熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

192 / 253
復活する悪の戦士 堕天使の降臨

スノー達が戦闘を始めた頃。他の部屋にいた面々も部屋から出たタイミングで液体のような物と出くわしていた。

 

「何よ……これ」

 

「気持ち悪っ!」

 

「良くない感じがプンプンするニャン」

 

するとその液体が姿を変えていくと赤いスカーフを巻いた青いカニのような姿に下半身には4本の脚が生えている男だった。そして、その姿にローラは見覚えがあるようで。

 

「アンタはチョンギーレ!?何でアンタがここにいるのよ!というか、改心したんじゃないの!?」

 

「んなもん知るかよ。俺だってこんな所に記憶として呼び出されんのはかったりぃんだよ。とっととやる気パワー回収して魔女様に献上してやらねーといけねーのに」

 

どうやら彼もローラの中の記憶から呼び出された敵らしい。ただ、彼は割とやる気の無さそうな声をあげていた。

 

「とにかく、近くにいる人間はお前らだけっぽいし、さっさとやる気パワー奪ってやる。出て来い!ゼッタイヤラネーダ!」

 

チョンギーレが紫のボールを投げるとそれがエネルギーとなって変化。イカ焼きのゼッタイヤラネーダへと変化すると降り立つ。

 

「ヤラネーダ!」

 

「っ……。皆、プリキュアに変身よ。こんな奴に負けないんだから!」

 

「「「「うん(ニャ)!」」」」

 

それからローラ、ひなた、ユニの三人はプリキュアへと変身するためにアイテムを構え、それと同時にヒョウもアルテミスへと変わるためにツインチェンジライトを出すとそれを捻る。そして、そのままヒョウ以外の三人は光に包まれた。

 

「ゆらめく大海原(オーシャン)!キュアラメール!」

 

「「溶け合う二つの光!」」

 

「キュアスパークル!」

 

「ニャ!」

 

「銀河に光る虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

三人が名乗りを終えるとその場の三人が変身する中、自分だけ変身できないヒョウが焦り始める。

 

「あれ!?何で……変身できるはずなのに……」

 

よく見ると捻って光が灯ったはずのライトの光は消えており、うんともすんとも言わなくなってしまう。

 

「ちょっと、何してるのよ!」

 

「どういう事!?何で……」

 

実はヒョウが変身するアルテミスは変身時にアポロンに変身するかけると手を繋ぐ関係上、二人同時(・・・・)でしか変身ができない。今彼女はかけると離れているので変身できないのだ。ただ、このカラクリにヒョウは焦って気が付けなかった。

 

「ヤラネーダ!」

 

その瞬間、ヤラネーダの目が赤く光るとヒョウの体から何かの光が吸われていってしまう。

 

「あ……れ?何だか、やる気が……」

 

そのままヒョウは倒れ込むとそのまま間の抜けたような顔つきとなった。そんな彼女がやる気無さそうにするのを見たラメールは慌てる。

 

「しまった……プリキュアならヤラネーダからのやる気パワー吸収を防げるけど、生身だと吸われちゃうんだわ」

 

ヤラネーダの厄介な点。それは例えプリキュアの覚醒者だったとしても変身できてない生身で尚且つ隙を見せてしまうとやる気パワーを吸われてしまうのだ。今回ヒョウは完全に変身できない事で混乱。加えてラメールがこの点を失念していたせいでゼッタイヤラネーダに隙を見せる事になってしまった。

 

「じゃあ戦えるのはウチら三人だけ!?」

 

「でも、三人なら十分戦う事はできるニャン!」

 

「そうよ。どうにかしてやる気パワーを取り返さないといけなくなったけどね」

 

それから三人は敵との交戦を始める。その頃、同じくヒョウがいないために変身できないかける達の方の前にも敵が現れていた。

 

「おいおい……これは何の冗談だ!?」

 

「まさか一度消えた俺がこうしてまたお前達と向かい合えるとはな」

 

アサヒ達の前にいたのはよりにもよって超が付くほどの強敵。シャドーであった。恐らく、アサヒとかけるの二人が彼に対する苦手意識を持ってしまっていたがために優先して具現化したのだろう。

 

「取り敢えず、かけるさんは下がっててください。ヒョウがいない今、あなたは変身できないですし」

 

「うん。ここは任せるよ」

 

