ユキとアサヒのお出かけの最中、ユキが心の奥底に秘めていた気持ちを話そうとした瞬間。タイミング悪くカバトンがランボーグを出してしまう。
そのカバトンも自業自得とはいえ金欠を打開するための半ばヤケクソのランボーグ召喚だった。それに対応するべくユキとアサヒはプリキュアへと変身する。
「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」
「静かにひろがる白い雪景色!キュアスノー!」
「夜明けにひろがる眩い朝日!キュアサンライズ!」
今回は2人での変身だった事もあってチームでの名乗りは無しであり、変身したスノーとサンライズはスロットマシーンを模したランボーグと対峙する。
「ランボーグ!」
「スノー、今夏は俺達2人だけしかいないけどやるしか無いぞ」
「うん、私達……ううん。私なら大丈夫」
するとスノーは自分に言い聞かせるように鼓舞の言葉をかけるとサンライズはどこか嫌な予感がしてしまう。
「ランボーグ、シャドーがいないとはいえ目の前の敵は2人だけだ。まずはコイツらから各個撃破するのねん!」
「ランボーグ!」
するとランボーグが走ってくると拳を振り下ろす。それを受けて2人はジャンプで回避。すかさずサンライズはランボーグの特徴を見極めようとする。
「今回のランボーグは……」
「(これ以上アサヒ君に気を遣わせるなんてあっちゃダメ!だから、私がやらなくちゃ!)」
サンライズが今回のランボーグの固有能力を見るために様子見から入ろうとするとその瞬間、サンライズの横をすり抜けるように影が通過するとランボーグに向かっていく。
「えっ!?」
「はぁあああっ!」
その影というのはサンライズの手を使わせるわけにはいかないとばかりに勝手に飛び出したスノーであった。彼女の瞳は焦りが宿っており、慌ててサンライズが声をかける。
「スノー!?そんなに焦らなくても……」
「ランボーグ!」
するとスノーはランボーグと正面から殴り合う形で交戦。そのパワーは互角なのか、一進一退だった。
「ッ、思ったよりパワーは無さそうか?いや、だとしたらコイツの力は特殊能力方面だな」
サンライズは何となくランボーグのスペックが特殊能力の方面に強いと予想。対してスノーは周りが見えていないせいでランボーグを押していたものの、呆気なく押されるランボーグの違和感に気がつけない。
「はぁあああっ!」
スノーはランボーグに自分から積極的に攻撃を仕掛けるとランボーグは最初反撃していたものの、途中からその反撃もできなくなったのか。防御に徹し続けて守りを固める。
「ッ、ランボーグがいきなり守りに徹した……何を狙ってる?」
サンライズもランボーグの動きに警戒心を高めているとその間にもスノーはランボーグに防御を捨てた猛攻撃をしかける。
「行ける……これならサンライズ無しでもきっと……!」
「なーんて、甘い考えが通ると思ったら大間違いなのねん!」
「……えっ?」
カバトンはランボーグがスノー相手に正面から殴り合ったら押されるのは想定通りだったのか。普段ならかなり焦ってる所だったのにまだその声色からして余裕そうだった。そして、スノーはここでようやく嫌な予感を感じるものの……それを感じるには一手遅く。
「ランボーグ!」
「ッ!?」
その瞬間、ランボーグはスノーへと拳を振るうと。それを見たスノーは咄嗟に体を捻って攻撃を回避。ただ、無理に体を捻った影響で着地の際にバランスを崩しかけてしまう。それでもスノーは自身の高い対応力でどうにか地面を転がったものの、受け身を取りつつダメージは抑えていた。
「ッ……」
「さぁ、ランボーグ。お前の力を見せるんだ!」
「ラァン!」
カバトンの指示を受けたランボーグは自らの体に存在するレバーを下側に倒す。そして、それと同時にランボーグの体の正面に存在するスロットの絵柄が回転し始めた。
「えっ!?」
「コイツのモチーフはスロットマシーン……まさか!?」
その瞬間、スロットが3本のペットボトルミサイルの絵に変わるとそれが横に三つ揃う。そして、直後にはスロットからペットボトルミサイルが合計9本発射された。
「ええっ!?」
「やっぱそういう系だよな!?」
2人はランボーグから放たれたミサイルをどうにか回避するものの、ランボーグは既に次の抽選を開始。今度は竹のマークが三つ揃うと2人の足元から竹槍のような物が幾つも生えてくる。
「今度は地面から出る系か!」
「くっ!?避けれるけどこれは……」
