熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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プリキュアVSダークネス 抗う理由

ダークネスを前に集まった総勢15人のプリキュア達。それを見たダークネスは雄叫びを上げると両腕を合わせて真上に振り上げる。所謂ダブルスレッジハンマーの姿勢だ。

 

「行きます!」

 

プリキュア達はそれを回避するとダークネスの巨大な腕が地面に命中すると同時に発生した凄まじい衝撃波が駆け抜けると土煙が発生。それが戦闘開始の合図となった。

 

ダークネスの一撃によって発生した煙に紛れたプリキュア達は次々と飛び出してくると数の優位を活かして撹乱。一番最悪なのは一人ずつ狙われて倒されていく事なので、プリキュア達は常に誰かが攻撃を仕掛ける事でダークネスの気を一人だけに絞らせないように立ち回っていく。

 

「ふん、その程度の攻撃で俺を止められるとでも?」

 

ただ、ダークネスの方はプリキュアからタコ殴りにされて手も足も出ない……というわけでは無い。むしろ、15人のプリキュア達から連続攻撃を受けてもまるで平然としている。つまり、もっと大きなダメージを与えなければ倒せないという事だ。

 

「だああっ!」

 

このタイミングで飛び出したのはスカイだった。彼女は光と共にダークネスへと拳を繰り出す。

 

ダークネスは両腕をクロスさせると割とあっさりと防いでしまい、スカイは弾き飛ばされる。

 

「ッ……」

 

「スカイ!はあっ!」

 

すかさずそこにプリズムが気弾を放って追撃。それはダークネスの顔面に命中するとダメージを与えた。

 

「む、小賢しい真似を」

 

ダークネスが静かに呟いているとルージュ、ミント、アクアが跳び上がるとアクアがサファイアアローを放ち、ミントがエメラルドソーサーの両手で生成して投げつける。最後にルージュがファイヤーストライクを放って遠距離から攻撃。

 

「プリキュア!サファイアアロー!」

 

「プリキュア!エメラルドソーサー!」

 

「プリキュア!ファイヤーストライク!」

 

「無駄だ」

 

三人からの同時攻撃に対し、ダークネスは自慢の巨大な腕を振るうと技をあっという間に弾いて掻き消してしまう。そのままお返しとして口にエネルギーをチャージ。口からの怪光線を放つ。

 

「させない!」

 

すると、ルミナスが三人と攻撃の間に割って入ると虹色の半球状のバリアを使用。ルミナスのバリアは乱発できない上に持続時間こそ短いが、使った時は殆ど破られる事が無い程に鉄壁の防御力を誇る。

 

その硬さで一撃受けてしまえば大ダメージを避けられないダークネスの攻撃を完全に防いだ。

 

タイミングでブラックとホワイトは頷きあうとダークネスへと飛び出す。それに対してダークネスは二人の存在に気がつくと薙ぎ払うように太い腕で攻撃を放つ。

 

「鬱陶しい!」

 

ダークネスに弾かれた二人は吹き飛ばされたものの、それも狙い通りと言わんばかりに吹き飛ばされた先にあった壊れた建物の壁を足場にしてダークネスを見据える。

 

「行くよホワイト!」

 

「うん!」

 

二人が一斉に壁を蹴って飛び出すと加速した影響で先程以上に強い力を持って攻撃に転ずる事ができた。

 

「「だああっ!」」

 

それに呼応する形でサンライズとスノーがダークネスの左腕を駆け上がる形で走るとそのままそこから飛び出して二人同時攻撃をダークネスの左腹へと放ち、更に二連撃という事で先程から壁を蹴って突撃してきていたブラック、ホワイトが加速した勢いを持って攻撃を叩き込む。

 

「ぐうっ!?」

 

ダークネスにはこれが効いたようで顔を歪めるとプリキュア達は大技なら更にダメージを入れられると判断。今度はブライトとウィンディが頷くと二人が精霊の光を放ちながら上空へと移動。

 

「花開け、大地に!」

 

「羽ばたけ、空に!」

 

位置エネルギーを利用するためにある程度の高さに移動したブライト、ウィンディは再度姿を変えるとブルーム・イーグレットの姿へ。それから二人が手を繋ぐとブルームの金色とイーグレットの水色の精霊達の光を取り込んでいく。