「私がかける君のカバーをするわ」

 

「ならここは俺達でやるぞ。アサヒ!」

 

拓海はデリシャストーンの力を使うとブラックペッパーへと変身。それと同時にアサヒもミラージュペンとスカイトーンの力でプリキュアへと変身した。

 

「夜明けにひろがる眩い朝日!キュアサンライズ!」

 

アサヒもサンライズへと変身するとシャドーは笑みを浮かべる。そして彼は刀を構えた。

 

「ほう。わざわざこの俺を倒したその姿に変身するとは。俺にお前へのリベンジのチャンスをくれるようだな」

 

「は?サンライズは今変身ふ……はぁっ!?」

 

どうやらアサヒもシャドーを相手に無意識にサンライズの方を意識したらしく。バーニングサンの力抜きでも変身に成功していた。

 

「サンライズ、ひとまず疑問を解決するのは後だ。行くぞ!」

 

「はい!」

 

それからサンライズ、ブラックペッパーは後ろを生身でもある程度戦闘可能なローズマリーに任せてシャドーとの交戦を開始する。

 

更にましろ達の前にはのどかにとって因縁のある相手にして、彼女が絶対に会いたくなかった敵。ダルイゼンが現れていた。

 

「久しぶりだな。一度消えて復活したおかげで俺の今の気分は生きてるって感じだよ」

 

「嘘ラビ……何で……」

 

「ダルイゼン……」

 

「あの時はよくもこの俺を見殺しにしたな。その雪辱、ここで果たしてやる。進化しろ……ナノビョーゲン」

 

そのままナノビョーゲンが成長していくと巨大な草をモチーフにしたメガビョーゲンへと変化する。

 

「メガビョーゲン!」

 

「ッ……皆!」

 

「「「「うん(ラビ)(メン)!」」」」

 

その言葉と同時にメンメンとラビリンが変身アイテムへと変化。三人がプリキュアへと変身する。

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「きらめくヌードル・エモーション!キュアヤムヤム!おいしいの独り占め、ゆるさないよ!」

 

「「重なる二つの花!」」

 

「キュアグレース!」

 

「ラビ!」

 

するとダルイゼンはメガビョーゲンに指示を出すと周囲を蝕みながらメガビョーゲンは三人へと襲いかかる。

 

みのり達のチームの前には二つの液体が出現。その二つが具現化するとバテテモーダ及びガルオウガへと変化していく。

 

「はぁーい!ビョーゲンズ注目の若手新人!俺の名はバテテモーダ!」

 

「ふん。お前なんぞ誰でも良い。力こそが全てだからな」

 

「まぁまぁそう邪険にしなーいの」

 

そう言って明らかに力のある雰囲気を出すガルオウガを宥めるバテテモーダ。それを見た四人は警戒する。一応バテテモーダはアスミがプリキュアとして浄化したのだが、その強さは折り紙付きだと彼女は知っていた。

 

「バテテモーダ。懲りずにまた現れましたね」

 

「ガルオウガも」

 

「俺はダークネスト様に忠誠を誓う身。今度こそお前らのような甘ったるい奴等には負けん」

 

唯一みのりだけは二人を知らないが、雰囲気からして二人が強者だとわかると彼女もアイテムを手にしていた。

 

「行きます!」

 

そして四人がプリキュアへと次々に変身。そのまま四人が順番に名乗っていく。

 

「ひらめく果実(フルーツ)!キュアパパイア!」

 

「「時を経て繋がる二つの風!」」

 

「キュアアース!」

 

「ワン!」

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

「夜空に輝く!神秘の月明かり!キュアセレーネ!」

 

四人が変身して降り立つとバテテモーダは笑みを浮かべ、逆にガルオウガは拳をポキポキと鳴らしながら四人と激突する事に。

 

また、ソラ達の所でも二つの液体が出現。それが姿を変えるとカバトン、そしてバトラーへと変化する。

 

「にゃーっはっはっはー!俺、復活なのねん!」

 

「うるさいお方ですね」

 

「初対面相手に失礼なのねん!」

 

「あなたは……」

 

「こんな所に現れないでください!ザブトン!」

 

ひかるの完璧なフリからのソラの名前間違いにカバトンはズッコケてしまうと額に青筋を立てる。

 

