スカイランドから戻ってきたユキ達。虹ヶ丘家に戻ってきたユキ達を出迎えたのはあげは、かける、ヨヨ、ひかるの四人。ひかるに至ってはヨヨからの連絡を受けて急いで飛んできたようである。そして、ユキ達六人は事情を話すとあげはは六人を労った。
「そっか。大変だったんだね。てゆうか、そのバッタモンダーにヒューストムって奴。めっちゃ腹立つんだけど」
「てか、なんかヒューストムって奴。執拗にアサヒ君とユキさんを狙ってる感じだね。何か特別な感情とかでもあるのかな」
「この六人でもこんなに苦戦するなんて」
するとソラは一人、自分の手にあるスカイジュエルを見ていた。そして一同が暗い雰囲気を出す中、ヨヨが紅茶を淹れるとそれを一同の前に置く。
「さぁ、召し上がれ」
「ねぇ、おばあちゃん。どうしてアンダーグ帝国はスカイランドを襲うの?街を傷つけて、皆の心を傷つけて、酷すぎるよ」
「……そうね。あれから色々調べてみたわ。スカイランドとアンダーグ帝国はいわば光と影。二つの国は大昔に戦ってから交わる事なく過ごしてきた。なのに、何故今になってスカイランドを襲い、プリンセス・エルを襲うのか。沢山の書を紐解いてもその答えは見つからなかったわ」
つまり、現状では理由についてはわからないという事である。そんな中、ユキは先代プリキュアへと問いかけた。
「ねぇ、ライトピラーやルーセントムーンは何か知らない?アンダーグ帝国について」
『……申し訳ないけど、流石の私達でもそこまでは無理』
『そもそもどうしてこんな事をするかまでは検討もつかなくて……』
ルーセントムーンもライトピラーも全くわからない様子だった。ルーセントムーンはつい最近まで洗脳されていたために仕方ないのだが、ライトピラーさえもわからないとなるとどうしようも無いのだ。
「そう……」
「でも、一つだけ。王様と王妃様、そしてアサヒさんの呪いを解く方法はわかったわよ」
「ッ!?本当ですか!」
「それってどうするのかしら?」
「ふふっ。ランボーグを浄化した時に出てくるキラキラエナジー。それをミラーパッドに集めれば呪いを解く薬を作れるわ」
「凄っ……この短期間でわかるものなんだ」
「良かったですね。プリンセス!」
「パパとママを目覚めさせる事ができるかもしれないって!」
ツバサやましろがそう言う中、エルはキョトンとした顔つきでそう繰り返すと突如として泣き始めてしまう。
「うわぁあん!ぱぱ〜!まま〜!」
「ごめんね、エルちゃんにはよくわからないよね……」
ひとまず保育士として学びを続けているあげはがどうにかするために出るとあげはがエルを抱き、頭を撫でてあげた。
「よ〜しよ〜し」
「今は俯いている場合ではありません!まずはエルちゃんの笑顔を取り戻さないと!」
「そうですね!」
「確かに賛成。私もそれが良いと思うわ」
「それだったら良い方法があるから」
「うん!とびきりのね!」
それからあげはとかける。二人が準備し始めると鞄の中から何冊もこの世界に存在する絵本を出していく。
「ざっとこの辺りかな」
「へぇ〜」
「あ、あの。絵本ならボクもスカイランドから沢山持ってきましたよ」
「いや、ただ読み聞かせるだけじゃなくてさ。俺達がやりたいのは人形劇にする事」
「私とかける君は丁度学校の演習でやっててさ」
それからあげはとかけるはそれぞれ鞄から取り出すとあげはの姿をしたお姫様とかけるの姿をした王子様のような人形を出す。
「これ。授業で作っちゃった!」
「可愛い〜何だかあげはちゃんみたい!」
「あげは姫って感じ?」
「かけるさんもかける王子って所ですかね」
「まぁ、あげはさんには遠く及ばないけどね」
「またまた〜。そんな事言って、かける君も十分上手いから!」
そう言ってあげははかけるの元に行くと軽く背中を叩く。かけるもそれには満更でも無いのか恥ずかしそうに微笑んだ。
「ねぇ、ユキ」
「……うん。多分だけどかけるさん、あげはさんに……」
アサヒとユキはかけるがあげはに向けている感情を何となく察した。そんな中、ひかるは二人へと聞く。
「ん?二人で何の話だ?」
「あー、ちょっとな?」
「何だよ。勿体ぶらずに教えろよな」
「ごめんね、また今度ちゃんと教えるから」
ユキがひかるを宥めた事で彼は何とか矛先を収めた。今ひかるに言ったら大声で復唱してしまうかもしれない。そのため、彼には申し訳ないが言わない事にした。
「人形でお芝居。楽しそう!」
「エルちゃんはどのお話が好きかな〜?」
あげはが次々とエルに絵本を見せる中、エルの目は一つの絵本の前に止まった。
「えるぅ!」
「私もその本に興味がありますね!中身はわかりませんが、表紙にとてつもないヒーローっぽさを感じます!」
「確かに、ももたろうならヒーロー物だしな」
「じゃあこれで決まりだね!」
「えっと、どんなお話なの?」
お話について知らないスカイランド組が聞くとましろとアサヒが解説していく。話が終わるとソラが思った事を口にした。
「へぇ〜。この世界の犬、猿、雉は強いんですね!」
「それじゃあ早速人形を作ろっか!」
こうして、人形作りが始まる中。制作と並行して役についても話し合う事になる。
「えっと、ひとまず出てくる人物を整理すると、主にももたろう、おばあちゃん、犬、猿、雉、鬼とか色々役があるね。ただ……」
