熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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呼び出される闇の戦士達

ドッキリーヌが笑みを浮かべると頭に被っていた帽子を取る。その瞬間、その帽子の中に手を突っ込むとそこからクラウディのヒーローノートを取り出す。

 

「あ!僕のノート!」

 

「野郎、今度は何を……」

 

するとドッキリーヌは笑みを浮かべ、指を鳴らすとノートから五つのクリスタルが出現する。

 

「それは……」

 

「何をするつもりですか!」

 

スカイがそう言う中、ドッキリーヌはその五つのクリスタルを見据えると手を翳した。

 

「出でよ!アンダーグエナジー!」

 

するとそのクリスタルの中にアンダーグエナジーが吸い込まれていく。そして、クリスタルが弾けると中から出てきたのは五人の闇の戦士だった。

 

「あれは!!」

 

「まさか……」

 

その戦士達の姿はキュアドリーム、キュアルージュ、キュアレモネード、キュアミント、キュアアクアにそっくりな姿をしていた。ただし、その衣装は彼女達のメインカラーに黒を合わせたような感じだが。

 

「あれって、ドリーム達プリキュア5!?」

 

「厳密にはダークプリキュア5ですがね。元々彼女達はシャドウと呼ばれる存在によって作られたのですがその後キュアドリーム達の手によって倒されたんですよ。そこで私が彼女達をアンダーグエナジーで再現してみました!」

 

それを聞いて六人は厄介な敵を呼び出してくれたと考える。そんな中、ドッキリーヌは更に笑みを浮かべるとノートにあるフレッシュプリキュアのページを開く。そして、手をそのノートの中に突っ込んだ。

 

「ああっ!!」

 

「え?アイツ、何をして……」

 

そしてドッキリーヌがそこから何かを引き抜くとそのエネルギーボールにまたアンダーグエナジーを入れる。その瞬間、そのエネルギーは人型に変化した。その姿は白髪の髪にボンデージのようなエナメル系の衣装を纏う。そのスタイルはかなり良く、さながらSMファッションであった。

 

「………」

 

「アイツは……」

 

「と言うより、僕のノートにあんな奴なんて書いてなかったはず……」

 

「彼女の名前はイース。フレッシュプリキュアに存在する敵です。私はね、プリキュアに出てくる悪役をプリキュアに関するアイテムから呼び出す事ができるんです。とは言ってもここにいるイースは組織を裏切った際に用済みとして死んだ彼女の魂を召喚。アンダーグエナジーで実体化させただけですが」

 

それを聞いてプリキュアは許せないと思うと同時に戦いに備えて構える。

 

「さてと、これでダークプリキュア5と合わせて6人。さぁ、六対六のチーム戦と行きましょうか」

 

そうドッキリーヌが言い放った瞬間、六人は一斉にプリキュアへと襲いかかる。

 

「来るよ!」

 

「くそっ。やるしかねぇ!」

 

そのままスカイはダークドリーム、ムーンライズがダークルージュ、プリズムがダークレモネード、オーロラがダークミント、ウィングがダークアクア、クラウディがイースと交戦する。

 

「くっくっく。これは良い。このノートを使えばアンダーグに洗脳した幹部を幾らでも生み出せそうだ」

 

「そうはさせない!」

 

クラウディはどうにかしてイースを振り切ってノートを取り返そうとするが、彼女の身体能力は高く、中々彼女の横を抜かせてくれない。

 

「今はコイツらからだ!」

 

ムーンライズの言葉に五人は頷くと更に交戦を続けていく。しかし、時間が経てば経つほどに少しずつプリキュア側が不利になっていった。

 

「はあっ!」

 

スカイとダークドリームの肉弾戦は最初こそ互角だったものの、少しずつ押されていく。その理由は単純。ダークドリーム達には体力という概念が無い。つまり疲れを知らないのだ。流石にダメージは喰らうようだが、疲労による体力の低下が無いとなると常に最高のパフォーマンスをしてくる事になる。

 

「ヒーローガール!プリズム……」

 

「ダークネスフラッシュ!」

 

プリズムが気弾を放とうとしたその瞬間、ダークレモネードから放たれた不快と思えるような音波攻撃。それがプリズムを直撃すると彼女は悲鳴と共に耳を抑える。

 

