熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

163 / 337
恋人(仮)としての初の共同作業

暴れるランボーグに対して、サンライズを想うがあまり下手に突っ込んでしまうスノー。そんな彼女の本音を聞くためにサンライズは2人で戦線を離脱。

 

その後、スノーとサンライズは話し合ってお互いの意思を確認。改めて追ってきたランボーグへと向かう。

 

「ランボーグ!」

 

「ぐ、クソォ。アイツら、どれだけ遠くに逃げたのねん」

 

一方のカバトンはランボーグが割と強めに暴れているにも関わらず、何故か現れないプリキュアに苛立っていた。

 

ただし、これはスノーとサンライズの会話が長引いた事に加えてそのせいで2人揃って周りの状況が見えなくなったからだ。

 

「この俺様が暴れてるのにここまで反応無しとは舐めた真似してくれるのねん。こうなったら、ランボーグ……特大のを……」

 

「「そうは(させない)(させるか)!!」」

 

その瞬間、突如としてスノーとサンライズが走ってくるとダブルキックをランボーグへとぶち込む。

 

「ランボォッ!?」

 

「へ?」

 

「「はあっ!」」

 

「グゥッ!?」

 

2人によるダブルキックによって吹き飛ばされたランボーグは壁に激突。ダメージにダウンしたのか目を回しているとカバトンが慌てて声を荒げる。

 

「お前らぁああっ!何勝手に不意打ちかましてくれるのねん!」

 

「お前に言われたくはねーよこのバカトンが!」

 

「なっ!?テメェ、やっぱわざと間違えてるのねん!?」

 

「当たり前だろ他人の空気も読まないでさ!」

 

不意打ちされた挙げ句名前間違いを故意に起こされたカバトンはカンカンになって怒るものの、それはサンライズも同じだと言い返す。

 

「あはは……これ、どうしよ」

 

「お前も!さっきまであんなに無謀な攻撃をしてたのに何でそんな落ち着けるのねん!」

 

すると、カバトンは今度はスノーの方を指差す形で怒りの矛先を向ける。そのため、スノーはビクッと肩を振るわせた。

 

「ッ、えと……それは」

 

「お前には関係ねーよ?シャドーに逃げられたボッチさん!」

 

「ああん!?」

 

「さ、サンライズ?」

 

話を振られたスノーがどうにか上手い事答えようとした瞬間、そこに割って入るようにサンライズがまたもやカバトンを煽るような喧嘩腰の言葉を叩きつけると流石のカバトンにも我慢の限界があるのか。額に青筋が立ってランボーグに命令する。

 

「ええい!このまま煽られっぱなしで終われるか!ランボーグ、遠慮なんて要らないのねん!そいつらを纏めてボコボコにしろ!」

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグがまたスロットを回転させると柄が三つ揃う形で力を発動。今度は放出口から桜吹雪が放たれる。

 

「ッ、またスロットの力……!」

 

「というかカバトンお前さ。さっきから何でそんなにスロットの柄が揃うんだよ!チートかイカサマでもしてんのか!?」

 

「へっ、そんな小賢しい真似なんてするわけ無いのねん!強いて言うなら一つ目に出た柄に合わせて残り二つのスロットを合わせるか合わせないかをランボーグが任意で選択できるだけだ!」

 

「それをイカサマって言うんだよこのバカトンがぁあああっ!」

 

サンライズは先程からイカサマをしてスロットの柄を揃えていたと暴露されて怒りが込み上がったのか。ランボーグへと強烈な拳を叩き込む。

 

「ラァアア!?」

 

ランボーグもこれには堪らず吹き飛ばされて近くの壁に激突。スノーは先程まで自分が苦戦していたランボーグをこうもあっさりと吹き飛ばした事に少し複雑な気持ちが浮かぶが、すぐに気を取り直してサンライズのフォローに動く。

 

「ええい、煩い!ランボーグ、もう一回抽選するのねん!」

 

「ランボーグ!」

 

するとまたスロットが回転して抽選が始まる。サンライズは攻撃を当てた直後でランボーグとの距離があるためにこのままでは不味いと考えた。

 

「ッ!?ヤバっ……」

 

「ううん、まだ私がいるよ!」

 

その瞬間、ランボーグのスロットが一つ揃ったタイミングでサンライズの隣をすり抜けたスノーはランボーグに肉薄そのまま跳び上がると二つ目のスロットが揃った瞬間にランボーグの真上に来る。

 

「ラ!?」

 

「せーのっ!」

 

そのままスノーがランボーグの真上からムーンサルトキックをランボーグの頭にぶつけた。

 

「はあっ!」

 

「ラァアア!?」

 

その瞬間、ランボーグの頭に凄まじい振動が走るとランボーグが意図的に操作していたスロットの操作を手放してしまう。そして、そのタイミングで三つ目が揃うものの……柄はUFO、UFO、ショベルという三つの柄が揃わないハズレになった。

 

「なっ!?」

 

「なるほど、そういう対処法もあるのか!」

 

