熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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魔神との決着

○ジキングとなったドッキリーヌは手に剣を構えると早速それを一同へと振り下ろす。それをプリキュア達は躱すが、流石に虹ヶ丘家が近くにあるこの状況で激しい戦闘を行うのは危険である。

 

「ひとまずここで戦うのは不味いな……」

 

「……皆、私に掴まって!」

 

そう言うのはオーロラである。ムーンライズはオーロラのやりたい事を理解すると他の面々にも目配せ。クラウディも流れに釣られるように全員がオーロラのいる場所へと集まった。しかし、一箇所に固まればドッキリーヌも狙いやすくなる。

 

「何をするつもりか知らないが、わざわざ一箇所に固まるとはな!」

 

ドッキリーヌがもう一度剣を振り下ろす中、オーロラはそれをエネルギーのバリアで受け止めた。だが、その質量と威力を前にあっという間にヒビが入っていく。

 

「こんな程度で私が止まるわけが……」

 

「ううん。これが狙いよ!」

 

次の瞬間、バリアが砕けると同時にオーロラは剣を白刃取りしてすかさず自らの能力でプリキュアとドッキリーヌをワープさせると虹ヶ丘家の裏山に移動。すかさずプリズムが気弾を発光させたためにドッキリーヌは剣を戻してしまう。

 

「ありがとう、プリズム」

 

「ううん。むしろ、私の方がありがとうだよ。ここなら気兼ねなく戦える!」

 

「さぁ、最後の勝負だ!」

 

それから六人のプリキュア達はドッキリーヌの周囲を走り回って注意を散らす。

 

「この手の巨大戦はもう経験済み。纏まっていたら一気に持っていかれる……」

 

「だから、こうやって相手の注意を散らして隙を作ります!」

 

するとドッキリーヌはバラバラに散らばるプリキュア達に対して範囲攻撃を仕掛ける事に。

 

「喰らえ!フレイムシャワー!」

 

ドッキリーヌの真上に赤い魔法陣が出ると火炎弾が出てきては周囲に降り注ぐ。これなら周りを全て対応可能だと踏んだのだ。

 

「来た!」

 

「皆、ドッキリーヌに近づいて!」

 

一同は攻撃が地面に着弾するまでのロスタイムを利用してドッキリーヌに接近。この範囲攻撃は上から降り注ぐ関係でドッキリーヌ自身は巻き込まないように発動されると読んだ上での行動だ。そのため、ドッキリーヌのすぐ近くは攻撃の判定外となって全員が無事に近づく事に成功する。

 

「「「はあっ!」」」

 

その上でムーンライズ、オーロラ、プリズムが気弾で攻撃。ドッキリーヌを撹乱するとすかさずスカイ、ウィング、クラウディの近接戦組が飛びかかる。

 

「小賢しい奴等だ!」

 

しかし、ドッキリーヌもこれに対応。背中の翼をマントのように前面に展開。攻撃を凌いでからすかさず周囲に魔法陣を出すとそこから小さなエネルギーの剣を飛ばして反撃。

 

「ッ!」

 

「皆さん、避けてください!」

 

これに対して空中でのジャンプが可能なクラウディと飛行しているウィングが躱すものの、他の四人は躱すのが間に合わずにまともに喰らってしまう。

 

「皆!」

 

クラウディが呼びかけるが、その間もドッキリーヌの魔の手は止まらない。地面から土でできた鎖が出てくるとクラウディの脚を捕まえてそのまま地面へと叩きつけさせた。

 

「ぐあっ!?」

 

そして、残されたウィングも手にした剣で攻撃されて撃ち落とされてしまう。六人はここまでの連戦による疲労が溜まっているのか、すぐに立ち上がることができなかった。

 

「どうやら、体力切れのようですねぇ。でも、この私をここまで追い詰めたんです。もうタダでは帰しませんよ」

 

そう言ってドッキリーヌは手にした剣を振り翳す。そんな中、ムーンライズが立ち上がると笑みを浮かべた。

 

「……?」

 

「いつ誰が終わったって言ったよ」

 

「うん……私達は……まだ負けてない!」

 

