熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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キッチンカーでの出来事 ショッピングモールでの事件

なぎさ達と別れたユキ達四人。すると四人は先程出会った三人について話す事にした。

 

「そういえばなぎさちゃんってソラちゃんに似てたよね」

 

「ましろさん!?」

 

「うん、運動が好きそうでリアクションが大きい所とか」

 

「あ、アサヒ君!?」

 

「ごめんソラちゃん……。私も似たような事思っちゃった」

 

「ああっ、ユキさんまで……」

 

ソラは三人からそう言われて唖然とする。しかし、決して三人の言っている事は悪口では無い。なのでそこまで雰囲気は悪くならなかった。

 

それはさておき、最初の目的地であるホームセンターに向かうために移動していた彼女達はその最中である物を発見した。

 

「……あれ?あそこにあるのって……ソラちゃんが鉄の箱って最初に言ってた車……?でも、人が並んでるし」

 

「ましろさん。あそこにあるのは何ですか?」

 

ユキとソラがそう言うと二人の視線の先には一台のキッチンカーが来ており、そこではパンが売られている。

 

「あれはキッチンカーだね。移動式のお店って言えば良いのかな。普段はあんな感じで止まって物を売ってるんだけど、移動する時は店の外に出している看板とかをしまって車の状態になるんだよ」

 

「なるほど、お店が移動するというのはスカイランドで言う旅の行商人に似てますね」

 

スカイランドでは鳥がそういう売り物などの荷物を背負い、各地を徒歩で歩き、交易をするというのもある。ただその場合、島と島の移動は空を飛ぶ荷物運び専用の鳥を頼らないといけないが。

 

「スカイランドでもそういうのあるんだ……こっちの世界で言う中世とかの商人だな……」

 

こちらの世界でも馬や牛。らくだ等の動物を荷物運びとして使う時代が大昔だがあったため、やはりスカイランドはこちらの世界と比べると文明的には劣っているのかもしれないとアサヒは感じる。

 

するとソラがキッチンカーを見ているとお腹を空かせてしまったのか、彼女のお腹の音がその場に鳴り響く。

 

「あっ……」

 

「ソラ……まだお昼には早いぞ?」

 

「し、仕方ないじゃないですか!どうしても……気になってしまって」

 

ソラが恥ずかしそうに顔を赤くしつつ話すと三人は顔を合わせてから彼女に付き合う事にした。

 

「わかった。じゃああそこに寄ろっか」

 

「すみません、ありがとうございます……」

 

四人がパンを売っているキッチンカーへと歩んでいくと丁度タイミングが良いのか、並んでいた列が無くなっていた。そして、ソラがキッチンカーにいる店員へと声をかけようとした瞬間。

 

「「あの、すみません!……えっ?」」

 

突如としてソラの隣から同じようにパンを食べたいと言わんばかりの声が聞こえた。そのためソラが慌ててその方を見るとそこにいたのは先程のなぎさ……では無いが、彼女より少し長めな茶髪のセミショートヘアであり、髪型は前髪をアップにしてヘアピンで止めている。

 

服装はなぎさよりはミニスカ等を着用しているので多少女の子っぽさはあるが、それでもボーイッシュなイメージを受ける少女であった。

 

「あっ、すみません!」

 

「私こそごめん!えっと……」

 

ソラとその少女がどうすべきか迷っているとユキ達もワンテンポ遅れて到着。そのタイミングで少女を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「咲〜!」

 

「あっ、舞!」

 

そこに来たのは紫のロングヘアをシニヨンにしつつ、先程のほのかによく似たおっとりした雰囲気の少女がやってくる。彼女はトップスやジャケットを羽織っており、更にはジーパン姿ではあるが先程の少女よりも可愛らしさを感じられた。

 

「あれ、このパターンにデジャヴを感じるんだけど……」

 

ましろが先程と似たようなパターンのため苦笑いするとユキは目の前にいる二人の少女が先程のなぎさ、加えてほのかと同じように腰から何かを下げている事に何かを感じ取った。

 

「……この子達もだ」

 

「ユキ?」

 

「もう、咲ってば。ここのパンが食べたいって言い出したかと思ったらすぐに向かって行っちゃって」

 

「えへへ、ごめんごめん」

 

「あっ、それと先程は咲がすみません」

 

「いえ、こちらこそ……」

 

そのまま会話に入りそうになったタイミングでアサヒは何かに気がつくと声をかける。

 

「ちょっと待った。このままじゃ、これから来る人達に迷惑だし。お互いにパンだけ買ってから場所を変えよう」

 

「それもそっか。じゃあ、場所を変えよう」

 

彼はこの場で長々と話を進めるのは後から来る人に迷惑であると感じたために移動を提案。二人の少女も同調するとそれぞれがパンを購入し、移動する事になる。尚、奇遇にも全員買ったのは同じチョココロネであった。

