熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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熱き太陽の戦士 キュアサンライズ登場!

アサヒの前に姿を現した夢の中の少女。二人は草原の上で向かい合っており、少女はアサヒへと嬉しそうに微笑んでいた。

 

『やっとこの時が来たみたいね』

 

「やっぱり……ただの夢じゃ無かったんだな」

 

『えぇ。夢の出来事が起きる途中でちゃんと気がついてくれて良かったわ』

 

「……なぁ、結局あなたは何者なんだ?前々から何回も何回も夢に出てきて」

 

アサヒはそう言って疑問をぶつける。目の前にいる少女は何度も自分の前に姿を現しては自分が成長するように促している。

 

『……私の事はこれから幾らでも知る機会があるわ。……今は目の前にいる大切な子を助けなさい』

 

少女はそう言って結局自分の素性を明かしてくれなかった。アサヒは今はこれ以上聞いても答えてはくれないと思って気持ちを切り替えた。

 

「……そうですか」

 

『これから私の力を持ってあなたをプリキュアにするわ。あなたが示してくれた熱い想い。その気持ちがあれば、きっとどんな敵が来たって戦っていける』

 

「………」

 

そんな少女の話を真剣に聞くアサヒ。すると少女はアサヒへと謝罪を口にした。

 

『……あなたに試すような真似をしたのは謝るわ。でも、これはあなたが乗り越えないとならない試練。これからそういう試練が幾つも来る。ユキちゃんは固い意志を持てるようになったけど、きっとユキちゃんだけじゃ乗り越えるのは厳しいと思う。だから、あなたが支えてあげて』

 

少女からの言葉にアサヒは頷くと自分の中にある戦うための決意を話した。

 

「ああ。……それと、俺はあなたが思ってる程強く無いと思う。でも、俺にできる事をしてユキを支える。それがきっと、今の俺にできる事だから」

 

アサヒからの返事を聞いて少女は少し残念そうな顔つきに変わるとボソッと小声で何かを呟いた。

 

『ほんと、まだ自覚無しみたいね……』

 

「……へ?何か……」

 

『いえ、何でもないわ。……今はピンチな二人のプリキュアを助けてあげてね』

 

「ッ、ああ!」

 

アサヒが返事を返すと少女が手を翳す。その瞬間、アサヒの持っているアクセサリーに赤い粒子が吸い込まれるとヒビが入っていく。次の瞬間には石化が解けてスカイトーンに変化。それは赤に黄色い太陽が描かれている物になる。

 

『これであなたもプリキュアになれるようになったわ。後はミラージュペンを手に取るだけよ』

 

「そっか。……ありがとう。俺に戦う力をくれて。えっと……」

 

『私の名前はキュアバーニングサンよ。……私こそ、あなたのような人に引き継いでもらえて良かったわ。……またいつか試練の時に会いましょう』

 

それから少女ことキュアバーニングサンが指を鳴らすと同時にアサヒは元の世界に戻っていく。元の世界に戻るとスノーは痛みを堪えながら未だに不安そうな目を向けていた。

 

「アサヒ君……」

 

スノーはボロボロになりながらも、アサヒの心配を続けていた。そして、それを見ていたスカイやましろ、エルもランボーグに立ち向かおうとするアサヒを不安そうに見ている。

 

「皆、心配してくれてありがとう。……でも、俺は戦うよ。俺の手で皆を守る!」

 

その瞬間、アサヒの胸が赤く光るとミラージュペンが出現。そしてそれをアサヒが手にすると一同は驚く。

 

「「「あれは……」」」

 

「なっ!?三人目のプリキュアだと!?」

 

「……ヒーローの出番だ!」

 

すると同時にアサヒの体が眩い光に包まれると同時に二人と同じようにペンがマイクのように変形する。

 

「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!サンライズ!」

 

その言葉と共にマイク部分にSUNRISEと表示され、宇宙空間のようなエフェクトに包まれるステージへとアサヒは降り立つ。その瞬間、髪が赤茶色から炎のような燃えるエフェクトと共に赤い髪色に変化し、円盤の上から跳び上がりつつ赤とオレンジのブーツが装着されていく。

 

「きらめきホップ!」

 

その言葉と共にステージ部分にHOPの文字が浮かぶ。すると髪に炎のエフェクトと共に太陽の形を模した小さな髪飾りが付き、耳に赤いピアスが生成される。

 

