熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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青空の決めた新たなる覚悟

闇に堕ちてしまったアサヒがキュアオーロラの活躍で救出された頃。ほぼ同じタイミングでヒューストム達相手に苦戦していたプリズム達の元に復活したヒーロー。キュアスカイが到着していた。

 

「ッ、馬鹿な……完全に心を折ったはずなのに!」

 

「スカイ……!」

 

「立ち直れたんだね!」

 

バッタモンダーが完全に心を折ったはずのスカイが立ち直ってここに来た事に唖然とする中、ウィングやバタフライは彼女の復活に嬉しそうにする。

 

「ソラちゃん……!」

 

そして励ましの手紙を送るほどに他の誰よりもスカイの事を心配し、その復活を心から待ち望んでいた相棒……キュアプリズムは安堵の表情を浮かべた。

 

「チッ……シャララボーグ!もう一度アイツを潰せ!!二度と立ち上がらせるな!!」

 

「ランボーグ!」

 

するとヒューストムは復活したスカイを見ると動揺でプリキュアへの攻撃に使おうとした竜巻を露散させてしまう。ただ、同時にシャララボーグへと命令を下していた。

 

チームの精神的支柱であるスカイが復活したのを見過ごせば、折角崩壊寸前まで追い込んだプリキュアが息を吹き返す危険があったからだ。そのため、普段以上に慌てた様子でシャララボーグに迎え撃つように声を荒げつつ叫ぶ。

 

ちなみにヒューストムは自分よりもシャララボーグを優先させたのはスカイの性格上、シャララボーグの素体であるシャララ隊長相手には手が出せないと読んだのである。

 

そして、シャララボーグはヒューストムからの命を受けてすかさずプリキュア達を苦しめた斬撃の結界を使うために構えた。

 

「ラン……ボー……」

 

「ヒーローガール!スカイパンチ!はぁあああっ!」

 

「グゥウウッ!」

 

対してスカイは自らの浄化技であるスカイパンチを放つ。そのままシャララボーグの斬撃の結界を打ち破ろうと正面からぶつかり合う。

 

「はぁあああっ!」

 

「ッ、無駄だ!シャララボーグの結界をキュアスカイ1人で破るなんて絶対に……」

 

ようやく冷静になったバッタモンダーは限界値にまで強化したシャララボーグの防御を幾ら復活したてで全力を使えるとはいえ、スカイ1人でどうにかするのは不可能だと判断する。

 

実際、普通に正面からぶつかってスカイパンチを放っただけであればスカイに勝ち目は無いだろう。それにヒューストムの狙い通り、シャララボーグ相手に攻撃を躊躇する可能性だってある。そう考えれば、シャララボーグにキュアスカイが打ち勝てるはずが無いと考えるのは何も間違ってない。……しかし、今のスカイは普通とは違う。

 

「ラン……ボ!?」

 

「なっ……どうなってる……シャララボーグの連続斬撃の結界が押し込まれてるだと!?」

 

シャララボーグやヒューストムは目に映る光景を見て混乱する。スカイパンチとぶつかってその威力を削いでいるシャララボーグからの斬撃はしっかり命中していた。それなのに、ぶつかった際に生じる火花のような衝撃が少しずつシャララボーグの方へと近づいていくのだ。

 

「う、嘘だろ!?何でこんな事が起きてるんだ!?」

 

「く……ううっ。そんな事もわからないの?」

 

「はぁ!?」

 

「……今のスカイはヒーローとしての自信を無くして仲間の事を信じられなかった昨日までとは違うんだ!」

 

するとヒューストムにやられて倒れていたアポロンやアルテミスも目を覚まして復活し、今の現状をしっかりと見据えつつそう叫ぶ。

 

「はぁあああっ!」

 

「ら、ラン!!」

 

そのままスカイはここまで誰1人として突破できなかったシャララボーグの強固な防御フィールドを突破。シャララボーグは慌ててスカイからの攻撃をマントで防ぐ。

 

だが、もうスカイは止まらない。己の中に新しく生まれた覚悟を叫びつつ、前に前に進み続ける。

 

「前に進む足が……止まりそうになっても!私には背中を押してくれる人達がいます!!」

 

するとシャララボーグがスカイパンチを防ぐために展開していたマントの色が少しずつ虹色のキラキラエナジーへと変化していく。その様子にその場の全員が驚きの顔つきになった。

 

「「なっ!?」」

 

「マントがキラキラエナジーに変わってる……」

 

「凄い……!」

 

「スカイの覚悟が、シャララボーグの力を完全に無力化してるんだ」

 

そして、そのままスカイはシャララボーグのマントを完全に無力化させつつ己の覚悟を更に言い放つ。

 

「だから……だから……立ち止まるなッ!!ヒーローガール!!」

 

