熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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アポロンの放つ最大級の一撃

バッタモンダー相手に戦う4人のプリキュア達。ただ、その力は強大でバタフライの心が折れかけるものの……すぐにアポロン達がカバーをして立ち直らせる事になる。

 

「「「「はぁあああっ!」」」」

 

「あははっ!弱い!弱すぎるよ!」

 

しかし、バタフライのメンタルが戻った所でバッタモンダーとの実力差が埋まるわけでは無い。4人による同時攻撃を受けてもバッタモンダーはその全てに対応してしまう。

 

「スーパーバッタモンダー……厄介過ぎるでしょ」

 

「ッ、何か攻略法は……」

 

「無いね!だって君達が勝っている時の王道パターンは相手の戦術の弱点を見つけてそこを上手く狙う事。だがこのスーパーバッタモンダーはそういう手が使えない」

 

スーパーバッタモンダーはバッタモンダーの強化変身の能力であり、純粋な力の強化に近いものがある。だから能力の攻略という手が使えないし、そのせいでプリキュアは状況の打破ができないというわけだ。

 

「さぁ、そろそろこの煩いハエ共を潰しますか。はぁっ!!」

 

その瞬間、バッタモンダーが体に力を入れると気合いによって周囲に衝撃波を放つ。それを受けてプリキュア達は強制的に後ろへと下がらせられる。

 

「それでも、どこかに弱点はあるはずです!」

 

ただ、ウィングはそれでも諦めずにいち早く飛び出す。そして今度はウィングがバッタモンダーとの一対一でラッシュを仕掛けた。

 

「君1人で僕に勝てるとでも?」

 

「はぁあああっ!」

 

ウィングからの拳によるラッシュが繰り出されるとのの、バッタモンダーはその拳にわざと合わせる形で次々と受け止めていく。まるでどれだけ殴っても無駄、無意味である事を教えるように……。

 

「良い加減さ、学習しなよ!」

 

その瞬間、バッタモンダーはこれ以上は待たないとばかりにウィングを一撃で蹴り飛ばす。

 

「うわぁああっ!?」

 

「ウィング!この……」

 

「待ってアルテミス。焦ったらダメだ」

 

するとアルテミスがウィングがやられたのを見て飛び出そうとしたのをアポロンが止める。ここで無理に飛び出した所でここまでの戦いを見ればどうなるか結果はわかりきっているだろう。

 

「バッタモンダーを上回るには、俺達が焦ったらダメだ」

 

「でも……」

 

「アポロン……何か考えがあるの?」

 

「……あるにはある」

 

アポロンは少し複雑そうな顔を浮かべる。ただ、この作戦にリスクがあると言わんばかりの物だった。

 

「流石アポロン!それで、その作戦っていうのは?」

 

「ごめん……。それを実行するには今の状況じゃ人数が足りない……」

 

「そんな……」

 

どうやらアポロンの作戦実行にはそれなりの人数がいるらしく。今のメンバーだけでやるのは厳しそうな様子だった。

 

「何をコソコソ喋ってるのかな?隙だらけだよ!!」

 

その瞬間、バッタモンダーは3人が話しているタイミングを狙って突っ込もうとしてくる。

 

「ッ!させない!」

 

それに合わせる形でバタフライが盾を正面に展開。バッタモンダーはそれに正面衝突するのに近い形でぶつかるとその盾を強引に突破。3人にぶつかると纏めて吹き飛ばしてしまう。

 

「「「うわぁあああっ!?」」」

 

3人が為す術無く叩きつけられるとそのままバッタモンダーはプリキュア達が倒れている中、1人だけ立った状態で地面に降り立つ。

 

「そろそろ僕の力を試すのにも飽きてきたかな。……終わりにしてあげるよ」

 

バッタモンダーは手を真上に掲げると巨大なエネルギーボールを生成。するとそのエネルギーボールの中から大量のバッタ型のエネルギーが顔を見せた。

 

「まさか……」

 

「そうさ。この大きなエネルギーから生まれる形でバッタ型のエネルギー弾から大量に生成される仕組み。君達は僕に逆らった。逆らい過ぎたんだ。……その報いを受けてもらうよ」

 

プリキュア達はそれを受けてどうにか立ちあがろうとするが、ここまでの長時間戦闘でかなり疲弊してるのか。時間がかかっている様子だった。

 