先程まではスノー1人がランボーグを相手していたためにランボーグにあっさりとスロットを回させては柄を三つ揃えるのを止められなかった。しかし、今なら片方が引き付けてもう片方がスロットをさせないように動くというやり方を使う事ができる。

 

そして、それなら先程まではどうする事もできなかったランボーグのスロット攻撃を封殺する事が可能になるのだ。

 

「ぐ……ランボーグ!早く起きてもう一回スロットを……」

 

「イカサマされるってわかってるならもうそんな易々と回させるわけねーだろ!」

 

「ラ!?」

 

「だあっ!」

 

ランボーグの元に更にサンライズが突撃。腕に纏った炎の拳による連打攻撃をランボーグに繰り出す。

 

「だだだだだっ!」

 

「ランボー……」

 

しかし、攻めに出るサンライズに対してランボーグは先程と同様に防御を固める。これもまた、先程と同じ。サンライズに隙ができるのを待っているように見えた。

 

「ランボーグ、今は耐えるのねん!」

 

「ランボー……」

 

「だだだだっ!」

 

対して、サンライズの方は先程のスノーと同じく。防御よりも攻撃に重視した攻めでランボーグを倒そうとする。そして、ランボーグはサンライズからの攻撃に押されて苦しそうな声を上げた。

 

「ラン……ボー……」

 

「良し、あと少しで……」

 

「ぐふふっ……アイツ、さっきスノーが同じように攻撃してきてカウンターでやられたの覚えてないのねん?」

 

どうやら、ランボーグがサンライズにやられて苦しそうな様子を見せるのもカバトンとしては想定内。

 

「これで……終わり!!」

 

サンライズはランボーグがある程度弱ったと感じたのか。一気に終わらせるべく拳を後ろに大きく引いて殴りかかろうとする。そして、当然それをサンライズが見せた大きな隙と判断したランボーグは敢えてガードを開けて先程と同じようにサンライズの攻撃で操作レバーを動かさせようとした。

 

「ランボ!」

 

「ぐふふ、馬鹿な奴なのねん。また自分からスロットを回させるなんて……」

 

カバトンが先程と同じパターンにまた引っかかると思って邪悪な笑みを浮かべた瞬間。サンライズもまたそんなカバトンに気づくと一瞬だけ口元に笑みが浮かんだ。

 

「……ああ、ここまでこっちの思い通りだと笑えてくるわ」

 

「……は?」

 

「ラン?」

 

その瞬間、サンライズの攻撃やランボーグの回避行動よりも速いスピードで何かが突っ込んでくるとその一撃がランボーグのスロットの部分に命中する。

 

「ヒーローガール!スノーインパクト!」

 

「ラ!?」

 

「嘘ぉおおん!?」

 

そこにいたのはサンライズが拳を後ろに引っ込める瞬間を狙って浄化技を発動させたスノーであった。

 

「はあっ!」

 

「ンボォオオッ!?」

 

スノーが一気にランボーグに叩き込んだ脚を振り抜くとランボーグは為す術無く吹っ飛ばされてしまい、2人はその場に着地する形で降り立った。

 

「な、な、何でランボーグからキュアスノーが見えなかったのねん!?」

 

「そんなの、俺がスノーの攻撃動作を隠したからに決まってるだろ?」

 

「うん。サンライズがランボーグを攻撃してる間、ランボーグの視線はサンライズに集まる。だから、私はそのサンライズの体の後ろに隠れるような位置に移動したの」

 

要するに、スノーは先程サンライズのフォローをしてからサンライズの真後ろに来るように移動しており。目の前のサンライズが壁になってランボーグからはスノーが見えていなかったのだ。

 

ただ、今回の作戦の問題点として。スノーの技は真っ直ぐに突進してボレーキックを放つというモーションのために下手したら目の前にいるサンライズをも巻き込みかねなかった。

 

それでも、サンライズは攻撃のための拳を後ろへと引っ込めた瞬間に体を半身にする事でギリギリスノーの技の効果範囲の直線上から外れたのである。

 

「スノー、ナイスカバー」

 

「もう、ギリギリまで引き付けてるからサンライズも巻き込むと思ってヒヤヒヤしちゃったよ」

 

どうやらこの流れもここに来る前で軽く打ち合わせしていたらしく。事前準備の時点でカバトンとランボーグは不利だったと言える。

 

「ぐぬぬ、小細工ムカムカ!だったらランボーグ。今度こそスロットで決めるのねん!」

 

「ラン!ボー……グ?」

 

ランボーグはカバトンのリクエストに応える形でスロットを回すレバーを下ろそうとした。しかし、何故かランボーグは困惑の声を上げており。カバトンもそれが気になってランボーグの方を向く。

 

「あん?ランボーグ、何してるのねん?さっさとそのスロットを回してプリキュア……を!?」

 

「やっと気づいたか。さっきスノーから攻撃を受けた時点でお前らは詰んだんだよ」

 

