熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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ペギンとの対話 新たなる敵

ユキとペギンの戦いが終わってから暫くして、ユキは護衛隊の医務室のベッドで目を覚ます。

 

「ん……ううっ」

 

「ユキ!大丈夫か?」

 

「アサヒ君……」

 

それからユキが起き上がると全身に鈍い痛みが走る。そして、その時自分はペギンとの決闘で体を痛めていると思い出す。

 

「うっ……」

 

「まだ安静にしてないとめっ!ですよ!」

 

そこに青の護衛隊の服装に着替えたソラもやってくるとまた無理をしようとしたユキを戒める。それを聞いてユキは苦笑いした。

 

「ごめんなさい。つい意地になっちゃって」

 

「……いいや。君は強かった」

 

そう声がした方を振り向くとペギンがいた。その腕にはユキの分の青の護衛隊の服を持っている。

 

「ペギンさん。あ、でも私からは一撃も有効打を入れられなかったのに」

 

「いや、君は私からの攻撃を一度きりとは言え見切った。私の反応があと少し遅れていればペースを乱されていたかもしれない」

 

「……!」

 

それはユキが氷雪拳を使ってペギンからの攻撃を躱した事である、あの時ペギンは確かに反応してきた。それでも彼女にとっては結構ギリギリだったようだ。

 

「隊長もそれはわかっていた。それに、君は戦いの前にベリィベリーの事を心配して気遣ってくれた。その優しい心を隊長は認めた。ユキ・ハレワタール。君を青の護衛隊の一員とする」

 

「……!ありがとうございます!」

 

「まぁ、また今度私の方から色々と技術を教えるわ。私のスピードに初見で反応できたあなたならきっと強くなる才能がある。何よりあなたのその優しさは誰かの心に寄り添えるような人間になれる大きなキッカケだからね」

 

それを聞いてユキは嬉しそうに微笑む。そして、ペギンはある事を話すことにした。

 

「……君が助けようとしたベリィベリーの事だ。ソラ、君も聞いてくれ」

 

それからペギンはベリィベリーについて話す事になった。彼女はかつて、青の護衛隊に入るための試験に何度も挑戦した。しかし、結果は全て不合格。その理由は彼女が負ってしまった腕の怪我にある。そのため、誰よりも人一倍に努力を怠らない精神の持ち主である反面、強さと弱さに異常なこだわりを持つようになったのだ。

 

「そうだったんですね……」

 

「ソラ、ここから先の話はシャララ隊長に聞いてみると良い。きっと良いアドバイスをしてもらえると思う」

 

「はい!」

 

それからソラがシャララ隊長の元に向かう中、ペギンはアサヒの方を向く。

 

「……そういえば君はユキの彼氏で良いのかな」

 

「は、はい」

 

「すまない。本気でぶつかりあった結果とはいえ彼女をここまで傷つけてしまって」

 

「いえいえ。こちらこそすみません。気を使わせてしまって」

 

「………もし良かったら君も護衛隊に入らないか?君からもユキと同じ優しさを感じる。きっと良い隊員になれるよ」

 

それを聞いてアサヒは驚いたような目をする。しかし、自分にはやるべき事があると断ることにした。

 

「いえ、お誘いはありがたいのですがまだ自分にはやる事もありますし」

 

「そうか。じゃあ私はそろそろ仕事に戻らせてもらう。ユキ。彼氏を大事にね」

 

それを聞いてユキの顔がカァーっと真っ赤に染まると恥ずかしさでいっぱいになる。

 

「ユキ。俺達がこうしてここにいるのは……何だか運命な気がするな」

 

「え?」

 

「ヨヨさんが言ってただろ?出会いに偶然は存在しない。いつだって必然。運命。物語の始まりだって」

 

それは二人が、ソラやましろ達が出会った時にヨヨから伝えられた言葉である。

 

「だとしたらこうして私達が出会えたのも」

 

「ああ。運命だと思う。だからこんな奇跡のような出会いからここまでの関係になれた。これからもよろしくな、ユキ」

 

「うん!」

 

それから二人が握手をすると互いの絆を深めることになる。すると二人の持っている先代プリキュアが眠るスカイトーンと石がチカチカと光り、反応した。

 

「これって……」

 

「急にどうしたんだろ」

 

するとそこから光が溢れ出て二人の先代プリキュアの幻影が姿を現して二人に話しかける。

 

「お二人共、緊急事態です」

 

「「……え?」」

 

「街中に邪悪な気配を感じました。恐らく、アンダーグ帝国の新たな刺客だと思われます!」

 

「アンダーグ帝国の新たな刺客……」

 

「アサヒ君」

 

「ああ。行こう!」

 

