熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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お互いを想い 支える心

ウィング達がランボーグが進化したキョーボーグに苦戦していた頃。自転車ランボーグと交戦するムーンライズ、オーロラはランボーグの機動力の高さにこちらも苦戦していた。

 

「このっ!当たって!」

 

「はあっ!」

 

二人が気弾による弾幕を張るとランボーグを捉えようとするが、ランボーグのスピードはかなりの物で全く当たる気配がしない。

 

「ランボーグ!」

 

するとランボーグは自転車のサドル辺りから伸びる手に自転車のタイヤ型のエネルギーを高めるとそれをフリスビーの要領で投げつけてきた。

 

「ッ!」

 

「こんなスピードで当たるかよ!」

 

ただ、その速度は流石にランボーグ程にはならない。そのため二人は空中浮遊能力で回避していく。

 

「どうしよう……有効打が全然入らない」

 

「俺達の連携じゃ有効打にならないのか?」

 

するとランボーグは先程まで逃げていたのが、いきなり進路を二人の方向へと変えてくると突っ込んでくる。

 

「危なっ!」

 

先に狙われたのはムーンライズだ。彼は浮遊によってなんとか体勢を変える事で回避には成功する。

 

「ムーンライズ!」

 

「オーロラ、そっちに車輪が行ったぞ!」

 

「ランボーグ!」

 

だが、ランボーグの狙いはムーンライズへの攻撃で注意がムーンライズへと向いた瞬間にガラ空きとなるオーロラの背中への飛ばした車輪での攻撃だ。

 

「きゃっ!?」

 

オーロラは完全に死角に入られた車輪による不意打ちを受けて飛ばされてしまう。

 

「くっ……お前、よくもオーロラを!」

 

ムーンライズはランボーグ目掛けてまた気弾を連射。しかし、ランボーグはすぐに逃げに徹して離脱してしまう。

 

「アイツ、腹立つ動き方するな……」

 

今回のランボーグはとにかく一撃離脱を得意とするのか、前のめりで攻めて来ない。そもそもこのランボーグ自体が足止め目的として生み出されたためにそこまで向こうから積極的に攻める必要が無いからだろう。

 

「どうする?オーロラ」

 

「相手が逃げに徹してくるなら……これでどう?」

 

オーロラはまた気弾を連射する。それを見てランボーグは当然逃げに徹する。しかし、ランボーグが躱したその弾丸は近くの建物にぶつかった瞬間その建物をすり抜けて消えていく。

 

「ラン!?」

 

「おいおい、オーロラ。ランボーグに攻撃が当たらない事を見せてどうするんだ?」

 

「ううん。本命はこっち!」

 

オーロラは再度弾幕を張ると攻撃を仕掛ける。しかし、今度はランボーグも躱す仕草を見せない。オーロラからの攻撃が怖く無いと踏んだのだろう。だが、次の瞬間。攻撃は次々とランボーグに着弾してランボーグはダメージを負っていく。

 

「ラ!?ラ!?」

 

「ランボーグが自分から攻撃を受けた……。オーロラ、まさかこれって」

 

「うん。わざと偽のすり抜ける気弾で私の攻撃への警戒度を下げさせてから本命の実弾でダメージを与えたの。これでランボーグは私の攻撃のパターンが二つある事を知ったわ。ムーンライズ、ここからは私がランボーグを追い込むからそこを狙って!」

 

オーロラは再度弾幕を張ってランボーグを攻撃。ランボーグは攻撃が本物か偽物かを見分ける手段が無いので回避するしか無い。それが最も確実な手段だからだ。だが、だからこそ生じる。オーロラの気弾に注意が集中する瞬間を、ムーンライズは待っていた。

 

「隙だらけだぜ」

 