「さわやかステップ!」

 

続けてステージがSTEPに変わると体に炎が燃え盛ると赤を基調としつつ黄色い差し色が入った服装が装着。その後すぐに下半身には足元から飛び出した炎が吸収されていくような形で赤を基調としたオレンジが差し色である半ズボンが装着。

 

「はればれジャンプ!」

 

更にアサヒが大ジャンプすると同時にステージがJUMPに切り替わり、両手に炎のエフェクトと共に赤く短い手袋が装着されつつ、最後にアサヒの左脚にオレンジがメインで赤い炎の絵柄が入ったバンテージが巻かれていく。

 

衣装が変わり終わるとアサヒは右目を閉じる形でウインク。他二人と同じで赤い空間にて画面転換をしつつ名乗りを上げる。

 

「夜明けにひろがる眩い朝日!キュアサンライズ!」

 

アサヒが決めポーズを取ると後ろの地面から炎が燃え上がるエフェクトと共に変身完了して降り立った。こうして朝日を冠する名を持つプリキュア、キュアサンライズが降臨する。

 

「キュアサンライズ……」

 

「アサヒもプリキュアに……」

 

「えるぅ〜!」

 

アサヒが変身したキュアサンライズを見てそれぞれ反応を示す中、スノーは思わずその姿に見惚れていた。それからサンライズは目の前に立つランボーグと向き合う。

 

「ぐぬぬ……何でこんなに次から次へと出てくるのねん!ランボーグ、アイツも倒しちまえ!」

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグはサンライズを攻撃するように指示され、早速攻撃をしようと拳を引く。

 

「……はあっ!」

 

ランボーグに合わせる形でサンライズも手に炎を纏わせつつ拳を後ろへと引いて構える。そして、二つの拳は同時に繰り出されると激突。その刹那、サンライズの力を前にランボーグは力負けすると一瞬にして吹き飛ばされた。

 

「ランボーグ!?」

 

「な、何だと!?」

 

吹き飛ばされたランボーグは近くにある竹やぶの中に突っ込むとサンライズは自分の力が生身よりも凄まじく上がっている事を感じる。

 

「凄い、力が漲ってくる!」

 

サンライズが拳を握りしめると高まる力を改めて確認。そして、サンライズが構えを取るとカバトンと向き合う。

 

「ぐぬぬ……だったら、ランボーグ!もう一度あっちの脇役を狙え!」

 

「ランボーグ!」

 

その瞬間、ランボーグは吹き飛ばされた竹やぶの中からたけのこ型のミサイルを放つ。

 

「またこっちを狙ってきた!?」

 

「えるぅ!」

 

「させるか!」

 

ましろとエルがそのたけのこ弾にやられるかと思ったその時、今度はサンライズがそのたけのこ弾を真正面から受け止めてしまう。

 

「はぁ!?嘘だろ!?キュアスノーはさっきので倒せたのに……」

 

「……悪いな。スノーがやられたのは攻撃を背中で受けて二人を守ったからだ。正面からしっかり受け止められるなら……こんなのどうって事無いんだよ!」

 

その瞬間、サンライズの腕に炎が宿るとそれはたけのこミサイルへと伝播。そのままそれをランボーグへと投げ返す。

 

「うぉりゃああっ!」

 

「ラ、ララァ!?」

 

ランボーグが慌てて跳び上がってたけのこ弾を回避するが、たけのこ弾がランボーグの後ろの地面に着弾すると爆発してその爆風がランボーグを前にある川へと叩き込ませた。

 

「ランボーグ!?」

 

「スカイやスノー、ましろが受けた痛みはこんなものじゃねーんだよ!」

 

倒れ込んだランボーグの腕をサンライズは掴むとそのままジャイアントスイングとして大回転。ランボーグは体ごと回転させられて目を回す。

 

「ランボー!?」

 

「カバトン、返してやんよ!」

 

「へ?」

 

サンライズがランボーグを投げるとそれがカバトンに向かって一直線に飛んでいく。

 

「嘘ぉん!?危なっ!」

 

カバトンは慌てつつどうにか回避するが、ランボーグは激突の衝撃で完全に気絶してしまった。どうやら、キュアサンライズは他のプリキュア達に比べてパワーが高い。そのため、パワーを活かした豪快な戦闘にランボーグは圧倒されていた。

