熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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月闇が見せた彼女の意地

とうとう降臨してしまったシュラ。そのシュラによって絶体絶命の危機を迎えたヒョウ。彼を助けたのは既に剣を破壊した北東に向かっていたプリキュア達である。

 

「スノー……サンライズ……」

 

「ヒョウ君……で良いんだよね?大丈夫?」

 

するとミューズが慌てた様子でヒョウの元に行くとプニバード化した彼の小さな体を抱き上げる。

 

「あなたは……アコ……さん?」

 

「ッ!私の事わかるんだ……」

 

「うん……何となくだけどね」

 

ミューズは自分の正体が調辺アコであると一発で見抜かれた事に多少驚いたものの、今はヒョウを助けるのが先決と考えた。何しろ、今から自分達はシュラと戦わないといけない。なのでここにいたら確実にその巻き添えを受けてしまうからだ。

 

「ロプ〜ッ!ヒョウの事はシロップに任せるロプ!」

 

するとそこに他の妖精達と共にヒョウを預かるべくシロップがまた降りてきた。そして、彼が預かってくれる分には6人も安心できるためにヒョウをそっとシロップの上に置く。

 

「シロップ、頼んだぞ」

 

「サンライズ達こそ、絶対に負けたらダメロプ!」

 

それからシロップはヒョウの事も預かったために先程以上にプリキュア達との距離を開けた。これは勿論、シュラのサイズ感とその力から今まで通りのプリキュアとの距離感だと巻き込まれるリスクが高いからである。

 

「良し、ヒョウの事は預けられたし……後はアイツだけだね!」

 

「茶番は終わったか?」

 

するとシュラはプリキュア達のやり取りの間、待っていてくれたのか待ちくたびれたように言うと早速手にした6本の刀を構えた。

 

「ッ、わざわざ私達の事を待ってたって随分と良心的ね」

 

「ふん。結果的にお前達は破れ去るのだから。お別れ前の挨拶くらいは待ってやれるだけの事」

 

「お別れ前の挨拶扱いか……舐めているのなら後悔する事になるぞ!」

 

ダークムーンが手にしたダークタクトの先端をシュラに向けると早速プリキュア達はシュラを倒すために動き出す。

 

「ふん……」

 

「皆、あの刀は間違いなく危険だわ。できる限りバラバラに動いて集中的に狙われないように!」

 

ムーンライトの的確な指示でシュラ相手に固まらないようにする。シュラの大きさから6人が固まっていると強力な一撃を放たれた際にそれだけで全員纏めてやられかねない。そう考えると最初に分散したのは賢明と言える。

 

「「「「「「はぁあああっ!」」」」」」

 

「無駄だ!ぬん!」

 

だが、シュラは分散した6人の位置を的確に把握すると1人につき一発分の斬撃波を放つ。

 

「「「「くっ!?」」」」

 

シュラが放った斬撃波に対してスノー、サンライズ、パッション、ミューズはどうにか回避。ただ、ムーンライトとダークムーンは余裕を残して回避すると回避後に斬撃波が地面に命中した瞬間に発生する煙を使って一気に飛び出す。

 

「む、やはりお前達2人は別格か!」

 

するとシュラは6本ある腕の中の4本を使用。ムーンライトとダークムーンへと刀を振り下ろす。

 

「コロン!」

 

「はあっ!」

 

するとムーンライトは胸の薔薇の装飾をタッチして紫のマントを展開して空を飛び、ダークムーンは元々備えてある飛行能力で自在に動くと4本の刀を回避。それぞれが技を使う。

 

「プリキュア!シルバーフォルテウェイブ!」

 

「プリキュア!ブラックフォルテウェイブ!」

 

2人のフォルテウェイブが飛んでいくとシュラの両側から迫っていく。しかし、シュラはそれを残った2本の腕に武装した刀であっさりと防いでしまう。

 

「ッ……」

 

「今のが通じないのか」

 

「ふふっ。プリキュア、この程度の力しか無いのならお前達に我を倒すのは不可能だ!」

 

その瞬間、シュラが再度刀一本につき1発。合計6発の斬撃波を放つとプリキュア達はそれを回避。すると今度はスノーが手を翳して氷の礫を放つ。

 

「はあっ!」

 

「小賢しい!」

 

しかしこれはシュラが手にした刀でしっかりと防御。ただ、その間にサンライズがスノーのいる右手側の反対側。シュラの左斜め前の位置から跳び上がるとシュラの胸の辺りの高さで技を使う。

 

「ひろがる!サンライズブレイク!」

 

サンライズはサンライズブレイクを鉄拳として発動すると拳がシュラに向かう。だがこれもシュラにすぐ気が付かれてその攻撃が視界に入ってしまった。

 

「ッ!?コイツ、幾ら何でも視野広すぎるだろ!」

 

サンライズはシュラの視野の広さに思わず声を上げてしまう。何しろ、彼はほんの少し前まで下にいるスノーを気にしていた。そのため、シュラの視界は下を向くはず。

 

しかし、シュラはその状態でもサンライズの動きを察知。見えていなかったはずのサンライズの見据えると簡単に対応したのだ。

 

