シュラ相手にひろプリ勢が奮戦する中、シュラの剣を破壊しに行ったプリキュア達は目的を達成。それを受けて再び場面はひろプリ勢対シュラの場面へ。
「ぐぬうっ」
「効いてます!」
「うん。少なくともさっきまでより手応えがあるよ!」
シュラ相手に有効打が入りつつあるプリキュア達の中の希望が大きくなると当然シュラはこの状況は面白く無い。
「ぐ……少し優勢になった程度で我を相手に勝ったつもりになるな!」
シュラは体に力を入れると赤黒いオーラを出そうとする。だがその瞬間、シュラが呼び起こしたオーラはあっさりと消え去ると力が抜けていってしまう。
「な、何故だ。何故こんなにも力が」
「これって……」
「ああ、皆が上手くやってくれたんだ!」
サンライズはシュラのこの変化に他のプリキュアがシュラを支えている剣の破壊に成功したのだと察する。
実はシュラの力は剣から送られてくるエネルギーに殆どを依存していた。シュラは降臨時にわざわざ剣からのエネルギーを一箇所に集めて降臨の儀式を挟む必要があるため、自分の肉体で活動のためのエネルギーを作り出す機構が存在しない。
そして、今回はそれが仇となった。剣が4本全て破壊されてしまったためにシュラの肉体に外部からエネルギーが供給されず。今のシュラが体内に残しているエネルギーを使い切れば彼の体は完全に止まってしまう。
「皆さん、これなら持久戦に持ち込めば……」
「うん、シュラに勝てるよ!」
プリキュアはそんなシュラの異変につけ込む形でシュラのエネルギー切れまで耐えようと考える。そして、当然シュラもエネルギー切れする前に何としてでもプリキュアを始末しようとするわけで。
「このままでは我はエネルギーが尽きて終わるか……ならば!」
その瞬間、シュラの目が紫に光るとフェアリーパーク内に残存する影の兵士生成のための力の源及び全ての影の兵士を吸収した。恐らく、小出しにしてはプリキュアに蹴散らされるだけと考えて自らの糧にしたのだろう。
「ッ、まだ影の兵士を残してたんだ……」
「ですが恐らく、これでもうシュラのエネルギーを補う手段は無いはず」
「その通りだ。……だからプリキュア。我の本気を持ってして、お前達を纏めて叩き潰してやる!」
シュラは自身のエネルギー容量にできる限りのエネルギーをチャージするとそれを一気に使う事でプリキュアをゴリ押しして倒すつもりのようだった。
「ぬぉおおおおっ!」
同時にシュラは自らの体を少しだけ小さくするとその分のエネルギーを攻撃用に転換。シュラの体にもう一度赤黒いオーラが発生すると持つ刀の刀身が赤黒く染まり、電撃が迸る。それは、シュラの最後の一撃と呼べる技だった。
「コイツ、ヤケクソモードかよ!」
「明らかに私達だけでも倒すって考えだね」
「ああ、お前達を倒した後はその希望の力を喰らって我の力としてやる!」
これに関してはシュラの体内にあるレインボージュエルがあるため理論上は可能だ。そして、そうなればシュラに立ち直る力を与えてしまう事になるのでプリキュアはこれを全力で阻止しなければならない。
「皆さん、私達だけで迎え撃ちましょう」
「ッ、スカイ……」
「ピーチ達もブロッサム達も、メロディ達も自分達のやるべき事を最後までやり抜きました。だから、私達もやらないといけないんです!」
スカイはシュラのこの全力攻撃を5人だけで受け止めるという考えであり、それは一見無謀にも思える。
「わかりました。やりましょう!」
「今の私達ならきっとできる!」
だが、それでもスカイ以外の4人もやる気だった。他のプリキュア達が剣の破壊をやり遂げたのに自分達だけ何もやれていない状態ではいけないと考えたのである。
そして、5人が集まるとシュラへと立ち向かうために横に並ぶ。その瞬間、エルの胸がまた光を放つとそこからまた新たなスカイトーンが5つ生成。そのスカイトーンが5人の元に行くとそれぞれがスカイトーンを手に取る。
「える!ぷいきゅああああっ!」
「これは……」
「使ってって事だよね?」
そこにあったのは水色、薄ピンク、オレンジ、白、赤の5つの色に縁取られたスカイトーンであり、真ん中にはひろプリのエンブレムが存在していた。
「ああ、それにこれなら5人で技を使えるって事だろ!」
「はい!きっとそうです!」
「なら、早速これを使いましょう!」
いずれにせよ、今のスノー達にこれを使わない手は無い。そのため5人がそのスカイトーンをスカイミラージュに装填。その瞬間、スカイミラージュが光に包まれるとその形状が変化。持ち手はそのままにマイク部分から光の刃が生成されるとプリキュア5が使っていたフルーレのような形となる。
