熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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今回の話のスタートは時系列的にアニメ19話の終わった直後からひかるの一日、夜の女子会の間にスタートします。それではどうぞ!


夢のホテルへのご招待

かける達四人が協力して壁画アートをした数日後。ユキ達は学校から帰るとヨヨがやってきてある事を知らせた。

 

「皆、聞いて頂戴。今日の昼ぐらいに私の元にこんな招待状が届いたわ」

 

それからヨヨが一枚の封筒を出すとそれを一同が囲むテーブルの真ん中に置いた。

 

「これは……」

 

「ヨヨさんの所に手紙。……誰からでしょうか?」

 

「えっと、“ひろがるスカイ!プリキュアの皆様へ。私の名前はエンジェリー。あなた方のプリキュアとしての活躍ぶりは映像で拝見させて頂いております。この度この手紙を送ったのはそんな数多くの活躍をされているあなた方に至福のひと時を過ごしてもらうために特別な宿を用意致しました。どうか、この宿で戦いの疲れを癒して当日招待を受けて泊まられる多くの方と交流を結んでいただきたく思います”」

 

「うーん。結構胡散臭い内容ね」

 

「それに、エンジェリーなんて人。名前の感じからしてスカイランド人みたいですが、そんな名前はスカイランドでも聞いた事ありません。罠かもしれませんよ?」

 

「ですが、折角お誘いを頂けたんですし……私は行ってみたいです」

 

ソラはこの手紙の内容に乗り気だった。逆にツバサやヒョウは少し懐疑的な様子だが。

 

「私は大丈夫だと思うわよ」

 

そこにヨヨからの補足が入る。どうやら、この宿の話はヨヨも元々知っている話らしい。そこでは快適なひと時を過ごす事ができるのだとか。その宿の名前はドリームホテル・エンジョイーズだ。ヨヨもだいぶ昔に招待された事があるらしい。その際に受けたもてなしのおかげで楽しい思い出を作れたという事だ。

 

「おばあちゃんも行った事があるんだね」

 

「まぁ、それなら悪い奴等からの罠という可能性はかなり低くなると思う」

 

実際にヨヨが行って大丈夫という話なら信憑性は格段に大きくなる。ヨヨはその中で色んな繋がりも手に入れられたらしい。すると手紙の中に同封された紙には日時とその宿からの迎えが来る時間が書かれてあった。

 

「えっと、日時は……今度の土曜日だね。招待できる最大人数は十人……と」

 

「この感じだとエルちゃんやヨヨさんも行けそうだよね」

 

ユキがそう言うものの、ヨヨは首を横に振った。今回はプリキュアとして指名が来ているという事もあるのと、その日はスカイランドの方での用事があるらしい。

 

「ヨヨさんが行けないとなると、ここにいる八人とエルちゃん。あと一人呼べるけど……」

 

「あ。それじゃあひかる君を呼ばない?折角だし」

 

かけるの言葉にあげはが便乗するが、それを聞いてアサヒは僅かに苦そうな顔をした。

 

「……そのひかるなんだけど……。確か今週末にらんこさんとデートに行くらしくて」

 

その瞬間、一瞬だけ時が止まったかのような時間が流れる。そして、アサヒの言葉を聞いてヒョウ、ツバサ、かける、あげはは声を上げた。

 

「「「「えぇええっ!?」」」」

 

「あはは、ひかる君。今日の学校の時にうっきうきでテンション高かったもんね」

 

「あのやる気を授業でも見せて欲しいんですが……」

 

ひとまず、ひかるは参加できないという話になってしまったのだ。そして、一同は参加人数を無理に十人にしなくても良いという結論に至ると結局、プリキュア組の六人とかける、ヒョウ。そしてエルも加えた九人で参加する事になる。

 

そして、参加人数を紙に記入するとそれが確定された。それから時間が経って土曜日になる。

 

ホテルの方に行く九人は宿泊のための荷物を手にした状態で指定された時間に招待状を囲むようにして立った。

 

「皆、準備オッケー?」

 

「はい!」

 

「楽しみだね!」

 

「でも、一応警戒はした方が……」

 

「ヒョウ、そんな堅苦しくしなくても大丈夫だよ」

 