「その程度で我の不意を突いたとでも思ったか?小僧」

 

シュラは左側の腕に握った刀でサンライズの攻撃を防いでしまうとすかさず反撃の斬撃を振り下ろす。

 

「くっ!?ぐあああ!?」

 

サンライズはあっという間に吹き飛ばされて地上に激突。それならばとパッション、ミューズ、ムーンライトが飛び出すとシュラを正面及び左右の三方向から取り囲んで同時キックを放つ。

 

「「「はぁあああっ!」」」

 

「遅い!」

 

すると突如としてシュラは赤黒いオーラを纏うといきなりスピードアップ。そのまま斬撃でキックを放った3人を纏めて吹き飛ばした。

 

「「「うわぁああああっ!?」」」

 

「皆!?」

 

「何だ、今のスピードアップは……」

 

スノーが飛ばされた3人を心配する中でダークムーンはいきなりシュラの力が増幅された事に疑問を抱く。

 

「ふはははっ!漲る、漲るぞ!我の復活の糧となった剣の力が満ち満ちてくる!」

 

「何……?」

 

ダークムーンは今のシュラの発言に何かを思ったのか考える。するとそのタイミングでサンライズがスノーの元に来た。

 

「スノー、こうなったら俺達の最大威力をぶつけるしか無い!」

 

「そうだね、私達のありったけの力で!ダークムーン、あなたも……」

 

「わかった。私も力を貸そう」

 

スノーとサンライズは頷いてから手を繋ぐともう片方の手を上に掲げる。同時にダークムーンは手にしたダークタクトのクリスタルドームに当たる部分を回す。これにより、タクト内部から出現した黒や紫を基調とした光がタクトの先端に集約。その力を解放する。

 

「サンライズフレイム!」

 

「スノーアイス!」

 

そして、スノーとサンライズの腕に天から降り注いだ炎と吹雪が落下。その力を集約して高めていく。

 

「二つのプリキュアの魂が!」

 

「闇の僕達を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!エレメントスクリュー!」」

 

そのまま2人の掛け声と共に腕が突き出されるとその力を前に放出。炎と氷のエネルギーの奔流は合わさって更なる威力を発揮する。

 

「プリキュア!フローラルパワーフォルテッシモ!」

 

スノーとサンライズの攻撃に合わせてダークムーンも技を発動させるとムーンライトのフォルテッシモと同じように目の前に二つの黒いfの文字が出現。

 

その文字がffを示すとダークムーンの中に吸収。漆黒のエネルギー球体が彼女を包んで浮かび上がる。そのままエネルギー球体は黒いハートマークへと変化。一気にシュラに向かって突撃していった。

 

「「「はぁあああっ!」」」

 

スノーとサンライズはシュラの正面、ダークムーンはシュラの左側から突進する形で攻撃。そんな3人からの攻撃に対してシュラは正面に2本。左側に2本の腕を使い、手にした刀をクロスさせて防ぐ。

 

「ふははっ!この程度で我を倒せるとでも思ったか?軽い、軽過ぎるぞ!」

 

「ッ……コイツ、これでも全然効いてないのかよ!?」

 

「でも、私達がやらなきゃ……」

 

3人はどうにかシュラを押し込もうとするが、シュラの余裕は変わらない。何しろ、彼の持つ6本の腕の中の4本しか使ってない。この時点でシュラの優位は明らかだ。

 

「諦めろ。お前達程度では我の脅威にならない」

 

「プリキュア!ハピネス・ハリケーン!」

 

「プリキュア!フローラルパワー・フォルテッシモ!」

 

「プリキュア!スパークリング・シャワー!」

 

シュラが反撃しようとしたタイミングでそこにシュラの右側からパッションとムーンライトが攻撃。更に左側のダークムーンの方を援護する形でミューズも技を発動。

 

これによりシュラは右側の2本の腕も使わされると三方向、6本の腕を全てで防御する事に。

 

「「「「「「はぁああああっ!」」」」」」

 

「む……中々の威力だ」

 

プリキュア達による一斉攻撃を受けたシュラは僅かに押されると脚が一歩だけ後ろに下がる。……だが、プリキュア側の攻勢限界点は割とすぐに訪れてしまった。

 

「くううっ……」

 

「シュラを全然押し込めない」

 

「私達の攻撃が効いてないって事!?」

 

「何度も言わせるな。お前達がどれだけ力を込めたとしてもレインボージュエルを手にし、剣の力によって無尽蔵のエネルギーを得た我の敵では無いわ!」

 

その直後、シュラによってあっさりと6人の攻撃は押し返され始める。その力を前にプリキュア達は攻撃に飛ばされないよう必死に踏み留まるので手一杯になってしまう。

 

「な、なんて力なの!?」

 

「このままじゃ……」

 

「失せろ、雑魚共」

 

シュラがそう言って目を紫に発光させるとシュラは刀をクロスさせた姿勢のまま刀に闇の力を増幅。その影響でシュラの刀の刀身が紫色に怪しく発光。そして、シュラが一気にクロスさせた刀を振り抜くとその動き通りにX字型の紫の斬撃波がまずムーンライトとダークムーンをあっさりと跳ね返す。

