堕天使エンジェリーを始めとして記憶から復活した敵がラスボス達の姿へと変わった。プリキュア達はそれによって圧倒的に不利な戦いを強いられる事に。
「お前達など、我の前では無力」
「ッ、いきなり姿を変えてあなたは何なのよ!」
「我の名は蛇遣い座のスタープリンセス。かつてそう呼ばれていた者だ」
蛇遣い座が手を翳すと彼女の周囲に何匹もの緑のエネルギーの蛇が姿を現す。そして、蛇達はプリキュアを威嚇するように睨みつける。
「だからって、あなたの好きにさせるつもりは無い!」
「行きましょう!」
アースの言葉を皮切りにプリキュア達は蛇遣い座へと挑んでいく。すると蛇遣い座はエネルギーとして召喚した蛇達を次々と飛ばすとそれはプリキュア達を襲い始める。
「ッ!?」
「私が撃ち抜きます!プリキュア!セレーネアロー!」
「だったら私も!」
「ソレイユ、これを!」
「サンキュー!プリキュア!天秤座・ソレイユシュート!」
セレーネやソレイユは蛇を迎撃して何体かを撃破するものの、その程度ではまるで撃破スピードが追いつかない。何とか迫ってくる蛇を回避するプリキュアだが、蛇は執拗に追尾。
「プリキュア!くるくるラメールストリーム!」
今度はラメールがマーメイドアクアパクトの回転部をマーメイドアクアブラシで回転させて高めたエネルギーをブラシを翳して放った激流で蛇をある程度纏めて吹き飛ばす。
「ほう?少しはやるな」
「今よ!」
「光のエレメント!」
するとスパークルが光を発生させて蛇遣い座の目眩し。そこにパパイアとコスモのダブルパンチが命中。
「ぬぅ!?」
そして、彼女達が作り出した隙に技を放つのは単体だと最強クラスの出力を誇るアースだ。
「プリキュア!ヒーリングハリケーン!」
パパイアとコスモが巻き込まれを避けるために離れた直後、アースが起こした竜巻が蛇遣い座に命中。蛇遣い座は凄まじい量の竜巻を喰らって押し込まれるが、笑みを浮かべた。
「……やられてあげるのはこの辺にしておくか」
すると次の瞬間、蛇遣い座がブラックホールを出現させるとヒーリングハリケーンを全て飲み込んでしまう。
「なっ!?」
プリキュア達が動揺する中、彼女達を次々と蛇が襲っていく。動揺で回避が遅れたプリキュア達はそれをまともに受けてしまった。
「「「「「「「きゃあああっ!」」」」」」」
そんな中、場面は再び堕天使エンジェリーと向き合うウィング達の元へと移る。
「エンジェリーさん、しっかりしてください!」
「ふふっ。私はピンピンしているわよ。何もおかしい事は無い」
「そんなはずは無いよ!エンジェリーさんはもっと優しくて……」
「何も私の本性が優しい人だとは思わない事ね。あなた達の事もここに集めて纏めて始末するためだけに呼んだのよ」
そんな風に話すエンジェリーを見てアポロンはエンジェリーへとある事を聞く事にした。
「……エンジェリーさん。あなたは今までここに招いてきた他の客達にも同じような態度で出迎えたんですか?」
「……はぁ?何言ってるのよ。私がそんな今まで客をここに呼んで接待だなんてそんなくだらない事をしているわけ……ッ!?」
その時、堕天使エンジェリーは調子に乗って話をしたために口籠る。その言葉はこれより前にエンジェリーとして言った言葉と思いっきり矛盾したからだ。つまり、目の前にいるエンジェリーの人格は先程までとは思いっきり別人だという事。先程まで客に優しく接していたエンジェリーの隠れていた本心が表面化したからこうなったのでは無いと察した。
「やっぱり……あなた、エンジェリーさんを乗っ取った誰かでしょ!」
「エンジェリーさんを返して!」