「お前ら、俺様の名前は……」

 

「腹ペコッタ〜。あの豚さん見てたらカツドン食べたくなってきちゃったよ」

 

「誰がカツドンなのねん!?」

 

カバトンがゆいにも間違えられた事に怒りを浮かべた。だが、ソラ達による○○ドンの話はまだ終わっておらず。

 

「じゃあ牛丼とかどう?」

 

「私は三色丼が食べたいなぁ〜」

 

「うう。そんな事言ってたら私、前にテレビで見た親子丼というのが……」

 

「うるさーい!!」

 

流石のカバトンは自分の名前をここまで弄り回されるとは思っておらず。激昂した顔つきで声を荒げた。

 

「良いか、よく聞けよお前ら!俺様の名前はカ・バ・ト・ン!これ以上俺様の名前で遊んだらタダじゃおかないのねん!」

 

「はぁ……良いですよね。海鮮丼は。気にしてもらえるだけマシじゃないですか。海鮮丼といえばチョンギーレさんにまた作ってもらいたいもの……」

 

「お前も俺様の名前で遊ぶななのねん!」

 

バトラーも長々とカバトンの名前弄りの件が続いたせいか半ば投げやりにカバトンの相手をする。ついでにバトラーもカバトンの名前の呼び間違えで彼を弄ったが。

 

「とにかく、お前達をボッコボコにしてやるのねん!カモン!アンダーグエナジー!」

 

カバトンがアンダーグエナジーを召喚すると巨大な電車のランボーグを作り出す。ただ、以前とは違ってこのランボーグを使ってもガリガリ化はしなかった。恐らく前よりも内蔵されたエネルギーの総量が増えて溜め無しでも前程のランボーグを作れるようになったらしい。

 

「ランボーグ!」

 

「バトラーも来るの?」

 

「はい。少々手間ですけどね」

 

そう言ってバトラーも手に剣を抜き放つ。それを見て四人は頷くとプリキュアへと変身する事に。

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「あつあつごはんでみなぎるパワー!キュアプレシャス!おいしい笑顔で満たしてあげる!」

 

「ときめく常夏!キュアサマー!」

 

宇宙(そら)に輝くキラキラ星!キュアスター!」

 

「やるのねん!ランボーグ!」

 

「ランボーグ!」

 

ここでも四人のプリキュアとランボーグ達がぶつかる。また場面は移行してあげは達の所。ここでは出てきたのは一人だけだったが、あまり良い相手とはいえなかった。

 

「よぉ、プリキュア。また会ったな」

 

「あなたは、ナルシストルー!」

 

どうやらここで出てきたのはナルシストルーらしい。そんな彼は一同を見渡すと少しだけ残念そうにする。

 

「キュアフィナーレのいる所が良かったけどちょっと残念だな。まぁ、お前らでも潰す価値はある」

 

その言葉を聞いて一同は身構える。するとナルシストルーは指を鳴らすとこちらもウバウゾーを呼び出した。

 

「混ざれ!モットウバウゾー!」

 

するとナルシストルーが翳した手から二つのエネルギーが出るとそれが融合。そして、泡立て器と寸胴鍋が混ざったウバウゾーへと変化。奇しくもそれはキュアフィナーレが初めて変身した時に出てきたウバウゾーであった。

 

「モットウバウゾー!」

 

「ここで合体タイプ……」

 

「強いの?ここねちゃん」

 

「はい。少なくとも一筋縄では行かないぐらいには」

 

そう言われて警戒心を強くする一同。そんな中、ナルシストルーはそんな一同を見ると何かを思い出したようにポケットから一つの食材を取り出す。

 

「そういや、この世界は俺様が思った事が具現化するらしいな。だったら!」

 

ナルシストルーが出したのはピーマンであった。それを見てあげはは身震いする。

 

「ッ!?それは……」

 

「コイツも出してやるか。出でよ!ピーマン大王!」

 

その瞬間、ピーマンが巨大化するとそのまま王冠や髭などがついた、端的な姿をした怪物。ピーマン大王となる。

 

「あれって……何だろう?」

 

「ピーマンの怪物ルン?でもどうして?」

 

「ふっふーん!コイツは俺様がこの世から抹消したいリストに入っている食材であるピーマンの化身!その名もピーマン大王だ!」

 