「ううっ、くっ……お願い動いて……」

 

「ここまでなのか……」

 

アルテミスやウィングが苦しそうな顔を見せる中、アポロンは最後の最後までどうにか状況を打開する手を考える。

 

「じゃあ、そろそろ十分かな」

 

しかし無情にも、バッタモンダーは攻撃のための準備が揃ってしまったらしく。もう攻撃する態勢に入っていた。

 

「さようなら、プリキュア!」

 

「そうは行かないよ!」

 

「……は?」

 

だが、バッタモンダーがバッタ型のエネルギーに攻撃指示を繰り出す直前。どこからともなく声が聞こえるとバッタモンダーの目の前に小さな気弾が飛んでくる。

 

「これは……まさか!?」

 

「煌めけ!」

 

バッタモンダーが嫌な予感を感じ取った次の瞬間。いきなり彼の目の前にあった気弾は発光。凄まじい光の前にバッタモンダーの目が眩んでしまう。

 

「なぁあああっ!?」

 

その直後、バッタモンダーの視界が塞がれた瞬間を狙って凄まじい勢いで何かが接近してくるとバッタモンダーの構えていたエネルギーボールを殴り飛ばす。

 

「はぁあああっ!」

 

「んげっ!?」

 

そのまま殴り飛ばされたエネルギーボールはコントロールが効かずに何処かへと飛んでいって地面に激突。爆発を起こしてしまう。こうして、この戦いの地に現れたのは先程シャララ隊長との会話を終えて移動をしていたキュアスカイとキュアプリズムの2人であった。

 

「皆さん、お待たせしました!」

 

「ここからは私達もいくよ!」

 

「「スカイ、プリズム!」」

 

スカイとプリズムの参加によって希望が戻ってきたウィング達。これなら勝てるかもしれないという気持ちの昂りからダメージを振り切って立ち上がるとバッタモンダーは苛立ったように顔を歪める。

 

「ぐ……お前らわざわざ勝てる所を邪魔しやがって。良いだろう、そんなにやられたいのならお前達も纏めて潰してやる!」

 

「私達もあなたをこれ以上のさばらせるわけには行きません!」

 

「全力で止めるよ!」

 

そのままスカイ、プリズム、ウィング、アルテミスがバッタモンダーとの戦いを再開する中、バタフライも立ち上がって動き出そうとした。

 

「私も皆に負けてられない……」

 

「待って、バタフライ」

 

するとアポロンがバタフライをいきなり引き止めるとバタフライは慌てて振り向く。

 

「っと、アポロン?」

 

「……今ならできるかも、さっき言った作戦」

 

「本当!?」

 

「ああ。……でも、上手く行くかはわからないし……今のバッタモンダー相手だと耐えられる危険もあるけど」

 

つまり、ここに来てまた危険な賭けをしないと行けないという事だ。そんな中、バタフライはアポロンの様子を見て何かを思ったのか。彼の前に立つと真剣そうな顔である事を聞く。

 

「ねぇ、アポロン。私達にまだ隠し事してるでしょ」

 

「ッ……」

 

「もしかして、アポロン。今言った作戦でバッタモンダーを倒すために自爆技を使うとかじゃ無いよね……」

 

バタフライの中には不安があった。今のままアポロンを行かせたらバッタモンダーを倒すのと引き換えに彼がいなくなってしまうのではないのかという物である。

 

「……ごめん、そうだよ。でも1番手っ取り早くバッタモンダーを倒す方法がこれしか無くて……」

 

「ッ……そんなの……私だって、皆だって……許すわけ無いじゃん!!」

 

バタフライはいつの間にかアポロンへと怒ったような声色で詰め寄っていた。

 

「折角皆揃ったんだよ、アサヒが復活して。シャララ隊長も取り戻して……やっと皆で勝てるって空気を作ったんだからさ……こんな所で自爆なんてしないで……私の前からいなくならないでよ!!」

 

バタフライは最後の言葉は自分の我儘だと言った後に気がつくが、今はそんな事よりもアポロンがやろうとしている自爆攻撃を止めさせる事で精一杯だった。

 

「わかってる。俺だってこんな事をしたら皆が止める事くらい。……でも、誰かがやらないとアイツには」

 