 

「「ッ!?うわぁああっ!?」」

 

そして、斬撃波はそのまま技を粉砕して残る4人のプリキュア達へと容赦無く飛んでいく。

 

「「「「ッ!?」」」」

 

4人は咄嗟に回避行動を取ったためどうにか直撃は免れたものの、斬撃波が地面にぶつかった影響で発生した凄まじい衝撃波が駆け抜けると4人は一瞬で吹き飛ばされて地面や近くの建物の壁に叩きつけられてしまう。

 

「あ……ぐうっ……」

 

「こんなの、6人じゃ勝てない……」

 

プリキュア達はこの力の差を前にたった6人ではシュラ相手に勝てないと思い知らされてしまう。そして、そのシュラは良い加減自身の周りで動き回るプリキュア達を鬱陶しく感じてしまうと刀を突きつけた。

 

「……そろそろ我の周りで蠢く煩い虫を潰すか。まずは……お前達からだ」

 

「「ッ!?」」

 

シュラは下手に6人同時に相手をするのでは無く、一番近くにいて撃破が容易そうだったスノーとサンライズをターゲットにする。

 

「2人共、逃げて!」

 

「もう遅い。我の刀から逃れる事など不可能だ!」

 

シュラは6本の刀を全て振り上げると一気に振り下ろそうとする。その時、倒れていたダークムーンはこのままではスノーとサンライズがやられると考えてある覚悟を決めた。

 

「ッ……!」

 

「これで終わるが良い」

 

その直後、シュラはスノーとサンライズにトドメを刺すための一撃を放つべく刀を振り下ろす。

 

「ぬん!」

 

「「「ッ!!」」」

 

それを見てターゲットにされていないパッション、ムーンライト、ミューズが狙われてしまった2人を助けようとどうにか痛む体で動き出し始めるが、タイミング的にはもう間に合わない。そして、スノーとサンライズの2人は攻撃が来てしまうと考えてどうにか耐えようとせめて腕で防御しようとする。

 

しかし、そのタイミング。突如としてシュラの放った斬撃波が重なって巨大な斬撃波となった直後。シュラの攻撃とスノー達の間にダークムーンが割って入ると攻撃を真正面から受け止める。

 

「「えっ!?」」

 

「ぐ……ううっ……」

 

「ダークムーン……」

 

ダークムーンはムーンライトが自分の名を呟くのを聞いてシュラの攻撃に押し切られそうになりながらも彼女に向かって話しかけた。

 

「……ムーンライト、短い間だがあなたと共にいられた時間……私の胸の中に刻み込んだぞ」

 

「ダークムーン、何を……まさか!?」

 

ムーンライトはダークムーンの捨て身の行動から彼女が2人を助けるために自らの命を犠牲にしようとしていると気がつく。そして、彼女はまた目の前で大切な者を亡くしてしまうという恐れから思わず声を上げる。

 

「ダメ!あなたにまでいなくなられたら……」

 

「心配するな。月が何度欠けても満ちるように闇もまた満ちる時が来る。姉さんが諦めなければいつかまたあなたの前に姿を現せられる」

 

「だけど、こんな短い時間で……まだ私はあなたに言いたい事が沢山……」

 

ムーンライトはダークムーンの事を許すつもりは無かったが、それ以上に彼女とは話したい事が沢山あった。自分の父親が失踪して砂漠の使徒になった後。ダークムーンの父親としてどんな事をしたのか。

 

ダークムーンはそれで幸せになれたのか。何にせよ話したい事を全然話せていないのに勝手に復活されて勝手に消えられたく無いのだ。

 

「そうか……。その話、次に会うときまで楽しみにとっておこう。姉さん、他のプリキュアの皆……後は頼んだぞ」

 

その直後、轟音と共にダークムーンとぶつかっていた斬撃波は爆発。ダークムーンの姿は黒い光の粒子へと変化するとそれがムーンライトの胸にあるこころポットの中へと戻っていった。

 

これにより、ダークムーンはムーンライトの心に戻る形で消滅。その場には重い雰囲気が漂った。

 

「仲間を庇って1人散ったか。まぁ良い」

 

「ッ……何が良いんだ、時を超えて会えた2人を引き裂いて……」

 

「そうだよ。かつて戦ってた敵でも、今こうしてようやく分かり合えたのに!」

 

サンライズの怒りの混ざった声が響くと倒れていたスノーとサンライズは立ち上がろうと踏ん張る。だがシュラは平然とした様子で無慈悲に告げた。

 

「ふん、そんなもの我には関係無い。それに、今度はもう攻撃を防ぐ事はできないだろう!」

 

シュラはそう言って容赦無くスノー達を攻撃しようとする。そんな時だった。突如としてどこからともなく飛んできた12の光がシュラに命中するとシュラの前に降り立つ。

 

「お待たせしました!皆さん!」

 

「ッ、スカイ……皆!」

 

そこにいたのはそれぞれの地点に刺さった剣を破壊するために散らばっていた他のプリキュア達だった。これにより、ようやくプリキュア達が再集結する事になる。




また次回もお楽しみに。
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