ムーンライズは気弾を山なりに打ち上げると打ち上げた気弾の一部はそのまま追尾弾として上からランボーグへと降り注ぐ。更にムーンライズは正面から気弾の嵐を浴びせ、ランボーグの動きが完全に停止。それと同時に先程から二人を度々襲ってきたエネルギーの車輪も消えてしまう。

 

「ランボーグが放った車輪も消えた!」

 

「勝機は逃さない!掴み取ってやる!土砂降りの十億連発だ!」

 

そのタイミングでランボーグへの一度目の斉射が収まって、ランボーグはまた回避しようとする。しかし、そのタイミングでまた上から気弾が降り注いだ。これは先程上に放った気弾を時間差で追尾して相手に降らせる事による時差攻撃。攻撃の手が止まって防御姿勢を崩したランボーグにすかさず次の攻撃が決まり、ランボーグは完全に体勢を崩した。

 

「はあっ!」

 

「蜂の巣にしてやるよ!」

 

そのままムーンライズ、オーロラの二人がかりでの濃密な弾幕でランボーグはその体へのダメージを蓄積。二人からの総攻撃が止む頃にはランボーグもダメージがかなり堪える様子だった。

 

「っしゃ。あの感じ。絶対効いてるぜ」

 

「うん。このまま一気に決めよ!」

 

二人が合体技を繰り出すために横並びになったその瞬間。突如としてムーンライズは頭に痛みが走ると苦しみ始める。

 

「うぐっ!?……うっ……はぁっ……はぁっ……」

 

「ムーンライズ!?何で……」

 

その頃、彼の心の中ではカゲロウがムーンライズへと働きかけるように活動を開始していた。

 

『ククッ。俺がいつまでも大人しいと思うなよ?乗っ取りをしなくてもお前への妨害なんて簡単にできるからなぁ』

 

ムーンライズの脳内に響くカゲロウの声。ムーンライズは頭への激痛に苦しんでオーロラとの合体技を使わせてもらえない。そのせいでランボーグは体勢を立て直してしまう。

 

「ランボーグ!」

 

「しまった!」

 

オーロラは苦しむムーンライズに気を取られてランボーグを抑え込むのを怠ってしまったのだ。ランボーグはそのまま苦しむ様子もお構いなしにムーンライズへと襲い掛かろうと突撃する。

 

「ッ……ムーンライズ、危ない!」

 

オーロラが咄嗟にランボーグとの間に割って入ると障壁を展開して突進を押し留める。しかしオーロラの力よりもランボーグからの突撃の威力の方が強いのか、オーロラはそのまま押し込まれるとムーンライズの目の前にまで後退してしまう。

 

「くっ……ううっ……」

 

オーロラはこれ以上後退すれば、ムーンライズを巻き込むと歯を食いしばって押し留める。だが、ランボーグからの押し込みはランボーグがどんどん盛り返しているせいで強くなっていた。

 

「止めなきゃ……私が……止めないと……」

 

オーロラは必死に食い止めるが、彼女の体力は徐々に奪われていく。彼女は生身でも鍛えているおかげで体力はそれなりにある。それでもパワー面のスペックが控えめのオーロラの基礎ステータスではランボーグからの攻撃を長くは止められない。

 

「ムーンライズが動けない分、私が……私が止めてみせる!」

 

オーロラは気合いでランボーグを押し留める。それでもパワーの差でオーロラの障壁にはヒビが入っていく。

 

「はぁあっ!」

 

「う……ぐぅっ……」

 

その時、オーロラの後ろから手が置かれるとそこには頭の痛みに苦しみつつも立ち上がったムーンライズがオーロラにパワーを送る所だった。

 

「ムーンライズ……無茶しないで……私がどうにか……」

 

「オーロラだって無茶してるだろ。……それに、彼女が苦しんでるのに。彼氏として守ってやらないといけないからな!」

 

ムーンライズは体にオーラを纏うと気合いで頭への痛みとして干渉してきたカゲロウを押し返す。

 

『チッ……持ち直しやがったか!』

 

