熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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エル太郎の物語

エルを元気づけるために企画されたももたろうの物語。それが観客であるエルの前で始められる事になる。

 

「さぁ、人形劇の始まり始まり〜!」

 

「……える?」

 

「むか〜しむかし。ある所に小さな雲がフワフワと降りてきました」

 

するとソラが疑問を抱く。そしてそれは他の面々もそうだったのかかける意外は顔を見合わせた。

 

「あれ?桃じゃないんですか?」

 

「だよね?」

 

「これはあげはさんなりのアレンジ。だから気にしなくて大丈夫」

 

それを聞いた一同が苦笑いする中、話は続いた。どうやら降りてきた雲がパカっと開くと中から元気なエル太郎が出てきたそうだ。

 

「「「「「「エル太郎?」」」」」」

 

「そう!雲から生まれたエル太郎!」

 

「あげはさん、アレンジ上手っ」

 

するとエルは嬉しそうに喜ぶ。更に話は進んでエル太郎はミルクを飲んでグングンと成長したそうだ。

 

「しかし、ある日。都ではかける王子の婚約者であるあげは姫が鬼に連れ去られてしまったのです」

 

「ぐはははっ!この女はもらって行くぞ!」

 

「姫様〜!!」

 

「あげはを放せ!」

 

「かける王子、無茶です!」

 

結局あげは姫が連れ去られるのを止められなかったかける王子は一緒に鬼を退治するための同志を募る事に。その中に入るためにエル太郎は鬼ヶ島へと行く事を決意する。

 

「大分お話変わってきてる……」

 

「ま、まぁまだ修正は効くし……」

 

ひとまずエル太郎は鬼ヶ島に行くためにおばあちゃんであるヨヨから雲パンを受け取った。

 

「えるぅ!」

 

エル太郎はかける王子と合流するために港へと向かうとそこに犬がやってくる。

 

「待ってくださいワン!ヒーローの出番ですワン!その雲パンをください。そうしたら鬼ヶ島へとお供しますワン」

 

旅の仲間として犬を加えたエル太郎。そこに猿もやってくると仲間に加わった。

 

「待って欲しいウキ!雲パンをくれたら鬼ヶ島へとお供するウキ」

 

猿も加わった鬼ヶ島へと向かう一行。そこに二羽の雉も姿を現す。そして順番に話しかけた。

 

「ちょっと!お待ちくださいケン!」

 

「私達も連れて行くケン!」

 

「プリンセスのナイトになりますケン」

 

「プリンセスじゃなくてエル太郎ね?」

 

そして二羽も加わり、旅は更に続く。そして、ようやく港に到着すると先に着いていたかける王子、そして供のアサヒ、ユキと合流する事に。

 

「エル太郎。俺達も仲間に加えてください。共にあげは姫を助けましょう」

 

「「お願いします」」

 

それからエル太郎達と合流したかける王子達。これでそれなりにメンバーが揃い、いよいよ鬼ヶ島へと船で向かうことになる。

 

「遥か海の向こうに見えるのは鬼ヶ島。そこには村や街を襲ってあげは姫を連れ去った恐ろしい鬼が住んでいました」

 

「あれが鬼ヶ島」

 

「……何だか嫌な感じです」

 

「まるでアンダーグ帝国のよう」

 

その言葉に一同の心は乱れ始める。エル太郎も不安そうだ。そんな中、ツバサが呟く。

 

「エル太郎さん。ボクはあなたのためなら例えどんな敵が相手でも戦って見せます」

 

「私だって。戦えなくてもできる事をやってみせるわ」

 

「うん、皆を悲しませる人になんて負けてられないから」

 

「私は強く誇り高いヒーローにならないと。……シャララ隊長」

 

「……絶対に王様を、王妃様を、アサヒ君を救う。そのために私は生かされたから」

 

「どんな困難が相手でもきっと俺達なら……」

 