それから二人は行こうとするとユキの体の傷が痛む。しかし、ユキはそんな事を言ってられないと痛みに耐えながら二人揃って走りだした。

 

その頃、街中では決闘に負けて飛び出したベリィベリーが悔しさで一人泣いていた。そこに一人の青年ともう一人、少年が姿を現す。青年の方は人間の男性に似た姿に緑色の長髪と道化師のような化粧が施されたビジュアル系を彷彿とさせる顔をしている。その人間のような印象を与える彼だが、薄紫色の肌や尖った耳、触角めいた前髪もあるため人間かと言われれば怪しいが。少年の方は前にアサヒやユキの前に現れた謎の少年と同じであった。

 

「ずっと一人で頑張ってきたんだね」

 

「おい、バッタモンダー。ナンパでもするつもりか?」

 

「違う違う。この子がとても苦しそうな顔をしてるからね。手を差し伸べているんだよ」

 

「別にどうでも良いだろ。落ちこぼれた奴の事なんて」

 

「ッ……!誰だ!お前達は!」

 

ベリィベリーはいきなり話しかけられたことで飛び退くと構えを取る。そしてバッタモンダーと呼ばれた男は話を続けた。

 

「苦しかったよね、寂しかったよね。君を傷つけるこんな世界……僕が壊してあげるからさ」

 

「言ってることは完全にヤバい奴だけどな?あと、そんなクズ放っておいてもっと楽しい事しようぜ。まぁ、お前が弱い者を憐れむ行為を楽しみたいなら止めはしないが」

 

「ヒューストム。これは僕からの優しい救済だよ。カモン!アンダーグエナジー!」

 

その瞬間、地面から漆黒のエネルギー……アンダーグエナジーが飛び出すとベリィベリーの右腕に装着されているグローブへと吸い込まれていく。そしてそれはランボーグへと変化した。

 

「ランボーグ!」

 

するとランボーグは咆哮を上げると共に地面へとグローブを模した巨大な右腕を叩きつけて周囲にいる人々を牽制。その時、シャララ隊長に諭されてベリィベリーへと謝りに来たソラに加えて一緒に来たましろ、ツバサの三人が現場に到着する。

 

「ランボーグ!?」

 

「どうして……」

 

ソラはランボーグの足元に倒れているベリィベリーを見つけると駆け寄った。その瞬間ランボーグの上に乗ったバッタモンダーが声を上げる。

 

「気を失っているだけさ。弱い者には手を出さない。そう決めてるんだ。だってほら、僕って優しいからわかっちゃうんだよね。弱い者の悲しみ、怒り。なんかそういうのがさ」

 

「あなた、誰?」

 

「僕はバッタモンダー……そして」

 

その瞬間、周囲に風が吹き荒れるとそこにヒューストムと呼ばれた少年も降り立つ。

 

「ヒューストムだ。よろしく。雑魚プリキュアさん」

 

それを聞いて三人は馬鹿にされていると感じてムッとするが、すぐに冷静さを取り戻す。

 

「アンダーグ帝国の……」

 

「新しい敵!」

 

「「正解!」」

 

するとランボーグが強靭な腕を振り下ろす。それを三人は躱しつつその手にミラージュペンを構える。

 

「ましろさん、ツバサ君!」

 

「アサヒにユキちゃんがいないけど」

 

「ボク達だけでも頑張らないと!」

 

それから三人がプリキュアになるための光に包まれるとその姿を変化させていく。

 

「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」

 

三人が変身を完了するとランボーグと相対する。そして、バッタモンダー達へと言い放つ。

 

「ここはプリンセスの都だ。これ以上の好き勝手は許さないぞ!」

 

「参ったなぁ。言ったよね?弱い者には手を出さないって。まぁランボーグはそうじゃないんだけどさ」

 

「お手並み拝見と行こうか。プリキュア」

 

バッタモンダーとヒューストムが見物に回る中、ランボーグが早速攻撃を開始。

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグは強靭な右腕に電撃を高めるとエネルギー弾として繰り出す。その一撃は凄まじかった。

 

「ッ!スカイ!」

 

「はあっ!」

 

スカイはそれを弾くと今度はウィングがランボーグの周囲を飛び回ることでランボーグを牽制する事に。

 

「こっちだ!」

 

「ラン!?」

 

「へぇ。雑魚にしてはやるじゃん。でもさ、それじゃワンパターンが過ぎるよ?」

 

ヒューストムがそう言うとランボーグがウィングの動きを見切ったのか衝撃波を放つとウィングを吹き飛ばしてしまう。

 

「うわあっ!?」

 

「ウィング!だったら!」

 

すると今度はプリズムが大量の気弾を放って攻撃。弾幕による攻撃でランボーグを攻め立てていく。

 

