熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

135 / 293
疾風剣との決戦・届く組曲の力 オリジナルストーリー20話

ベンケイ、オクニとの戦いが決着し、残すはサスケとシャドーの2人となる……なのだが。まずはサスケの方を見ていくために少し時間を遡ろう。

 

「ほらほら、こっちだぞ?」

 

「はあっ!」

 

サスケは自慢のスピードで4人のプリキュアを翻弄。加えて、先程周囲に存在していた木々を纏めて片付けてしまったために自由自在に動けるようになった彼は先程以上のスピードを出してしまう。

 

「全然当たらない……」

 

「そりゃあ、俺が全力で走ったら当たらないのは当然だろ?そもそも俺とお前達じゃあ基本的な速度が違いすぎるしな」

 

サスケは自らのスピードを自慢するようにそう言うとウィングは悔しそうにする。しかし、それでもメロディ、リズム、ビートはまだ諦めてなどいない。

 

「確かに、あなたのスピードは驚異だけど……」

 

「ええ、どこかには破る手立てがあるはずよ!」

 

「だから私達は諦めない!」

 

ウィングはそんなメロディ達の闘志を見て自分1人だけ弱気になんかなっていられないと奮起する。

 

「あははっ、どこかに手立てがあるって。残念だけど無い物は無いんだよ。そもそも、君達が障害物を無くした時点で俺を止めるのは不可能なんだしさ」

 

「止めるのが……不可能。そうか、それなら!」

 

サスケがそう言うとウィングは何かを思いついたのか。メロディ達と共有する。

 

「なるほど、確かにそれなら!」

 

「よーし、じゃあさっきのリベンジも兼ねて。ウィングの案、やってみようか!」

 

「はい!」

 

ウィングの考えにメロディ達が同調するとサスケはどんな手で来ようと関係無いとばかりに自信満々な様子だった。

 

「諦めが悪いのは面倒だし、それなら動けない状態になってもらおうかな」

 

すると、今度こそプリキュアを倒す意気込みをしたサスケは走り出しつつ加速。その速度で4人の周囲を円を描くように走り回る。プリキュア達は円陣を組む事でどうにか死角を無くす事にはなるが、結局できるのはそれが限界だ。

 

「そんじゃ行くぞ。それそれそれそれ!」

 

サスケがそう言いながら手にした風の手裏剣を多数プリキュア達へと包囲射撃をするかのように投げ込んでくる。その手数にプリキュア達は絶体絶命……かに思えた。

 

「ここは任せて!ビートバリア!」

 

するとビートは手にしたラブギターロッドにラリーを装填。ギターを弾き鳴らすと固まった4人を守るようにバリアが展開される。

 

「おっ」

 

ビートバリアによって4人の周囲に現れた青いバリアはサスケからの風の手裏剣を全て防ぐ。

 

「ビート、バリアも出せるんですね」

 

「ええ、だけど守ってるだけじゃ勝てないわ」

 

「その通りだぜ。それにバリアの耐久性もそこまで強くは無いだろ!」

 

対してサスケはそのバリアに遠距離から攻めても無意味だと感じたのか。そのバリアへと向かって直接打ち砕くために一気に接近してきた。

 

「(かかった!)」

 

そのタイミングでビートは笑みを浮かべるとサスケが上手く誘導されてきたとばかりに彼が攻撃する瞬間に合わせていきなりバリアを解除する。

 

「ッ!?」

 

「「はああっ!」」

 

そして、サスケの攻撃が空振ると勢い余ってプリキュア達の方に来るのに合わせてメロディとリズムが動く。

 

「「はあっ!」」

 

「チッ!!」

 

メロディとリズムが同時に回し蹴りを繰り出す中、サスケは咄嗟に変わり身の術を使うとメロディとリズムによって蹴られたのはただの丸太となってしまう。

 

「へっ、残念だった……」

 

「それはこっちの台詞です!」

 

