熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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それぞれの楽しい時間part4

他の場所でプリキュア達が楽しむ中、ここは涼しい小川が流れる森の中。静かなそよ風に吹かれながら四人の少女と一匹の妖精が休んでいた。

 

「気持ち良いですね、ラテ」

 

「ワン!」

 

そう言ってラテを膝の上に乗せているのはアスミである。その隣にえれな、まどか、みのりの三人だ。

 

「いつもは騒がしいから静かなのは新鮮ね」

 

みのりの周りには騒がしい系女子であるまなつ、ローラがいつも場を盛り上げている。加えて、さんごもあすかも好きな事には割と前のめりな部分があるので周りが静かな状況になる場面は少ない。

 

「私達もひかる達がいないので静かなのは新鮮ですわね」

 

「まどかもそう思うんだね。私もだよ」

 

するとアスミが他の三人と比べて一人自然に馴染んでいるのを見たみのりは気になって声をかけた。

 

「そういえば、アスミはどうしてそんなに自然と一体化してる感が出てるの?」

 

「わたくしは元々地球を守るために風の精霊から生み出された精霊のような存在ですからね。この世界の雰囲気は地球とは違いますが、とても心地良く感じます」

 

「へぇ……。って事は一応妖精の仲間になるのかな?」

 

「そうですね」

 

するとラテは楽しそうに小川に入ると駆け回る。みのりはそんなラテを見て想像力が膨らむのかノートにメモをし始めた。

 

「みのりさん?」

 

「自然の中で楽しそうにはしゃぐ子犬……。何かに使えるかも……」

 

みのりはこう見えて想像力が豊かで、意外と感情の起伏も大きい。ただ、それを表に出すのは苦手なようだ。だから周りからは静かに喜んでいるように見えて、内面では物凄く興奮しているパターンもあり得るのだ。

 

「ラテ、おいで」

 

するとラテの元に向かうえれな。ラテは遊んでもらえると思ったのか、彼女に結構懐いてきた。

 

「……でも、やっぱり何だかえれなの笑顔はちょっと違う」

 

「え?」

 

「何だか、周りに見栄を張ってるタイプの笑顔みたいで……あっ!ごめん。嫌な事を言っちゃったよね」

 

みのりの言葉を聞いた瞬間、えれなは僅かに複雑そうな顔をした。その直後、みのりも思わず話す事に没頭してしまったと思い至る。その言葉のせいでえれなの地雷を踏んでしまったかもしれないと謝ったのだ。

 

「ううん。気にしてないから大丈夫」

 

「えれなさん……」

 

アスミが心配そうな顔を向ける中、えれなをよく知るまどかは彼女の事を話し始める。えれなはかつて肌の色の関係で周りと違う姿をしている事を指摘され、虐めを受けたことがあるのだ。

 

「えれなの笑顔は確かに周りを偽るための仮面に過ぎないかもしれない。でも、彼女の笑顔に救われた人は沢山います。わたくしだってそうでしたから」

 

それからみのりはえれなの元に行くと彼女へと声をかけた。みのりは彼女へと謝る事になる。

 

「えれな、改めてごめん。えれなの事を何も知らないのに勝手な事を……」

 

「大丈夫!私はもうその事は乗り越えたし。むしろ、ここは笑うための場所。そこで全力で笑えなかったら勿体無いよね!」

 

そう言って二人は改めて和解。そんな中、ラテはみのりの方にも尻尾を振って構って欲しそうにする。

 

「遊ぼっか。ラテ」

 

「ワン!」

 

それから二人とラテが楽しくするとアスミやまどかも微笑んで向き合う。このチームもこの件を通して絆を深めていったらしい。

 

同時刻。ユキ達の方ではペギタンを含めた五人で気持ち良さそうに温泉に浸かっていた。

 

「ふわぁあ……癒される」

 

「ここ最近疲れも溜まってきたし、偶にはリフレッシュも必要だな」

 

「ちゆの家の温泉も良いけど、ここも気持ち良いペ」

 

するとユキはペギタンを手にすると彼を手の上に乗せてジッと見つめていた。

 

「ど、どうしたペ?ユキ」

 

「ねぇ、ペギタン。抱きしめても大丈夫?」

 

「……ペ?」

 

その瞬間、ペギタンの答えを聞く前にユキはペギタンを抱き締めると愛で始める。

 

「ペェエエッ!?」

 

ペギタンはいきなりユキに強めに抱きしめられたせいで苦しそうな声を上げる。

 

「ユキ!?いきなりどうした!?」

 

「だ、だってぇ……ペギタンがあまりにも愛くるしくてつい……。私が最近ハマってるペンギンの妖精だし尚更……」

 

ユキは前にアサヒと水族館デートをする際に目当てにする程にペンギンが好きになっている。

 

「程々にね、ユキ」

 

ちゆにもそう言われてペギタンが苦しむのを見たユキは慌てて離した。その後、ユキはペギタンが苦しくないように自身の胸の辺りで優しく抱き締める程度に留める事になる。

 

「ごめんね、ペギタン」

 

「だ、大丈夫ペ……でもちょっとビックリしちゃったペ」

 

ただ、ペギタンは僅かに気不味そうな顔になっていた。何がとは言わないが、ユキの成長途中の場所で抱かれているためにやはり気不味い感情が湧くのも仕方ないだろう。

 

「ユキ、そういえばアサヒと距離が近そうだったけど、付き合ってるのか?」

 

「え?あ、はい……。アサヒ君からの告白を貰って恋人になってます」

 

「あはは、何だか前にすこやか市に来た時よりもベッタリ度が増してた気がしたけどそれは順調そうね」

 

ちゆが苦笑いし、ユキへと質問したあすかも温泉の熱とユキから感じ取れるアサヒへの熱を感じ取る事になる。

 