そんな風にプリキュア達が問い詰めるとエンジェリーは溜め息を吐く。すると彼女から別の声色が聞こえてきた。
「……やはりこの者の声を使って別の喋り方をするのは性に合わないな」
「一体何者ルン!」
「……私の名はボトム……いや、ネオボトムと言うべきか。かつて、レインボージュエルを狙いプリキュア達に敗れし者だ」
エンジェリーに憑依したのはボトムと呼ばれる深海の闇を司る存在であった。彼はかつて千年に一度だけ強大な力を宿すと言われた宝石、レインボージュエルを狙ってプリキュア達の前に立ちはだかったもののあと一歩の所で奇跡の力を纏ったプリキュアに敗れたという経緯がある。
「プリキュアにやられて私は一度消滅した。だが、光ある所に闇はある。細々と生き残ったボトムとしての一部は再び深海に沈んで力を蓄えた。その後、このホテルのオーナーであるエンジェリーに招かれた客の荷物に紛れる形でここに侵入し復讐の期を伺っていた」
そんな中、ボトムはエンジェリーがプリキュア達を招くという話を液状体でコッソリと耳にした。そのため、プリキュア達が完全に油断しきり尚且つエンジェリーが一番一人になるタイミングである夜の睡眠の時間を利用して彼女を乗っ取ったのだ。
「この施設の系統は最早私の思うがまま。後はプリキュア達の負の感情を引き出し、お前達を絶望の底に落とした上で再び世界を深海の闇で覆い尽くす」
どうやらボトムは自分を倒したプリキュア達も纏めて倒すための準備を進めているらしい。今回、エンジェリーがプリキュアを呼ばずとも計画を進めるつもりだったらしいが丁度呼んでくれたのでウォーミングアップがてらにまずここに来たプリキュア達から潰す事にしたらしい。
「つまりは他のプリキュアにやられた腹いせに私達やエンジェリーを利用しているって事だよね?アンタ、最低なんだけど!」
「逆恨みも良い所です」
「黙れ!……貴様らには到底理解できまい。私が千年に一度の瞬間をどれだけ待ち望んだか。それを無駄にさせられた挙句、私は一度消え去る事になったのだ。これ以上、お前達に好き放題させるつもりは無い」
ボトムはエンジェリーに入り込み、力を復活させるとネオボトムとして名前を変えた。その後、ホテルの至る所に仕込んでおいた自分の分身とも言えるべき闇のエネルギーでホテルその物を乗っ取る事に成功。ユキやアサヒ見た悪夢はネオボトムがエンジェリーと入れ替わり、ホテルの機構に影響を及ぼしたのが原因である。
「ひとまず、あなたを倒すしかエンジェリーさんを取り戻せそうに無いわね」
「ふふっ。そんな事ができるとでも?……私はこのオートマター。エンジェリーの中に彼女を動かす動力として入っている。もし私を倒せばエンジェリーも動力となるエネルギーを失い、諸共に砕け散るぞ」
「ッ、卑怯だよ!」
「何とでも言え。お前達など、私が直接手を下すまでも無い」
ネオボトムが手を翳すといきなり衝撃波が駆け抜けると同時にこの場にいた七人のプリキュアやアポロン、アルテミスの中のプリキュアの五人が次々と吹き飛ばされて空間の壁の向こうに飛んでいってしまう。近くにいたエル達妖精組も巻き込まれるが、何故か妖精組は無事だった。
「ククッ。プリキュアはこれで私の僕の元に飛ばせたか。……む?」
「ッ……皆が、飛ばされて……」
「アルテミス、大丈夫?」
「アポロン!?どうしてあなただけ……」
ネオボトムは先程の衝撃波でプリキュアを全て僕達のいる空間へと吹き飛ばして僕に始末させようとした。それなのに何故かこの場に残っているアポロンとアルテミスに目を見開く。
「貴様等、何故吹き飛ばない?プリキュア達を指定してこの空間の向こうに飛ばしたはずだ」
