熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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手を繋ぎ紡ぐ力 改めて結ばれる強い絆

プリキュア達にしてやられたシャドーとカバトン。それぞれが起き上がると屋上にまで復帰してきた。

 

「ぐぬぬ……よくもまぁ好き放題してくれたのねん!もう許さん!」

 

「俺もお前らの事を侮っていたようだ。……仕方ない。更なる力を見せてやろう」

 

二人は揃ってプリキュア達相手に未だ衰えないやる気を示しているとその中でシャドーの方は体に力を入れる。

 

「はぁああっ!」

 

「ッ……何、このプレッシャー」

 

シャドーは力を入れる事によって体に紫のオーラを纏う。どうやら彼が隠していた力を更に解放したようだ。

 

「何、あの力!?」

 

「まさか、シャドーは……」

 

「ああ。俺の力はあの程度で終わってないって事だ。この力にも耐えられるかな?」

 

シャドーの力は未だ底に達していない。それに対してプリキュア達は先程まで二人を押していたとは言え、もう既に割といっぱいいっぱいだ。つまり、自分達とシャドーの本気同士がぶつかれば完敗を喫するのは目に見えている。

 

「どうしよう……このままじゃ」

 

「だが、幾らシャドーがヤバいからってこのまま引き下がるのは……」

 

「ヒーローじゃないよ!」

 

スノーが動揺する中、それでも今のシャドー相手に退いて良い理由にはならないとサンライズやプリズムはやる気を見せる。それに合わせるようにスカイも同じくやる気を示した。

 

「ええ、何としてでも止めて見せます!大切な友達と一緒に!」

 

「そうだ……私はもう一人じゃない。皆と力を合わせればきっと!」

 

四人はカバトンやシャドーの戦力がどれだけ強大でも立ち向かう姿勢を見せ、その想いを見届けたエルの体がまた紫の光に包まれる。

 

「エルちゃん……」

 

「その光はもしかして!」

 

その直後、エルがまた叫びながら新しく宿った光を四人へと向かって放出させていく。

 

「ぷいきゅあああ!」

 

エルが放出した光が四人の手元に行くとそれは二種類の四つのスカイトーンへと変化。

 

スカイとプリズムの方はスカイブルーとピンクの二色のカラーリングで中央に描かれた太陽のマークとそれを囲むようにハートのマークが描かれたスカイトーンWシャイニングを手にする。

 

対してサンライズとスノーが手にしたのは赤とグレイシャブルーのカラーリングに炎が燃え盛るマークと雪の結晶のマークが中央にある六角形の周囲に交互に並んだスカイトーンWエレメントである。

 

「これって……」

 

「エルちゃんの新しい力……」

 

「これならきっとどうにかできる!」

 

「俺達の力を見せてやるんだ!」

 

四人は顔を見合わせて頷くとスカイとプリズムはランボーグの方を、サンライズとスノーはシャドーの方を向く。

 

それぞれが自分達の相手と向き合うとまずはスカイとプリズムの二人が技を発動させる。二人がスカイトーンのスイッチを倒して起動状態にするとスカイミラージュに装填。それによって扇風機部分が回転する。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

スカイがスカイミラージュを構えてスイッチ部分を押すと青でBLUEの文字が浮かび上がる。更にプリズムもスカイミラージュのスイッチを押してWHITEの文字が浮かばせた。

 

その後プリズムは最初スカイと同様に右手でスカイミラージュを持っていたのだが、技の発動のためには右手を空ける必要があるために一度スカイミラージュを投げてから左手でキャッチして構える。

 

それから二人で手を繋ぐと水色と薄いピンクのエネルギーが一度スカイミラージュの扇風機部分に集約されてから頭上へと照射。二つの光が混ざると巨大な円盤を生成させる。そこにはハート模様が円周上に散りばめられていた。その後、円盤からトラクタービームが照射されるとランボーグを包み込む。

 

その影響でランボーグは突然上へと吸い込まれていき、カバトンはそれを見て自分が技に巻き込まれていると感じ取る。

 

「ひっ!?あと少しだったのに!カバトントン!」

 

カバトンは技に巻き込まれればダダでは済まないので慌てて撤退。ただし、ランボーグはそうはいかないためにそのまま円盤の中へと引き摺り込まれていく。

 

「「プリキュア!アップドラフト・シャイニング!」」

 

二人の掛け声と同時にランボーグが円盤の中へと完全に入るとトラクタービームは消失。そのタイミングで円盤の中でアンダーグエナジーが浄化されると円盤から下に向かって凄まじい量の気流が噴き出ると共に二人はその気流で前へと押し出された。

 

「スミキッタァ〜」

 

これにより、ランボーグは浄化された影響で消滅。シャドーはスカイとプリズムの新たな力に笑みを浮かべた。

 

「なるほど、新しい力か。あのランボーグを一撃で葬れるという事は……それと同等の力はあるお前達のそれはどのくらいの威力になるか」

 

シャドーはスカイ、プリズムの合体技が強いからこそ、自分に向けられるサンライズとスノーの技の威力に興味が湧く。そんな中で、サンライズとスノーは技を発動させた。

 