 

「大空よ!」

 

「大地よ!」

 

ブルームの歌詞とイーグレットの左腕にはスパイラルリングが装着されており、そこで精霊達の力を増幅。ちなみにブライト・ウィンディの時との差異としてスパイラルリングの中心にある星型のプレートはハート型のプレートへと変わっていた。

 

そして、二人の前に精霊のエネルギーを集約させた二つのエネルギーボールが生成される。

 

「上で準備をした所で無駄だ。今のお前達は無防備だぞ!」

 

ダークネスはブルーム、イーグレットが上に行った事を知らなかったものの二人が力を高めた影響か、暗い空だった事も相まって上空に精霊の光が集まっているのが見えてしまう。そのため、ダークネスはそうはさせるかとばかりにエネルギー砲で迎え撃とうとする。

 

ただし、ダークネスの顔が今ので完全に上を向いたために今度は逆に足元がガラ空きだ。

 

「今の二人が無防備?その言葉、そっくりそのまま返すわよ!だぁああっ!」

 

ミルキィローズはダークネスが自分の方を向いていない事をチャンスと捉えると自身の足元の地面を思いっ切り殴る形で地面をクレーターとして陥没させる。

 

「ぐうっ!?何だと!?」

 

ダークネスは完全に意識を上に向けていたため、足元での状況の変化には全く気が付けなかった。加えて、ダークネスは腕のサイズがかなり大きい代わりに脚の方は比較的短く、その分重量も無い。勿論腕を使わずに体を支える事自体はできるが、いきなり足元が不安定になればバランスを崩してしまう。

 

「ッ!今です!」

 

ダークネスがどうにかバランスを取り直している間に少しずつ作った隙を更に拡大させるためにレモネードが動く。

 

「チィッ……」

 

ダークネスはレモネードが動いたのを見てバランスを崩したままながらも腕を振るう事で反撃しようとする。

 

「させないよ、煌めけ!」

 

だが、そんなレモネードをプリズムが支援するとばかりに放った気弾はダークネスの顔面で発光。これにより、ダークネスの目を潰してしまう。

 

「うおおっ!?」

 

「プリキュア!プリズムチェーン!」

 

ダークネスの視界を奪った瞬間を狙ったレモネードはプリズムチェーンを使い、ダークネスの上半身。具体的には両腕と顔の動きを固定して止めてしまう。これでダークネスは上からの攻撃に対処できなくなった。

 

「ぐうっ……」

 

ダークネスが反撃できなくなったタイミングにつけ込むようにスカイとドリームが飛び出して技を発動。同時に空中にいたブルーム、イーグレットのエネルギー砲も解き放たれた。

 

「ヒーローガール!スカイパンチ!」

 

「プリキュア!シューティングスター!」

 

「「はぁあああっ!」」

 

スカイからのスカイパンチ、ドリームからのシューティングスターがダークネスの腹へと突き刺さる形で命中し、加えてブルームとイーグレットからのエネルギー砲はダークネスの顔面へとぶつけられる。その衝撃で大爆発が起きると四人はそこから飛び出して他のプリキュア達に合流し、降り立つ。

 

「やった!」

 

「いえ……これは……」

 

スノーが声を上げる中、スカイは何かに気がつくと警戒心を高める。その瞬間、煙の中からダークネスが平然とした様子で話し始める。

 

「ククク……今のは少し痛かったぞ」

 

その直後に煙が晴れるとダークネスはまだまだ健在と言った様子でダメージとしては彼にとって致命的なダメージから程遠かった。

 

「ッ……そんな」

 

「お前達で俺に勝つのは不可能だ。……そろそろ終わりにしよう」

 

ダークネスはその言葉と共に再度口に力を集約すると強力なエネルギー砲を放つ。その攻撃にプリキュア達は成す術なくそれに飲み込まれると彼女達のいた場所で大爆発が発生した。

 

『うわぁああああっ!!』

 

プリキュア達の悲鳴がその場に響き、爆発が収まるとプリキュア達は全員倒れてしまっていた。その一人一人が傷つき、痛みに顔を歪めている。

 

「くうっ……」

 

「皆、大丈夫?」

 

それからブラック達レジェンド組の11人は個人差があったものの、立ち上がる。

 

