熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

37 / 253
プリキュアを圧倒する闇の力

場面が変わって今度は砂漠のフィールド。そこには他二箇所とは違って三人が飛ばされてきていた。それはサンライズ、ブルーム、ミルキィローズである。

 

「ここは……砂漠か?」

 

「多分だけど、サーロインの場所。そういえば前に再生復活した時もこういう空間に飛ばされて。って事は……」

 

ブルームは以前再生復活のサーロインを相手にした際も似たような場所に飛ばされていた。また、彼女はオリジナルのサーロインも相手にしている。……という事は。

 

「やはりお前にはお見通しか。そう、ここの担当はこの私だ」

 

「サーロイン……」

 

「というか、ここはどこなんだ?水晶の中って事は大体想像が付くけど」

 

「ああ、お前の言う通りここは水晶の中だ。……ただ、お前達の仲間はこことは別のフィールドに飛ばされている」

 

「つまり、アンタ達を倒さないと出られないってわけ?」

 

ミルキィローズからの問いにサーロインは笑みを浮かべる。それはまるでプリキュア達を嘲笑うかのようだ。

 

「違うな。出る方法は二つ。この空間を破壊する事。……若しくは外の世界にいる魔女の持つ水晶その物を破壊する事だ」

 

その言葉に三人は衝撃を受ける。この空間の破壊なら兎も角、外側からの破壊はその場のプリキュア全員が捕まってしまった時点で不可能と言えるからだ。

 

「つまり、お前達がここから出るには外部からの破壊くらいだが……それも無理だろう?実質的にお前達はここで私達に負けて朽ち果てていく運命というわけだ」

 

サーロインからの言葉にサンライズが絶望的な気持ちになるが、そんな時ブルームは笑みを浮かべていた。

 

「なーんだ、この空間を破壊して出られるのなら……まだ希望はあるよ!」

 

「何?」

 

「だってそうじゃない。あなた達をここで倒せば後はここを壊すだけだしね!」

 

ミルキィローズの宣言にサーロインは嘲笑する。そしてそれはそんな事できるはずが無いと言わんばかりだ。

 

「そのような真似がお前達にできるとでも?仲間のいないお前達は私相手に勝てないのに」

 

「へぇ、じゃあ。この前一度脱出されたのは?」

 

それを聞いてサーロインは眉を顰める。ブルームの言う通り、復活再生した際はその状況に落としたプリキュア達に敵幹部達はしてやられている。だからこそ今回も同じような状況ならどうにかなるという希望が強いのだ。

 

「あんな物はまぐれだ。まぐれは二度と起きない!」

 

「いや……まぐれじゃ無いって事……俺達が証明する!」

 

サンライズは二人の言葉に背中を押されたのか、そう言ってサーロイン相手に突撃。そのまま戦闘が開始されるのだった。

 

そして、四箇所目の場所。そこは荒れ果てた荒野の大地と言わんばかりの場所であり、そこに流れる空気は殺伐とした空気が流れている。

 

「うぅ。私達は確か、さっきの手に取り込まれて……」

 

「プリズム、大丈夫?」

 

「お怪我はありませんか?」

 

「うん」

 

プリズムが目を開けるとそこにはルミナスとルージュの二人がおり、近くにはドリームが身構えた様子だった。

 

「ドリームもこっちなんだね」

 

「うん。ただ、この場所……やっぱりあの時と同じ」

 

どうやらドリームにはこの場所に見覚えがある様子であり、ルージュも同じような顔つきであった。

 

「ドリーム、ルージュ。二人共この場所を知ってるの?」

 

「まぁね……。でも、この前と同じ流れって考えたらこれから来るのって……」

 

ルージュがそう呟いていると四人の視線の先には一人の影が現れた。そして、それはドリーム、ルージュの二人が予想した人物と全く同じである。

 

「ッ……」

 

「お前達の相手は私がしよう」

 