ちなみにプリキュア5のフルーレは持ち手に手を保護するためのハンドガードがあってサーベルのような印象を与えるのに対し、こちらにはハンドガードは無いのでプリキュア5のフルーレよりフルーレらしさが出ていた。
「これはプリキュア5の……」
「剣には剣で対抗ってやつか。良いね!」
スカイ達はそれぞれのメンバーカラーのフルーレを手にすると早速技を発動させる。
「五つの光に!」
「「「「希望を乗せて!」」」」
すると5人はスカイをセンターに正面左からサンライズ、ウィング、スカイ、プリズム、スノーというチーム名乗りの際のポジションで並ぶと手にしたフルーレを掲げて重ねた。
これにより、水色、薄ピンク、オレンジ、白、赤の5つの刃が光り輝くとそれによってバックの青空に虹がかかる。
「「「「「プリキュア!レインボースカイ・エクスプロージョン!」」」」」
そのまま5人は同時にフルーレを突き出すとフルーレの刃から放出した5色の光のエネルギー波が一箇所に集まると一つの巨大なエネルギー波へと進化。そしてそれは青い空に美しい虹が掛かるような形で飛んでいくとシュラへと向かって迫っていく。
対してシュラはここでようやくエネルギーチャージが完了。彼がここまでエネルギーチャージに時間をかけてしまっている辺り、やはり彼の中に存在するエネルギー量が低下して不安定になってしまっているのだろう。
「これで消え去れ!必殺奥義・六道地獄!」
だが、それでも最強の技を一度放つ事はできたようで。5人が放ったエネルギー波とシュラの赤黒いエネルギー斬はぶつかり合い、双方共にその力を解放していく。
「「「「「はぁあああっ!」」」」」
「ぬう……!!」
すると威力の面ではシュラの方が有利なのか……少しずつプリキュア側は攻撃が押し込まれていってしまう。
「くうっ……ボク達5人の力でも押されてる!?」
「まだこれだけの力が残ってたのか」
「だけど、あとちょっと耐えればきっと……」
「うっ……無理だよ、このままじゃその前に押し切られちゃう」
5人にとって誤算だったのはシュラの残りエネルギー残量を見誤ってしまった事だ。つまり、彼女達の想像以上にシュラの中にエネルギーが残っている状態で仕掛けてしまったのである。
「ふはははっ!我の力を侮った罰だ。貴様等にしては珍しく油断したな!」
「くっ……確かに私達の中に油断はあったかもしれません。だから、私達はまだまだヒーローとして未熟なんです」
シュラは自分の体力を見誤って自爆したような形のプリキュアを嘲笑うように話しかけるとスカイはそんなシュラへと自分達は未熟であると答えを返した。
「ほう、認めるか。己の未熟さを……ならば、後悔に塗れたまま散れ!!」
シュラは更に圧を強めると一気にプリキュア側を倒して勝ち切ろうとする。しかし、それでも5人は押し戻されながらも踏みとどまった。
「でも!私達は未熟だからこそ、前に前に進まないといけない。昨日より今日、今日より明日に!」
スカイが己を、仲間を鼓舞するようにそう言うとそんな彼女の心に動かされたのか。スノーがスカイの言葉に同調する。
「スカイの言う通りだよ。私達はもっと変わらないといけない。まだ見た事が無い私達に!」
「うん、だからこんな所で負けるわけにはいかないよ!」
「な!?貴様等……何でこんな……」
シュラは完全に自分が押し切れる勝ち確状態から少しずつ盛り返し始めたプリキュアを見て驚愕。彼女達の何処にそんな事ができる力があるのかと考える。
「ボク達はあなたが思ってる程、弱く無いって事です!」
「黙れ!お前達に待ち受けているのは我による支配だ。それを邪魔するな!」
「邪魔してるのはお前の方だろ!誰かに支配されて生きるなんてまっぴら御免なんだよ!」
そのままシュラの力を互角と言える程まで押し返した所でプリキュアとシュラは押し合う。そんな時だった。
〜挿入歌 キラキラkawaii! プリキュア大集合♪ いのちの花〜
「お待たせ!」
「剣の破壊、完了しました!」
「よく頑張ってくれたね!」
「ッ!その声……ピーチ!」
「ブロッサム!」
「メロディも……!」
このタイミングでようやく剣の破壊に向かっていた他の三チームが戻ってくると合流。これでプリキュア達が全員集合し、シュラは苛立ったような顔を見せる。
「おのれ……プリキュアァアアアッ!」
