熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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それぞれの楽しい時間part2

今度はヒョウ達のチームへと移る。ここは小動物と触れ合えるコーナーなのか、ひなたが小さい猫と触れ合っていた。

 

「可愛いっ!ねぇねぇ、皆見て見て!可愛い猫ちゃんだよ!」

 

「ふーん。確かに可愛いわ。でも、それは私の次にだけどね」

 

ローラも何だかんだで触れ合いを楽しんでいる。ただし、彼女自身は自分の美貌に自信を持っているらしいために尊大な態度を取っていた。そんな中、ヒョウはユニへと話しかける。

 

「ねぇ、ユニさん」

 

「何ニャ?」

 

「ユニさんはローラさんのあの態度、大丈夫なの?」

 

「大丈夫って?」

 

「えっと、あの子。自分の事を自慢し過ぎるっていうか、自意識過剰な態度がちょっと苦手っていうか」

 

ヒョウはローラの態度を見て僅かに不満そうな顔を浮かべていた。彼女から見てすればその尊大な態度を見ると自分の両親がかつて自分に対して毒親同然の態度を取っていたのを思い出してしまうらしい。

 

「私もそう思うニャン」

 

「そう……よね」

 

「でも、だからってあの子を避けるなんてしないニャンよ」

 

「えっ……」

 

ユニはハムスターの頭を撫でていたが、ハムスターを肩に乗せるとヒョウへと話を続けていく。

 

「確かに私もあの子とは合わない気がするニャン。昔の私ならそう思って無関心だったと思うニャン。でも、今の私は違う。他人と触れ合う事で楽しいと思えるようになったからこそ、私はあの子とも話せるようになりたいニャン」

 

するとそこにローラが不満そうな顔つきでやってくる。どうやらさっきからコソコソ二人で話しているのを見ていたらしい。

 

「あなた達もこっちに混ざったらどうなの?というかヒョウ。あなた、私が苦手でしょ?」

 

ローラからそう問われてヒョウは申し訳なさそうに頷く。それを見たローラは一度溜め息を吐くとヒョウの手を取る。

 

「ッ!?」

 

「来なさい。あなたにこの私の良さを見せてあげるわ」

 

ヒョウはローラに引っ張られるままに連れて行かれる。そんな彼女を見てユニも後を追う。それからひなたやニャトランも来るとヒョウはローラの手によっていきなりメイクをさせられた。

 

「ちょ!?ローラさん!?」

 

「ジッとしなさい。私のチョイスを疑わないの。あなたにはこれが似合うから」

 

それからヒョウのメイクが完了するとヒョウはいつもより可愛くなった自分を見て驚く。それはヒョウが自分で選ぶよりも遥かに可愛さが増していたのだ。

 

「か、可愛い……ローラさん、どうして私に合うものがわかったの?」

 

「ふふっ。この私にかかればこのくらい当然よ。ヒョウ、あなた自分に自信が持ててないでしょ」

 

「えっ……」

 

ヒョウはそれを聞いてビックリする。自分の中ではそういう自覚が無いためである。

 

「どうしてそう思うの?私、そんな事あんまり考えてないのに」

 

「自分では周りに対しての配慮とかもあるしそう思ってるかもね。でも、私がこれまで見てきたまなつ達と比べるとヒョウは自信が無さそうなのよ」

 

ヒョウはそれを聞いて俯く。思えば彼女は親兄弟と比べられる所が多かった。毒親に自分の無能さを痛い程突かれていたというのもあって本能的に自信を持つのが難しくなっているのかもしれない。更にヒョウはその後に弱い自分を上塗りするように強気な少年の像を演じていたので余計に自分の心を偽るのが板に付いているのかもしれない。

 

するとそこにユニもそんなヒョウを見て彼女の逆の手を繋ぐと彼女を励ます。

 

「心配は要らないニャン。私も元々沢山のペルソナを被って自分の気持ちを殺し続けてきたニャン」

 