 

「ぐぬぬ……ランボーグ、いつまで苦戦してるのねん!さっさと片をつけるのねん!」

 

「だったらお望み通り、片をつけてやる!」

 

「……え?」

 

「サンライズ、決めてください!」

 

「やっちゃえ!アサヒ!」

 

「えるぅ!」

 

カバトンからの言葉にサンライズは返事を返すとカバトンは唖然とする。それと同時にスカイ、ましろ、エルの三人からの声援を受けるサンライズ。

 

彼は朝日をバックにその光に照らされた彼は炎を全身に纏う。その力を一気に右腕に集約しつつ空に掲げ、巨大な炎を纏ったエネルギーの右腕が出現させた。そして腕を握り締めるとそれを思い切りランボーグへと振り下ろす豪快な鉄槌の一撃。

 

「ひろがる!サンライズブレイク!」

 

空中から振り下ろされた炎の鉄槌がランボーグに命中するとランボーグの体は炎に焼かれながら一瞬で押し潰されて浄化される。

 

「スミキッタァ〜!」

 

これにより、ランボーグは浄化されると元の竹に戻った。それと同時にスカイの拘束は解除されるとようやく彼女は抜け出す事になる。そしてランボーグが浄化されて一人残されたカバトンはと言うと……。

 

「片をつけろってお前には言ってないのねん!こうなったら……これだ!」

 

カバトンは切り札とばかりに何かを取り出すとそれは先程山の中で四人が見かけたような赤くて毒々しい色合いをした鮮やかなキノコを手にしていた。

 

「あれは!」

 

「あれ?でもあのキノコって……」

 

「まさか、アレを食べるつもりなの!?」

 

四人はあのキノコが毒キノコであると何となくわかっていた。その上で食べようとするカバトンを見て、まさか彼には毒キノコへの耐性があるのかと感じて警戒する。

 

「あーむっ!」

 

四人の予想通り、カバトンは早速キノコを口の中に放り込むとエネルギーを補給。ランボーグ召喚で失われたパワーを補った。

 

「うまうま。これで、パワー全開なのねん!行くぜ〜!」

 

「ええっ!?まさかの二回目ですか!?」

 

「ッ。幾らサンライズがいるからって、流石に今来られたら……」

 

スカイやスノーが不安になる中、カバトンは三人のプリキュアにぶつけるために本日二体目のランボーグを召喚しようとする。

 

「カモン!アンダーグ……」

 

しかし、その直後。突如としてカバトンのお腹が鳴ると腹を痛めた。どうやらカバトンはただ毒キノコを知らなかっただけらしい。

 

そして、それを食べたのでやはりお腹を壊したということだ。このあまりにも当然すぎる結果に四人とも呆れた顔になる。

 

「もう。無闇に山にある物を取ったり食べたりしたらダメなんですよ。めっ!」

 

「覚えてろ……カバトントン!」

 

スカイはそうやって注意すると腹痛を起こしたカバトンはランボーグ召喚どころか、まともに動けなくなってしまう。そのため、彼は慌てて撤退。そして、それを見届けてから三人は変身解除。ましろやエルと合流した。

 

「ソラちゃん、ユキちゃん、アサヒ、ありがとう」

 

「いえ、ましろさんがエルちゃんを守ってくれたから。私も安心して戦う事ができました!むしろ、ありがとうございます!」

 

「ああ。ましろがいなかったらエルちゃんを一人にしちゃったわけだしな」

 

ソラとアサヒはましろにお礼を言う中、ユキは先程まで持っていた自信は消えてしまったと言わんばかりに落ち込むと頭を下げて謝罪した。

 

「ごめんなさい……私が至らないせいで……」

 

ユキが自分だけ先にやられてほぼ戦闘不能に陥ってしまった罪悪感でいっぱいになる中、アサヒはユキの元に寄ると優しく彼女の頭を撫でる。

 

「ひゃっ!?」

 

「ご、ごめん。嫌だったか?」

 

「だ、大丈夫。ちょっとびっくりしちゃって。……でもどうして?私は足手纏いだったのに」

 

「……ユキは精一杯頑張ってたんだ。それを責めたりなんてしない。むしろ、ましろを守ってくれてありがとう」

 

「……うん」

 

