ここは男子チームとして組まれた四人組。アサヒ、かける、拓海、マリちゃんの四人。何故ここにツバサがいないかって?ツバサ君はプリンセス・エルの騎士だからね。彼女の隣にいないとね。……シカタナイネ。
「というわけで、俺達も楽しもうか。アサヒ君、拓海君、マリちゃん」
そう言ってその場を仕切るのはマリちゃんに次ぐ年長者のかける。ひとまず四人は自己紹介を済ませてゆっくりと話をする事になった。
「マリちゃんはクッキングダムからやってきた人でしたよね?そこってどんな所なんですか?」
「クッキングダムはね、この世界のお料理を司る世界なの」
「へぇ……って事は、世界中の全ての料理が管理されてるのか……。そう考えてると凄い場所の住人なんですね」
アサヒはその規模の壮大さに驚く中、マリちゃんは恥ずかしそうに頭を掻きながら答えを返す。
「そう言われると何だかむず痒いわね。でも、そこに住んでいる人達もこっちの世界の人達とそんなに変わらないわよ」
「そうだな。俺の父さんも元々はクッキングダムの住人だったし。そんな父さんが普通にこっちの世界に馴染めていたからそこまで大きな差は無いな。とは言え、地形がお料理でできている物もあったしそこは異世界らしさがある」
拓海も自身の父親がクッキングダムの住人であったのと、前にそこに行った事があるために補足説明をする。
「そっちもスカイランドっていう空の上にある国があるんでしょう?どういう所か気になるわ」
「ああ。アサヒ、かけるさん。スカイランドってどういう所なんだ?」
「それならアサヒ君の方が詳しいね。俺はまだ行った事無いし」
かけるにそう言われてアサヒは早速二人へとスカイランドについて説明をする。それを二人は興味深そうに聞き、アサヒはそれを話し終えた。
「それは面白そうな場所だな。また今度機会があったら案内してくれ」
「はい!あ、俺達もクッキングダムには一度行ってみたいので、もしそうなったら俺達の案内をお願いします」
アサヒ、かけると拓海、マリちゃんはそれぞれスカイランドとクッキングダムに興味が湧いたので今度お互いに案内し合おうという話になった。
「……そう言えば気になったのだけど」
「何でしょうか?マリちゃ……」
「あなた達、二人揃って好きな人がいるわね?」
その瞬間、アサヒとかけるはビクッとする。マリちゃんにはその話は全くしていないはずだ。なのに何故こんなアッサリとバレてしまったのか気になった。
「ま、マリちゃん!?俺達まだそんな事一言も……」
「ふふっ。わかるわよ。だって……拓海君と同じような恋のオーラを感じたからね」
「んなっ!?何でそれを勝手に言うんだよ!」
拓海はマリちゃんに勝手に二人へとバラされて恥ずかしそうにする中、アサヒ達の話題はひとまずその話へと移る事になる。
「えっと、俺は一応好きな人がいるっていうか付き合ってて……」
「そうなのね!って事はもう告白もして二人で熱くなってる所かしら?」
「ま、まぁそうなりますね……。相手は……」
「ユキさんだろ?」
「ユキちゃんね!」
「……え?」
そう言われてアサヒは目を見開く。二人に揃って当てられてしまった。アサヒは恐る恐る聞く。
「俺、ユキに対してそんなにわかりやすい気持ちを向けてました?」
「まぁ、さっき一緒にいた時に視線が割とユキさんの方に釘付けにはなってたし」
「私の意見も拓海君と同じよ。もう一個付け加えるならユキちゃんの方もアサヒ君にベッタリ行ってるような雰囲気だったしね」
要するに最初から見透かされていたという事だ。もしかすると他のプリキュアの面々にも言われてないだけでバレているかもと考えたアサヒは割と恥ずかしさで顔を赤くする。
「マジですか……割と俺とユキの関係、わかりやすかったんですね」
アサヒは公共の場ではデートの場面を除いたら少しぐらいは自重しようと考えた。
「それで、どっちから告白したの?」
「告白は俺からですね。その時に意見のすれ違いがあったせいで少し揉めましたが、最終的に付き合う事になりました。今は幸せですよ」
アサヒはそう言うと拓海は僅かに苦い顔をする。彼は未だに想い人に気持ちを伝えられていないので、アサヒの勇気を称賛しつつも自分の勇気の無さに少しだけ自虐していた。
「拓海君も、モタモタしていたら他人に取られちゃうわよ。もしかすると二つ下の後輩にワンダフルなプリキュアが彼女として存在する眼鏡の男の子が出てくるかもよ?」
「何だか妙に現実味のある例えだな……それ」
マリちゃんにそう言われて拓海は危機感と寒気を覚える。モタモタしていたら本当に現実になりそうな恐怖があるのだ。
「そういえば、拓海君の好きな子って誰かな?」
「俺の予想だけど……ゆいさんかな?」
「ッ!あ、アサヒ。何でわかった?」
「半分くらいは俺の勘ですよ。もう半分は拓海さんがゆいさんに向けている視線が何となく俺がユキに向けてる物にそっくりだなって……」
やっぱりこの辺りはお互い恋する男同士わかるのだろう。拓海とアサヒは意気投合すると拓海がアサヒへと色々と聞き始めた。
「な、なぁ。アサヒ。好きな人に告白する時のコツって何かあるか?」