 

「改めて、先程はすみませんでした」

 

「ううん。私達も大丈夫」

 

その後、ユキ達は四人揃って自己紹介。内容は先程と変わらないので割愛するが、その言葉を聞いて二人も自己紹介した。

 

「ユキにソラ、アサヒにましろだね。私は日向咲!中学二年生!」

 

「私は美翔舞。咲と同じで中学二年生。普段は別の街に住んでいるんだけど、今日は二人でお出かけしに来たの」

 

「お出かけ……やっぱりなぎさちゃん達と一緒だ。うーん……」

 

ユキは先程のなぎさ達と同じでお出かけに来た他の街の子。しかも、腰からは似たような何かを下げているという事でどこか引っかかる様子で首を傾げた。

 

「そう言えば、咲さんはキッチンカーに真っ先に来てましたけど……」

 

「ああ、アレね。実はあのキッチンカーのお店の評判が良いっていうのは前々から知っていて。ただ、私達の街には全然来なかったから嬉しくてつい」

 

「そうなんだな」

 

咲は苦笑いしつつ事情を説明。それから六人は買ったパンを食べる中、ソラが感激したように声を上げる。

 

「うんまぁあっ!何ですかこの黒?茶色?の液体は……。一口食べるだけで甘味が口の中一杯に広がって……。まるで甘さが口で踊ってるみたいです!」

 

「ソラちゃんって、もしかしてグルメレポーターだったりするの?」

 

「そういうレポーターみたいな事、前にもやってたよね……」

 

舞がソラのグルメレポーター的な解説に唖然とするとましろがまたデジャヴを感じてしまう。

 

「というか、ソラってチョコレート知らないの?」

 

「ちよこれーと?」

 

「チョコレートだ。……悪い、ユキもソラもチョコレートが無いくらい辺境の国から来たんだ」

 

「何というか……大変な生活をしてたんだね」

 

その言葉に咲も舞もユキやソラがチョコレートさえも手に入らないような貧しい国から来たのだと勘違い。同情の目線を向けられてしまった。

 

「それにしてもこのチョコパン……いえ、チョココロネでしたっけ。美味しいですね!ましろさんの焼いたパンと同じくらいの美味しいです!」

 

「何おう、パンの美味しさだったらウチのパンも負けてないよ!」

 

「実は、咲の実家はベーカリーPANPAKAパンっていうパンとケーキを扱うお店をやっていて。そこのパンも美味しいんだよね」

 

「そうなんですね!」

 

舞が咲の実家の話をするとソラは興味深そうな顔になる。どうやら今の話で咲の実家のパンにも興味を示したらしい。

 

「でしたら、またお時間がある時に……」

 

「うん、夕凪町って街にあるから。そこで待ってるね!」

 

するとユキは先程から気になっていた事を咲や舞へと聞くことにしてみた。

 

「あの……」

 

「ユキさん?」

 

「間違いだったらごめんなさい……。その、咲さんや舞さんって……美墨なぎさって人と雪城ほのかって人に心当たりはありますか?」

 

「「えっ!?」」

 

ユキからのいきなりの言葉に二人は目を丸くすると思わず詰め寄って声を上げる。

 

「ユキってなぎさ達と知り合いなの!?」

 

「会った場所って覚えてたりする?」

 

「う、うえっ!?」

 

ユキはいきなり二人に詰められて驚くとひとまず二人の質問の答えを返す事にした。

 

「えっと、知り合ったのもついさっきで。この街に来ていたよ」

 

「そうなんだね」

 

「なぎささんやほのかさん達と知り合いって事は……」

 

舞は何となくユキ達四人へとある推測を立てるが、会った事がある知り合いというだけで断定するのは良くないのでそれを言う事は無かった。

 

「えっと、二人はなぎささんちゃん達とどうやって知り合ったの?」

 

ましろからの問いに二人は僅かに凍りつく。同時に二人の腰から下げられたペンライトのような何かもそれぞれ二人とは別個で凍りついたように見えた。

 

「え、えーっとね」

 

「そ、その……そう、私達共通の趣味があって!何回か出かけた先とかで会うんだよね!」

 

「そうそう!だから知り合いというか、友達というか……」

 

二人の慌てようにユキはやはり心の中で何か複雑な事情があるのだと察する。

 

「そうなんですね」

 

「折角ならなぎさ達が行ったお店を紹介しようか?友達なんだし……」

 

「う、うん!そうだね!」

 

「わざわざ教えてくれてありがと」

 

二人はましろからなぎさ達の行ったPretty_Holicまでの道を教えてもらうと丁度全員がチョココロネを食べ終わった。

 

「今日はありがとね」

 

「うん、咲ちゃん達もなぎさちゃん達と会えると良いね」

 