更にオーロラも立ち上がると他の四人もダメージを引き摺ってはいたが、立ち上がる。

 

「ふん。無駄な足掻きですよ。これでも喰らいなさい」

 

そう言うとドッキリーヌは背中の翼を展開して浮かび上がると同時に足元に魔法陣を出現。そこから激流を放出すると周囲が水に浸かり、六人の動きを更に鈍らせた。

 

「冠水の計……でも、ボクには関係ありません!」

 

そう言ってウィングが空を飛ぼうとするが、その瞬間いきなり六人にかかる重力が倍増。六人は苦しそうにその場に這いつくばってしまう。

 

「諦めてください。あなた方に勝ち目なんて無いんですよ」

 

「ううっ……なんて重さなの」

 

「う、動けません……」

 

プリキュア達は必死に抜け出そうとするが、痛む体ではこの倍増した重力には耐えられない。

 

「さてと。では次です」

 

今度は黄色い魔法陣から雷が発生すると六人へと降り注ぎ、六人は悲鳴をあげる。

 

「私の前で調子に乗った罰です。もう抵抗もできないあなた達をいたぶって差し上げますよ」

 

それだけではなくドッキリーヌは紫のエネルギー弾を雨のように降り注がせると六人は滅多打ちにされ、それと同時に水と重力が解除。しかし、六人の体力は殆ど奪われてしまったために全員が崩れ落ちてしまう。

 

「ふん。他愛も無いですね。所詮はこの程度という事でしょうか」

 

ドッキリーヌはそう言って地上に降り立つと六人のプリキュアにトドメを刺そうとしたそんな中だった。ピクリとオーロラの指が動く。

 

「ッ!?」

 

そして、オーロラは荒い息を吐きながらフラフラと立ち上がり、まだ戦う意思を示していた。

 

「馬鹿な……もう力は殆ど無いはず!?何故立てるんですか!」

 

「何で……ね。私は弱いから……。自分を卑下する性格だから……人一倍頑張らなくっちゃって思うから。余計に諦めが悪いのかな……」

 

オーロラはそう言って地面を踏みしめるとその片手が握られる。そこにはムーンライズもいた。

 

「ムーンライズ……」

 

「俺や皆の存在を忘れるなよ、オーロラ」

 

「僕だって諦めは悪い方だよ。……まぁ、一度ヒーローになるのを諦めた身だけどさ」

 

「クラウディも……」

 

それだけでは無い。スカイが、プリズムが、ウィングが。何度やられても立ち上がるプリキュア達。そんな彼等を見たドッキリーヌは狼狽える。

 

「何故だ……私の力の前に手も足も出ないくせに!」

 

「そうだよ。お前は強い。正直、俺達は手も足も出ないよ」

 

「それでも、私達は絶対に諦めない」

 

「ヒーローとして、この世界を守るために!」

 

その瞬間、ヒーローノートが輝くと光と共にその中に載っているプリキュア達の幻影が飛び出す。

 

「はぁっ!?そんなのアリなのか!?」

 

そこに揃ったのはブラック、ホワイト、ルミナス、ブルーム、イーグレット、ドリーム、ルージュ、レモネード、ミント、アクア、ミルキィローズ、ピーチ、ベリー、パイン、そしてつい先程新たなページとして描かれたパッションが揃う。まさにプリキュアオールスターズ勢揃いだったのだ。

 

「皆!」

 

「ええぃ!こんなのこけおどしです!あなた達なんて、これで終わらせてあげましょう!」

 

するとドッキリーヌは再度飛び上がり、手にした剣で円弧を描く。それにより、自らの前方に魔法陣を描いた。

 

「チェックメイトです!」

 

「いいえ、チェックメイトになるのは……」

 

「あなただよ!」

 

スカイとプリズムが手にスカイミラージュを構えるとお互いに手を繋ぎ、ドッキリーヌの真上に円盤を出現させる。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

「「プリキュア!アップドラフト・シャイニング!」」

 

それにより、ドッキリーヌの動きは制限されて止まってしまう。だが、彼はそれでも抵抗して技を放つために剣を振おうとする。

 

「おのれ、だが……これしきの拘束では……」

 