しかし、六人の中に不安な気持ちが渦巻いていく。そのため、暗い顔つきへと変わっていった。その不安はエルにも伝わったのか泣き始めてしまう。

 

「うわぁああん!」

 

「どうしました!?エルちゃん!」

 

「何か怖い事でも……」

 

「大丈夫だよ。大丈夫。不安な気持ちって不思議と伝染しちゃうんだよね」

 

それを聞いて一同は自分達のせいで不安にさせたと思い至る。そして謝った。

 

「ごめんね、エルちゃん」

 

「笑顔になってもらおうと思っていたのに」

 

「自分の心を抑えきれずに、未熟」

 

するとあげははエル太郎人形を使ってエルを安心させるとエルは何とか泣き止む。

 

「それじゃあ改めて鬼ヶ島へと向かいましょう!」

 

それからエル太郎達は鬼ヶ島へと到着。船を降りると上陸した。そこに現れたのは巨大な鬼である。

 

「何の用だ!」

 

「ええっ!?」

 

「大きすぎるよ!」

 

「まるで山だな……」

 

鬼は手にした金棒を振り回す。そんな中、まずは自分が行くとばかりに犬であるソラが飛び出した。

 

「まずは私が行きますワン!」

 

ただ、出たのは良いものの、思いっきり旗で作った鬼を攻撃したために旗が倒れてきてしまう。

 

「あれ!?」

 

そのまま倒れた旗がソラの視界を奪うと舞台の幕を壊してしまう。それを見たアサヒは手を頭に置く。

 

「やらかしたな……まぁ仕方ない」

 

「すぐに直して話を再開するね。エルちゃん」

 

それから幕を戻しているとエルが立ち上がると共に一歩ずつ歩き始めた。

 

「しょーら!ましお!ちゅばさ!あげは!ひかりゅ!かけりゅ!ひょーお!にいに!ねぇね!ぱぁ!」

 

エルが舌足らずながらも九人の事を次々と口にする。そんなエルを見て一同は元気付けられた。

 

「今ましろって!」

 

「プリンセスがボクの名前を!」

 

「あれ?でもなんで私とアサヒ君だけにいにとねぇね?」

 

「多分俺達がスカイランド王家の出だからじゃね?」

 

それ聞いてユキは納得の顔つきになる中、あげはとかけるは微笑ましい顔つきで見ていた。

 

「結局、エルちゃんに励まされちゃってるし」

 

「あはは、そうだね」

 

「でも、不思議とエルちゃんに言われると嬉しいかな」

 

エルに元気になってもらうために始めたこの劇は逆にユキ達が励まされる事になったのだ。

 

「力を合わせれば鬼……じゃなく、バッタモンダーやヒューストム、ランボーグからエルちゃんを守れます」

 

「そしてきっと、スカイランドに戻れる時が来るよ!」

 

「はい!大丈夫です!きっと!」

 

一同が微笑むと気持ちを前向きに変える。こうして、中途半端ながらも人形劇はこれ以上必要ないために終わることになるのであった。するとそこにヨヨがスカイランドからの通信があった事を伝える。

 

「皆、スカイランドからの連絡よ」

 

それを聞いて一同は顔を見合わせると早速ミラーパッドを通じてスカイランドからの連絡を受けることになった。

 

「王様と王妃様の事はヨヨ殿から聞いた。スカイランドは大丈夫だ。皆希望を胸に前に向かって進もうと頑張っている!」

 

「そっちもプリンセスを頼んだよ!」

 

「私達皆で力を合わせてこの状況を打開するんだ」

 

その言葉に力強く一同は頷く。エルが喜んでいるといきなり窓際が騒がしくなった。あげはやかけるが何事かとそれを見るとそこには沢山の小鳥達がいたのだ。

 

「うえっ!?何これ!」

 

「鳥だらけ……まさかこれって」

 

「そうよ。私とツバサの鳥友達」

 

そのため、ツバサとヒョウはプニバードになると鳥達からの伝言を聞いた。すると伝えられた事実に驚く。

 

