熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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新たなる力 月と光のプリキュア

幼い少女を助け出したアサヒとユキの二人が目の前にいるヒューストム達を見ると目を見開く。

 

「お前は……」

 

「あの時の!」

 

「昨日ぶりだな。変身不能の雑魚達」

 

ヒューストムは完全に二人を見下していた。二人がプリキュアになれないのを良い事に笑みを浮かべているのである。

 

「お前性格悪っ……」

 

「例えプリキュアになれなくたって私達にもやれる事はあるよ!」

 

ユキの反論を見るとヒューストムは僅かに苛立ったのか顔つきを歪ませた。

 

「チッ……あの時完膚なきまでに心をへし折ったと思ったのに……立ち直りやがって」

 

小声で言ったために周りの誰にも聞こえなかったが、ヒューストムの言い回しはまるで昔からユキを知っているかのようだった。

 

「アサヒ君、ユキさん!ここは私達に任せてその子達を!」

 

「うん!」

 

「さ、行こ!」

 

ひとまずアサヒとユキは幼い子供二人をこの場から逃がすために連れて行こうとする。

 

「はぁ?んな事させるかよ」

 

しかしヒューストムはそれをさせたく無いのか手を翳すと竜巻を飛ばして進路を妨害した。

 

「ッ!!」

 

「おっと、手が滑った。あははっ。さてどうする?これで君達二人は人質抱えたようなものだよね?」

 

するとヒューストムがバッタモンダーに目配せすると彼もやれやれと言った顔つきで指示を出した。

 

「僕としてはあんまり人質を使うような真似はしたくないけど……ランボーグ、あの四人を捕まえるんだ」

 

「ランボーグ!」

 

「させない!」

 

プリズムがユキ達の元に向かうランボーグを気弾で撃とうとする。しかし、それはヒューストムによる竜巻攻撃に邪魔されてしまった。

 

「ふん。お前ら三人ごときなんて俺がちょっと邪魔すれば十分なんだよ」

 

「くっ!でしたら、ヒーロガール!スカイパンチ!」

 

スカイが青い拳のエネルギーを纏って突撃。ヒューストムへと技を放つ。

 

「はぁ……無駄だっての」

 

ヒューストムが手を振ると風が正面から吹き荒れると共にスカイパンチを掻き消す。そのままスカイは吹き飛ばされてしまった。

 

「きゃああっ!?」

 

「これじゃあボクのウィングアタックも……」

 

同じ突撃系統の技であるウィングの攻撃も効かない。しかもランボーグはユキやアサヒに迫りつつあった。

 

「ユキちゃん、アサヒ、逃げて!」

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグがもう少しで二人の元に到達してしまうその刹那。二人はせめて自分達が守る二人の子供だけでも庇うためにランボーグの前に両腕を広げて立つ。そして、恐怖に怯える二人の子供を安心させるように笑顔を見せた。

 

「大丈夫。きっと守ってみせるよ」

 

「お姉ちゃん達を信じて」

 

そして、ランボーグの電撃を纏った拳が振り下ろされる。その時。二人の持っている色のくすんだスカイトーンと石が輝くと共に二人の前にバリアが生成。ランボーグからの攻撃を弾き飛ばした。

 

「なっ!?」

 

「あれは……」

 

するとユキが持っている石が砕けてスカイトーンへと変化。アサヒ、ユキの二人の持つスカイトーンがそれぞれ黄色とミントグリーンの輝きを取り戻す。それぞれ黄色い方は月の絵が、ミントグリーンの方はオーロラの絵が描かれていた。

 

「馬鹿な!?」

 

「これは……」

 

「もしかして!」

 

そんな中、二人の前にキュアルーセントムーン、キュアライトピラーが立っていて二人に話しかける。

 

『ユキ、アサヒ。あなた達の覚悟が私達の本当の力を呼び覚ましてくれました』

 

『今まで助けられた分、今度は私達が力になります。だから!』

 

「はい!絶対に救って見せます」

 

「うん!」

 