先程から何故ランボーグが困惑しているのか。その答えはランボーグが武器として今まで使ってきたスロット部分に異変が起きたからだ。

 

「ラ!?ララ!?」

 

そこにはスロットの回転する機構及び、回転を始動するためのレバーがスロットの画面ごと凍りついてしまっている様子だった。

 

「な、何でこんな……ッ!まさか、キュアスノー……お前が!?」

 

「うん。さっき私がスノーインパクトをぶつけた時に浄化よりもスロットを凍らせる事を目的で技を調整したからだよ」

 

先程スノーとサンライズが連携してスノーの浄化技をランボーグへと叩き込んだ際、スノーは敢えてランボーグを浄化するための力よりもランボーグのスロットを凍らせる事に重きを置いて技を使った。

 

「カバトンの事だから私達個人の浄化技で一撃で倒されるようなランボーグは作らないかなと思って。だから浄化よりも凍らせる方を優先したの」

 

「ぐっ……まさか、俺様の思考を読んだって事なのねん……」

 

「ま、何にせよこれで厄介なスロット機能は封じた。これでお前は攻め手の大半を失う」

 

サンライズは最初のスノーとランボーグの戦闘で今回のランボーグがフィジカルタイプでは無く特殊能力に特化したタイプだとわかっていた。そのため、特殊能力のスロットを封じる事に成功した以上は自分達が有利だと考える。

 

「ぐ……だが、それでもまだ俺様の負けと決まったわけじゃ無いのねん!ランボーグ!」

 

「ランボーグ!」

 

カバトンは特殊能力が封じられたとしてもまだ自分がプリキュアに負けたわけでは無いと言って諦めない姿勢を見せる。そしてそれは実際その通りだ。

 

「サンライズ、向こうはまだやる気みたい」

 

「ああ。だったらここからは真っ向勝負だ!」

 

スノーとサンライズはランボーグがやる気なのを見て2人同時に飛び出すとランボーグと殴り合いを始める。

 

「「はぁあああっ!」」

 

「ラララララッ!」

 

息の合った連携でランボーグを攻めるスノーとサンライズ。ランボーグは最初こそ対応できていたものの……やはり特殊能力に頼るタイプのランボーグでは単純なフィジカルのスペックは2人には追いつかず。少しずつ攻撃を許す形となるとサンライズがランボーグの防御の上から拳を振り抜く。

 

「だりぁあっ!」

 

「ラァアア!?」

 

ランボーグはサンライズのパワーに後ろに押し戻されると思わずガードを外してしまう。その瞬間にスノーがランボーグを真上に蹴り上げた。

 

「やあっ!」

 

「ラン!?」

 

「追い討ちだよ!」

 

更にサンライズはスノーがランボーグを蹴り上げると読んでいたのか。ランボーグの吹っ飛ぶ先にいつの間にかいると今度は彼が踵落としをぶつける。

 

「喰らえ!」

 

「ボォオオッ!?」

 

そのままランボーグは地上へと撃墜されると目を回してしまう。こうなってしまうと勝負ありだ。何故なら……。

 

「サンライズ、決めよう!」

 

「ああ、これで決まりだ!」

 

スノーとサンライズはスカイトーンを装填してから手を繋ぐと開いた方の手にスカイミラージュを構えつつそれを空へと掲げた。

 

「サンライズフレイム!」

 

「スノーアイス!」

 

そして、2人の言葉と同時にスカイミラージュが消失。入れ替わるようにして腕に天から降り注いだ炎と吹雪が落下するとその力を集約して高めていく。

 

「二つのプリキュアの魂が!」

 

「闇の僕達を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!エレメントスクリュー!」」

 

そのまま2人の掛け声と共に腕が突き出されるとその力を前に放出。炎と氷のエネルギーの奔流は合わさって更なる威力を発揮。ランボーグに向かって一直線に飛んでいった。

 

「あわわわ……」

 

カバトンは慌てるが、もうどうする事もできない。ランボーグを助けに行けばまず巻き込まれるし、かと言ってランボーグ自身も目を回している都合で自分から逃げる事もできず。

 

そのままエネルギーの奔流がランボーグへと命中するとその体を浄化していった。

 

「スミキッタァ〜」

 

これにより、ランボーグは消失。そして、スノーとサンライズはカバトンの方へと向いた。

 

「カバトン、ランボーグはやられたけどまだやる?」

 

「くっ……」

 

「別に俺達は構わないけど……その代わり俺達のお出かけを邪魔した分の対価は払ってもらうからな?」

 

「ヒッ……」

 

カバトンはサンライズからこれ以上自分達の時間を邪魔するなと言わんばかりの鋭い目線を受けて萎縮。同時に命の危険さえも感じたのか。彼はすぐに撤退を選択する事に。

 

「くーっ!こうなったら逃げるしか無いのねん!カバトントン!」

 

こうして、カバトンはその場からいなくなるとスノーとサンライズはようやく自分達だけの時間になると思って手を繋ぐ。それから見つめ合って微笑むのだった。




また次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。