「鳥通信……?」

 

「えっ!?公園に!?」

 

それはバッタモンダー及びヒューストムが街中の公園に姿を現したという事である。そのため、一同は急いで現場へと急行。エルはあげはが抱えており、プリキュアになれる五人が前に出てると残り四人は近くの草むらに隠れた。

 

「ああ。ようやく来たね。良い加減待ちくたびれたよ」

 

「それだったらずっと待っとけよ。バッタモンダー。あとヒューストム」

 

「でもお前らの性格上放置はしないと思ってたからな。さぁ、やろうぜ?」

 

ヒューストムがやる気になる中、初めて彼等を見るあげはやかける、ひかるはどんな奴なのかを視認する。

 

「アイツがバッタモンダー……」

 

「ていうか、エルちゃんはお家に戻った方が安全じゃ」

 

しかし、エルは首を横に振る。そして、ヒョウはそれは危険だと口にした。

 

「いえ、前にあったんですけど奴等はワープも使えます。なので、逃げた先がバレてプリキュアから引き離された状態で捕まったら太刀打ちできません」

 

「じゃあもうここまで来たら後は見守るだけって事か」

 

ヒョウは祈るようにプリキュア組を見据える。そんな中、ツバサが声を上げた。

 

「プリンセスを狙ってきたんですね!」

 

「いいや。違う。僕の目的は君達さ。プリキュア!カモン!アンダーグエナジー!」

 

するとアンダーグエナジーが召喚されると同時にそれが鬼泣かせと呼ばれる物に吸い込まれると鬼の姿をしたランボーグへと変化する。

 

「ランボーグ!」

 

「俺達が目的ねぇ。なんか嫌なことでもされたか?クソバッタ」

 

「ああ!?あんまり舐めてると痛い目を見るぞ!」

 

「その言葉、そっくりそのまま返すよ!」

 

「落ち着けってバッタモンダー。お前、またペースを乱されてるぞ」

 

「おっと、失礼。またまた気が立ってしまったようだ」

 

バッタモンダーがヒューストムに言われて落ち着くと冷静さを取り戻す。そんな中、ヒューストムは深呼吸をすると突如として体にエネルギーのオーラを纏う。それはシャドーとそっくりだった。

 

「まさか、ヒューストムも同じように……」

 

「ああ。お前らは俺に何度も屈辱を味わわせたからな。だから俺も少しは力を解放することにした」

 

そのパワーはシャドーと同じかそれ以上。否が応でも五人は気を引き締める必要が出てきた。

 

「あ、そうそう。言っておくけど俺はバッタモンダーとは違ってプリンセスも容赦なく狙う。取られたくなかったらしっかり守れよ。クソ雑魚共」

 

ヒューストムはそう言って挑発。ユキ達の怒りを誘うがそうはいかないと挑発には乗らなかった。

 

「へぇ。挑発に乗らないか。ま、冷静なのは良いことだな。おいバッタモンダー。アイツらの方が余程我慢を知ってるみたいだぞ?」

 

「煩い!いちいち余計な事を言うなっての」

 

ヒューストムは敵味方構うことなく悪口を言う辺り性根が割と腐ってるのだとユキ達は思う。そして、アサヒが一歩前に出た。

 

「お喋りはこの辺にしておこうぜ。あの竜巻男の相手は俺とユキでやる、三人はランボーグを」

 

「二人だけで大丈夫?」

 

「うん。どうにかしてみる!」

 

その言葉にソラ達は安心するとミラージュペンを取り出して変身する事になる。

 

「「「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!」」」」」

 

「ひろがるチェンジ!オーロラ!」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「夜空にひろがる煌めく幻想!キュアオーロラ!」

 

「日暮れにひろがる輝く月!キュアムーンライズ!」

 

「「「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

五人はそのまま変身を完了。今回のメイン担当はオーロラだ。それからプリキュア達はランボーグ及びヒューストムと向かい合うのであった。




また次回もお楽しみに。
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