「やっぱり一筋縄じゃ……ッ!」

 

「スカイ、プリズム!?」

 

「サンライズにスノーも……大丈夫!?」

 

そんな時、イーグレットとミントが未だに立てないスカイ、プリズム、サンライズ、スノーの四人を心配する。何しろ、彼女達四人はプリキュアになりたてでここまで連戦した事が無かった。まだ体力のあるスカイやスノーはマシな方だったが、特に疲労が色濃いのは変身前の時点で一番スタミナが少ないプリズムである。

 

「大丈夫!?」

 

「連戦に次ぐ連戦で体力が……」

 

「そんな……」

 

「どうにかしないと……」

 

このまま四人がの面々が立てないとダークネスに勝つ可能性が大幅に下がってしまう。プリキュアはチームで協力するからこそ大きな力を発揮できるのだが、その人数が減れば嫌でも総合的な戦力は落ち込む。そして、ダークネスは未だに全滅しないプリキュア達へと話しかける。

 

「まだ終わらないか。良い加減諦めろ。お前達の中に限界になる者が出てるんだ。このままでは勝ち目が無い事ぐらいわかるだろう?」

 

「えぇ、そうね。でも、お生憎様。何度でも言うけど私達は諦めが悪いの」

 

「例えスカイ達が動けなくたって諦めるなんて選択肢は最初から無いわ!」

 

ミルキィローズが啖呵を切るとダークネスはそんなプリキュア達を嘲笑う。

 

「く……ふふ……ふはははっ!この絶望的戦力差を見ても諦めないとは。余程の馬鹿の集まりと見れる。ならば望み通り終わらせてやろう」

 

ダークネスは全身のエネルギーが徐々に口に集められるようなエネルギーの移動のような物が見られると口に高められたエネルギーボールのような物が大きくなっていく。

 

「ッ……あれは」

 

「ルミナス、もう一回バリアは使えそう?」

 

「すみません……。恐らくまだ使えません」

 

ルミナスのバリアなら止められる可能性はあったが、先程使ったばかりなのに加えて今はダークネスの攻撃でダメージを受けた後なので消耗が激しく、バリアを使うのは厳しいと言わざるを得なかった。

 

「ッ、わかった。ホワイト」

 

「うん」

 

「ふはは、無駄だ!」

 

ダークネスはプリキュアを嘲笑うようにエネルギー砲を放つ。それに対してプリキュア側はルミナスが動けないため、こうなったらマーブルスクリューで対抗すると言わんばかりにブラックとホワイトは手を繋ぐ。しかし、先程とは違ってスパークルブレスを呼び出す暇が無かったので技としての威力はどうしても落ちてしまう。

 

「「プリキュア!マーブルスクリュー・マックス!」」

 

ブラックとホワイトは掛け声なしで黒と白の雷を落とすとノータイムでマーブルスクリューマックスを解き放つ。黒と白の電撃が混ざり合った強力な電撃がダークネスのエネルギー砲とぶつかる。ただ、やはりスパークによる威力増加が無いと単独で打ち勝つのは厳しいと言わざるを得ない。そのため、あっという間に押し込まれていく。

 

「「くうぅ……」」

 

「ふん、そんな物で俺が止められるものか。そろそろその無駄な悪あがきを終わりにしてもらおう」

 

ダークネスはそう言いつつ更にパワーを上げてくる。ブラックとホワイトは必死に抵抗するが、どうする事もできない。このままでは押し負けてしまう。……そんな時だった。

 

『……仕方ないわね』

 

『ええ、行こう』

 

突如として未だに倒れて立ち上がれないスノーとサンライズのスカイミラージュに装填されているスカイトーンから光が飛び出すとそこに二人の戦士が降り立つ。それはスノーとサンライズの先代に当たるプリキュア達だった。

 

「なっ!?お前らは!?」

 

『夜明けにひろがる眩い太陽!キュアバーニングサン!』

 

『静かにひろがる凍てつく吹雪!キュアブリザード!』

 

二人の出現にブラック達が驚く中、倒れている四人はどうにかバーニングサンとブリザードの姿を認識する。

 

『しっかりしなさい。この世界が救われるか滅びるかはあなた達にかかってるのよ』

 

「き、貴様等……何者だ!」

 