それは、数日前。ヒーロー手帳に書いた際に守れなかったシャララ隊長からの励ましの言葉。自分のようなダメなヒーローでも、それを信じて待ってくれる人達がいる。それを知ったスカイは……ソラは……シャララ隊長からの言葉の意味を改めて理解した。

 

そして、同時にもう二度と立ち止まらない事を彼女は誓う。己の中の信念が示す道を真っ直ぐ進むために。

 

「だぁあああっ!」

 

「ララ!?」

 

その瞬間、シャララボーグが身に付けていたマントが完全に耐えきれなくなってしまうとそのまま光と共にキラキラエナジーとして消失。シャララボーグは一気にパワーダウンした。

 

「やった!!」

 

「えるぅ!」

 

するとアルテミスが喜びの声を上げると同時に丁度トンネルを潜り抜けて到着したヨヨに抱えられたエルも復活したスカイの勇姿に目を輝かせる。

 

「ランボーグテメェ!弟子に良いようにやられんな!!早く潰せ!!」

 

「ランボーグ!」

 

対してスカイ1人に良いようにやられて彼女を調子づかせる事に苛立ったヒューストムがシャララボーグを叱責するように声を荒げた。同時にシャララボーグはマントを潰されたとは言っても自らの剣の間合いに接近したスカイを撃墜しようと手にした青い剣を突き出そうとする。

 

「シャララ隊長の太刀は……そんな乱暴な物じゃありません!!」

 

するとスカイはシャララボーグから突き出された大剣を見切るとその大剣の上をスライディングするように滑るとすかさずランボーグへと背を向けながら蹴りで大剣を叩き落としてしまう。

 

「ラ!?」

 

「たあっ!」

 

スカイはそのまま地面に落下したシャララボーグの大剣の上に着地すると流れるような動きで反転。再度踏み込むと跳び上がりつつ二度目のスカイパンチを放つ。

 

「ヒーローガール!スカイパンチ!!はぁあああっ!」

 

「ラララァ!?」

 

自身の武器である大剣を落とされた挙げ句、動揺したタイミングでのスカイパンチだったためにシャララボーグは対応する事ができず。完全に無防備な状態でスカイからの拳をまともに喰らってしまう。

 

「うげえっ!?」

 

「ランボー……グ……」

 

ランボーグはスカイパンチ直撃によるキラキラエナジーでのダメージでどんどん力が抜けていく。これにより、シャララ隊長に限界近くにまで注ぎ込まれていたアンダーグエナジーはマントの消失分と合わせて半分近くにまで落ち込んでしまう。

 

そして、これなら合体技で残っているアンダーグエナジーを浄化する事ができる。

 

「ましろさん!」

 

「ッ!!」

 

するとスカイはスカイパンチをシャララボーグに当て続けた状態から左手を自分の後ろにいるプリズムへと差し出した。そして、それを受けたプリズムはスカイと共にシャララ隊長を助けるために駆け出す。

 

「チッ、これ以上……お前ら如きに好き放題やらせて……たまるかぁあああっ!」

 

「なっ!?」

 

「ヒューストム!?」

 

プリズムが自分に向けて差し出してくれたスカイの手を取るために走り出す中、彼女を何としてでも止めるためにヒューストムがプリズムの進行方向に立ち塞がるように立つと手を真上に掲げる。同時に先程中断してしまった暗い緑色の風が吹き荒れる強力な竜巻を生成した。

 

「ヤバい!!」

 

「これで終わりだぁああっ!」

 

シャララボーグに勝てるという気持ちの一瞬の緩みを付いたヒューストムの動きにウィング達4人の反応が完全に遅れ、このままではヒューストムからの竜巻がプリズムに直撃すると感じてしまう。だが、プリズムは構う事無くスカイに向かって走り続ける。

 

……だって、プリズムには見えていたのだから。それは、スカイに向かって駆け出す自分をサポートするために技を放とうとするヒーローの姿である。

 

「ひろがる!ムーンライズドリーム!!」

 

「ッ、はぁ!?」

 

その瞬間、ヒューストムの左側から彼視点だと絶対にいるはずの無い存在であるキュアムーンライズが両腕を両側に広げてから真上で重ねつつ強力なエネルギー波として放つ。

 

そして、そのエネルギー波が竜巻を横から押し飛ばす形で露散させてしまう。

 

「ムーンライズ!!」

 

「ッ、テメェ!?何で……」

 

「悪いな、俺の大切な彼女が助けてくれたからよ!」

 

ヒューストムがそれを聞いてムーンライズことアサヒがカゲロウから解放されてしまったと察すると同時にワープによってオーロラが目の前に現れる。

 

「余所見はダメだよ!」

 

「なっ!?」

 

「「はぁああっ!」」

 

そのままオーロラとムーンライズの2人がヒューストムへと同時攻撃をしつつ彼を足止め。その間にプリズムがヒューストムを突破する事に成功した。

 

「ぐ、クソッ!!」

 

