河川敷でのカバトンの呼んだランボーグと戦うプリキュア達。そんな中でカバトンのオナラによって作り出された隙にランボーグが攻撃。プリズムの代わりにスノーが巻き込まれてしまう。
「「スノー!?」」
「そんな……」
「ユキ姉……」
そして、そんな光景を見せつけられたスカイ、ウィングが声を合わせて彼女の名を叫び、サンライズやヒョウが心配したような顔を見せる。そして、カバトンは今の攻撃でプリキュアを1人倒せたと考えると高笑いを上げた。
「にゃーっ、はっはっは!オラオラどうしたプリキュアさんよ!5人に増えても全然YOEEEじゃねーか。まずは一匹撃破!しかも、そんなYOEEE奴を庇うとか馬っ鹿じゃねーの?」
「ッ……スノー、ごめん……」
カバトンはランボーグの一撃でスノーのいた場所に砂煙が舞い、彼女がプリズムを庇ってやられたという点を強調しつつ馬鹿にする。しかし、そんな時に突如として吹雪が吹き荒れると砂煙を一瞬で弾き飛ばした。
「心配しないで大丈夫だよ!」
「……へ?」
「「「「「えっ?」」」」」
その直後、ランボーグが殴った場所にはランボーグの拳をしっかりと受け止めたスノーがいたのだ。しかも、攻撃を受けた際に舞った砂煙はランボーグによって堤防に叩きつけられたからでは無く……ランボーグの攻撃を受け止めた際に発生した衝撃波が原因だったのか。
彼女の体はほぼ無傷であり、むしろランボーグは腕を掴まれた事でその場から動けなくなっていた。
「ラ……ラァ!?」
「う、嘘ぉおおん!?何でアレをそんなあっさりと受け止められるのねん!」
「凄い……!」
先程まで完全にスノーを倒したと思っていたカバトンはまさかスノーに攻撃をガッチリ止められてるとは思っておらず。思わず唖然とした顔を向けていた。
「私、ずっと皆に助けてもらった……だから、私は私なりの戦い方で皆のピンチを助けたい。そのためにも、そんな簡単に倒れるわけにはいかないの!」
その瞬間。スノーの氷の力が発動したおかげか、ランボーグは腕からどんどんその体が凍り始めていく。
「ら、ランボーグ!?」
「ッ、そうか。スノーがプリズムを庇ったのはこれが狙いだったんですね!」
スノーはただ何の作戦も無しにランボーグの攻撃からプリズムを庇ったわけでは無かった。先程までの戦いでランボーグが飛び道具無しの近接戦にそこまで強くないと見切った彼女は敢えてプリズムを庇う事でカバトン達を油断させる手に出る事に。
そして、狙い通り自分を殴ったランボーグの受け止めた上で逆にランボーグの体へと氷雪拳を応用して冷気を流し込んで凍らせたのである。これにより、ランボーグは徐々に凍ると最終的には氷漬けにされてしまう。
「ランボー……グ」
「馬鹿な……この俺様の切り札を使ったのに!」
「お見事です、スノー!」
「負けてられないな、これでも……喰らえよ!」
更にサンライズは一気に接近するとランボーグへと右横から脚で後ろ回し蹴りを叩き込む。
「うぉらぁああっ!」
「ランボーグ!?」
ランボーグはサンライズからの強烈な一撃を受けると思わず吹っ飛ばされて地面に激突。氷は砕けたものの、かなりのダメージを負ってしまっていた。
「ラン……ボー」
「う……ううっ」
しかし、ランボーグがダメージに苦しむのと同じくして。スノーの方も肉体への負担が大きかったのか、その場に膝をつくと苦しそうな顔を浮かべる。
「くうっ……はぁ、はぁ……」
「スノー!?」
「大丈夫……。まだまだ平気」
「はぁ……。スノー、幾ら見栄を張っても結局負担は自分に来るんだからな」
どうやらランボーグの攻撃を受け止めた際に少なからず負担は受けていたようであり、両腕が痺れてしまっていた。尚且つ、その状態でランボーグを丸ごと凍結させるための冷気を放出したのも大きな負担となって彼女を襲ったのである。
「うん……ごめん、ちょっとだけ無理はしちゃった」
サンライズはスノーの近くで彼女の体力が回復するまでフォローするためにランボーグに対して警戒心を高める。
「……スノー……私のせいで」
そんな中、スノーに庇われたプリズムは自分を責めてしまっていた。先程の場面、自分がやられそうにならなければスノーが無理してまでランボーグへのカウンターを決めなくても良かったのである。そのため、彼女の心に罪悪感が浮かんでくるとそれを見たカバトンは笑みを浮かべてプリズムに追い打ちをかけるように罵る。
「ふっ……にゃーっはっはっ!何だその顔。キュアプリズム、お前は他の奴と比べてダサダサだなぁ」
「ッ……」
「えっ?」
カバトンからの罵倒を聞いてプリズムが“ドキリ”としてしまうとスカイ達も驚いてカバトンの方を向く。
「それはどういう意味ですか」