「だったら!……私も力にならせて。それに、アポロン1人だけよりも私の力も使った方がアポロンの助かる確率が上がるから」

 

バタフライはアポロンの事を完全に引き留めるのでは無く、自分の力も併せて使う事を提案。つまり、負担を2人で分ける事で自爆の反動に両方共耐え切るという算段だ。

 

「……危険だよ。俺はバタフライの事を……あげはをこんな事に巻き込みたく無い」

 

「そんなの私だって同じだから。……かける1人にこんな危険な真似をさせたくない」

 

アポロンとバタフライがそう話をしている間にもスカイ達4人はバッタモンダーの力の前にどんどん押し込まれてしまっている。何しろ、折角スカイとプリズムが入ってもバタフライやアポロンが抜けていては結局戦力は4人のまま。……つまりはバッタモンダーに勝てないという事になる。

 

「へっ、お前達2人が来た所で状況は何も変わりはしないんだよ!!」

 

「「「「うわぁああっ!?」」」」

 

4人がバッタモンダーに一掃されてしまう中、決断の時は迫られていた。ただ、アポロンにはバタフライにここまで覚悟を示されていては断るという選択肢は最早存在せず。

 

「……わかった。力を借りるよ」

 

「うん!」

 

するとバタフライがアポロンの背中に手を置くと自らの力を流し込む。ただ、既にかなり消耗しているバタフライが半分とはいえ自爆技に使うためのエネルギーをアポロンに送るというのは最初から無理があるようで。凄まじい速度で体から力が抜けていった。

 

「うっ!?……ううっ……」

 

「バタフライ……」

 

「大丈夫、最初だから慣れなかっただけ。私は全然平気だから」

 

バタフライはそう言って強がるものの、それでも今の彼女には少しでも気を抜けば倒れてしまいそうなくらいの負担がかかっている。

 

「あと……少し……」

 

「……ッ、バタフライ。もう大丈夫だ」

 

「オッケー、もう大丈夫だね……はぁ、はぁ……はぁ、はぁ」

 

バタフライは力を使い果たしたかのように肩で息をするが、まだ戦いは終わってないためにどうにか気持ちを保たせようと踏ん張った。

 

「バタフライ、俺の方からお願いだけど……」

 

「わかった。その件は任せて」

 

するとアポロンはバッタモンダーへと仕掛けに行く前にバタフライへと必要事項を伝達。彼女も了承した。すると、アポロンが行く前にバタフライがある事を言い出す。

 

「……それとさ、アポロン」

 

「……何?」

 

「絶対、帰ってきて……」

 

「ッ!!」

 

その言葉はバタフライが心の底から願う気持ちであった。それだけこの作戦に臨むアポロンのことが心配なのだろう。

 

「お願い……」

 

「……わかった。約束する」

 

瞳を潤ませる程に心配するバタフライを見たアポロンは彼女の頭をそっと撫でてから安心させるように微笑む。それから改めてアポロンは戦っている4人やバッタモンダーの方を向き、大きな声を上げる。

 

「皆!全員でバッタモンダーの注意を逸らすぞ!バタフライが大技で決めてくれる!」

 

「「「「ッ!?」」」」

 

これも事前に話した作戦通り。バタフライが大技を使うポジションと伝えれば確実にバッタモンダーはそれを意識する。更にそこからバッタモンダーがバタフライを狙いに行くため、他の4人に対してもバタフライを守る動きを強制できるという利点があった。

 

「チッ、またあの元外野か!これ以上アイツの好きになんかさせねぇぞ!!」

 

しかもバッタモンダーは先程バタフライ相手に一度ギリギリにまで追い込まれている。そのため、アポロンの狙い通りに彼はバタフライへとターゲットを向けた。

 

「そんな事させないよ!」

 

するとプリズムがバタフライを守るためにバッタモンダーへと気弾を連射。弾幕を張る形でその動きを制限する。

 

「ふん!そんなヒョロヒョロ弾で僕を止められるなんて思うなよ!」

 

バッタモンダーはそんなプリズムの攻撃に真っ向から突撃するとそのまま直進。プリズムの目の前に現れる。

 

「まずは君から……」

 

「「はあっ!」」

 

