後に周囲へと凄まじい量の青白い光が駆け抜けるとそれが閃光としてプリキュアの視界を奪う。同時にその閃光に紛れる形で無数の斬撃波がプリキュア達へと襲いかかり、その体を滅多打ちにする。
「「「「「うわぁああああああ!?」」」」」
そして、閃光が収まる頃にはプリキュア達は力無く倒れ込んでしまう。こうして、四箇所の剣の麓。
四剣刃を相手に戦うプリキュア達は彼等4人の圧倒的な力を前に圧倒され、全員が傷ついて倒れてしまう事になる。
「これが我ら四剣刃の力」
「もう戦う気力も湧かないでしょう?」
「ゲーム時間ももう折り返しだ」
「この様子だとシュラ様が出るまでも無いな」
プリキュア達を見て勝ちを確信する四剣刃の4人。このタイミングでレインボージュエルのチャージは12個の目盛りの内、半分を超えた7つ目の目盛りが点灯する事になるのだった。
また次回もお楽しみに。