サンライズとスノーが二人と同様にスカイトーンを起動してスカイミラージュに装填するとスカイミラージュの扇風機部分が回転。するとスカイミラージュの扇風機部分から赤く燃え盛る炎と白く吹き荒れる吹雪が放出。同時にスカイミラージュはエネルギーを放出すると技の発動のためか消え去った。

 

「サンライズフレイム!」

 

「スノーアイス!」

 

その直後、サンライズとスノーは手を繋ぐとサンライズが右腕を。スノーが左腕を天に掲げると同時に天から降り注いだ炎と吹雪が集約されていく。そのまま二人の体に赤と白の神秘的なオーラが発生すると掛け声を言い放つ。

 

「二つのプリキュアの魂が!」

 

「闇の(しもべ)達を打ち砕く!」

 

それと同時に二人は天に掲げていた手を一度下ろしつつ体の斜め下に腕を広げる。そのまま繋いでいた手を強く握りしめると力を込め、空いている方の手を正面に翳すと技名を叫びつつ手に集約したエネルギーを解き放った。

 

「「プリキュア!エレメントスクリュー!」」

 

二人の叫びと共にサンライズ側からは灼熱の炎が、スノー側からは凍てつく氷のエネルギーがそれぞれ放出。炎と氷、二つのエネルギーは螺旋状に絡み合い合体すると相乗的にパワーアップ。シャドーへと飛んでいった。

 

「それがお前達の全力か。ならば、ひろがる!シャドーブラッドムーン!」

 

シャドーは円月殺法で構えるとエレメントスクリューを受け止めるために自らの技を発動。二つの力は激突し、拮抗する中でシャドーはエレメントスクリューの威力の高さに笑みを浮かべる。

 

「ふふっ、流石はプリキュア。凄まじい力を感じるぞ」

 

シャドーはそんな中で二人の技を打ち崩そうと力を込めた。対して、スノー、サンライズの二人もここでこの技が通用しなければ最早打つ手が無い。そのためシャドーと同じく全力で力を入れて押し切ろうとした。

 

「「はぁあああっ!」」

 

二つの力がぶつかり合う中、少しずつシャドーはエレメントスクリューに押し込まれて後ろに下がりつつあった。シャドーは自分の力が押されているとどれだけ力を入れてもこれ以上押し返せないと悟る。

 

「見事だ。キュアスノー、キュアサンライズ。……ここは退いてやる」

 

シャドーはそう言い残して紫の煙に包まれるとその場から撤退。エレメントスクリューは叩き込む相手がいなくなったためにそのまま空の遥か彼方へと消えていった。

 

「「はぁ……はぁ……」」

 

スノーとサンライズはシャドー相手に全力を出したからか、暫く息切れを起こす。ただ、シャドーがどこにもいなかった事。加えてランボーグと共にいたカバトンもいなくなったために完全に勝利できたのだと感じ取る。

 

「勝った……の?」

 

「そうだよ。四人で力を合わせて、勝てたんだよ!

 

「スノー。……夢に見てしまったあの光景を、私達は超えたんです」

 

茫然とするスノーにスカイとプリズムは手を繋いだまま声をかけてきた。その言葉にスノーはようやく勝てた実感を抱く事になる。そんな彼女の安心した顔を見てサンライズも微笑ましい顔つきを見せていた。

 

それから少し時間が経って、日が沈み始めると夕焼けの空になるとその眩い光が四人を照らし出す。主にランボーグがメチャクチャにした街並みも全て元通りとなり、事件はとっくに解決していた。しかし、四人は先程からずっと手を繋ぎ続けている。

 

「スノー、そろそろ……」

 

「ううん。もう少し……このままでいさせて」

 

スノーはまだ安心感を覚えていたいのかサンライズの手を離さない。するとスカイが空いている右手でスノーの左手を握る。

 

「スカイ……」

 

「スノー、改めて……。これからもよろしくお願いします。こうして皆で手を繋いでいるだけで、何だか私は救われたような……そんな気がします」

 

「そっか……。私も同じ気持ちだよ。だから、これからもよろしくね」

 

スノーとスカイのやり取りを見ていたサンライズやプリズムも微笑み、四人は夕暮れを見つつ笑い合う。そこにスノーとスカイの間にエルがご機嫌そうに現れた。

 

「えるぅ〜!」

 

そこから少しの間、手を繋いでいると流石にそろそろ帰らないとヨヨを心配させるという事で四人は虹ヶ丘家に戻って行った、その日の夜、アサヒは自室に入ると布団に寝転ぶ。

 

「……良かった、ユキやソラが無事に帰ってくれて」

 

今朝はユキもソラも精神が過剰に不安定になったのと強敵達が次々と立ち塞がったために過去一大変な日であった。そんな中、アサヒは今日一日の出来事を思い出していく。

 

「……あれ?そういえば、ユキを説得する時に……あ」

 

アサヒは気がついてしまった。一人で辛い事を溜め込んで苦しんでいたユキを説得する際に何をしたのか。

 

「俺、ユキにいきなり抱きついた挙げ句頭まで撫でて……。何してんだよぉおおっ!」

 