「えっとですね……一番大事なのはちゃんと想いを伝える事ですね。誠心誠意気持ちを伝えれば少なくとも悪くは捉えられないと思うので。あ、でも一個だけ注意なのが、相手の返事に対して間違った解釈をしないようにした方が良いです。さっきも言いましたが、これのせいでちょっと揉めたので……」
「……お前、そんなに気にするとか何を勘違いしたんだ……」
それから二人の世界に入ってしまう中、かけるは苦笑いしてその様子を見ていた。
「あはは、二人の世界に入っちゃったなぁ……」
「かける君。私達もお話ししましょう?かける君の好きな人についてまだ聞いてないしね」
「そうですね。できればこのまま恋愛相談も良いですかね?」
かけるはアサヒと拓海が話をする間、マリちゃんとの会話を始める。かけるもさっきの話の流れからしてマリちゃんならある程度アドバイスを貰えそうと判断したからである。
「そういえば、俺の好きな人は予想できているんですか?」
「ふふっ。あげはさんでしょ」
「やっぱりお見通しですね……」
ちなみに案の定、かけるの好きな人もマリちゃんにバレバレだったらしい。彼の観察眼……恐るべしだ。
その頃、別の部屋ではエル、フワ、くるるんが未だに楽しく遊び続ける中、プルンスと話すツバサが少し膨れ顔になっていた。
「どうしたんでプルンス?ツバサ」
「いえ、少しばかりボクが仲間外れになってしまったような気がして……」
「チームとしては仲間外れにはなってないプルンスよ?」
「そうじゃ無いんですが……やっぱりボク一人だけ除け者にされてるような……」
尚、ツバサは先程のチーム決めの際に他の男子組がチームを組んでいるのを完全に見ておらず。エル、フワ、くるるん、プルンスがチームとなったのを見て慌ててエルの騎士として入ってしまっていた。かけるは一応声をかけようとしたが、既にチームになっていたツバサは誘えなかったのである。要するに、自業自得にはなるのだ。
「そういえば、プルンスさんは色んな宇宙の言語がわかるそうで?」
「そうでプルンス。大体の言葉なら通訳できるプルンスよ」
「へぇ……幾つか見せてもらっても良いでしょうか?」
その言葉にプルンスはツバサと共に楽しい宇宙言語当てゲームを始めるのであった。その様子を横目で見たエルは何となく不機嫌になってしまう。
「えるる……」
エルとしては自分の騎士としていつも遊んでくれるツバサが取られた気がしてならず、ヤキモチを焼いたのだ。
「どうしたフワ?」
「くるるん!」
しかし、今は目の前に自分の言葉を理解してくれる妖精達がいる。なのでツバサへの尋問という名の文句は後回しにする事にした。
とは言ってもエルの言葉はまだ舌足らずなのでツバサには完全に届かないが。
「えるぅ……(できるなら私もツバサや皆と普通にお話ししたいなぁ……)」
という気持ちを彼女は持っているとかいないとか。それを聞いたフワやくるるんも似たような事を思っていたのか、また意気投合する事になる。
「プルンスさん、凄いですね……。これ、どうやって覚えたんですか?」
「元々プルンスはスターパレスと呼ばれる場所でスタープリンセスに仕えていた存在プルンス。だから宇宙の言語を知識として記憶できているでプルンス」
「そうなんですね。むぅ……同じプリンセスに仕える者として、プルンスさんに興味が出てきました」
「そういえば、そっちにいるエルちゃんもプリンセスだったプルンスね」
「はい。ボクは彼女の一番の騎士です」
二人がそんな会話をしているとエルは遊びながらもそれを聞いており、誇らしい気持ちになっていた。
「えるる!(やっぱりツバサは私の騎士ね!)」
「エルちゃん、誇らしそうフワ!」
「くるるん……。くるくるくるるん。くるくるるん。(良いなぁ……。うちのローラは私の言葉を自分の都合の良いようにしか解釈しないし)」
「える、えるえるる…。(それってくるるんの言葉がわからないからじゃ……)」
こんな感じで三人の中でも積極的に話せる程度に仲良くなっていた。尚、フワは仲良くなった二人相手に人間語も使いながら感情豊かに話すようになった感じである。
〜おまけ〜
ソラ達ヒープリ以外の主人公チームのいる場所にて。ゆいがふと何かを思い出したかのように声を上げた。
「あっ!そういえばね、気になるテレビの宣伝があったんだ」
「何々!?」
「教えてー!」
「えっと、確か近々“はなみちタウン”?って言う場所で新しいアイドルが誕生するとか何とか……」
「アイドルという事はらんこさんが推している人達みたいに歌を歌うのでしょうか……」
ゆいの言葉にソラが疑問符を浮かべる中、ひかるやまなつは目をキラキラとさせていた。
「キラヤバ〜!何だか新しいキラキラが生まれそうな予感!」
「最高にトロピカってる〜!」
「誕生したら是非観に行きたいですね!」
「コメ!心がキュンキュンするコメ!」
コメコメがそう言うと一同が顔を見合わせる。するとコメコメは首を傾げた。
「コメ?どうしたコメ?」
「えっと、何だか似合ってるなぁと」
「うん。多分コメコメも人間になったらアイドルになれるかも……」
それを聞いたコメコメは嬉しそうな顔をすると人間態となってゆいへと抱きつくのであった。尚、その“はなみちタウン”では同時刻。コメコメに似た声をした髪と瞳の色が濃い紫で髪をツインテールにしつつ頭頂部のアホ毛が特徴的な一人の少女がクシャミをしたとかしてないとか。
また次回もお楽しみに。