「こんな歌、耳が……壊れちゃうよ……」

 

ウィングの方はダークアクアが振るってくる水の大剣を何とか躱しつつ戦うが、やはりリーチの差がとてつもないため、なかなか近づけない。

 

「このままじゃ……」

 

「腰が引けてるわよ!」

 

ダークアクアは斬撃波を飛ばすとウィングに命中。怯んだところに一気に踏み込んでオーバーヘッドキックで地面へと叩き落とす。

 

「うわあっ!?」

 

ムーンライズとダークルージュは光と炎の気弾を撃ち合っていた。そのエネルギーがぶつかり合う度に爆発が起きて視界を奪っていく。ムーンライズは何とかダークルージュを捕捉しようとするが、その時点で既に彼女に懐に入られてしまう。

 

「ッ!?しまった!」

 

そのまま彼女からの拳をまともに喰らうとムーンライズは吹き飛ばされる。

 

「ぐううっ!?」

 

「ダークネスファイヤー!」

 

その炎がムーンライズへと向かう中、彼は何とかそれを受け切るが、ダメージで膝をつく。

 

「はぁ……はぁ……」

 

そのタイミングでオーロラも同じく膝を付いていた。彼女はオリジナルのキュアミントと真逆の戦い方をするダークミントの戦い方に困惑していたのである。

 

「どうして……キュアミントは皆を守るプリキュアなのに……」

 

「守る?どうしてそんな事をする必要があるの?」

 

「え?」

 

「他人を守ったって自分に幸せなんて無いわ。だから私は人を守るのが嫌い」

 

「そんな……」

 

オーロラの顔に絶望が広がる中、ダークミントは容赦なく気弾を撃ち込む。その爆発がオーロラを包むとオーロラは何とかバリアで防ぐが、そのバリアにはヒビが入り、一部が欠けていた。それだけダークミントの攻撃が強いということだろう。

 

そして、クラウディとイースの戦いはイースがクラウディを圧倒。その力の差を前にクラウディは押されていく。

 

「ッ……強い。これが彼女の実力……」

 

「そうよ。プリキュア如きに負けるような私では無いわ」

 

「でも、僕達は絶対に諦めない!」

 

「ふん。その諦めない姿勢に言葉、虫唾が走るのよ!!」

 

クラウディは何とか奮戦するが、イースの強さは規格外だった。敵組織の幹部という事もあってクラウディも押される始末だ。

 

六人はダークプリキュア5とイースの連合軍を相手に押される中、どうにか状況を打開するために集まるとムーンライズとオーロラが前に出る。

 

「こうなったら俺達の合体技でアイツらを一気に押し込む。ただ、俺達の技はエネルギーが高まるまである程度飛距離を伸ばす必要があるから少しだけ四人で持ち堪えてくれ」

 

「大丈夫。絶対に私達がどうにかするから」

 

「わかった。その言葉、信じるよ!」

 

二人の合体技を知らないクラウディもその案に賛成するとムーンライズ、オーロラの二人が技を使うために手を繋ぐ。

 

「輝け、月の力!」

 

「煌めけ、光の力!」

 

二人が叫ぶと空から光が降り注ぐ。その光に包まれた二人の体が黄色とミントグリーンのエネルギーの球体へと変わって浮かび上がる。

 

「「集まれ!二つの幻想の力達よ!」」

 

そして、そのまま空を飛びながら威力を高めるための助走に入る。そのタイミングでスカイ、プリズムが時間稼ぎのためにダークプリキュア5へと技を使う。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!」」

 

その行為を見たイースは二人を妨害しようと飛び出すが、ウィングとクラウディが彼女を止めた。

 

「二人の邪魔は……」

 

「させない!」

 

そのタイミングで光がダークプリキュア5の五人を包み込む。しかし、次の瞬間。ダークプリキュア5が力を込めるとオーラが噴き出すと共に技を粉砕してしまう。

 

「「きゃあっ!?」」

 

二人が吹き飛ばされて叩きつけられる中、クラウディ、ウィングもイースによってダメージを追って地に伏す。

 

「うわあっ!?」

 

「ぐああっ!?」

 