ユキは小さく頷くが、今回の失態は自分の不甲斐なさが原因だと自分を責めていた。そしてそんなユキを心配そうにソラが見ている。

 

「……ユキさん」

 

ユキは一人思い悩んでいた。今回、自分は少し浮かれ過ぎてしまったと。プリキュアとしてまだまだ自分の力は未熟過ぎると痛感することになる。

 

「(……今のままじゃダメだ。私、強くなってすらないのに浮かれてた。このままじゃ、またアサヒ君を困らせちゃう。……もっと強くならないと)」

 

ユキが一人決意を固める中、その光景をまた前と同じように遠くから見る一つの影。それは背中に刀を背負った仮面の男である。

 

「……これで男の方も覚醒したか。さて、あのお方からの正式な許可も降りた。これで俺も戦える。……くくっ。せいぜい楽しませろよ?サンライズ、スノー」

 

仮面の男は背を向けると森の中に入ってそのままどこかへと消え去っていく。彼が動き出す日ももう間近と言った所だろう。

 

それはさておき、四人はエルを連れて虹ヶ丘家に帰宅。早速スカイジュエルをヨヨに手渡すと彼女はそれを使用。するとスカイジュエルから青い粒子が飛び出してそれがミラーパッドの中へ。光はミラーパッドのエネルギーを充填する。

 

「お願いします、ヨヨさん!」

 

「いよいよだな」

 

「うん。エルちゃんのパパとママ。どんな人だろう……」

 

「緊張する……」

 

「皆、これで通信が繋がるわ」

 

それからヨヨはミラーパッドの画面を四人へと見せると通信を繋げることに成功したのか、ミラーパッドに映像が映る。それはスカイランドのお城だった。

 

「立派なお城……」

 

「え?待って、お城って……」

 

その瞬間、画面はまた切り替わるとそこにいたのはヒゲを生やして王冠を被った男性だった。

 

『……なっ!?何だ!?』

 

『ええっ!?誰からですか!?』

 

更に濃い紫の髪をした高貴な雰囲気の女性も映し出される。それと同時に映像の向こうから通信の復旧を知らせる声が聞こえた。

 

「こんにちはー!」

 

「エルちゃん、見える?」

 

「えるぅ……」

 

ましろに促されたエルは通信の画面を見る中、目の前に映った人物を見て目を見開く。それと同時に映像の向こうにいる高貴な姿をした男女も目に涙を浮かべながら声を上げた。

 

『エル!』

 

『プリンセス・エル!』

 

「「「「ええっ!?」」」」

 

「プリンセス……」

 

「エル!?私が付けた名前、合ってました!」

 

「いや、そこじゃないよ?ソラちゃん」

 

「ああ。プリンセスって事は……エルちゃんって」

 

「スカイランドのお姫様って事だよね!?」

 

ここに来てまさかの事実が四人に明かされた。それはエルはスカイランドにおける王様と王妃様の娘だという事だ。それはさておき、エルは通信越しとはいえ、両親と感動の再会を果たす。

 

「える……えるぅ!」

 

するとエルは目の前にいた大好きな両親と触れ合おうとして両手を伸ばす。しかし、映像越しのために手で触れるのはミラーパッドまでだ。ただ、映像だという事を加味しても目の前にいるといないでは大きな違いとなる。

 

『プリンセス……』

 

『エル!』

 

「えるぅうう!」

 

エルは思わず感動で涙を流して二人に自分が無事だと声を上げる。そして、それを見た王様、王妃様も嬉しそうに涙を流した。

 

『怪我は無い?変わりは……ああ、無いようですね……』

 

『よく無事で……。プリンセス・エル。キラキラ輝く私の一番星』

 

それを聞いてアサヒとましろは思わず顔を見合わせる。それは今日の朝にましろの父親が言っていた事にそっくりだったからだ。

 

「……ましろの父さんが言ってたのって……」

 

「こういう事だったんだね……」

 

それからましろはハンカチでエルの涙を拭いてあげると優しく彼女へと話しかける。

 

「エルちゃん。パパとママの顔を見て、ちょっとでも安心できたかな?」

 

「良かったですね」

 

「うん。……やっぱり家族は一緒にいれる事が一番だよ」

 

四人からの温かい視線をエルはいっぱいに受ける中、エルはもう大丈夫とばかりに元気な声を上げる。

 

「える!えるぅ!」

 