「は!?」

 

サスケは変わり身で攻撃を回避してからすかさず体勢を崩したメロディ、リズムを攻撃しようと彼女達の真上に姿を現す。だが、いつの間にかその更に上にいたウィングがサスケの背後を取っていた。

 

「はあっ!」

 

「ごはあっ!?」

 

そのままウィングによるストンプを喰らったサスケは真下に吹っ飛ばされる。

 

「「たあっ!」」

 

そして、真下に飛ばされるという事は先程変わり身の術を使って攻撃を仕掛けようとしたメロディ達がいるという事で。サスケは2人からも同時攻撃を受けて方向転換する形で吹っ飛ばされる。

 

「がっ!?」

 

サスケはどうにか着地するものの、プリキュア達が反撃をしてきたために危機感を覚えていた。

 

「ぐ……まさかこの俺の術を攻略してくるなんてな。だが、俺の力はこんな物じゃないぜ!」

 

サスケはすかさず両手を合わせつつ印を結んでいく。そして、集中力を高めると術を発動した。

 

「こっちはどうにかできるかな?影分身の術!」

 

すると、サスケは一気に8人へと人数が増加。多数の手数による物量戦を仕掛けようと言わんばかりであった。

 

「行くぜ!」

 

サスケはプリキュア側の倍の人数で襲い掛かり、一気に決着を付けようと考える。それに対してプリキュア側も黙ってはいない。すかさずメロディ、リズム、ビートがそれぞれのアイテムを召喚する。

 

「奏でましょう、奇跡のメロディ!ミラクルベルティエ!」

 

「刻みましょう、大いなるリズム!ファンタスティックベルティエ!」

 

「弾き鳴らせ、愛の魂!ラブギターロッド!」

 

そして、3人のアイテムにフェアリートーンが合体していく。具体的にはミラクルベルティエにはミリー。ファンタスティックベルティエにはファリー。ラブロッドギターにはソリーが合体する。

 

そして、ビートはラブギターロッドのハート型をしたボディをネック方向にスライド。ラブギターロッドのモードを変化させる。これにより、ボディから翼パーツが展開してソウルロッドが完成した。

 

「チェンジ!ソウルロッド!」

 

その後、3人は同時に自身の真上にそれぞれのアイテムを掲げると自身の正面で大きな円を描くようにアイテムを動かす。そしてその円はエネルギーリングとして生成された。

 

「翔けめぐれ、トーンのリング!プリキュア・ミュージックロンド!」

 

「翔けめぐれ、トーンのリング!プリキュア・ミュージックロンド!」

 

「翔けめぐれ、トーンのリング!プリキュア・ハートフルビートロック!」

 

そして、メロディとリズムはリングを投げつける形で。ビートはソウルロッドを構えつつ照準を合わせてサスケを撃ち抜くように放つ。

 

これにより、3人が放ったリング状のエネルギー弾は8人に分身したサスケへと向かって行くと8人のサスケはすぐさま回避行動を始める。

 

「へっ、こんな攻撃当たらなければ……ッ!?」

 

しかし、そのリングは回避したサスケの中の一体ずつを追跡。確実に分身を倒さんと言わんばかりに追いかけていく。

 

「追尾機能付きか。だが、それでも倒せるのは3人だけだ!」

 

サスケは追尾する攻撃に驚きこそしたものの、結局それだけで倒せるのは本体と7人いる分身体の中のたった3人だけという事で残る5人で一斉攻撃すれば結局数の有利は変わらないと考える。

 

「いいえ、この状況こそがボク達の狙いです!」

 

「何!?」

 

するとそのタイミングで空中に浮かんでいるウィングが一気に加速しつつ動き回る分身体のサスケを目掛けて突進を開始し、技を発動させる。

 

「ひろがる!ウィングアタック!」

 

ウィングの放ったウィングアタックはリング攻撃の回避に夢中だった3体のサスケの分身を次々と粉砕。更に残った分身4体もターゲットを失ったリングが次の獲物とばかりに追いかける。