ヒョウはこの期に及んでまだ警戒気味であった。そのため、ユキにその気持ちを咎められる。

 

「あれ?でも、ヒョウ。昨日凄く楽しみにしてませんでしたか?」

 

「うん。夜偶々すれ違ったら顔が緩みまくって……」

 

「ぁあっ!ツバサ、かけるさん!何言ってるんですか!?」

 

「図星みたいだね……」

 

「える!ひょーお、かあいい!」

 

「ヒョウ〜。楽しみにしてたのにツンツンした台詞を言っちゃって……。やっぱり可愛い所が……」

 

「ふん!」

 

「ごふっ!?」

 

その瞬間、ヒョウの腹に割とキツイ一撃が入るとアサヒはダメージにその場で崩れ落ちる。

 

「ひ、ヒョウ……お前また……」

 

「アサヒが揶揄うのが悪いのよ」

 

「でも、ヒョウは可愛い所があると思いますよ。ボクが保証します。……実際可愛いですし……」

 

ツバサは最後の方は恥ずかしそうにボソボソだったが、ヒョウは可愛い所があるという所まではちゃんと聞こえていた。そのために顔を赤らめる。

 

「そ、そうかしら……」

 

ヒョウはツバサと顔を合わせないように背けるとかなり照れていた。それを見たましろやあげは、ユキは手紙が届いてからの数日間の間に開催した女子会の中でわかった通り。やっぱりヒョウはツバサが好きなんだと確認する。

 

そんな話をしていると手紙が時間になったために眩い光を放ち始めた。そして、光はそれなりに大きくなると九人分とその荷物が入れるだけの円を作り出す。それに合わせて一同は光の円の中に入る。光が消える頃には手紙ごと九人はその場から消え去る事になるのだった。

 

九人がその光の眩しさに思わず目を瞑ったために転移が終わって数秒は目を瞑りっぱなしだった。それでも光が無くなったので一同は目を開ける。そこは巨大なホテルのエントランスであり、正面にはチェックインのための場所があった。天井には巨大なシャンデリアが存在。更にその上には宇宙空間と言わんばかりの夜空の星々が煌めく。足元を見れば雲のような感じで不思議な感覚を覚えた。

 

「ここが入り口……なのかな?」

 

「多分そうだと思いますね。あ、でも他の部屋に行くための扉がありません」

 

「本当だね。どうやって行くんだろ?」

 

ツバサの言う通り、この部屋には他の部屋に進むための扉がそもそも存在しない。これでは部屋間の移動ができないだろう。

 

「うーん……」

 

一同が色々と考えていると近くにまた光が幾つも発生。他の招待客が来たということなのだろうか。そこには四つの魔法陣が現れていた。

 

「およー!?いきなり転移したルン!?」

 

「きらやばー!?ねぇねぇ、凄くキラキラしてるよ!!」

 

「落ち着いて二人共……」

 

「相変わらずね……」

 

「あはは」

 

その中の一つはピンク髪のツインテールの少女、ミントグリーンの髪に頭から触覚のような物が生えた少女、褐色の肌に黄色い髪をした外人のような少女に紫の髪のお嬢様のような少女。青い髪をロールで巻き、頭に猫耳や腰から猫の尻尾を垂らした少女の五人。加えてユニコーンをモチーフにしたような小さな妖精や青い色合いにいかにも宇宙人のような姿をした妖精もいる。

 

「ふぁあっ!まさかこんな夢のような場所だなんて」

 

「ラビリンもビックリしたラビ!」

 

「見て見て!空がキラキラしてる!後で写真撮ろ!」

 

「ひなた、興奮し過ぎだぞ?」

 

「そういうニャトランもさっきまで興奮してたペ」

 

「とっても素敵な空間ね」

 

「はい。ここから感じられるのは地球とは違う気配ですが、ヒーリングガーデンのような穏やかな空気を感じられます」

 

「ワン!」

 

一つからは前にユキ達が会ったのどか達ヒーリングっどプリキュアのメンバー。のどか、ちゆ、ひなた、アスミの人間組にラビリン、ペギタン、ニャトラン、ラテのアニマル組だ。

 

「まさか一瞬で来れるなんて……」

 

「驚きね。まるでお伽話に出てくるような雰囲気」

 