こうして、咲と舞はユキ達と別れるとその場から去っていく事になる。そんな中、アサヒはユキへと問いかけた。

 

「ユキ。そういえばさっきから咲さん達を気にしていたけど、何をそんなに引っかかったんだ?」

 

「うん……ただの勘なんだけどね。さっきのなぎさちゃん達にも言える事で。あの五人とはこのまま関係が終わりにならないような……そんな感じ」

 

そんなわけでまた新しい出会いと共に寄り道をしてしまったユキ達。ただ、その後は特に大きな出来事は無く。無事にホームセンターでの買い物を終えると次の目的の場所であるショッピングモールに移動。その中へと早速入った。

 

「やはり動く階段……何度見ても不思議です」

 

「スカイランドの階段は止まりっぱなしだからね」

 

「というか、そもそもアレは階段じゃなくてエスカレーターだからな?」

 

四人がそのように会話をしつつショッピングモール内を歩く。つまり、目的のお店に入っては買い物を一つずつ済ませていったのだ。

 

「そういえば、今日はヨヨさんからお使いを頼まれたりはしてませんか?」

 

「え?……ああ、今日は特に必要な物は無いらしいよ」

 

「その方が色々と気は楽だけどな。前の干したカエルなんてその辺の売り場には無いしさ」

 

ヨヨは偶にアサヒやましろによくわからない物を買ってくるように言う時がある。ただ、ユキ達が初めてこの世界に来た時のように赤ちゃんであるエルを迎える準備が完璧だったという件もあるため何かしらこれから将来的に必要な物になっている可能性は高い。

 

だからって普通の売り場に売ってない物を頼まれたらそれはそれで困るのだが。

 

「それで、今はどこに向かってるんでしょうか?」

 

「あ……えっとぉ……」

 

「……なぁ、ましろ」

 

「うん」

 

「もしかして、もう特に買うもの無くなったか?俺も正直これ以上は要らないし」

 

「あはは……バレちゃった?」

 

アサヒに指摘されて苦笑いするましろ。どうやらもう既に学校に必要な道具は買い揃えられているようで、後の時間は完全にフリータイムという事である。

 

「えっ、じゃあましろさんはどこに行くつもりだったんですか?」

 

「えっとね……。この前ソラちゃんとユキちゃんの服を買ったでしょ?……私もそろそろ新しい服が欲しいかな……なんて」

 

ましろは以前ここでユキやソラの服を買い物した際に自分の服も新しくしたいと考えていた。その影響で服屋さんに行きたかったのである。

 

「あはは、そうだったんですね……」

 

「全く……取り敢えず、時間はまだあるし。これから服を探しに……あれ?」

 

アサヒがそう言いかけた時。何かに気がついた。周囲を見渡すと自分含めてこの場に三人しかいないのだ。

 

「ユキ?どこ行った?」

 

「ユキさんがいない?おーい!」

 

しかし、アサヒ達がユキを呼んでみても近くにはいる様子が無かった。そのため、三人は慌て始める。

 

「嘘だよね!?ユキちゃん、どこ行っちゃったの!?」

 

「いや、ユキの事だからそんなに遠くには行ってないはずだけど……」

 

「とにかくユキさんに連絡を……あれ?」

 

ソラがユキへと連絡しようとする中でましろはある事実に気がつく。それは、ユキがその手の連絡手段が無いということだ。つまり、こちらの世界では中学生にもなれば持っているはずのスマホ等がない。

 

「どうしよう……ユキちゃん、こっちの世界でのスマホを持ってないかも」

 

「あっ……」

 

「スマホ……ああ、お二人が使ってるそれですね」

 

「取り敢えず、探すしか無いだろ。ユキの事だから、勝手にここから外には出ないだろうし」

 

ひとまず、まずはいなくなってしまったユキを探さないといけない。そう思ったアサヒ達三人は慌ててショッピングモールのどこかにいると思われるユキを探しにいくのだった。

 

同時刻、ソラシド市の上空では雲の上側では黒い何かの闇のエネルギーが少しずつ集まりつつあった。そしてそのエネルギーは意思があるのか声を発する。

 

「……ようやく我が力が高まってきたか。これならあと少しで俺の力を傀儡として顕現できそうだ」

 

その声は低い男性のような声であり、己の力の高まりを感じつつあった。そんな中で彼はソラシド市を雲の隙間から見つけてしまう。

 

「……む、あの街は……ククッ。丁度良い。俺の最初のターゲットとして手頃そうな街だ」

 

闇のエネルギーはソラシド市に狙いを定めるともう少しで集まる己の力を今か今かと待ち侘びる。こうして、ソラシド市とそこにいるプリキュア達に大きな試練が降り掛かろうとするのだった。




また次回もお楽しみに。
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