 

「まだまだぁああっ!」

 

そこにウィングの突進が命中すると分身4体もあっという間に殲滅。サスケはこれを見て何故ここまで追い付かれるのかと考える。

 

「(何でだ……幾ら他の攻撃に気を取られたからと言ってあのキュアウィングからの攻撃を避けきれな……ッ!まさか、障害物が無いからか!)」

 

そして、思い至った答えは自身の周りに障害物が無い事。一見悪手に見えた木々を破壊して更地にするという行為によってプリキュア側も自由自在に動ける事を意味するのだ。

 

「クソが……」

 

「「「行っけぇえっ!」」」

 

そして、とうとうサスケの本体も三方向からのリング攻撃の挟み撃ちを受けてそのリングの中に捕まってしまう。

 

「「「三拍子!1・2・3!」」」

 

その直後に爆発が起きるとサスケは倒される……かに思えたが、ギリギリの所で変わり身と共に脱出に成功。

 

「危ねぇ……こうなったら……」

 

「いいえ、逃しません!」

 

「なっ!?」

 

サスケはプリキュア側が自分への対策をしたように自分も対策を取ろうとする。しかし、ウィングは離脱しようとしたサスケを逃さずに後ろから思い切り拘束。変わり身の術を封じ込めた。

 

「今です!決めてください!」

 

「ええ!」

 

すると3人はヒーリングチェストと呼ばれる宝石箱型のアイテムを召喚し、それを取り囲むようにポジショニング。宇宙空間のような場所でチェストが開くと3人の持つド〜ラの6体のフェアリートーンからの光を中央部の宝石に集める。

 

「「「出でよ、全ての音の源よ!」」」

 

そのままメロディが鍵盤部分をスワイプするように触るとチェストの中にいると思われる巨大な黄金のフェアリートーン……クレッシェンドトーンが姿を現す。

 

「「「届けましょう、希望のシンフォニー!」」」

 

それから3人の掛け声と共に虹色の鍵盤の道が生成され、3人はその鍵盤の上を飛ぶような形で進みつつ突進を開始。同時に自身の前で両腕をクロスさせつつ更に技名を叫ぶ。

 

「「「プリキュア!スイートセッション・アンサンブル!」」」

 

直後に3人がクレッシェンドトーンの内部に取り込まれるとそのクレッシェンドトーンが一気に加速。その超スピードによる負荷に3人は耐えながらサスケへと向かって行った。

 

「は、離せ……このっ!」

 

「離しません……」

 

サスケはどうにか脱出すべく抵抗したものの、最早どうする事もできず。そのまま自身に突進してきたクレッシェンドトーンと一体化したプリキュアの一撃を受けるしか無かった。

 

「ち、ちくしょおおおっ!!」

 

サスケがクレッシェンドトーンの体当たりを受けるとウィングもすぐさま離脱。同時にクレッシェンドトーンと融合していた3人のプリキュアも飛び出すと着地しつつ決めポーズを取る。

 

「「「フィナーレ!」」」

 

そのまま掛け声と共にサスケは大爆発を起こして消滅。そして、今度こそしっかり倒したからか。サスケが出てくることは無かった。

 

これにより、3人の幹部が撃破されて残すはシャドーのみ。その3人の幹部が撃破される少し前。仮面にヒビを入れられたシャドーはプリキュア相手に本気とばかりに仮面から禍々しい黒いオーラを発生させながら両手に手にした刀を振るってきた。

  

「はぁあああ!!」

 

「コイツ、さっきまでよりも一段とスピードアップしてる」

 

「速すぎて、私達の反撃ができない……」

 

スノーとサンライズはシャドーからの猛攻の凄まじさに反撃する事さえできず。ただその攻撃を防ぐ事しかできていなかった。

 

「だったら私達がサポートするよ!」

 