「「はぁああっ!」」

 

そのまま二人分のパワーを持ってして、オーロラはランボーグを押し留めるとそのまま障壁ごとランボーグを吹き飛ばした。

 

「ランボーグ!?」

 

ランボーグが後ろに下がると二人はそのまま構えを取る。そして、ランボーグへと向かっていく事になるのだった。

 

時間を少し遡り、ムーンライズとオーロラの戦いが続いていた頃。ヒューストムからの攻撃をその身に受け止めたアポロンは深いダメージと共に倒れ込む。そこに傷だらけとなったバタフライが駆け寄った。

 

「嫌、アポロン。しっかりしてよ!……何で、何でこんな事したのっ!」

 

バタフライはアポロンを支えるように抱き抱える。そんな彼女の目は絶望感に染まっていた。

 

「う……くっ……」

 

アポロンはそんなバタフライを見上げるように目を開けると彼女が無事な事を確認してホッとする。

 

「良かった、バタフライ。それに……壁画もちゃんと守れたみたいだな」

 

「良くない!勝手に決めないでよ!……ねぇ、アポロン。何であんな事したの?」

 

「……そりゃ、バタフライと同じ。俺にとって大切な壁画を守っただけ。それ以外に理由なんて無いよ」

 

「でも、だからってあんな無茶。言ったでしょ。アポロンは無理してるって。……そんな風に傷ついてなんて言った覚え無いよ」

 

「はぁ……。それを言うならバタフライもだよ。バタフライ、寝落ちるまで無茶したし。それで俺の部屋で寝ちゃうとか」

 

「ッ!今はそんな事言わなくても良いでしょ!」

 

バタフライは珍しく焦ったような顔つきで顔を赤らめる。それを見てアポロンはニッと笑うと起き上がってそのまま立ち、構えを取る。

 

「バタフライは他人の面倒を見るのは良いけど他人にばかり気を回しすぎ。それで自分が疲れ果てて周りに心配されてたら気を回す意味が無いよ」

 

「そんな事……」

 

二人が話しているとキョーボーグからの攻撃を受けてウィングとアルテミスも後ろに後退して二人の側に並ぶ。

 

「ウィング、アルテミス。大丈……」

 

「「それはこっちの台詞です!」」

 

「……え?」

 

ウィングとアルテミスに声を揃えて同じ事を言われたバタフライは目を見開く。

 

「一人であれだけの弾丸を止めようなんて、無茶し過ぎにも程があります」

 

「アポロンも人の事は言えませんからね?……私達はチームですよ。互いを支え合って……助け合ってこそだから!」

 

ウィングやアルテミスにそう言われてバタフライやアポロンは微笑むと座り込んでいたバタフライも立ち上がって構える。するとそれを見たエルは声を上げてプリキュアを応援した。

 

「ぷりきゅあ!がんばえ!あぽりょん、ありゅてみす、がんばえ!」

 

「エルちゃん……」

 

「そっか。……私、馬鹿だ。あんなに無茶する皆を心配してたのに。自分だって無茶したら心配されるって当たり前の事がわかってなかった」

 

「俺達には大人として皆を守る責任はある。でも、今回の件は一人じゃできない事。だから、ウィング、アルテミス、力を貸して!」

 

「「勿論です(よ)!」」

 

四人が息を吹き返したのを見てヒューストムは苛立ちを露わにすると怒り狂ったように声を上げる。

 

「チッ。クソがっ!お前ら、少し気持ちで押し返したからって調子に乗るなよ。……だったら立ち直ったお前らを完璧に叩き潰してやる!」

 

ヒューストムが指を鳴らすと今度はエクストリームツイスターズを発動させると言わんばかりに三つの緑のリングが現れる。

 

「お前ら、散々絆の友情ごっこをしておいて今更この攻撃を避けるなんて事はしねぇよなぁ?」

 

「「「「ッ!」」」」

 