そんな時、青の護衛隊と共に避難誘導をしていたヒョウが走ってくるとその様子に目を見開く。

 

「あれって……」

 

「ヒョウ、この子達をお願い」

 

「安全なところまで!」

 

「わかったよ。二人共……この場は任せるよ」

 

ヒョウがそう言うと二人揃って頷く。そして、二人はサンライズ、スノーの時に使っていたミラージュペンを取り出すと構えた。

 

そして二人のミラージュペンがペンがマイクのように変形する。まずはアサヒからだ。

 

「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!ムーンライズ!」

 

その言葉と共にマイク部分にMOONRISEと表示され、宇宙空間のようなエフェクトに包まれるステージへとアサヒは舞い降りた。その瞬間、髪が赤茶色から黄色く輝くエフェクトと共に黄色い髪色に変化し、黄色に黄緑の差し色が入ったブーツが付与される。

 

「きらめきホップ!」

 

その言葉と共にステージ部分にHOPの文字が浮かぶ。すると髪に満月の形を模した小さな髪飾りが付き、耳に黄色いピアスが生成される。

 

「さわやかステップ!」

 

続けてステージがSTEPに変わると体に黄を基調としつつ黄緑の差し色が入った服装に及び下半身にはこちらも黄を基調として黄緑が差し色である半ズボンが装着。

 

「はればれジャンプ!」

 

更にステージがJUMPに切り替わり、両手に白のグローブが装着されつつ、最後にアサヒの両腕に月の絵柄が入った金色のバングルが付与されていく。

 

「日暮れにひろがる輝く月!キュアムーンライズ!」

 

こうしてアサヒはキュアムーンライズへと変身。続けてユキの方へと移る。

 

「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!オーロラ!」

 

その言葉と共にマイク部分にAURORAと表示され、宇宙空間のようなエフェクトに包まれるステージへとユキは舞い降りた。そしてユキはその髪色が白からミントグリーンへ変化。最小限の白の差し色が入ると後頭部の辺りでポニーテールへ。それから彼女の両脚にライトグリーンのブーツが装着された。

 

「きらめきホップ!」

 

その言葉と共にステージ部分にHOPの文字が浮かぶ。同時に彼女の頭にオーロラの色合いを模した紫のカチューシャが装着。丸く青緑のイヤリングも両耳に付いた。

 

「さわやかステップ!」

 

続けてステージがSTEPに変わると体にミントグリーンを基調として白を差し色としたドレスを着つつ、両脚へと白と薄い緑のハイソックスが履かれる。

 

「はればれジャンプ!」

 

更にステージがJUMPに切り替わり、ユキの両手にオーロラが流れるようなエフェクトと共に光が集まると両手にグローブが付与。最後に彼女の右肩からオーロラのような輝きと共にマントが生えた。

 

「夜空にひろがる煌めく幻想!キュアオーロラ!」

 

そして、ユキも新たなる姿、キュアオーロラへと変身を遂げるのであった。

 

「凄い!キュアムーンライズにキュアオーロラ!」

 

「お二人の新しい力です!」

 

二人が並び立つとその背後にルーセントムーン、ライトピラーの姿も幻影として重なっているように見えた。そして、その幻影が消えると二人は頷く。

 

「プリキュアが増えても結果は同じだなのに悲しいね」

 

バッタモンダーがそう言うと指を鳴らす。その瞬間、ランボーグが襲いかかった。

 

その瞬間、二人が飛び出すと二人は前よりも早くなったそのスピードに驚く。

 

「って、早っ!」

 

「前よりも早いから感覚が!?」

 

二人は何とかスピードの誤差を直すとそのまま速度を維持しつつ拳を放つ。

 

「「はあっ!」」

 

 

二人からの攻撃がランボーグに命中。しかし、今度はランボーグを思ったよりも押し込めない。

 

「って、あれ!?」

 

「まさか、スピードと引き換えにパワーが若干落ちてる!?」

 