「行け!プリズム!」

 

「シャララ隊長をお願い!」

 

ムーンライズ、オーロラがヒューストムを足止めする形で彼の動きを封じる中、プリズムの行手には続けてスーパーバッタモンダーが立ち塞がる。

 

「おっとぉ!この俺もいる事を忘れてないかなぁ?」

 

「ッ……」

 

「折角の頑張りが無駄になったねぇ。終わりだよ!」

 

バッタモンダーがプリズムへと拳を放った瞬間だった。突如としてプリズムの前に二つの影が姿を表す。

 

「ッ、嘘だろ!?」

 

「無駄……?そんな簡単に無駄に終わらせるわけ無いでしょ!」

 

「俺達だってまだいるんだ。そんな簡単にプリズムを止めさせない!」

 

バッタモンダーからの攻撃に対して、プリズムを庇うように出てきたのはアポロンとアルテミスだ。2人だってスカイが作り、オーロラやムーンライズが繋いでくれたこのチャンスを無駄になんかしたく無いのだ。だからこそ、ヒューストムと同じくらいに性格の悪いバッタモンダーのやりそうな事を予想できたのである。

 

同時に邪魔をしそうな2人の動きが完全に止まった事でプリズムが完全に抜け出す事に成功した。

 

「行っけぇ!ましろん!」

 

「ソラさん、決めてください!!」

 

プリズムがヒューストムやバッタモンダーからの妨害を仲間の力を借りる形で乗り越えると先にシャララボーグへと拳をぶつけていたスカイの元に到達。そのまま彼女が差し出してくれた左手を自分の右手で強く握りしめる。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!」」

 

そのまま至近距離から2人での合体技を発動。シャララボーグの真上に円盤が出現し、そこから放射されるトラクタービームがシャララボーグの体を吸い込んでいく。そして、完全に吸収された所でシャララ隊長の中に残っていたアンダーグエナジーが跡形も無く消え去って行った。

 

「スミキッタァ〜」

 

同時にシャララボーグが浄化された事によって発生したキラキラエナジーをヨヨが手にしたミラーパッドを掲げる形で吸収していく。

 

「ミラーパッド!」

 

そのキラキラエナジーの量はシャララボーグが強力だった分、大量であり。未だに4分の1ぐらい足りなかったハートのゲージが一度の吸収でフルチャージされた。

 

また、シャララボーグが浄化された事によってシャララボーグから解放されたシャララ隊長が空中から落下していく。その姿を見てバッタモンダーは頭を抱えた。

 

「ば、馬鹿な……俺様達の完璧な作戦が……」

 

「シャララ隊長はボクが!」

 

一方、落下するシャララ隊長をウィングが助けに入るとその体を抱き抱える形で受け止める。同時にバタフライが自分の役割を果たすべくミックスパレットを使った。

 

「二つの色を一つに!イエロー!ブルー!癒しの力、アゲてこ!」

 

同時に彼女の体が緑色の癒しの波動に包まれるとウィングが近くの建物の壁にもたれかけさせ、そこにスカイとプリズムが駆け寄る。

 

「チッ、テメェら……ふざけるんじゃねーぞ!」

 

「こうなったら俺達が……」

 

「邪魔させない!」

 

「ふぶうっ!?」

 

「ッ!ヒューストム達は俺達が止める!」

 

「うん。今邪魔されるわけにはいかない!」

 

荒れ狂うヒューストムやバッタモンダーに対し、オーロラ、ムーンライズ、アポロン、アルテミスの4人が彼等の対応を引き受けるとそれを見てウィングとバタフライも反応した。

 

「ウィング、私達も」

 

「はい!ヒューストム達は強力ですからね!」

 

そのまま2人も助けに入る形となり、その場にはスカイとプリズムが残る形となった。

 

「シャララ隊長……」

 

「お願い、目を覚まして……」

 

未だに目を閉じているシャララ隊長に対してその姿をジッと見つめるスカイとプリズム。するとスカイはシャララ隊長の隣に正座する形で座るとその手に自分の手をそっと重ねた。

 

「きっと大丈夫……。信じて待ってる人がいる限り、何度でも立ち上がれる。きっとそれが、ヒーローですから」

 

スカイの心に不安など無く。その様子にプリズムが微笑んでいるとそのタイミングでとうとうシャララ隊長の口元が動いた。

 

「ふっ……良い言葉だ。……また会えたな。ヒーローガール」

 

そして、彼女は目を開けるとスカイに向かって微笑む。その姿を見たプリズムは安堵の表情を浮かべた。

 

「良かった……」

 

「シャララ……隊長」

 

同時にスカイも目の前でシャララ隊長が動いて生きている事を実感する。こうして、スカイランドでの巨大ランボーグ戦以来行方不明だったシャララ隊長を取り戻す事に成功するのだった。




また次回もお楽しみに。
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