そこにいたのはムシバーンであり、ドリームとルージュは彼との対決した場所を覚えていた事から何となくここの担当は彼であると察知していた。

 

「ドリーム、もしかしてこれって」

 

「うん。完全に他の皆と分断されたみたい」

 

「その通り。今のお前達に勝ち目は無いぞ」

 

ムシバーンがそう言いつつ手に黒いビームサーベルのような物を取り出すと構えを取る。

 

「剣を使うのか……。シャドーとどっちが上になるんだろ」

 

プリズムはムシバーンの持っている剣に警戒心を強める。シャドーとの戦いで剣を使う相手についてはある程度知っているサンライズ。ただし、相手の実力はドリーム達を相手にしても圧倒できる程の実力の持ち主。そのため、まずは警戒から入ったのだ。

 

「皆さん、サポートは私に任せてください。私は皆さんのように積極的に戦えるわけではありませんが、お力にはなれると思います」

 

「お願いするよ!」

 

「さっさとアンタを倒して……ここから脱出させてもらうから!」

 

こうして、四箇所目のここでもプリキュア達は目の前の敵と激突。これで全ての場所での戦いが始まる事になる。

 

そんな中、再度場面が変わってスカイ達の戦線。シャドウ相手にスカイ達が立ち向かう中、シャドウは鏡を使って四人を翻弄する。

 

「はぁあっ!」

 

スカイはシャドウへと接近して連続で拳を放つが、それをシャドウは全て受け止めてしまう。

 

「ッ、だったら!」

 

スカイは後ろに下がってからすかさず技を発動。強引にパワーで押し切ろうとする。

 

「ヒーローガール!スカイパンチ!」

 

スカイが青い拳のエネルギーを纏うと急加速して突撃。その一撃がシャドウに迫る……のだが、シャドウはそれを何と片手で受け止めてしまう。

 

「なっ!?」

 

「あなたの力はそんな物?」

 

次の瞬間、シャドウが近くに召喚した鏡へとエネルギー弾を放つと何故かスカイの真横からそのエネルギーが命中。

 

「がっ!?」

 

スカイパンチの勢いが殺されて動揺していたスカイにこれの回避なんてできず。まともに受けてしまう。

 

「嘘、今のって……」

 

「もしかして、鏡を通じて攻撃をワープさせた!?」

 

「ッ、そんな能力……前は……」

 

ホワイトが今の技のカラクリを指摘する中、シャドウとの交戦経験があるミントやアクアも動揺を見せる。前までのシャドウはこんな技を使ってこなかった。だからこそ困惑してしまう。

 

「「はあっ!」」

 

しかし、この程度で怯むわけにはいかない。そのため、ミントとアクアの二人はシャドウを挟む形で陣取ると両サイドから攻撃を仕掛ける。

 

「ふふっ、ダメダメ。それじゃあ私には……」

 

「じゃあ、これでどう?」

 

その直後、ホワイトがシャドウの死角である後ろから踵落としを繰り出すとその右肩に攻撃を命中させる。

 

「がはっ!?」

 

「今よ!プリキュア!エメラルドソーサー!」

 

その直後にチャンスと見たミントが手を真上に掲げるとそれが緑の円盤型の鋭利なエネルギー斬となるとそれを投げつける。

 

「ッ!」

 

シャドウはそれを鏡で止めようとするが、その一撃は鏡に吸収されず。それどころか鏡を真っ二つに切り裂いてしまう。

 

「なっ!?」

 

だが、エメラルドソーサーもその直後にはエネルギー切れなのか消えてしまう。

 

「だぁあっ!」

 

そのままスカイ勢いを殺すまいとシャドウへと肉薄。そのタイミングで同じく突撃したアクアと二対一で肉弾戦となる。

 

「「はぁああっ!」」

 

「チッ……ちょっと優勢だからって調子に乗るなよ!」

 

