また少し時間を遡り、場面は変わってキュアラメール、キュアスパークル、キュアコスモの三人とチョンギーレ、ゼッタイヤラネーダの対面ではイカの触手攻撃を受けていた。
「ッ、三人相手でも触手があるせいで強い」
「それにうちらは連携とか合わせた事殆ど無いから……」
「せめてプリンセススターカラーペンが一本でもあれば違うけど……」
前にも説明した通り、コスモは手元にプリンセススターカラーペンを一本も所持していないので技を使う事ができない。しかもゼッタイヤラネーダ自体、ヤラネーダの中でもそれなりに強い部類に入る。なので油断すればあっという間にやられるだろう。
「ゼッタイヤラネーダ、かったるいアイツらをさっさと終わらせろ」
「ヤラネーダ!」
するとゼッタイヤラネーダはイカ墨を放とうとする。それを見たコスモは何かを思いついた。
「そうニャン!」
するとコスモが想像力でそれなりに大きめな岩を出すとそれをゼッタイヤラネーダの漏斗に当たる部分にそれを命中させると放出口を塞いでしまう。
「ヤラネーダ!?」
そのせいでヤラネーダは墨を吐くことができず、隙が生まれた。そこにスパークルがチャンスと技を放つ。
「プリキュア!ヒーリングフラッシュ!」
スパークルが放った光のエネルギーが命中するとゼッタイヤラネーダは怯む。そのタイミングこそラメールが待っていた瞬間だった。
「今よ!マーメイドアクアポット!やる気パワー、カムバック!」
ラメールはピンクの香水瓶型のアイテム、マーメイドアクアポットで奪われていたアルテミスことヒョウのやる気パワーを回収。もうこの時点で彼女のやる気はウィングの影響で戻っているものの、それをラメール達は知らないのでやる気パワーを回収しなければならないと考えていた。
そのため、これでようやくラメール達はゼッタイヤラネーダを浄化可能になったのである。
「やったわ!これでゼッタイヤラネーダを浄化できる!」
「チッ……かったりい真似しやがって……こうなったらゼッタイヤラネーダ!」
するとゼッタイヤラネーダの姿がエネルギーとして戻るとチョンギーレが手を上げる。そしてそれが彼を包み込むとチョンギーレの胸にヤラネーダの顔が浮かんだチョンギーレヤラネーダ形態となる。
「ヤラネーダ!」
「嘘!?今ここでそうなるの!?」
まさかの事態にラメールは驚きを隠せない。何より、これによって生物を媒体にする事によるゼッタイヤラネーダの降臨で生半可な力では浄化できなくなってしまった。唯一の救いは取り込んだエネルギーがゼッタイヤラネーダなのでゼッタイヤラネーダ基準の力しか得られてない所だろう。
「不味いかも、もしかしたら私の単体技じゃ倒せなくなったかもしれないわ」
「ええっ!?」
「それじゃあ打つ手が無くなったのニャン!?」
するとチョンギーレは手の鋏を振り下ろす。それを見て三人は回避するとどうにか距離を取る。だがチョンギーレとしての目が光るとレーザービームを放ち、それが三人を襲った。
「プニシールド!」
何とかスパークルの展開したバリアで凌ぐものの、あまり良い流れでは無い。
「どうしよ……」
「……懸けになるけど一つ作戦があるニャン」
「……言ってみなさい」
それからコスモの提案を聞くと二人は目を見開く。だが、その案が現状どうにかできる唯一の手段だと思えた。
「……わかったわ。かなりの懸けだけど……そうするしか無さそうね」
「うん。それで、三人で考える事を一致させないとだけど候補はある?」
「確か、あそこなら……」
するとズシンズシンと音を立てながらチョンギーレが接近してくる。あまり長々と作戦会議する暇は無さそうだ。
「……とにかく今の作戦で行くわよ」
三人は頷くと同時に一斉に飛び出すとチョンギーレは容赦なく鋏を振り翳す。
「はあっ!」