「そっちのプリンセスごと纏めて消えろ!エクストリームツイスターズ!」

 

その瞬間、ヒューストムが強力な緑の竜巻を放つ。それに合わせてバタフライは手を翳すと何枚も盾を重ねるように召喚。エクストリームツイスターズを止めようとする。

 

「ううっ……」

 

バタフライは体の痛みも相まって踏ん張りが効かなくなっていた。このままではバタフライが先に潰れると同時に盾も全て消えてしまう。

 

「「させない!」」

 

アポロンとアルテミスは手をバタフライの肩に置くと自身のパワーを分け与えるようにバタフライへとエネルギーを注入。それと同時にバリアに赤と白のオーラが纏われると耐久が強化されてパワーアップした。

 

「くっ。だが、お前ら如きで止められると思うなよ?」

 

ヒューストムはダメ押しとばかりにパワーを強める。すると盾に当たっていた竜巻の一部が分流するとエルへと飛んでいってしまう。

 

「えるっ!?」

 

エルはすぐに避けるが、そこに二つ目の流れ弾ならぬ流れ竜巻が飛んできた。

 

「「「エルちゃん!?」」」

 

エルに攻撃が直撃する瞬間。いきなり横から影が飛んでくるとエルを押し倒して直撃から救った。

 

「危っぶね。危機一髪だったな」

 

「ひかるさん!」

 

そこにいたのはユキ達とは別で帰ったひかるである。彼は近くを通りかかった時に戦闘音を聞いて急いでここに来てくれたのだ。

 

「ぐっ……だが、もうお前らは限界だ。消えろ!」

 

ヒューストムがそう言うが、その時彼は失念していた。この場に潰すべきプリキュアが一人いない事に。

 

「ひろがる!ウィングアタック!」

 

そこにオレンジの光と共にウィングが突撃してきたのだ。ヒューストムは盾を破壊するためにエクストリームツイスターズに集中したせいで周りに風の障壁を作れていなかったからである。

 

「なっ!?キョーボーグ、アイツを……」

 

「「はあっ!」」

 

更にそこにスカイとプリズムが到着してダブルキックを叩き込むとキョーボーグは吹き飛ばされてしまう。

 

「キョーボーグ!?」

 

「なっ!?馬鹿なっ!」

 

キョーボーグが倒れて動揺する間にウィングアタックはノーガードのヒューストムに命中。彼は地面を何度もバウンドすると倒れ込む。

 

「やった!」

 

「ウィング、ありがとう!」

 

「いえ、ボクの方こそ注意を引いていただいてありがとうございました」

 

ウィングがアルテミスからのお礼にお礼で返すとスカイとプリズムもすかさず声をかけた。

 

「皆、待たせてごめんね」

 

「ここから反撃です!」

 

「あれ?そういえばムーンライズとオーロラは……」

 

「お二人は今別のランボーグと……」

 

その瞬間。いきなりどこからともなく何かが飛んでくると地面に強く激突。それは目を回した自転車のランボーグだった。

 

「ら、ランボーグ……」

 

「このランボーグは……」

 

「ったく。やっと追いついたぜ」

 

「色々あって遅くなっちゃった」

 

ムーンライズ、オーロラも揃い、プリキュアチームは八人揃い踏みとなる。そこにヒューストムが起き上がると歯軋りして怒りを爆発させた。

 

「クソが!折角分断して各個撃破するつもりだったのに……全く使えねぇ奴等ばかり!!」

 

「皆、このまま一気に……」

 

その瞬間、エルの体が光を放ち始める。それを見た一同はその方を向くとエルは声を上げて叫んだ。

 

「ぷりきゅあああっ!」

 

するとエルから召喚された二つの光がウィングやバタフライの手に収まるとオレンジとピンクのツートンカラーの新たなスカイトーン。スカイトーンWフライングとして生成されるのであった。




また次回もお楽しみに。
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