「これなら確かに楽しめそうだな!」

 

「正に夢のホテルって感じ……」

 

「トロピカる部の皆、今日も元気にトロピカってこー!」

 

「「「「おー!」」」」

 

「くるるん!」

 

続けて出てきたのは茶髪で髪に黄色いリボンをした元気そうな少女、紫の髪をツインテールにした可愛らしい少女、茶髪で眼鏡をした大人しそうな少女、赤茶の髪をロングにした大人びた雰囲気の少女、ピンクのロングヘアにし、まるで王女のような気品の少女の五人。また、黄色い髪の少女の髪の上にはアザラシのような妖精もいた。

 

「ほわわ〜!手紙がピカーってなったらいつの間にか移動が終わってた〜!」

 

「デリシャスフィールドを出入りするみたいに一瞬で変わったわね」

 

「それはそうと、ゆい……どうしたの?」

 

「うう……楽しみすぎて興奮してたら腹ペコった……」

 

「さっき朝食を食べたばかりなんだけどなぁ」

 

「コメコメも楽しみだったコメ!」

 

「折角ここね達とまた会えたパム」

 

「目一杯楽しむメン!」

 

「他の客もいるんだから程々にな」

 

最後にきたのは小豆色の髪をセミロングにした少女、緑みを帯びた紺色のボブヘアにしたまるでらんこそっくりの雰囲気を出す少女、栗毛を三つ編みにしつつ輪っかにした髪をした少女、紫の髪をウェーブヘアにした気品のあるカッコイイ系の少女、茶髪の髪で背の高い真面目そうな少年に薄紫の髪で美意識の高そうな大人の男性の計七人。加えてキツネ、犬、ドラゴンの妖精がいた。

 

そしてその場の全員が顔を合わせた瞬間。慌てて妖精のいるプリキュアの面々はそれを隠そうとする。プリキュアである事はあまり知らない人間には知られてはいけないルールがあるためだ。

 

「おっと。皆さんそんなに慌てて妖精を隠さなくても大丈夫ですよ。今日招待されたのはプリキュアに関わる人だけですから」

 

するとどこからともなく声が聞こえてきた。そして全員が空を見上げると星空の空間だった夜空に天空から眩い光の柱が発生。それがプリキュアのメンバーの正面に降りてくると空から一人の女性が降りてきた。その背中には天使のような翼が生え、頭には天使の輪っかが付いている。その女性は二十代ぐらいの年齢に見え、彼女は名前を名乗った。

 

「皆様、初めまして。私が皆様に招待状を送りましたエンジェリーと申します。スター⭐︎トゥインクルプリキュア様、ヒーリングっど♡プリキュア様、トロピカル〜ジュ!プリキュア様、デリシャスパーティ♡プリキュア様、ひろがるスカイ!プリキュア様。合計39名。全員お揃いですね」

 

どうやら先程あった十人という人数指定は妖精も含めた上での数らしい。それにしてもここまでプリキュアやその関係者が集まると壮観と言えるだろう。

 

「本日はドリームホテル・エンジョイーズにお越しいただきありがとうございます。まずは代表者様にあちらでチェックインをお願いします」

 

それを聞いてそれぞれプリキュアチームの代表者が必要事項を書いてチェックインを済ませるとまたエンジェリーが説明を再開した。

 

「当ホテルにお越しいただきましたのは招待状の書面にありました通り、プリキュアとしてご活躍いただいている皆様に癒しや交流の場を設けたいという私の気持ちでございます。宿泊料に関しましては一切取りませんのでご安心を」

 

それを聞いて常識人組は疑問を抱く。宿泊料を取らずにどうやってこのホテルを経営しているのか……と。

 

「このドリームホテルはホテルその物が宿泊者のキラキラとした感情を読み取ってそれを元にサービスを提供する力になります。つまり、皆様が持っておられる幸せな感情や楽しいという感情。安らぎと言ったプラスの感情を出せば出す程ホテルは沢山のサービスを提供できるようになるわけです」

 

要するに宿泊者の笑顔が力に変わるという事になる。エンジェリーは更に話を続けた。

 