ユニも仲間であるひかる達と出会う前は多くのペルソナを使い分けて周りを偽ってきた。

 

「辛くなかったの?そうやって周りに本当と違う自分を見せるのは?」

 

「そうね。今思えば後ろめたい気持ちはあったニャン。でも、おかげで新しい自分を沢山見つけられたニャン。それに、仲間はそれを受け入れた。だから後悔はしてないわ」

 

するとそこにひなたも話に参加してきた。彼女も彼女でコンプレックスがあったからだ。

 

「えっと、これは自分の弱い所を話す会かな?アタシはね、結構飽きっぽい性格なんだ。だから習い事とか全然続かなくてね。何かを特別に好きになるができないと思う」

 

「そうだな。ひなたは割とコロコロと気持ちが変わりやすいんだよな」

 

ひなたの言葉に彼女のパートナーとしてずっと一緒にいたニャトランが同調。彼も長い間一緒にいただけにひなたの性格はちゃんと理解している。

 

「えっと、それで何が言いたいかっていうと……それも私の特徴だからヒョウっちもあんまり気負わなくて大丈夫って事かな」

 

そうやってひなたにも励まされたヒョウ。最後にローラがヒョウの肩を掴むと彼女へと笑顔で話した。

 

「ヒョウ、あなたは十分輝けるだけの素質があるわ。私が保証してあげる。だから自信を持ちなさい。あと、折角楽しめる場所にいるんだから一緒に楽しみましょう」

 

すると周りの小動物達もヒョウを慰めるためにヒョウへと集まってくると鳴き声を上げる。

 

「……!!ふふっ。ありがと、ローラさん。ユニさんやひなたさん、ニャトラン。あなた達もね」

 

ヒョウは一際近くに寄ってきた白ウサギを抱き上げるとウサギはヒョウに頬擦りをした。どうやらヒョウが気に入ったらしい。

 

「悩むのはこれでお終い。ここからは楽しまなくっちゃ」

 

ヒョウ達が楽しむのを再開する中、場面は巨大なプールのある場所へと変わるとそこではらんが大興奮の声を上げていた。

 

「はわわぁ!夢にまで見たポテトサラダのプールだ!」

 

「あはは、らんちゃん……本当に泳ぐつもりなの?」

 

「それじゃあ早速レッツダイ……ブゥ!?」

 

らんはそのまま飛び込もうとすると脚を思いっきり滑らせて顔からプールへと転倒。

 

「ほぎゃあっ!」

 

「ああっ!ちょっと、大丈夫!?」

 

「落ちちゃったメン!」

 

のどかやメンメンが慌てる中、ましろは自分の想像力で水着へとチェンジ。軽めに体操をしてからすぐにらんを助けるためにプールへと入った。

 

のどかは助けようかと悩むが、彼女は元々体が弱く。ポテトサラダのプールという未知の領域に下手に手を出せば自分も溺れかねないと思っていた。ラビリンも妖精のためサイズ的に助けられない。メンメンの方は人間態があるものの、彼はそれを焦って失念。助けられないとアワアワしていた。

 

「「ぷはっ!」」

 

その間にましろがらんを救出すると二人揃ってプールサイドにまでやってきた。

 

「大丈夫!?らんちゃん」

 

「ほ、ほぇえ……大丈夫、大丈夫」

 

らんは目を回していたものの、大事には至らなかった。それから二人でプールから上がるとプールは一旦消失。二人の服装もさっきの服に戻る。

 

「良かったぁ。ましろちゃんごめんね」

 

「大丈夫だよ。運動は苦手だけど、水泳なら8級持ってるし!」

 

「流石ましろラビ!」

 

「あれ?でも8級って良くて真ん中ぐらいだったメン……」

 

そう言ってましろはドヤ顔。ラビリンはましろを褒めるが、メンメンは前に見た水泳の級数ごとでのレベル表では悪くて下の方、良くても真ん中ぐらいだという事を思い出す。

 