「ルミナス・ハーティエル・アンクション!」

 

「ミルキィローズ・メタルブリザード!」

 

その二つの技がドッキリーヌの動きを完全停止させ、更に前に出現した魔法陣をも打ち砕く。

 

「ぐうっ!?」

 

「「プリキュア!マーブルスクリュー・マックス・スパーク!」」

 

「「プリキュア!スパイラルハート・スプラッシュ!」」

 

「「「「「プリキュア!レインボーローズ・エクスプロージョン!」」」」」

 

更にプリキュア達が一斉に攻撃を仕掛けてドッキリーヌの体を半壊させていくとそのままアップ・ドラフトシャイニングが飲み込んで体を浄化させていく。

 

「ぐうっ!?だが、この程度で……終わると思うな!」

 

ドッキリーヌがしぶとく抵抗して技を耐え切ると元のマジシャンの姿に戻るが、巨大化は溶けていなかった。

 

「あれだけやっても強化装甲が破れただけ!?」

 

「しぶとすぎるよね!?」

 

「ここからはボク達の出番だ!」

 

そのままウィング、ムーンライズ、オーロラが飛び出すとそれぞれが技を発動させていく。

 

「ひろがる!ウィングアタック!」

 

「「プリキュア!ファンタジーパワー・クレシェンド!」」

 

「チッ、だがその技の弱点はわかってる。威力が上がる前に……」

 

しかし、その瞬間。ドッキリーヌの真上に巨大な四つ葉のクローバーが出現。発動したのは勿論フレッシュプリキュアの面々だ。そのまま四人の乗った巨大クローバーがドッキリーヌをスキャンするように降りてくるとドッキリーヌを水晶の中に閉じ込めた。

 

「「「「ラッキークローバー・グランドフィナーレ!」」」」

 

更にそこに三人が命中してドッキリーヌを追い詰める。最後にトリを務めるのはクラウディだ。

 

「これで終わりだ!ひろがる!クラウディスマッシュ!」

 

その一撃はレジェンドプリキュア達の幻影も重ねていき、今までに無い威力でドッキリーヌを貫く。そして、その体は完全に浄化されると消滅していくのであった。

 

「スミキッタァ〜」

 

こうして戦いは終わり、幻影のレジェンド達はまたノートの中へと帰っていく。そして、一同は変身解除すると出久と向かい合った。

 

「出久君、今回はごめんね」

 

「え!?どうして謝るの?」

 

「そりゃ、いきなりこっちの世界に来させられた上にこっちの世界の面倒ごとに絡ませたらな」

 

「それに、ヒーローノートも一度取られてしまいましたしね」

 

「あはは、それならもう気にしてないから大丈夫だよ」

 

すると出久の背後にワームホールが空いた。どうやらもう帰る時間らしい。

 

「あっ、どうやらもう帰らないとダメみたい」

 

「えっ!?折角ならましろさんの家でゆっくりすれば良いのに……」

 

「そうだよ。やっぱり戦いのためだけにこっちに来た感じで申し訳ないよ」

 

「それなら気持ちだけ受け取っておくね。僕達の方もまだこれから戦いは続いちゃうし」

 

「そっか。……元気でな」

 

「私達もこっちで頑張るから!」

 

「うん!」

 

「……あ、でももし俺達が必要なら言ってくれよ。またいつでも行くからさ」

 

アサヒのその言葉に出久は笑顔を浮かべて頷くとそのまま彼はヒーローノートと共に元の世界へと帰っていく。

 

「ふぅ、さてと。結局今日もゆっくりできなかったなぁ」

 

「それでもまた楽しい思い出ができて良かったよ」

 

「もしかしてさっきのゲームですか?」

 

「うん。あれ、結構面白かった」

 

「ルール的には色々とアウトですけどね」

 

ツバサがそう言って苦笑いをし、一同は虹ヶ丘家へと戻っていく。その後、一同は虹ヶ丘家で改めて本物の双六をやったのだが初めてやるソラは大興奮だったとか。




今回でそらまめ24さんとのコラボ回は終了となります。そらまめ24さん、今回はコラボしていただきありがとうございました。また次回もお楽しみに。
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