スノーもサンライズもランボーグのスロットラッシュに回避するのが手一杯。しかもスロットが揃った瞬間には次の抽選をやる事ができるのか……このままでら次から次に絶え間なく攻撃が放たれることになるわけで。
「ランボーグ!」
すると今度は自らの体が電車のオーラに包まれると猛スピードで2人に突進してきた。
「えっ!?きゃあああっ!?」
「スノー!」
「余所見なんてしてる暇はあるのねん?」
「ランボーグ!」
「くっ……ぐあああ!?」
2人は為す術無く吹き飛ばされて近くの壁に激突。スノーは今まで出てきた攻撃からランボーグの使った能力よ共通点に思い至る。
「さっきから使ってるランボーグの技……もしかして今まで相手にしてきたランボーグの?」
「ッ、でもそれなら……対処法はそんなに難しく無いはず!」
サンライズは今まで浄化してきたランボーグの技を扱うだけならば、特段対処は難しく無いと考える。
「へん。そう思うなら対応してみるのねん!」
すると、今度はヘルメットのマークが揃うとランボーグの放出口から黒煙が発射。スノーやサンライズは視界を奪われると汚い空気を吸ったせいでむせてしまう。
「ゲホッ、ゴホッ……何これ……」
「(今度はヘルメットか……)」
「ラァンボー!ボー!」
ランボーグは畳み掛けるように今度は自らプリキュアに接近。黒煙で身動きが取れない2人をあっという間に殴り飛ばしてしまう。
「あああっ!?」
「がああっ!?」
2人はまた叩きつけられると今度はダメージが蓄積してきたからか、顔を歪めてしまう。
「にゃーっはっはっは!俺TUEEE!!今度こそプリキュアに勝てるぞ、ランボーグ!」
「ランボーグ!」
「ッ……どうにかランボーグのスロットを止めなきゃ……」
スノーはいつまでも繰り返されるランボーグのスロットを止めないと自分達に勝ち目が無いと考える。それを聞いたサンライズもその意見に賛成だった。
「確かにな……。ランボーグのスロットは抽選間隔が馬鹿みたいに短いし、その気になれば俺達がダウンするまで何もさせないとかできるかもしれない」
今の所、ランボーグのスロットにハズレの要素が確認できておらず。このままハズレが無い状態が続けば自分達はランボーグへの反撃すらできずに封殺されてしまうだろう。
「スノー、ここは俺達2人で連携して……」
「ううん、サンライズは休んでて。私がどうにかしてくるから!」
サンライズは2人で協力してランボーグのスロット攻撃を止めるべきと提案するが、今のスノーにその言葉は届いておらず。彼女は1人で飛び出してしまう。
「えっ?ちょっ、スノー!」
「はぁあああっ!」
「何で……」
サンライズは1人で飛び出したスノーに困惑する。思い返すと先程からずっとそうだ。
スノーはサンライズに頼る事を過度に避けているようであり、1人で無理して突撃しているのもそれが原因に思えた。
「(スノー、何で今更1人で無理するんだ。ここに俺もいるのに……)」
そんな時だった。サンライズの脳裏に先程の光景が浮かび上がる。それは、ランボーグが出てくる直前。スノー……ユキが言った言葉だった。
“違うの……悪いのは、いつまでもアサヒ君に気を遣わせるくらい情けない私の方で……”
「“悪いのは気を遣わせるくらい情けない私の方……”ッ!そういう事か。だからスノーは……」
サンライズはスノーの言葉を思い出しつつ復唱。そして、ようやく彼女の気持ちに辿り着く事になる。
少しだけ時間を戻して焦って飛び出したスノー。対してランボーグはまたスロットを回転。今度はショベルカーとなると右腕にショベルカーの腕のエネルギーが高まるとその拳を振り抜く。
「ランボーグ!」
「そのランボーグの攻撃くらいなら!」
スノーは以前初めてランボーグと対戦したソラことキュアスカイが初変身で力に慣れていなかったにも関わらず、そのランボーグを完全に封殺していた事を思い出す。そのため、余計に今の自分なら勝てると思ったのだろう。
「はあっ!」
「ランボー……グ!!」
「えっ!?きゃあああ!?」
しかしスノーが全力でランボーグの拳に対応したにも関わらず、完全に押し負けると返り討ちされてしまう。
「ッ、何で……」
「おいおい、このランボーグはただ前のランボーグの技を再現するだけだと思ったか?そんな甘い考えじゃこのランボーグに勝てないのねん!」
「ッ……まさか、そのランボーグ自身の力も上乗せされているとでも言うの?」
スノーは単体では自分が有利を取れても2体分のパワーを合算されてしまえば勝ち目が無いという可能性を見落としてしまっていた。そのため、呆気なく返り討ちにされてしまったのである。