シャドウが接近してきた二人を一度吹き飛ばしてから手を翳すと自身の周囲に鏡を展開。それからまるでその鏡の中に手を突っ込むように拳を繰り出すと四人は困惑する……しかし、直後にホワイトの体に衝撃が走る。

 

「ぐうっ!?まさか、今の……」

 

「ふふっ、そういう事よ!」

 

それからシャドウは笑みを浮かべると次々と鏡に腕を突っ込んではその度にスカイ達の誰かがダメージを受けた。

 

「きゃあっ!?」

 

「嘘、何ですかこれ!?」

 

「私の拳を鏡を通じてワープさせたの。残念ながらこういう事もできちゃうのよねぇ」

 

「……まさか、あの時ピンキーを集められたのって……」

 

「そういう事よ!」

 

シャドウは一方的にプリキュア達を攻撃して優位に立ち、笑みを浮かべる事になる。

 

一方、フリーズン・フローズンのコンビと戦うスノー達の方では彼等からの攻撃に苦戦を強いられていた。

 

「だぁあっ!」

 

「はあっ!」

 

スノーとブラックの二人がフリーズン、フローズン相手に前衛を張って正面から挑む中で残っているイーグレットもレモネードがサポートで二人の攻撃の繋ぎを担当していた。

 

「何……この恐ろしい強さ……」

 

ブラックはフリーズン相手に割と互角にぐらいまで持ち込めたのだが、スノーの方はフローズンの力を前に後手に回り続けている。

 

「オラよ!」

 

フローズンはスノーへと足払いをかけるとスノーの視界が傾いてしまう。すかさずフローズンからの氷の拳が命中した。

 

「ああっ!?」

 

スノーは顔を歪ませるとどうにか持ち直そうとするが、すかさずフローズンは手から氷の棘を飛ばしてくる。

 

「させない!」

 

そこにイーグレットのバリアが間に合うと攻撃を防御し、押し留めた。するとそのタイミングでブラックからの拳を受け止めたフリーズンがフローズンへとアイコンタクトを取る。

 

「ッ、どこ見てんのよ!」

 

それを余所見と取ったブラックはすかさず距離を詰めるが、そのタイミングで先程までスノー達の方にいたはずのフローズンが出てくるとブラック相手に頭突きをかます。

 

「ッ、痛たぁっ!?」

 

「ブラック!」

 

ブラックが怯んだためにサポートのレモネードがすぐさま入ろうとする。しかし、フローズンは彼女など相手にもならないと言わんばかりに手から吹雪を発生させて目を眩ませてしまう。

 

「うっ!?」

 

「チョロいな!」

 

そのまま上からアームハンマーを喰らわせてレモネードを近くにいるブラックごと吹き飛ばしてしまう。

 

「「うわあっ!?」」

 

そして、入れ替わったフリーズンは手に氷を纏わせるとスノーへと殴りに来る。

 

「ッ!」

 

スノーは咄嗟に同じく氷を纏わせて防御するが、氷属性としての能力の差を見せつけるかのようにスノーの氷はフリーズンからの拳に砕かれてしまうとスノーは防御の腕を弾かれた上でまともにその拳を腹に受けてしまう。

 

「がはあっ!?」

 

「スノー!」

 

そこにイーグレットがキックの体勢で向かってくるが、フリーズンは笑みを浮かべると彼女の脚を簡単に捕まえてしまう。

 

「うっ!?」

 

「へっ、そんじゃ行くぜ!」

 

「ッ、何を……きゃあっ!?」

 

その瞬間、フリーズンはイーグレットをジャイアントスイングの要領で振り回すとそのまま吹き飛ばしていたスノーの方へと飛ばす。

 

「きゃああっ!?」

 

「ッ、危ない!」

 

スノーは咄嗟に反応してイーグレットを受け止める。しかし、その直後にフリーズンが二人の前に現れると両腕に二人へと同時に拳を叩きつける。

 

「「うわぁああっ!」」

 