「アタシはあんまりそういう事が無いからちょっと羨ましいな」

 

「そうだな。……こうして見ると品田のヘタレっぷりは見てられないな。これは後で蹴飛ばした方が良いか……」

 

そう言うあまねに別の場所にいたはずの拓海は彼女から向けられる感情に一瞬寒気がする事に。

 

「あの、ちゆさん」

 

「何?」

 

「……どうして私を誘ってくれたの?」

 

そう言うユキの顔は僅かに気不味そうな顔つきだった。元々ちゆとはそこまで絆を深めた仲では無い。前の旅行で少し話をした程度だ。なのに何故自分を誘ってくれたのかを疑問に思ったのである。

 

「ユキと一緒にお話ししたかったからだよ。この前話した時、私も物足りないって思っちゃったし」

 

「ペギタンもユキが他人へと丁寧に接するからそれに好感を持ってたペ」

 

「そっか。そう言われると照れくさいな……」

 

それでもユキはバツの悪そうな顔つきになる。するとちゆはユキへと前の旅行で知り合った際に聞いた話を持ち出した。

 

「……実はね、アサヒからユキの過去については聞いたんだ」

 

「ッ!?」

 

その瞬間、ユキの目に恐怖が宿る。そして、ペギタンを手離すと僅かにちゆや他の二人、ペギタンから距離を取ろうとした。

 

「ユキが色々あって大変な思いをしたってアサヒから聞いたわ。……私達はそれが原因で避けたりなんてしない。だから、そんなに警戒しなくても大丈夫よ」

 

「ッ……でも」

 

ユキの目にはまだ少し警戒心が浮かんでしまっていた。するとそんなユキを見てあまねが口を開くと彼女が話し始める。

 

「ユキ、私の話をするぞ。……私はかつて、ブンドル団に操られて人々を苦しめる悪事の片棒を担いでしまった事がある。それでも、私はゆい達に受け入れられた。……自分の罪がそれで消えたなんて思わない。だが、それでも今は楽しく過ごせている。ユキ、私はユキを否定したりしない。だから私達を信じて欲しい」

 

あまねの言葉を聞いてユキは心が温かくなる感覚を感じる。すると今度はあすかも自分の過去を話し始めた。

 

「アタシも昔、同じ部活で頑張っていた仲間と意見の違いから対立してしまった事があった。それから暫く気不味い関係が続いた。でも、トロピカる部と出会ってアタシは変われた。ユキだってアサヒ達と出会って変われたからこそここにいるんだろ?だったらいつまでも怖がるな。そもそもアタシ達の殆どはユキの事なんてよく知らない。でも、ユキをそんな噂一つで否定するなんて事はしないな」

 

二人の言葉を聞いたユキは三人の近くに戻ると気不味そうにしつつも頭を下げて謝る。

 

「ごめんなさい……。私、また勝手な勘違いでこんな……」

 

「良いんだ。ユキ」

 

そう言ってあまねに頭を撫でられたユキ。すると彼女はそんなあまねに居心地の良さを感じたのか、あまねへと抱きついた。

 

「なっ!?ユキ!?」

 

「すみません……。でも、何だかわからないけど居心地の良さを感じてしまって……」

 

「そうか……」

 

あまねは僅かに困惑しつつもそれを受け入れた。あまねの撫で方は割とアサヒから撫でられるのと似たような感覚を覚えたらしい。

 

「ふふっ。何にしてもユキちゃんが笑顔になって良かった。……ねぇ、ユキ、あすか、あまね。そろそろ温泉からあがってアレやらない?」

 

「温泉からあがってからやるって事は」

 

「なるほど、それは楽しそうだな」

 

「うん!やりましょう!」

 

それから四人は上がると体を拭き、髪を乾かしてから旅館で着るような浴衣姿になると温泉旅館でよくある卓球台の前にやってきた。それから四人はチームを分けるとペギタンを審判として二対二で卓球をする事になる。

 

「行きます!」

 

ユキがあまり卓球をした事が無い初心者という事もあってチームは家が旅館という事でそれなりに慣れていると思われるちゆと組み、あすかとあまねが相手となった。そして、早速ちゆのサーブから始まる。

 

「もらった!」

 

あすかが得意なテニスで培った反射神経で球を捉えると強烈なスマッシュを放つ。それに対してユキは直感で反応。あすかのスマッシュに追いつくとそれを跳ね返した。

 

「ッ!やるな!」

 

あまねもそれを受けて返し、卓球の勝負は盛り上がっていく。そして、卓球が終わる頃には四人共やり切った顔つきになっていた。

 

「ユキ、本当に未経験者か?身体能力高いな」

 

「はい……私も毎日鍛えてますし」

 

「そりゃあ反応できるわけだよ」

 

それから四人は同時にお腹が鳴る。どうやらこの空間内でもお腹は空くらしい。

 

「遊んだし、次は……」

 

「ご飯の時間だね!」

 

四人は場所を変えると楽しく料理をしてご飯を食べる事になる。その際にあまねからレシピッピについて知ったユキが緩み切った顔つきでレシピッピと接する事になる。

 

それから数時間が経過すると全ての部屋にベルが鳴り響く。どうやらエンジェリーが企画していた交流会の時間になったようだ。

 

五人は折角企画してもらえたという事で頭の中で願うとその場所へと移動。そこは体育館のような場所で他のチームもちゃんとやってきていた。

 

するとそこにエンジェリーが立っており、彼女の背後にはホワイトボードがあった。

 

「皆様、お集まりいただきありがとうございます。それでは早速交流会を始めさせていただきますね!」

 

それからエンジェリーが笑顔を浮かべるとこのお泊まり会の中での楽しい全体での交流会が始まる事になる。




また次回もお楽しみに。
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