「だってそうじゃねーか。空も飛べないし身軽でも無い。パワーだって無いし、気も効かない。キュアプリズム、お前は一番取り柄の無いYOEEE雑魚なんだよ!」
カバトンがそう言ってプリズムを馬鹿にしつつ笑いまくる。そんな言葉を聞いてプリズムの心に不安な気持ちが広がっていく。カバトンの言うことはあながち間違いでもない。キュアウィングの飛行能力、キュアスカイの身軽さ、キュアサンライズのパワー、キュアスノーの周りへの気配り。どれを取っても自分に彼女達以上の事はできない。
そのため、自分はこのチームの中では1番の足手纏いになっている事を負い目に感じていたのだ。
「ッ……」
プリズムが悔しそうな顔を浮かべる中、そんな彼女の顔を見たスノーは高笑いを続けるカバトンの前に出る。そして、彼の顔面へと氷の礫を命中させた。
「ぶっ!?」
「取り消して……。プリズムへの今の言葉……取り消して!」
スノーはカバトンへと珍しく怒りが込められた顔を向けており、声を荒げていた。それを聞いてサンライズは驚きの顔を見せる。
「スノー……」
「へっ、何で取り消す必要があるのねん。何も間違った事なんて……」
「ッ!ふざけないで!」
スノーは更に氷の礫を生成するとカバトンへ射出。カバトンは二度目なんて喰らわないとばかりに礫を弾くようにして砕くとすかさず彼女は地面を滑るような形で移動して接近。カバトンへと技を繰り出した。
「ヒーローガール!スノーインパクト!」
「へ?のはぁあっ!?」
そのまま吹き飛ばされたカバトンは川の中にダイブ。そしてスノーは美しい所作で粉雪を舞い散らしながら着地。サンライズはその可憐さに思わず見惚れると彼女の魅せるギャップに驚いていた。
「(スノー、怒る所を始めて見たけどあんな風になるんだな……。カバトンに対してあんなに怒りを見せてたのに降り立つ時は凄く綺麗で……)」
そんなサンライズの思考はさておき、スノーはプリズムの元にゆっくりと歩きつつ移動。彼女へと優しく話しかける。
「大丈夫だよ。……プリズムは弱くなんか無いし、カバトンが言うように足手纏いでも無いよ」
「え……」
プリズムはスノーが微笑みながら話しかけるのを聞いて彼女の方を向くとその顔は柔らかく。先程までカバトンに対して怒りを向けていたようには思えなかった。
「私はプリズムの優しさに救われた側の人だから……。プリズムが私を優しく受け入れてくれたから今ここに私がいる。だからあんな言葉に負けたらダメだよ」
「ああ、スノーの言う通りだ。プリズム、あんな野郎の言う事なんて真に受けなくて良い」
サンライズもスノーがプリズムのフォローをするのを見てプリズムの幼馴染として自分がフォローをしないのは間違ってると感じると同じく彼女の元に行って話しかけた。
「サンライズも……」
「プリズム、俺とプリズム。何年一緒にいると思ってるんだ。俺達、血は繋がってないけど姉弟みたいな物だろ?」
「ッ……そっか、そうだよね……」
スノーとサンライズの言葉にプリズムは微笑むと頷き、スカイ達も2人がフォローしてくれた事に安心したような顔を見せつつ頷くとランボーグの方へと向かっていった。
「痛てて……ぐぬぬ、あの小娘め。不意打ちとは卑怯なのねん。しかも川に落としてくれたせいでベタベタじゃねぇか。こうなったら、ランボーグ!」
カバトンは不意打ちを仕掛けた挙げ句、川に落としてびしょ濡れにしたスノーへの苛立ちを募らせるとランボーグへと指示を出す。
「ランボーグ!」
それからランボーグが焼き芋弾を放とうと構える……が、何故かランボーグの腕から焼き芋弾が出てこなかった。
「ラン?ランボーグ!ランボーグ!」
「あれ、何でランボーグから攻撃が……」
「そうか!先程スノーがランボーグを氷漬けにしたおかげでランボーグの体内の熱が下がって焼き芋を焼けなくなったんです!」
ランボーグの技である焼き芋弾はそもそも焼き芋を体内で熱して生成する事から始めないといけない。つまり、焼き芋を焼く事ができなければ技として使えないのである。
「はぁあああ!?そんな弱点聞いてないのねん!ランボーグ、こうなったら物理攻撃をしながら体を温めろ!」
「ランボーグ!」
ランボーグは焼き芋弾が使えないのならやむを得ないとばかりにプリキュア達に向かっていく。それをスカイ、ウィングが迎え撃った。
「「はぁああっ!」」
スカイ、ウィングとランボーグがぶつかり合うとランボーグが近接戦が得意で無いことも相まってランボーグは少しずつ押されていく。
「ラ!?ラ!?」
「「はぁあああっ!」」
「俺も行かせてもらうぜ!」
そこにサンライズも合流。3人がかりでのラッシュにランボーグは更に押されていく。そして、プリズムのために必死に戦うプリキュアの気持ちがカバトンには理解できなかった。