幾らユキを……キュアスノーを助けるためとはいえ、ユキはかなりデリケートだ。もしかすると嫌だったのかもしれないと考えてしまう。尚、あの場面でユキが嫌がらなかったのでそれは杞憂でしか無いのだが……。

 

「あ、アサヒ君に抱きしめてもらって……。男の子に抱かれるってあんな感じなんだ……」

 

そして奇遇にもユキもユキで先程アサヒに抱かれた記憶が脳裏に浮かび、頬を赤くする。

 

「あんな経験初めて……。嬉しかったなぁ」

 

ユキはアサヒが危惧しているような嫌な感情になるどころか、心地良い時間だと取ってもらえたようで。少なくとも、今回の件でユキがアサヒを嫌いになるという事には絶対にならないだろう。

 

そんな風にユキとアサヒがそれぞれ恥ずかしさと嬉しさで身悶えする中、その日の夜は過ぎていくのだった。

 

そして一夜が明けた朝。ユキは早くに起きると廊下に出てきたましろと出会った。

 

「……あ、おはようユキちゃん!」

 

「おはよ。ましろちゃん……」

 

するとユキは少しだけモジモジと顔を赤くすると気恥ずかしそうな様子でましろへと話しかける。

 

「……ましろちゃん、あのね……」

 

「ん?」

 

「……お願いがあるんだけど、こっちの世界の料理……教えてくれないかな?」

 

ユキは料理が下手である。だが、勿論勉強すれば人並みに料理する事はできるのだ。スカイランドではソラの母親に教えてもらう形で少しずつできるようになった。だからこそ、自分がちゃんと教えてもらう事ができれば上達することもちゃんと知っていたのだ。

 

「あ、でもダメだよね……。ましろちゃんだって忙しいし、その……迷惑だろうから……」

 

「ううん!そんな事無いよ!」

 

「うえっ!?」

 

ユキがまたいつものネガティブ思考になろうとしたそんな時。ましろがユキの手を両手で取って胸の辺りにまで持ち上げる。

 

「ユキちゃんが頑張りたいって言うなら、私は幾らでも力になるよ!……それに、ランニングでは私の方が足手纏いになっちゃってるし。だから料理なら任せて!」

 

「う、うん……。ありがと」

 

ユキは少し顔を赤らめて恥ずかしさはあったものの、それでも頼んで良かったと感じる事ができた。こうして、ユキはましろの指導の元で料理を特訓する事になる。

 

それから暫くして。ましろの手伝いの元でユキと共に作った朝ご飯が完成する中でアサヒは二階から降りてきたが、ソラは未だに二階で何かを進めていた。

 

「あれ?ソラは?」

 

「うーん。部屋で何かをやってるのかな?」

 

「……じゃあ、俺が準備とかしてるから。ましろが呼んできてよ」

 

「うん。わかった」

 

アサヒの提案でましろはソラのいる部屋へと行くとアサヒはユキと共に朝食をテーブルの上に並べていく。そんな中、ましろはソラの部屋をノックすると声をかけた。

 

「ソラちゃん。朝ご飯できたよ!」

 

すると部屋の中で歩いてくる音が聞こえると扉が空いてソラが笑顔で出てくる。

 

「すみません、お待たせしました」

 

「じゃあ、行こっか」

 

「はい!」

 

それからソラとましろは二人で下の階に降りていく。そして、ソラの部屋の中。彼女の机の上にはましろからプレゼントされた手帳があり、そこにソラはプリキュアが四人で手を繋ぐ様子を見開きの絵として描いていた。

 

そして、その絵の下側には見開きで横に続くようにとある言葉も記されている。そこにあった言葉というのが……。

 

“よにんはプリキュア!”

 

こうして、ユキとソラの気持ちが不安定となった影響で迎えてしまったプリキュア達の窮地を全員で乗り越えるとプリキュア達は新たな一歩を踏み出す事になる。加えて、ユキはこの日を境に前と比べ物にならないほど明るい性格に変わるのだがそれはまた別の機会に語るとしよう。

 

同時刻、アサヒとユキのスカイトーンの中の世界。そこでは先代のプリキュアの二人が向き合っていた。

 

「バーニングサン。あの子達はちゃんと乗り越えてくれたみたい」

 

「そうね。……もう、心配かけさせて……」

 

バーニングサンとブリザードの二人は今回の件を心配そうに見ていたものの、敢えて自分達は絶対に介入しないという決まりで見守っていた。

 

「……ユキもあれで明るくなってくれると良いわね」

 

「大丈夫よ。だって私が見込んだ戦士だから。きっと、明るく照らしてくれる!」

 

「そうね。……私達はあの子達を信じてそっと見守りましょう」

 

バーニングサンとブリザードは手を握ると微笑み合い、お互いの絆を再確認する事になる。先代達も今回の出来事を見ていて不安だったのだが、こうして当代達が無事に乗り越えてくれた事が嬉しかったようだ。

 

彼女達は今回の件を受けて改めて、カバトンやシャドー達との戦いを出来る限りは介入せずに見守る事を決断する事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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