その頃、街中では青の護衛隊の面々が街の人々の避難誘導を行っていた。そこにアサヒとユキも加わる。

 

「こっちです!」

 

「落ち着いて避難してください!」

 

「済まない、助かるぞ」

 

アリリ副隊長がそう言う中、ユキは横目で親と離れてしまったのか一人の幼い二人の子供がランボーグのいる方に向かうのを見た。

 

「ッ!」

 

「ユキ、そっちは……」

 

ユキが急いでその方に駆け出す。アサヒもそんなユキを追って戦闘の場面へと向かう事になった。

 

「はあっ!」

 

「ランボーグ!」

 

スカイが突撃して拳を繰り出す中、ランボーグは腕に電撃を纏わせるとそのまま弾き飛ばしてしまう。

 

「きゃあっ!?」

 

スカイが壁に叩きつけられると落下。そんな中、ベリィベリーが目を覚ます。

 

「止めろ!」

 

ベリィベリーは自分のせいで人々が傷つくのが我慢ならずに声を上げる。しかし、ランボーグがそれを聞くはずがない。ベリィベリーをターゲットにすると攻撃を繰り出した。

 

「ッ……」

 

「しまった!」

 

「いけない!」

 

そのままランボーグの拳がベリィベリーへと振り下ろされるとバッタモンダーは溜息を吐く。

 

「悲しいね、弱いって」

 

「ふん。プリキュアですら無いクズはこの程度か」

 

「ベリィベリーさんは弱くなんか無い!ましてや、クズだなんて。そんなの、絶対に許しません!」

 

ベリィベリーへと拳が振り下ろされる直前。スカイが間に合うと攻撃を受け止めたのだ。

 

「ごめんなさい……」

 

「その声は……ソラ!?」

 

「一人で苦しんでた事、ずっと頑張ってた事!私、何も知らないのに間違っていますだなんて……一番近くで育った友達も似たような境遇だったのに……その辛さは間近で見てきたはずなのに……」

 

ベリィベリーがそれに目を見開く中、スカイはランボーグの腕を押し返す。

 

「な、何てパワーだ!」

 

バッタモンダーが驚く中、プリズムがスカイの元に走り込む。このまま二人で合体技を使うつもりだ。

 

「スカイ!」

 

「はい!」

 

するとその瞬間、プリズムの前にいきなり緑の竜巻が飛んでくると彼女を吹き飛ばす。

 

「きゃあっ!?うっ!?」

 

プリズムがいきなり吹き飛ばされると壁に叩きつけられる。それを見たスカイ、ウィングが驚くとその主であるヒューストムを見た。

 

「あ、ごめんな?手が滑ったわ」

 

「なっ!?」

 

「困るんだよねー。そうやって人が無力さに打ちひしがれるタイミングで邪魔するの」

 

「……?」

 

スカイはこの時何かを感じた。それは、かつてどこかで似たような物を見た気がするという事を。

 

「さて、ここからは俺も入らせてもらうぜ!」

 

ヒューストムが手を翳すと竜巻を飛ばし、空中にいるウィングを吹き飛ばすとそのまま背後に回り込んで蹴り、地面に叩きつけさせる。

 

「ウィング!」

 

「さ、最後はお前だよ?」

 

更にスカイの前に来ると彼女を思い切り殴り、近くの壁に叩きつけさせた。

 

「がはあっ!?」

 

三人のプリキュアが痛みに耐えて何とか立ち上がるものの、ダメージはそれなりに大きかった。

 

「くっ。コイツ……強い」

 

「スカイ、何とか私達で!」

 

「おっと、そうはさせないよ」

 

するとランボーグがプリズムの前に立ちはだかる。向こうは何としてでもスカイ、プリズムの連携技を使わせないつもりのようだ。

 

「さて、合体技を封じられた君達はどうする?」

 

「くっ……」

 

「どうにかボクが隙を作ります。なのでスカイは……スカイ?」

 

ウィングがスカイへと話しかける中、スカイはとある光景に釘付けになっていた。それは、戦場の近くに迷い込んだ幼い二人の子供である。

 

「ッ!こっちは危ないです!」

 

スカイが叫ぶとその瞬間、ヒューストムがその方を向く。そして、ニヤリと笑うと手を翳した。

 

「ッ、止めろ!」

 

ウィングが何としてでも止めるために飛び出すがヒューストムは下衆な笑みを浮かべて竜巻を放つ。

 

「君達が本当にヒーローならアレも救えるよな?」

 

三人共虚を突かれ、反応が遅れてしまったために今から飛び出しても子供を救えない。

 

「やめてぇええ!!」

 

スカイが叫ぶ中、そこにユキとアサヒが来ると二人で子供を救出。そして、ヒューストム達の前に立つのであった。




また次回もお楽しみに。
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