「でも……まだだよ!」
それでもスノーは体勢を立て直しつつ地面を踏み込んでまた接近。今度は手を翳すと礫を先に射出。ランボーグはそれを弾いたものの、その間にスノーは接近。ランボーグにスロットを回させる時間を与えなかった。
「良し、これなら!」
「だから、甘いつってるだろ!」
「ランボーグ!」
その瞬間、スノーの攻撃に合わせてランボーグは体を逸らす形で回避しつつスノーの拳がレバーを動かすとスロットが開始されてしまう。
「う、嘘!?」
「別にスロットを回せるのがこっちだけだなんて一言も言ってないのねん。ま、だからってスロットの恩恵を得られるのはこっちのランボーグだけだけどな!」
そして、ランボーグのスロットは回転するとそれがUFOマークとなる。それと同時にランボーグの放出口に強力なエネルギー砲がチャージされた。
「確かこれは、UFOランボーグの!?って事は……」
「ッ!?アレはヤバい!」
2人が思い浮かべたのはたった一撃でプリキュア4人を軽く吹き飛ばしたり、体力的にピンチだったとはいえ自分達の合体技と互角以上の威力を発揮していたあの強力な一撃だった。
「しまっ……」
そして、スノーはランボーグを早く倒したいと焦った影響で前のめりになってしまっている。また、彼女は攻撃を繰り出した後の着地もできておらず。
このままでは攻撃をまともに受けてしまう。更に言えばこういう時に出す事ができる氷の壁も一度地上に触れないといけないので空中では展開できない。
「ッ……」
「まずは1人、貰ったのねん!」
「ラン……ボー……」
「そんな事、させるかよ!!」
その瞬間、サンライズは飛び出すと咄嗟に技を発動。自身の真上に巨大な炎の拳を出現させた。
「ひろがる!サンライズブレイク!」
サンライズは召喚した炎の拳を鉄拳として射出。そしてそれをランボーグ……では無く、ランボーグが放ったエネルギー砲を直接横から殴り込む形で攻撃する。
「ランボーグ!」
「だぁあああっ!」
そして、ランボーグは構う事なく丁度着地したスノーに向かって当たれば大ダメージ不可避の強力無比の一撃を放つ。しかし、それとタイミングを同じくしてサンライズからの一撃がランボーグのエネルギー砲を横から妨害する形で命中。
ただ、ランボーグのエネルギー砲が強力なせいか、サンライズの体に一気に負荷がかかってしまう。
「ぐ!?うぅ……」
「へっ、馬鹿な奴め。そんな事した所で……」
「それでも……俺がやらなきゃならないんだぁあああっ!」
サンライズは気合いでランボーグのエネルギー砲を無理矢理押し込むとその軌道を変化させる。スノーはそれを受けて咄嗟に体を自分から見て左側に逸らすとランボーグから見て右方向から殴られた事もあってエネルギー砲はスノーとは逆方向に動く。
これにより、どうにかスノーは直撃を免れる事に。ただ、ランボーグの攻撃が凄まじかった事もあってスノーはエネルギー砲によって発生した突風に吹っ飛ばされてしまう。
「ッ!?あああっ!?」
「スノー!」
サンライズはスノーが攻撃を回避できたタイミングで技を消失させており、すぐに駆け込むと彼女の吹っ飛ぶ先に先回り。その体を受け止める。
「ッ、サンライズ……」
「良かった……」
サンライズがホッとした顔を浮かべるとスノーはその様子に少しだけ俯いてしまう。
「ムッカーッ!あと少しで倒せたのに邪魔されたのねん!」
「ランボー……」
一方のカバトンは当たればほぼ勝ち確の一撃を回避された事に悔しさを感じるが、同時にここまでの戦いで確かな手応えも感じていた。つまり、このまま押し切れば自分はプリキュアに勝つ事ができるという予感である。
「でも、これだけ押しているんだ。これならあと少しで勝てるのねん」
「確かにこのままじゃ不味い」
サンライズは状況を冷静に分析するとチラッとスノーを見る。彼女はまだ大きなダメージを負ったとは言えないが、今の精神状況を考えると放っておけばまた突撃してしまいそうだった。
「……仕方ない。スノー、目を閉じてて」
「え?」
「カバトン、ランボーグ。喰らえよ!!」
その瞬間、サンライズは自らの体を太陽の如く発光させると言われるがままに目を閉じていたスノーと発動者のサンライズを除くその場にいる存在全員の視界を奪う。
「ぎゃああああっ!?目が!目がぁあああっ!」
「ランボォオオオ!?」
「今だ」
サンライズはそのままの流れでスノーを抱き抱えるとその場を離脱。その場からいなくなるのだった。
また次回もお楽しみに。