シュラの叫びがその場に響くと同時にフレプリ、ハトプリ、スイプリのメンバーはそれぞれがひろプリの5人の攻撃をサポートするために一撃を放つ。
「「「「想いよ届け!プリキュア!ラビングトゥルーハート・フレッシュ!」」」」
「「「「プリキュア!ハートキャッチオーケストラ!」」」」
「「「「プリキュア!スイートセッション・アンサンブル・クレッシェンド!」」」」
フレプリは4人が胸から生み出した4つのハートを重ねて生み出した巨大な白いハートをエネルギー波として一気に放出。
ハトプリは先程同様に白いドレスの女神を召喚すると今度は彼女が鉄拳を繰り出すのでは無く彼女自身が突進する形で攻撃を繰り出す。
スイプリは4人が想いを重ねると4人の前にハートが合わさったト音記号が目の前に召喚。それが高速で回転するとそこからクレッシェンドトーンが出現。そのままクレッシェンドトーンが突進するという変則パターンで放つ。
これにより、三つのプリキュアチームの力も上乗せされた強力なエネルギー波はシュラの斬撃波を押し返しつつあった。
『はぁあああああっ!』
「ぐうっ……まさか、全ての世界を統べる存在であるはずのこの我が何故だぁああっ!」
シュラは怒りにも近い声を上げつつもプリキュア達が合わせて束ねた力の前に徐々に押し込まれていく。
「うぉおおおおおっ!」
シュラは未だに抵抗しようと全身に力を入れる。だが、その瞬間突如としてその体から力が抜けると彼のエネルギー斬が消失。
「な、何!?」
シュラは驚きの声を上げつつ困惑する。これはシュラが降臨する際にエネルギー炉の役割を果たしていた剣からの供給が途絶え、それ以上チャージできなくなった彼の内部に残っていた力が完全に尽きたという事だろう。
そして、こうなってしまうともう彼にはどうする事もできない。プリキュア達の全力が込められた最後の一撃は彼の体を呑み込むとその体を崩壊させていく。
「がぁあああ!?馬鹿な、こんな所で……全ての世界を統べるという我の野望が我の野望がぁあああっ!」
その瞬間、シュラの体が弾けるようにして消失すると彼から飛び出した凄まじい光のエネルギーが暗くしていた空を元に戻すと崩壊しかけていたフェアリーパークを元に戻していく。
これにより、シュラの脅威は完全に去るとフェアリーパークはバリアも含めてシュラが襲撃する前の状態に元通りになるのだった。
「これで……終わったんでしょうか?」
「うん!今度は剣も全部無くなってるしきっとそうだよ」
「はい!っと。これは確か……」
すると地上に降り立ったプリキュアの元に空中から一つの真珠のような球がゆっくりと降ってくる。
「レインボージュエル……」
その瞬間、赤黒く染まっていたレインボージュエルが虹色の輝きを取り戻すとその光が薄らと消失していく。
「そっか、本当だったらまだレインボージュエルの花は咲かないから」
「うん。これは元に戻しておいてあげよう」
スノーやサンライズは本来なら力が十分に高まっていない影響でまだレインボージュエルが現れない時期という事でジュエルをシャコ貝の中に戻す事を提案。
「皆さんもそれで大丈夫ですか?」
「勿論!それが良いと思う!」
「はい!これからゆっくりまた力を蓄えてほしいですもんね!」
「うん!私達も戻すのに賛成!」
こうして、プリキュア達の意見は満場一致するとレインボージュエルの力が高まった事で開いたジュエルそのものを保護していたシャコ貝の中にジュエルを返す事になった。
同時刻、その様子を修復された観覧車の上に立っていたシャドーは小さく微笑みを浮かべる。
「流石はプリキュア、俺が洗脳された借りをしっかりと返してくれたな」
どうやらあの後も彼はこっそりと戦いの様子を観戦していたようであり、戦いの行方を見守るつもりだった。そして、プリキュア側が勝利したのを見届けると彼はその場を去ろうとする。
「さて、これ以上俺がここにいるとプリキュアの狙いがこちらに向きかねないからな。帰ると……ッ!?」
しかしその瞬間、突如として彼の脳裏に自分へと優しく話しかける4人のプリキュアの姿を思い浮かべてしまう。
「またこの光景か……ッ、俺は強さだけを追い求める者だ。仲間など必要無い……」
シャドーはこれ以上プリキュア達が仲良く話している姿を見ているとまた変な光景が映ってしまうと考えてその場から離脱。これにより、シャドーも完全に撤退して今回の異変は集結する事になるのだった。
また次回もお楽しみに。