『良かった……』

 

『元気そうです安心したぞ』

 

そのタイミングでヨヨがスカイランド側の映像の中に入るように立つと王様や王妃様へと話しかける。

 

「王様、王妃様。そちらの世界に戻る手立てが見つかるまで、プリンセスをお預かり致します」

 

『まぁ、あなたは!』

 

『スカイランドのハイパースゴスギレジェンド、名誉博学者のヨヨ殿!』

 

突如として王様がヨヨの事を妙に長くてカタカナの多い呼び方をしたのを聞いてアサヒやユキは困惑する。

 

「ちょっ、何?ハイパースゴスギレジェンド?」

 

「よくわからないけど……何だか凄そうなのはわかるね……」

 

すると二人がその事を話していると王様はアサヒとユキの方を見て気になる事を口にした。

 

『ッ、そなたら。どこかで見覚えのある顔だと思ったらまさか……』

 

「「え?」」

 

王様が何かの心当たりを話そうとしたその時。エネルギー切れが近づいたのか、ミラーパッドの画面が点滅。通信が終わりそうになってしまう。

 

「「「「あっ!」」」」

 

「そろそろ通信が切れそうです!」

 

「えるぅ!」

 

王様はアサヒやユキに何かを言いたそうだったが、今はそんな時間は無いために通信が終わる前に言うべき事を話す事を優先した。

 

『皆さん、プリンセス・エルの事』

 

『よろしく頼みます』

 

「「「「「はい!」」」」」

 

それから王様と王妃様の二人は同時に頭を下げ、それと同時に通信の時間切れとなって画面は暗くなった。そのために両親が見えなくなってエルは寂しそうな顔になる。とは言え、今日は長い間お出かけをしたせいか疲れてそのまま寝てしまった。

 

そんなエルを赤ちゃん用のベッドで寝かせるとソラとましろは虹ヶ丘家の玄関で隣り合って座る。

 

「ふふっ」

 

「あ、それって……」

 

「はい、今日の山での出来事を絵にしてみました!」

 

そこにはエルを喜ばせて四人で笑い合うユキ達や、お昼ご飯の雲パンの件での事が描かれている。

 

「ねぇ、ソラちゃんは寂しくならないの?」

 

「家族に会えないのはソラちゃんだって同じなのに……」

 

「私にはやる事がありますし、大丈夫です。それに……」

 

「それに?」

 

ソラはましろの問いに優しく返すとましろへと微笑みながら彼女へと優しく話をした。

 

「隣に、友達がいますから!」

 

「ふふっ、そっか。……そうだね!」

 

ましろは照れくさそうに顔を赤くしつつ二人で笑い合う事になる。そんな中、アサヒとユキの二人は虹ヶ丘家の二階にあるユキの部屋の窓を開けて外を眺めつつ話す。

 

「ユキ。俺を戦いに巻き込んだ事、後悔してる?」

 

「え?……うん。私が不甲斐ないせいだよ。だから、恨むなら私を……」

 

その瞬間、ユキの額にデコピンが命中。彼女はいきなりデコピンをされた事に困惑する。

 

「痛っ!?あ、アサヒ君!?」

 

「ユキ、無駄に気にし過ぎ。そんなに気にされるために俺はプリキュアになる覚悟は決めてない」

 

「でも……」

 

「でもじゃ無い。これからは俺達でプリキュアをやるの。それが、それが俺達二人の運命な気がするから」

 

それからアサヒは自分の首から下げられたスカイトーンをユキに見せる。それにユキも合わせるように自分の首から下げられたスカイトーンを出す。

 

「……うん。私、これからは絶対に足引っ張らないように頑張るね」

 

ユキの返事にアサヒはやはり不安を覚える。まだユキの中にはモヤモヤがある。そんな気がしてならなかった。

 

「改めて、これからよろしくな」

 

「うん……」

 

アサヒが差し出した手をユキは恐る恐る手に取ると二人は握手。アサヒはユキに少しでも笑ってもらうために微笑みかけた。

 

「(……ダメだ。アサヒ君に心配ばかりかけさせてる。私が……すぐにでも強くならないと)」

 

ユキはアサヒに心配をかけさせないために無理にでも微笑む。こうして、スカイジュエルを探した一日は幕を下ろす。ただ、大きな不安要素は四人の中に残り続ける事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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