そこにシャドーの一瞬の隙を見破ったミューズが体の小ささを利用して2人の間と前のめりになっているシャドーの下側を通る形で彼の懐に潜り込む。

 

「なっ!?」

 

「やあっ!」

 

そのまま彼女からの肘打ちが命中するとシャドーは顔を歪ませる。しかし、それでも彼は攻撃を耐えてしまうと下から蹴り上げる形でミューズへと攻撃。

 

「くうっ……」

 

ミューズが真上に吹っ飛ばされる中、シャドーは追撃をしようと構えた所ですかさず気配を察知。後ろに刀を振るうと瞬間移動に錯覚するようなスピードで迫っていたムーンライトの一撃を刀で止めてしまう。

 

「ッ、反応スピードも上がってるわね」

 

「当たり前だ。あまり俺を舐めるな」

 

シャドーは自らムーンライトにタックルをかます形で彼女を少しだけ下がらせるとすかさず刀を連結して斬りつけようとする。

 

「ここ!」

 

「このタイミングなら……」

 

「止められない!」

 

その刀を真上に振り上げた瞬間を狙って正面からパッション。背面からはスノーとサンライズが同時にシャドーへと向かっていく。それを見たシャドーは敢えて刀を手放すと消失させる。

 

「「「えっ!?」」」

 

3人はまさかの行動に困惑する中、シャドーは刀を手放したまま態勢を変えると今度は横に薙ぎ払うような姿勢で構える。

 

「刀を持ってないのに何で……」

 

「ッ!皆、避けて!」

 

「遅い」

 

シャドーの意図に気がついたムーンライトは慌てて声をかけるが、ここはシャドーが一手早かった。

 

シャドーが薙ぎ払う姿勢を取るのに合わせて先程消した刀を召喚。それを薙ぎ払うように振るう形で正面のパッション、更に後ろから来ていたスノーやサンライズも纏めて斬り裂いてしまう。

 

「がはっ!?」

 

「きゃあっ!?」

 

「ぐはあっ!?」

 

「皆!だったら私が!」

 

シャドーに次々とやられるプリキュア達。それを見てミューズが焦ってしまったのか飛び出すとムーンライトが止めようとする。

 

「ミューズ、焦ったらダメ!」

 

「はあっ!」

 

「甘い!」

 

ミューズはシャドーが刀を振り終わった瞬間に接近すると拳を放とうとする。だが、シャドーは振り終わった瞬間に刀から片手を離すとその手に分割した2本目の刀を武装。そのままミューズにカウンターの刺突攻撃を繰り出す。

 

「ッ!?あああっ!?」

 

ミューズはいきなりのカウンターを止められずに返り討ちにされるとシャドーは刀を連結させ、一気に決めるべく闇の力を高めた。

 

「これで終わらせてやる。はぁああっ!」

 

そして、赤黒いエネルギーで刀身が赤黒く発光。そのまま渾身の斬撃波をムーンライトに放った。

 

「ぬん!」

 

「ッ……」

 

ムーンライトはどうにか攻撃を押し留めようと構えたその時だった。突如としてムーンライトが変身に使い、尚且つ普段は左胸の装飾に一体化しているココロポットが漆黒の光が溢れ出す。

 

「えっ!?」

 

そして、直後にシャドーの攻撃はポットから飛び出した黒い何かによって止められた。同時にその何かは姿を具現化させる。

 

「……久しぶりだな。キュアムーンライト……いや、姉さん」

 

「あなたは……ダークプリキュア!?」

 

そこにいたのは漆黒のワンピース姿に濃い緑の髪。背中の左側に生えているコウモリのような黒い翼。そこにいたのはかつてムーンライトの分身のような存在として創り出され、その後ムーンライトの手で倒された彼女の双子の妹のような存在。

 

そして、ハートキャッチプリキュアを長きに渡って苦しめた者……ダークプリキュアなのであった。




また次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。