コスモとスパークルはその攻撃を鋏の間をすり抜けるように躱すと正面から走ったラメールも振り下ろされた二本の鋏の真下を通って跳び上がると三人同時にチョンギーレへと飛びつく。そのまま三人の姿はチョンギーレと共にその空間から消え去った。
その頃、ガルオウガと戦闘をしていたパパイア、アース、ソレイユ、セレーネの四人はワープを使うガルオウガを相手に円陣を組むとお互いの背中をカバーする形を取っていた。
「はあっ!」
ガルオウガがアースの前に現れると拳を振り下ろす。だが、それをアースは受け止めるとそのタイミングに合わせてソレイユが蹴りをぶつけて吹き飛ばし、すかさずセレーネが弓で追撃。
「チッ!」
それはワープで回避され、隙のできたセレーネに攻撃が来るがそこをパパイアとソレイユが対応。
「空気のエレメント!」
更にアースが風の衝撃波でガルオウガを押し戻す。ガルオウガは確かに手練れだが、それは素の実力である程度力の差が開いて尚且つワープに対応できなかった時に苦戦するぐらい。
逆に言えばそれ以外に特殊能力は無いのでワープに対応できれば十分に対抗できる。
「む……流石はプリキュア。俺のスピードにもう順応するのか」
するとその瞬間、いきなり上から何かが降ってくると四人とガルオウガは飛び退く。そこには先程までラメール達と交戦していたチョンギーレだった。
「ヤラネーダ!」
「これは、チョンギーレが変身したヤラネーダ!?」
「お待たせ!」
するとそこにラメール達三人も到着。これにより二つのチームが合流して戦えるメンバーが七人に増えたのだ。
「スパークル!無事だったんですね」
「ワン!」
「ラテ様も無事そうで何よりニャ」
「コスモもプリンセススターカラーペン無しで戦わせてごめん」
「私達の分を使ってください」
ソレイユとセレーネは自分の持っていたペンを一本ずつコスモに渡すとコスモはそれを受け取った。
するとガルオウガとチョンギーレが構えを取る。七人は二人の敵に向かっていく。まずガルオウガだが、スパークル、アース、ソレイユ、セレーネの四人にメンバーを変更した。
「火のエレメント!」
「プリキュア!みずがめ座・セレーネアロー!」
まずはスパークルの炎とセレーネの水の矢がガルオウガへと向かって放たれる。それに対してガルオウガはすかさずワープするが、二つの攻撃はぶつかるとその衝撃で霧が展開。それによってガルオウガの視界が奪われた。
「ッ!?何だと!?」
「音のエレメント!」
すかさずアースが音のエレメントを使うと霧の中で音が響き渡る。それにガルオウガは笑みを浮かべた。
「わざわざ音を鳴らして場所を知らせるとは!」
ガルオウガがワープするとアースの背後を取る。しかし、アースはそれをわかっているかのようにノールックのままそれを受け止めた。
「ッ!?何だと!」
「この状況で音を鳴らせばこちらに来ると思いました。今です!」
「ぐっ!?」
「プリキュア!てんびん座・ソレイユシュート!」
「プリキュア!いて座・セレーネアロー!」
ガルオウガは体の一部がアースに掴まれてしまったせいで離脱も不可能となるとそのタイミングで火力が高めの攻撃がソレイユ、セレーネから放たれて命中。
「ぬう……」
「はあっ!」
そのままガルオウガはアースに投げ飛ばされると叩きつけられた。流石に彼もダメージを受けた様子で立ち上がったものの、それなりに疲労していた。
「く、クソッ……」
「このまま一気に行きましょう!」
アースの言葉に仕切られて四人はガルオウガと再度交戦。そのタイミングでパパイア、ラメール、コスモの三人がチョンギーレと戦う。
「パパイア、技を使って!」
「ッ!!でも私の技じゃ多分チョンギーレには……」
パパイア単体の技では恐らくチョンギーレを浄化し切るには足りない。だが、今は彼女の力も必要だ。
「お願い!」
「……わかったよ!」