そのまま二人は距離を取ると今度は手を翳す。その瞬間二人の手からそれぞれ黄色とミントグリーンの気弾が放たれる。

 

「あれは、私と同じ!」

 

二人はこれにより、この姿での戦い方をなんとなく理解する事に。それは前のようなパワー重視の肉弾戦では無く、機動力を生かした射撃戦をしろという事だ。

 

「はあっ!」

 

ムーンライズが気弾を連射するとランボーグを牽制。そのままオーロラが背後に回り込むとこちらもムーンライズと挟むようにして射撃。二人分の攻撃で一気に圧をかける。

 

「ランボーグ……」

 

ランボーグは何とか反撃するために地面に拳を叩きつけると電流を衝撃波として飛ばす。するとムーンライズとオーロラの体が輝くと体にオーラを纏って浮かび上がる。

 

「今度は飛行能力!?」

 

「たあっ!」

 

そのまま二人同時にキックを叩き込むとランボーグは下がり、ムーンライズが一気に決めにかかる。すると満月をバックにムーンライズが両手を左右に広げ、月から注ぐ精霊の光を受け取り、二つのエネルギーを真上で重ねてから両腕を突き出して放つ光のエネルギー砲。

 

「ひろがる!ムーンライズドリーム!」

 

そのエネルギー砲がランボーグを貫くとそのまま浄化されていく事に。

 

「スミキッタァ〜」

 

そして、ランボーグがやられるとバッタモンダーが怒りを露わにすると豹変した。

 

「ざけんなよ!!」

 

尚、その際にバッタの触覚のような物がピンと逆立つ。そして我に帰ると取り繕い、平静を装った。

 

「おめでとう。お互い良い戦いだったよね。また会おう。バッタモンモン」

 

「やれやれ。アイツ、素が出ると色々面倒なんだよな。まぁ良い。ヒューストストム」

 

バッタモンダーの撤退に対してヒューストムもこれ以上は意味が無いと踏んで撤退。

 

そして、一同が変身解除するとその場に子供達を送り返したヒョウや事後処理を行うために来た青の護衛隊の面々と合流する。その中でソラはベリィベリーにグローブを返すために話しかけようとするが、今はその時では無いとましろに止められてしまう。

 

「ベリィベリーさ……」

 

「ソラちゃん……今はそっとしておいてあげよう」

 

「………」

 

それからユキ達六人が行こうとするとベリィベリーがソラを呼び止めた。

 

「ソラ!……ありがとう。ごめんね」

 

それから二人は抱き合うと笑った。そして、ベリィベリーはユキにも話しかける。

 

「それと、ユキ……。あの時、心配してくれたのに突っぱねるような事を言っちゃってごめん」

 

「良いよ。ベリィベリーさんが元気になって良かった」

 

そしてベリィベリーとユキも仲良くなる事に。その様子を見ていたシャララ隊長やアリリ副隊長、ペギンにアサヒ達も微笑ましい顔で見ていた。その日の夜、ソラはシャララ隊長からの言葉を思い出している。

 

「……正しいとは何なのか。ヒーローはずっと考え続けなければいけない。……ヒーローって、大変です」

 

こうして青の護衛隊への入隊日は終わる事になる。その頃、ユキはヒョウにある事を告げていた。

 

「え!?次の任務は……俺達の故郷で?」

 

「……うん。プニバードの村で起きた問題を解決しないといけないらしいの」

 

それを聞いてヒョウは俯く。やはり故郷の事になると家族を思い出してしまうらしい。

 

「選抜メンバーの中に私やペギンさん。……あなたもいるの。だから大丈夫かなって」

 

「わかった。行くまでには何とか気持ちを落ち着けるよ。多分、俺が選ばれたのは地理とか地形に詳しいからだと思うし」

 

「ごめんね……」

 

「ユキ姉が謝ることじゃないよ」

 

それから翌日にはユキやヒョウ達はプニバードの村に向かう事になる。ヒョウにとってそれが転機になるとは知らずに。




また次回もお楽しみに。
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