その言葉を聞いてさんごとララは何ともいえない顔つきをする。そんな中、あげはは僅かに恐怖で震えていた。

 

「あげはさん?どうしたルン?」

 

「べ、べ、べ、別に大丈夫だし……私はピーマン嫌いだなんてそんなんじゃ無いし……」

 

完全に動揺しているあげはを見た三人は彼女がピーマンが嫌いなのだと察する。そして、そんな中ここねがあげはへと声をかけた。

 

「あの、私も元々ピーマンが嫌いでした。それでも頑張ってコメコメと一緒に克服できたんです。だから、あげはさん。私もお手伝いしますので一緒に克服しましょう」

 

「そうパム。頑張ればあげはだってきっと克服できるパムよ!」

 

ここねの言葉にあげはは目を見開くと一度深呼吸する。そんな中、さんごやララも頷いた。

 

「うん。励ましてくれてありがと。そうだよね。私もこんな時に好き嫌いなんてしてられない!」

 

それから四人は次々とプリキュアへと変身するための光に包まれるとプリキュアへと変化した。

 

「アゲてひろがるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!分け合うおいしさ、焼きつけるわ!」

 

「きらめく宝石!キュアコーラル!」

 

「天にあまねくミルキィーウェイ!キュアミルキー!」

 

四人が変身するとナルシストルーは一旦下がって様子見をする事に。そして、それと同時にモットウバウゾーとピーマン大王が前に出てくるのだった。

 

「そういえば私達がこうなっているという事は多分皆もこの状況になってるはず。だとすれば……あっ!少年の所はかなりヤバくない!?」

 

バタフライがこの場にいないツバサの心配をする。その理由は単純である。

 

「「「「「「ノットレイ!」」」」」」

 

「何でこうなるんですかー!!」

 

今現在、ツバサはエルやくるるん、フワを抱えながらリュックのように変化したプルンスを背中に背負って逃げに徹していた。何しろツバサ一人では他勢に無勢だからである。

 

「とにかく今は他の皆と合流するでプルンス!」

 

「わかってますよー!」

 

するとツバサの前にいきなり液体が出てくるとその姿が変化。テンジョウへと変わる。

 

「ふふっ。この私から逃げられると思ったのかしら?」

 

「アイツはテンジョウでプルンス!」

 

「ここであなた達に会えるなんてね。まぁ、近くによくわからない妖精や赤ん坊がいるけどついでに連れて帰れば良い手土産になりそうだわ」

 

「……プルンスさん。エルちゃん達をお願いします」

 

「無茶でプルンス!」

 

「ちゅばさ、めーっ!」

 

「……ここがボクの踏ん張り所。一人でもあなた方を止めて見せます!」

 

「へぇ。ガキ一人で何ができると?」

 

「それでも、ボクは戦い抜いてみせます!ひろがるチェンジ!」

 

ツバサはそのままプリキュアへと変身。キュアウィングとなると周囲を取り囲むノットレイと対峙する。

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

ウィングは何としてでも増援のプリキュア達が来るまで一人でこの場を耐え凌ぐと誓い、目の前にいるノットレイ軍団とそれを率いるテンジョウへと向かい合うのであった。

 

同時刻。全ての部屋のプリキュア達が交戦に入る中、動力室にやってきたエンジェリーは目を見開いていた。

 

「そんな……動力が闇の力に支配されて……」

 

そこは黒く染まった感情のエネルギー。そして、それのせいで部屋の制御ができなくなってしまっていた。

 

「とにかくすぐに修復作業を……」

 

するとそれと同時に体に火花が流れてしまう。彼女にかかる劣化によるダメージがどんどん加速しているのだ。

 

「どうして……少し前まで平気だったのに……まさか、私の体がおかしくなったのは……このエネルギーの……せ……い」

 

そのままエンジェリーはバタリと倒れると目が黒く変化。それと同時に背中の翼や天使の輪っかが黒く染まり、衣装も黒や紫を中心にしたまるで堕天使のような姿にイメチェンすると立ち上がる。

 

「……私の名前は堕天使エンジェリー。このホテルの力の元を人々の不幸な感情へと変更。ここにいる人々から負の感情を搾り取ります」

 

そう言って堕天使となってしまったエンジェリーは邪悪な笑みを浮かべて制御室を操作するのであった。




また次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。