パパイアがハートルージュロッドを出すと投げキッスをすると同時に出した黄色いエネルギーに包まれるとそれは巨大なパパイアへと変化。それと同時にキュアパパイアの顔のパーツも浮かび上がるように出現。そのまま大きくジャンプした。
「ふわーっ!」
するとパパイアが二つに割れて中に詰まっていた大量のパパイアの種が展開される。
「プリキュア!ぱんぱかパパイアショット!」
そしてそれが雨のように降り注ぐとチョンギーレは浄化されずとも攻撃による上からの物理的な圧で自由な行動を阻害された。
「や、ヤラネーダ!?」
「良し!コスモ、二人で決めるわよ!」
「そういう事ニャンね!」
確かに同じゼッタイヤラネーダでも生物をモチーフにした関係でラメール一人の浄化技では届かない。だが、コスモにプリンセススターカラーペンが渡っている今ならスタートゥインクルプリキュアの個人技の中でもトップの火力を誇るコスモの技との合わせ技でなら決められる。
「パフュームシャイニーリング!シャボンフォーム!」
ラメールが変身アイテムであるマーメイドアクアパクトにリングを装填するとパクトを展開状態にし、パクトの下にマーメイドアクアブラシをセットする事でバブルガンのような形へと変化させた。
「アクアチャージ!」
ラメールがパクトの粉が入っていると思われる部分に手を置くとそこをスライドで回転。するとそこに水や泡のエネルギーが高まる。そのままそれを周囲に展開。銃口をチョンギーレへと構えた。
それに合わせてコスモもスポットライトが輝く空間に移行すると手に持ち手が大きめな香水瓶を模したアイテム、レインボーパフュームを構える。
「レインボーパフューム!行くニャン!」
そして逆の手でプリンセススターカラーペンを手にするとそれを上部にある装填口にセット。
「プリンセススターカラーペン!てんびん座!クルクルチャージ!」
コスモがパフュームの上にある回転式レバーを回転させるとペンから抽出されたエネルギーが下側にある香水瓶の瓶の部分に落ちて混ざっていく。それからコスモは眩い光を放ちながらパフュームを構えた。
「プリキュア!オーシャンバブルシャワー!」
「プリキュア!レインボースプラッシュ!」
ラメールとコスモがそれぞれアイテムのトリガーを引くと大量の泡と眩い虹の光がチョンギーレへと飛んでいく。チョンギーレはそれを真正面から受け止めると打ち消そうと踏ん張った。
「や、ヤラネーダ……」
「「はぁああっ!」」
二人がどうにか押し込もうとするものの、やはり生物を媒体としてゼッタイヤラネーダは超ゼッタイヤラネーダと同じでかなりパワーアップしている形だった。
「このままじゃ押し切れないわ!」
「だったら、もう一本ニャン!やぎ座!レインボースプラッシュ!」
そこにもう一本貰ったプリンセススターカラーペンをセットすると回転。今までずっとやってこなかったが、二つのカラーペンの力を同時発動させる事による相乗効果でエネルギーは一気に増幅。そのままチョンギーレは押し切られるとチョンギーレは貝殻のようなエネルギーに包まれ、中心部にはてんびん座とやぎ座の文字が浮かび上がった。
「ビクトリー!」
ラメールはコスモがカッコ良く締める隣でシンクロナイズドスイミングのように右脚を高々と上げて顔もはっちゃけたような物にすると叫び、その場を締め括った。それと同時にチョンギーレは爆発を起こすとエネルギーとなって消滅していく。
「クソッ……俺が負けるなんて……かったりいな……」
だが、それでもその顔は悔しがったような物では無く、むしろ浄化された事を喜んでいるようにも見て取れた。どちらにせよ、チョンギーレが浄化された事でゼッタイヤラネーダも一緒に消滅。
「やった!」
「こっちも終わったし、向こうに加勢するわよ!」
それからパパイア、ラメール、コスモの三人が走ってガルオウガの方に向かっていく事になる。
また次回もお楽しみに。