「……何か勘違いしてない?私達二人は
アポロンとアルテミスの二人はプリキュアに似た戦士ではあるがプリキュアでは無い。そもそも名前にキュアが入ってないし、変身にひろがるスカイ!プリキュアのメンバー共通のアイテムであるスカイミラージュを使わない。また、スカイ達と違ってエル又は先代のプリキュアから引き継がれたスカイトーンを持っていない等幾つも相違点がある。
「チッ……面倒だな。だが、誰も私の相手をしないのはつまらないと思ってはいた。特別に私が相手をしてやろう」
そう言ってエンジェリーの姿をしたネオボトムが両手を広げて余裕そうに構えを取った。
「ッ……馬鹿にしないで!」
「はあっ!」
そのままアポロンとアルテミスは光を纏わせた剣と拳でネオボトムへと向かっていく事に。
同時刻。バトラー、ネオキングビョーゲンと戦うスカイ達。そしてそこに飛ばされたバタフライとミルキー。
「痛たた……」
「ここは……ッ!?」
するとそこには丁度吹き飛ばされたグレースが叩きつけられていた。近くには傷ついた他のプリキュア達が倒れている。
「皆!大丈夫ルン!?」
「ミルキー……お願い、手伝って。状況がかなり不味いから……」
スターに頼まれてミルキーも頷くとネオキングビョーゲンが手にエネルギーを高めると彼の真上に円盤が生成され、上からエネルギーが照射される。
「「プリキュア!アップドラフト・シャイニング!」」
それはスカイ、プリズムが手を繋いで発動させた技だった。しかし、ネオキングビョーゲンにはまるで効いていない。目を光らせるとその衝撃波で円盤は簡単に粉砕。そのままスカイ、プリズムは衝撃波に耐えきれずに吹き飛ばされてしまう。
「「きゃああっ!」」
「喰らえ!」
更にバトラーもバトラーで巨大な拳を振り下ろす。バタフライが慌ててそれを止めるためのバリアを展開して受け止める。
「ッ!?」
「たかだか一人二人増えたって何も変わらない!」
「何も変わらない事は無いルン!」
するとバタフライに注意を引きつけた瞬間を狙ってプレシャス、スター、ミルキーが飛び出す。
「プリキュア!スターパンチ!」
「プリキュア!ミルキーショック!」
「プリキュア!デリシャスプレシャスヒート!」
スターが繰り出した星のエネルギーを撃ち出すパンチ、ミルキーの放った電撃による攻撃、プレシャスがハートジューシーミキサーを使って発動させるエネルギー波がバトラーに命中するものの、やはりまるで通用しない。
「この程度では私は止まらないですよ!」
バトラーが攻撃を弾くように全ての技を掻き消すとそのまま三人を次々と殴って吹き飛ばしてしまう。
「ッ……」
バタフライが圧倒的な力にたじろぐ中、そこにネオキングビョーゲンのエネルギービームが放たれる。
「危ない!」
「ぷにシールドラビ!」
そこにグレースがカバーするが盾の耐久力が全く足りずに二人纏めて直撃を喰らってしまう。すると爆発からサマーとヤムヤムが飛び出すと二人で同時にキックを繰り出すものの、いきなりネオキングビョーゲンが展開したバリアに弾かれてしまった。
「ッ!?何で……」
「はにゃっ!?思いっきり弾かれた」
「くっ……そっか……ネオキングビョーゲンの周りにはビョーゲンズ以外の異物を弾くバリアがあるんだった」
つまり、ネオキングビョーゲンはビョーゲンズの力を使う以外での突破方法は無いという事になる。一応グレースは攻略法を知っているものの、今はその鍵となるキュアアースがいないのでそれも使えない。
二人増えてもまるで圧倒的な敵の戦力。プリキュア達が絶望的な戦いを強いられる中で少しずつ心は折れかけていく。