だが、もうここまで時間を稼げば十分だ。本命であるムーンライズとオーロラの技がかなりの威力へとパワーアップしてダークプリキュア5へと飛んでいく。

 

「皆が稼いでくれた時間、無駄にはしないよ!!」

 

「喰らえ!」

 

「「プリキュア!ファンタジーパワー・クレシェンド!」」

 

その一撃がダークプリキュア5へと突撃する中。五人は笑みを浮かべると胸にある蝶の形をした装飾からエネルギーを手へと集約。するとそれがダークドリームへと集まっていった。そして、ダークドリームが作り出したダークトーチへと他の四人の力が合体。そのままトーチを掲げるとトーチその物が巨大な蝶のようなアイテムとなる。

 

そのまま五人がアイテムから降り注ぐ闇のエネルギーに吸い込まれるとその上に立つ。そして繰り出されるダークプリキュア5の必殺技。

 

「「「「「ダークネス・ファイブ・エクスプロージョン!」」」」」

 

そのまま漆黒の蝶のエネルギーを纏ったアイテムはムーンライズ、オーロラの技と激突。ただ、その威力はムーンライズ、オーロラの技を遥かに凌ぎ、あっという間に二人は打ち破られると身体中が千切れるような痛みが走り、そのまま押し返された。

 

「「あぁあああああああっ!!」」

 

そして、その直線上に倒れていたスカイ達四人も巻き込むと六人はボロボロの状態で地面に横たわっていた。そのダメージは凄まじいのか、六人共気を失ってしまっている。

 

「あーあ。少しは楽しめると思ったけど……こんなものか」

 

高みの見物をしていたドッキリーヌは僅かに失望したような声をあげると六人を見下ろす。そんな中、ピクリと動く影が見えた。

 

「まだ……だ」

 

そこにはダメージで顔を歪めつつも、まだ闘志を失っていないクラウディがいた。それだけじゃない。ムーンライズが、オーロラが、スカイが、プリズムが、ウィングが。六人のプリキュアは立ち上がると戦う意志を示す。

 

「ほう。まだやるか。でも、戦ってわかっただろう?お前達に勝つのは不可能なんだよ」

 

ドッキリーヌがそう宣告する中、クラウディ達はそれでも強く大地を踏みしめると言い放つ。

 

「言ったはずだよ。僕達は……諦めないって」

 

「絶対にクラウディのノートを取り返して」

 

「ここから元の世界に脱出する」

 

「そのためならボク達は」

 

「何度だって立ち向かえる」

 

「諦めないその気持ちが、私達に力をくれる!」

 

そんな中、イースはドクンと胸が高鳴る。そして、彼女は頭を抑えた。何度やられても立ち上がるクラウディ達が立ち上がれる原動力が何なのか。それを彼女は理解できなかった。

 

「何……この感じ……どうして、こんな……」

 

するとイースの胸にとある記憶が流れ込んできた。それは彼女が生きていた頃。彼女が元いた組織によって寿命を縮められたせいで死ぬ直前。彼女の目の前に四つ葉のクローバーを差し出した一人の少女の姿だった。

 

“今からでもきっとやり直せるよ!さぁ、幸せを掴み取って!”

 

「あれは……プリキュア?確か、キュア……ピーチ……」

 

そして、その瞬間。奇跡は起きた。ドッキリーヌの持つプリキュアノートの真っ白なページに新たな内容が刻まれるとイースの姿が光と共にプリキュアへと変わっていく。

 

その姿は赤を基調としたドレス姿で黒のロングタイツを履き、心臓の部分には四つ葉のクローバーマーク。髪色はピンクである。

 

「まさか、これは……現実世界で起きた事がここでも起きたと言うのか!?」

 

そして、イースはプリキュアとなるとその場で名乗りを挙げることになる。

 

「真っ赤なハートは幸せのあかし!うれたてフレッシュ!キュアパッション!」

 

こうして敵として召喚されたイースはクラウディ達の諦めない心に触発され、プリキュアとしての力をこのゲームの世界でも解放する事になるのであった。




お久しぶりです……。なんだかんだあって投稿期間が一ヶ月も空いてしまいました……。今後はできる限りこのような事は少なくするので次回以降も楽しみにしてください。
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