「ケッ、あんなYOEEE奴を庇ったって何になる。そこまでして痛い目に遭いたいのねん?」
「お前は何もわかっていない!プリズムには、誰にも負けない優しさがあるんだ!」
「そうです。プリズムはその優しさでいつも私を照らしてくれます。それがどんなに、心強い事か!」
「プリズムは俺達のためにヤーキターイを作ろうとしてくれて……そのおかげで俺は知らなかった温もりを感じる事ができたんだ!」
「プリズムの事を何も知らないお前が……彼女を知ったような雰囲気出してベラベラと悪口を言うんじゃねーよ!」
サンライズ、スカイ、ウィング、そしてヒョウも隠れている事を忘れる程にそれぞれがプリズムを励ますべく声を上げる。そんな3人を見たスノーはプリズムの前に立つと彼女を背にしつつ振り返りながら優しく話しかけた。
「大丈夫だよ。プリズムには、ましろちゃんには皆を照らす輝きがあるの。だから、もっと自信を持って」
「ッ!……うん!」
スノーにそう言われたプリズムは嬉しさからか微笑むと頷く。それを見届けたスノーも三人の元に加勢。
「「「「やぁああっ!」」」」
「ラァアア!?」
これにより、ランボーグは4人相手に殴られまくると4人は息を合わせて同時に拳を叩き込んだ。ランボーグはどうにか防御するものの、当然のように押し負けて吹き飛ばされる。
「黙れ黙れ!何わけのわからない事を言ってやがる!TUEEEってのはこう言う事なのねん!ランボーグ、そろそろ温まっただろ!」
「ラン……ボォオオグ!」
カバトンがそう言うとランボーグはプリキュア4人相手に戦った際に体が温まったのか、ようやく焼き芋弾を放つための砲口が使えるようになった。
それにより、ランボーグは左腕にエネルギーを高めていくと左腕の砲口が一時的に膨らんだ。
「ッ!?あれは……」
「この前の巨大ペットボトル弾と同じか。大玉が来る!」
すると4人の予想した通り、ランボーグは巨大な焼き芋弾を発射しようとする。
「ランボーグ!」
「にゃーっはっは!どうだ!スーパー巨大焼き芋ミサイルだ!しかもお前達がランボーグの体を温めてくれたおかげで熱も十分なのねん!」
カバトンの言う通り、焼き芋弾の中には凄まじい量の熱が内包されている。下手に殴って暴発させでもしたら危険だ。
「喰らうのねん!」
「ランボー……グッ!」
とうとうランボーグから巨大な焼き芋弾が放たれるとプリキュア達はそれに対処するために動こうとする。そんな時、ただ1人この場にいなかったプリズムが走り込んで間に割って入ると両腕を上に掲げつつ浄化技を使って迎え撃つ。
「ヒーローガール!プリズムショット!」
プリズムが放った巨大なエネルギーボールは巨大焼き芋弾とぶつかり合ってその力を比べる。ただ、パワーの面は互角なのか中心部で押し合っていた。このままだと双方が爆発するというタイミングでプリズムは声を上げると気合いを入れた。
「私の大切な友達に……手出しはさせないよ!」
その瞬間、先程まで仲間達に励まされて気持ちの面で強い想いを抱いていたプリズムの放ったプリズムショットの威力が増大。これによりとうとう焼き芋弾が粉砕されると味方に被害を出さずに止め切った。
「な、何なのねん!こうなったら直接潰すのねん!ランボーグ!」
「ランボーグ!」
カバトンはプリズムのパワーアップに思わず狼狽えるとランボーグへと突撃するように指示を出す。しかし、その時点でウィングは先に動き出していた。
「させない!ひろがる!ウィングアタック!」
夕日をバックに加速したウィングはオレンジ色のオーラを纏い、ランボーグへと突進。
「はぁああっ!」
ウィングからの突進はランボーグに命中するとランボーグの裏側に翼のエフェクトを浮かばせつつ突き抜ける。この一撃でランボーグがやられるという事は無かったが、それでもダメージで怯んでしまう。
「今です!」
ウィングの言葉に対してスカイとプリズムは頷くと浄化技を発動。2人はスカイミラージュにスカイトーンを装填して手を繋ぐとスカイミラージュを空に掲げた。
「スカイブルー!」
「プリズムホワイト!」
それにより2人のスカイミラージュから飛び出した青と薄いピンクの光がシュラの真上に巨大な円盤を作り出す。その円盤から照射されたトラクタービームがランボーグに命中。その体を吸い込み始める。
「「プリキュア!アップドラフト・シャイニング!」」
2人の掛け声と共にランボーグは円盤の中に完全に閉じ込められ、直後にランボーグは浄化。最後に円盤から出てきた気流が駆け抜けていく。
「スミキッタァ〜」
これにより、ランボーグは消滅するとその光によって壊れていた地形は修復される事になる。
また次回もお楽しみに。