しかし、そのタイミングで両サイドからスカイとアルテミスが同時に飛び出すと拳を繰り出そうとした。

 

「なんてね……君達の事だから来ると思ってたよ!」

 

それに対してバッタモンダーはスカイ達の誰かはこのタイミングで来ると予想していたのか。すかさず後ろに飛びながらバク転をする形で少しだけ距離を取る。

 

そこにプリキュア達とバッタモンダーの距離が空いた瞬間を利用してウィングが技を発動。バッタモンダーへと一気に突撃していく。

 

「ひろがる!ウィングアタック!」

 

ただ、ウィングアタックを見てもバッタモンダーは狼狽えない。その程度の攻撃など片手で十分とばかりに手を前に突き出す。

 

「あははっ、そんな攻撃で僕に膝を付けられるとでも……」

 

「レッド!ホワイト!元気の力、アゲてこ!」

 

するとバタフライの掛け声が聞こえると同時にウィングの力がいきなりパワーアップ。そして、それは片手でも止められるというバッタモンダーの想定を超えると見事に彼への一撃が決まった。

 

「はぁああっ!」

 

「ぐはあっ!?」

 

そのままバッタモンダーは空中へと飛ばされるとすぐに態勢を立て直す。そして自分に一撃を入れたウィングを睨んだ。

 

「良し!」

 

「ぐ……ちょっと油断した瞬間に一撃入れたくらいで良い気になるなよ……それにこれであの元外野を狙いやすくなる!」

 

するとバッタモンダーは吹き飛ばされたのを利用して全力のエネルギー砲を両手で構えるとバタフライへと解き放とうとする。

 

「これで、俺様の勝ちだぁああっ!」

 

「それは……どうかな!!」

 

その瞬間、アポロンが後ろからバッタモンダーへと飛びつくと彼の体を羽交締めにした。そのため、バッタモンダーは驚きの声を上げる。

 

「なっ!?お、お前……」

 

「これでお前はバタフライの攻撃を止められない!」

 

「バタフライ、今です!」

 

「アゲアゲにやっちゃって!」

 

アポロンがバッタモンダーを完全に拘束した事により、スカイ、プリズム、ウィング、アルテミスの4人もバタフライからの大技が放たれると考えて彼女を後押し。

 

するとバッタモンダーは邪悪な笑みを浮かべると今の状況でも余裕そうな雰囲気を見せた。

 

「く、くくっ……あははっ!確かに今の僕は絶体絶命。確実にキュアバタフライからの攻撃を受けてしまう。……だけど、今の彼女の姿を見てみなよ」

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

バッタモンダーがバタフライへと視線を改めて向けると今の彼女は酷く疲れている様子であり、少なくともバッタモンダー相手にダメージを与えられる程の大技を使えるだけの状況では無い。

 

そして、その異変にプリキュア側も気がついたのか。ウィングやアルテミスが焦ったような声を上げる。

 

「バタフライ!?どうしたんですか!?」

 

「そうですよ!さっきまでそんなに息切れする程には疲れてなかったのに……」

 

「さっき僕は進化前の状態で彼女の全力を受けたけど耐え切れたんだ。今の進化した僕があんな満身創痍な彼女の攻撃を耐えられないわけないだろう」

 

このままではバタフライを軸にした作戦は失敗する……のだが。読者の皆様は知っての通り、この動き自体の主軸はバタフライでは無い。その瞬間、アポロンの体がバッタモンダーごと炎に包まれる。

 

「「「「えっ!?」」」」

 

「は、はぁ!?」

 

「作戦……成功だよ!」

 

バタフライがこの状況が完成したため、アポロンに向けてサムズアップしながら作戦が成功した事に微笑みを向けていた。

 

その様子を見たスカイ達4人は何が何だか意味がわからずに困惑。そして、当然ながらバッタモンダーも動揺していた。

 

「こ、これは一体何がどうなってやがる……」

 

「悪いな……この作戦の本命は……ゼロ距離で放つ俺の全力攻撃だ!!アポロン・エクスプロージョン!!」

 

次の瞬間、アポロンはバッタモンダーに対応されるよりも速く。彼を中心に凄まじい威力の爆発が発生させる。その直後、バッタモンダーの姿を一瞬で呑み込むほどの勢いで炸裂したエネルギーは周囲を駆け抜ける事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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