「食事に関してですが基本的には選択制です。ご自身で作られるも良し。好きな食事を願うも良し。デリシャスパーティ♡プリキュアの皆様はご飯を作る事や食べる事に幸せを感じられる方々ですし、好きな物を作る事も可能です」

 

「えっ!?じゃあポテトサラダのプールで泳ぐ事も……」

 

「お腹いっぱいにご飯を食べる事も……」

 

「あなた方の願い次第で可能でございます」

 

「本当に夢のホテルって感じね……」

 

「部屋は基本的に五人部屋になっております。好きなお方とお過ごしください。お時間は砂時計としてセットしておきます。この砂時計が全て落ち切った時間が終了時間ですので。参考までにこの緑ラインを超えると今日の昼の12時、青ラインを超えると夜の6時、黄色ラインを超えると翌朝6時、赤ラインを超えたら残り1時間となります。赤ラインを超えたタイミングで鐘を鳴らしますのでそれを目安に帰る準備をお願いします。

 

意外とホテルとしてはしっかりしている感じな印象である。注意事項はちゃんと教えてもらえるし、時間以内であれば何をしても大丈夫との事なのでプリキュア達の息抜きには最適なのだろう。

 

「また、夜の8時から二時間程交流会のような物も用意してますのでどうぞご参加ください。それでは、皆様楽しいお時間をお過ごしください」

 

エンジェリーはそう言って光と共にその場から消えた。こうして、ユキ達はほかのプリキュアメンバーとのお泊まり会も含めた親睦の時間が始まるのであった。

 

 

〜おまけ〜

 

ユキ達がドリームホテル・エンジョイーズに行った頃。ひかるは身なりを整えていた。

 

「デート……デート……らんこさんとデート……」

 

ひかるはいつも以上に服装をしっかりとするとらんこ相手に失礼が無いようにしていた。そんなご主人を見たライは呑気そうにしている。

 

「ライ、大丈夫かな……らんこさんが気に入るような格好かな……」

 

「にゃーお」

 

ライはひかる相手にいつも通りのそのままの自分でも良いだろと言わんばかりに鳴く。だが、ひかるにとってはかなりの大一番。好きな人からのデートの誘いだ。彼女を失望させたくないと彼女持ちのアサヒに頭を下げてまでちゃんとした装いをしているのだ。もしらんこのお気に召さなかったらどうしようと悩む。

 

「もし、らんこさんにこんな自分なんて無いわ〜なんて思われたら……」

 

「にゃ……」

 

ライは“そんなに心配しなくても良くね?”という感じであまりにも焦っているひかるに呆れていた。

 

「あ、そうそう。これは絶対手渡さないと」

 

ひかるは前にまこぴーから貰ったサイン入りの色紙を手にする。更にこの前スカイトーンの中に入り込んだキラキラエナジーの一件から多少明るくなったスカイトーンがチカチカと光っていた。

 

「やばい。もう呼び出されるかも……てか集合時間まであと十分無いし……緊張してきた……ライ〜!」

 

「……にゃ?」

 

するとひかるはライの方を向くとライは何か嫌な予感を感じて逃げようとする。

 

「あっ!」

 

次の瞬間、ライはひかるに抱かれると頬擦りをされ始めた。勿論プライドの高い雄猫のライはあまり気に入らない様子である。だが、今引っ掻けばひかるは傷を負ったままで行かないといけなくなるのでそんな事はできないと自粛した。

 

「良し。元気出てきた。やってやる……アサヒみたいに俺がらんこさんをエスコートするんだ」

 

すると行く時間になったのかスカイトーンは眩く光始めると世界を超えるためのトンネルが出てきた。その瞬間ひかるだけでなく、ライも吸われ始める。

 

「って、あれ?ライもなのか!?」

 

「にゃ?んにゃあああっ!」

 

それからライは逃げ出そうとするが、問答無用と言わんばかりに吸い込まれてしまうのだった。こうして、ユキ達の親睦会の裏ではひかるのらんことの初デートが始まる事になる。




ひかるのデートの様子は度々コラボしている獅子河馬ブウさんの方の作品でまた執筆される予定なのでその時を楽しみにしてもらいたいです。

ブウさんの作品のURLをまた貼りますね。

https://syosetu.org/novel/328218/

また次回もお楽しみに。
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