「く……ううっ……私達では勝てないんですか……」
「ダメだよ、スカイ……私達が諦めるわけには……」
それでもこの状況は絶望という他無い。自分達の力はまるで通用しない上に相手は自分達の負の感情をどんどん吸収して強くなっているのだから。
〜おまけ〜
ユキ達がホテルへと出かけた後のソラシド市。ヒューストムはソラシド市民に化けるための服装になると街中を歩いていた。
「……プリキュアを倒す目的無しでこの辺を歩くのも新鮮だな」
どうやら彼も今日は休養日らしい。これならユキ達プリキュアがいない間に事件が起きる事は無さそうだ。
「……んぁ!?お前!」
そこにいたのは長髪の緑髪の男性で頭には小さなベレー帽も被っている。それはバッタモンダーが人間に溶け込むために変装した姿だった。
「何でその姿なんだよ」
「アンダーグ帝国の住人ってバレないようにするためだよ!」
「ふん。それで、何でここに?」
「そりゃあ、偶には休みを……って、お前には関係無いだろ!」
バッタモンダーもバッタモンダーで休みを取っていたらしく、二人は揃って行動する事に。
「よっ!ほっ!」
「よっしゃ、あと少しでゴー……のわあっ!?」
それから二人は移動したのか今現在、二人はゲームセンターで○リオカートをやっている。五回勝負をやって順位で負け越した方はアイスを奢りという条件を賭けてだ。
ちなみに今は先を走っていたバッタモンダーがヒューストムの投げた○ム兵がバッタモンダーの前に落ちて爆発。バッタモンダーは思いっきりクラッシュしてしまう。
「ははっ、あばよ!」
「お前ふざけんな!クソッ、ここから抜き返して……ぐほあっ!?」
立て直そうとしたバッタモンダーに更なる災難とばかりに後ろから無敵状態となったプレイヤーに体当たりされると再度クラッシュ。
「何でこんな時に……あがっ!?」
急発進させようとしたバッタモンダーに発進させたすぐ先にバナナの皮が落ちていてまた滑ってクラッシュ。不運もここまで来たらお祓いがいるぐらいたろう。
「そんなバナナ!!」
「よっしゃ、ゴールだな」
その間にヒューストムはゴールしてしまっており、思いっきりバッタモンダーは敗北を味わった。
「何でだよ!これ、壊れてるだろ!今のは無しだ!」
「ふん。お前それでストレート負けとか学習能力無しか?ひとまず、賭けは俺の勝ちだ。アイス寄越せ」
「ぐぬぬ……」
結局バッタモンダーは理不尽な負け方をしつつも、約束は約束なのでちゃんと奢る事に。バッタモンダーではヒューストムに逆らっても結果的に勝てないので仕方ない所だ。
「お前、妙に手慣れてるな」
「ふん。偶にここに通ってゲームをしてるしな」
「なっ!?最初からお前有利の賭けじゃねーか!少しは手加減しろ!」
「悪いな。俺は真の男女平等主義者だからな。こういうゲームとかで手抜きとかは一切しない」
ヒューストムの言葉にバッタモンダーは良いように丸め込まれたと悔しがる。しかし、今回は二人の中の約束としてどれだけ苛立ってもランボーグを呼ばない事にしているのだ。休養中の二人は何だかんだでゲームを楽しんでおり、それからもゆっくりとした時間を過ごすのであった。
前の投稿で致命的なミスがあったので修正しました。それが、アポロンと、アルテミスの変身先がサンライズ、スノーモチーフの姿だと矛盾が出たのでムーンライズ、オーロラモチーフの姿に変更しています。
また、ヒューストムのCVですが、福島潤さんにしようと思うので、それをイメージしてください。ちなみにキャラとしてはこのすばの佐藤カズマのような音程でお願いします。
また次回もお楽しみに。