「とにかく助かったよ〜。ましろん、ありがと〜」

 

「どういたしまして」

 

それから妖精以外の三人は出てきたベンチに座るとラビリンやメンメンもその近くに浮かぶ。場面は公園のような場所へと変化しており、話をするのにやりやすくしたのだと思われる。

 

「そういえば、ラビリンって人間の姿に憧れた事ってあるの?」

 

「確かに、僕は一応変われるメンけど、ラビリンは人間態が無いメンね」

 

そう言ってメンメンは黄色い髪の少年の姿へと変わる。そんな中、ラビリンは考え込んだ。

 

「ラビ?それは考えた事は無かったラビね。うーん……じゃあちょっとイメージするラビ」

 

それからラビリンが少しイメージするとポンと音を立ててその姿が変化。すると一人の少女が現れた。それはピンク髪の少女でウサ耳やウサギの尻尾が特徴的だ。服装もピンクが基調とされており、体は小学五年ぐらいなので幼い雰囲気が目立っていた。

 

「かわわ〜!」

 

「ラビリン可愛いよ!」

 

「……でもちょっと幼すぎるラビ。もうちょっと大人っぽいのが良いラビ」

 

そう言ってラビリンは姿を変えようとするが全く反応が無い。ラビリンは首を傾げた。

 

「あれ?何も変化しないラビ。ラビリンの声なら甘ったるい今の感じだけじゃなくてクールな大人にもなれそうなのに……」

 

「何だかメタ発言にも聞こえるね……」

 

「あっ、そうだ。ラビリン。お願いなんだけど、前に私が可愛いって言ったあのポーズをやって欲しいな」

 

のどかはそう言ってラビリンへと頼む。ラビリンはそれを聞いて僅かに苦そうな顔をした。あまりやりたいとは思わないらしい。でも、パートナーであるのどかの頼みならと受けることにした。

 

「じゃ、じゃあやるラビ……」

 

するとラビリンは両手で長い髪をツインテールのように掴んで持ち上げると腰を突き出してしなを作る。それからウインクをすると可愛らしさを出した。

 

「ら、ラビリンに魔術を教えてくださいラ……ニャン!」

 

その顔は羞恥に染まっており、恥ずかしそうであった。勿論ましろ、らん、メンメンは唖然とするわけでラビリンは反応が薄かったために顔を真っ赤にするとポンと妖精の姿に戻ってのどかの後ろに隠れた。

 

「や、やっぱりダメだったラビ〜!」

 

「あっ、ラビリン……。よしよし、ごめんね。無茶言っちゃって」

 

のどかに慰められたラビリンは何とか持ち直すものの、流石にさっきの光景はましろ達にとっては衝撃的だったのか何故こうなったのか聞くことに。

 

「えっと、これってどういう事?」

 

「あのね、ちょっと前にクラスのアニメ好きの男の子がこのポーズ可愛いという話をしていて。私達は丁度その場に居合わせたんだ。ひなたちゃんやニャトランはノリノリでそれをやってたんだけどその人と声質が似てるラビリンにやってもらいたくて……」

 

ただ、ラビリンとしてはこういう事をするのは恥ずかしかったのと、その場にはラベンだるまの件の際に自分を揶揄ってきたニャトランがいたので彼の前ではできるだけやりたくないというのがありやらなかった。

 

ただ、それでものどかはやってもらいたい気持ちが強く。良い機会だったからお願いしたというわけである。

 

「そっか……でも可愛かったよ。ラビリン」

 

「むー……じゃあましろもやって欲しいラビ。ましろもラビリンと声が似てるからきっと似合うラビ」

 

ラビリンは若干膨れ気味だった。そのため、ましろもやることになったのだが、やっぱり照れが無い分ましろの方が似合っていたので結果的にラビリンは更にダメージを受ける事になる。




また次回もお楽しみに。
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