そのまま纏めて吹き飛ばされる二人。フリーズンとフローズンは見事な連携でプリキュア達を圧倒。四人は手も足も出なかった。

 

「ふはははっ!そんな物かお前達の力は!」

 

「こんのぉ!」

 

「ブラック、落ち着いて!」

 

血の気の多いブラックは煽られて飛び出すと彼女を引き戻すためにスノーも出てしまう。

 

「だああっ!」

 

「へっ、単純過ぎるんだよ!」

 

ブラックからの拳に対してフリーズンはカウンターを合わせる形で氷の拳を突き出す。

 

「ッ、間に合わない……だったらヒーローガール!スノーインパクト!」

 

スノーはこのままではブラックがやられてしまうと感じ、技を発動。氷のエネルギーを右脚に集約すると一気に加速。そのスピードでブラックより少しだけ早くフリーズンの元に到達するとボレーキックを放つ。

 

「はぁああっ!」

 

そのままスノーのキックはフリーズンの左横から顔面に命中……しかし、フリーズンはまるで効いてないと言わんばかりに笑みを浮かべた。

 

「……ふっ、今何かしたか?」

 

「嘘……全く効いてない?」

 

スノーの全力の一発がまるで効いていない。その事実に思わず彼女は顔を青ざめさせる。

 

「オラァッ!」

 

その直後、ブラックに放つ予定だった氷の拳がスノーの胸に命中。その威力でスノーは胸の空気を全て吐き出してしまう。

 

「か……はあっ……」

 

それを見たブラックはスノーがやられた事を見て更に視野が狭まるとフリーズンへと踏み込む。

 

「スノー!?こんのぉおお!」

 

「ブラック、落ち着いて!」

 

その瞬間、ブラックの視野が狭まったと感じたイーグレットが咄嗟に声をかけるがもう遅い。同時にブラックのすぐ横にフローズンが立っていた。

 

「気がつくのが遅せぇよ!」

 

その瞬間、フローズンからの中段での回し蹴りが炸裂。その一撃はブラックのみならず、少し前にいたスノーも巻き込んで命中し、二人は揃って吹き飛ばされてしまう。

 

「ッ!プリキュア!プリズムチェーン!」

 

それを見たレモネードは咄嗟に二人を助けるために両腕を前でクロスさせると黄色い光を宿す。そのまま手に沢山のエネルギーの蝶が連結してできた長い鎖のような物を生成。二人へと伸ばすとそれぞれが二人をキャッチして助け出す。

 

「お二人共、大丈夫ですか?」

 

「ごめん、ありがとう」

 

「ゴホッ、ゴホッ……はぁ、はぁ……」

 

レモネードが自分達の所に連れてくる形で二人を回収。ブラックはまだ大丈夫そうだが、スノーの方はダメージが酷いのか咳き込んでしまう。

 

「スノー……」

 

ブラックは自分の軽率な動きのせいでスノーが傷ついたと罪悪感を感じる中、フリーズンとフローズンは笑みを浮かべていた。

 

「やっぱりこの前の二回の負けは俺達の油断とお前達が想定外の力を使ったマグレだ」

 

「今度は油断する間も無くお前達を倒してやる!*

 

フリーズンとフローズンは一気にトドメを刺すために二人が力を合わせると大技を発動させるために二人は横に並び、内側の手を突き出す。

 

「「フリージング……ブリザード!」」

 

二人から放たれた凄まじい吹雪の奔流は合体し、一つとなって四人に襲いかかる。

 

「ッ、はあっ!」

 

その威力にまともに喰らうのは不味いと判断したイーグレット。彼女がバリアを発動して受け止めようとする。しかし、そのパワーは凄まじいのか圧倒的な力の前にバリアは砕かれて四人は呑み込まれてしまうのだった。

 

「「「「うわぁああっ!」」」」

 

「「ククク……あーっはっはっは!」」

 

そして、その場には勝ち誇ったフリーズン・フローズンのコンビの笑い声が響く事になる。




また次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。