「あー、俺達は全部で九人もいるからね。三人ぐらい余っちゃうよな……」
「取り敢えず、既存の役の中で何かやりたい物とかある?」
「はいはい!私、犬がやりたいです!」
「じゃあ私は猿かな」
「ボクが雉ですね」
早速ソラは犬役を志望。更にましろは猿。ツバサは雉を志願。ももたろう、おばあちゃんは話の流れとして役が既に決まってるので後は鬼となる。
「じゃあ俺が鬼をやるよ」
ひかるが鬼をやると言い、そしてあげは、かけるはそれぞれオリジナリティを入れるためにあげは姫とかける王子をやる事に。
「あ、でも良いのかな?俺があげはさんの婚約者みたいな立ち位置で……」
かけるは自信無さげだった。しかし、あげはとしてはそんなの問題無いと言わんばかりに笑顔で返す。
「大丈夫大丈夫!私達、結構仲も深まってきたし。全然余裕だよ!それにさ。かける君が王子様なら私も安心してやれるしね!」
「で、でも……」
するとあげははかけるの頬を摘むと横に軽く引っ張る。そして、あげははかけるへと頬を膨らませて声をかけた。
「もう。私はかける君の事、頼りにしてるの。だからお願い。やって欲しいんだ。それにさ、かける君。高校とかで演劇部してたんでしょ?演技ならこの場の誰よりも上手いと思うけどな〜」
「え、マジ!?」
どうやらこの話は本当らしい。かけるの意外な一面である。そんな中、ひかるは羨ましそうにみていた。
「うぅ……俺もらんこさんと恋人になれたらな……。らんこさんにああやってされるのも良いかも。というかされたい……」
「おーい。ももたろうの話から脱線してないかー?」
アサヒにそう言われてひかるは首をブンブンと振って正気を取り戻す。
「てか、ひかる。まだらんこさんとは恋人になれてないの?」
「あー。それがさ。なかなか会う機会が無くてよ。何度からんこさんに会いたいって強く願ったんだけど、一度世界が繋がったらその後は少しクールタイム?みたいなのがいるみたい」
どうやら世界を渡るためのゲートを開くのは無制限にできるわけでは無いらしい。色々と制限がいるということだろう。
ひとまずその話は置いておく事として、問題は残っているアサヒ、ユキ、ヒョウの役についてだ。
「じゃあ、じゃあ私……二羽目の雉がやりたい」
「え?」
しかし、物語には雉は一羽しか出てこない。ヒョウが何故そう言うのかと言うと……。
「わ、私。ツバサがやる雉の友達役が良いから」
「でも、大丈夫なんでしょうか」
「うーん。まぁ、何とかなるなる!それにヒョウちゃんのやりたい事だし!」
「俺もやらせても良いと思う」
あげはとかけるはヒョウの提案に賛成。そんな中、ヒョウはボソッと小声で小さく言う。
「本当はツバサのやる雉の恋人役が良かったけど……でも、流石にまだ早いし」
ヒョウがツバサをコッソリと見つめながらほんのりと顔を赤らめている。それを見たアサヒはヒョウへと詰め寄った。
「あれれ〜?ヒョウ、そんなに顔をあから……」
「ふん!」
その瞬間、アサヒの脚が思い切りヒョウに踏まれるとアサヒは激痛に叫び声を上げた。
「痛てぇっ!?」
「ほんと懲りないわね?」
「ああ〜怖い怖い……。そんなのだから恋人の一人もできな……」
「あ?」
「何でもございません」
ヒョウに物凄い顔で睨まれたアサヒはタジタジになると謝る。ユキとましろはそれに苦笑いするとツバサは困惑していた。
「お二人共、落ち着いてください」
「あ、ごめんツバサ。怖かったよね……。こんな所見せちゃって……」
「え、ええ……大丈夫ですよ」
ヒョウはツバサを心配させまいとすぐに普通の顔つきに戻ってツバサの顔色を伺う。その変わり身の早さにひかるは吹き出して笑った。
「(うう……本当にいつからだろ。特に何かキッカケがあったわけじゃないのにツバサを妙に意識しちゃう……)」
ヒョウがツバサとなかなか目線を合わせられなかった。話しかける時の声も上擦っており、男として接していた前よりも今の方が緊張しているまでもある。
これはもうヒョウは割とツバサに対して意識を向け始めているのかもしれない。
「それで、アサヒとユキちゃんはどうする?」
「うーん。それなら俺達はかける王子とあげは姫の付き人とか?」
「逆にこれ以上は変えない方が良いかもだし」
あまり下手に変化を加えると後々修正が効かなくなるかもしれない。確かにそれも一理あるとかける、あげはは頷いた。
「でも良かったの?」
「まぁ、オリジナル展開を作るならその役でもやりようはあると思うしな」
「うん。それに、王子様やお姫様には部下の人もいるのが相場だしね」
ソラやましろはその言葉に成程と頷くと納得し、これで全員の配役は決まった。
「じゃあ配役はそんな感じで行こっか!」
そのため、そこからは九人で一斉に進めている事もあって準備も着々と進んでいく。そして、ステージも設営し、いよいよ小さな観客ことエルの前でももたろうの人形劇の話は始まった。
この度、獅子河馬ブウさんの方の作品でコラボをまたやる事になりました。今回は獅子河馬ブウさんの方で書いてもらえます。作品のURLは下に貼っておきますのでコラボを見る方はそちらからお願いします。
https://syosetu.org/novel/328218/
また次回もお楽しみに。