『別に、あの子達の先代のプリキュアってだけよ』

 

ブリザードがダークネスからの問いに答えると二人は横に並ぶと構える。そして、今にも押し切られてしまいそうだったブラックとホワイトを援護する形を取る。

 

『バーニングサン。やるわよ』

 

『ええ。あの子達を助けるわ』

 

そして、バーニングサンとブリザードの二人が手を繋ぐとノータイムで二人での技を発動させる。

 

『『プリキュア!エレメントスクリュー!』』

 

二人から繰り出された灼熱の炎と絶対零度の吹雪は合体し、凄まじいパワーへと変わると完全に押されてしまっていたブラック、ホワイトのマーブルスクリューを援護すると逆に押し返してダークネスへと命中させるのだった。

 

「ぐあああっ!?」

 

そのパワーは他のプリキュアを凌駕しており、ダークネス相手に二人でかなりのダメージを叩き出していた。

 

「強い……」

 

「確か先代プリキュアって言ってたよね。こんなに強いなんて……」

 

ブラック達は二人の強さに驚いていた。確かに他のプリキュアチームにも先代のプリキュアが強いという事例は幾つもある。バーニングサンとブリザードは彼女達に引けを取らない存在なのだと感じ取った。

 

「く……ううっ……」

 

「ッ!スノー!」

 

「ごめん皆……起きるの遅くなって」

 

「私達はまだやれます」

 

「うん、皆に稼いでもらった時間……無駄にはしないよ」

 

そのタイミングでスノー達四人はやっと建てるだけの気力と体力が戻ったのか、四人共立ち始める。それに対してダークネスは良い加減しつこいと感じたのか声を荒げた。

 

「良い加減諦めろプリキュア。俺には勝てないと言っているだろう。無駄な時間をかけさせるな」

 

「無駄じゃ無い!」

 

そう声を上げたのはスノーである。そして、ダークネスはそんな彼女に問いかけた。

 

「ならば何故抗う!そこまでお前達を動かす物は何だ?」

 

ダークネスは疑問だった。プリキュア達はボロボロで自分はまだ割と余裕が残っている状態。勝てる可能性はかなり低い。それなのに何故立ち向かうのかと。そして、スノーはそれに答えた。

 

「……まだ、私はこの世界で楽しい事を全然やってないから!」

 

「……は?」

 

「私ね……やっと皆と本当の意味で信頼できるようになって、これから沢山楽しい事をしたいの。……だから、だからここで終わりたくなんか無い!」

 

 

それはスノーの心の底からの望みだ。何しろスノーことユキはスカイランドからここにやってきてプリキュアとして四人がチームに纏まるまでの間、楽しい思い出を全然作れていなかった。だからもっとこの世界で、自分の友達と楽しい思い出を沢山作りたい気持ちが人一倍強い。

 

ダークネスはまさかの私的な望みで唖然とするが、スノーはそれでも構わないと言った感じだった。

 

「馬鹿な……お前らの体力の底は見えている!もう限界だ。そんなくだらない事を考えずに大人しく散れ!」

 

「嫌だ!」

 

スノーはまるで反抗期の子供のように声を上げるとダークネスは困惑する。すると彼女の近くでスカイが思わず笑ってしまう。

 

「ふふっ……あははっ!」

 

「スカイ?」

 

「こんな時に……ふふっ、楽しい事をしたいですか」

 

「ええっ!?私、何か変な事言った!?」

 

「少なくとも今言うことじゃ無いかも……」

 

「うえっ!?プリズムまで……」

 

まさかのスカイに笑われてしまい、プリズムからもツッコミを入れられたスノーは慌てる。ただ、悪くは無かったのかスカイが更に続けた。

 

「ですが、確かにそうですね。……ユキさん。これが終わったらもっと楽しい事をしましょう」

 

「もう、まだ戦いの最中だろうが……。けど、それには俺も賛成」

 

「うん、戦いが終わったら……ね!」

 

スカイだけで無くサンライズやプリズムもそれに賛同すると話を聞いていたブラック達も微笑んで頷く。

 

ブラック達はこの街に遊びに来ただけなのでスノーやスカイの事情はわからない。それでも彼女達がやりたい事をさせてあげるのが先輩プリキュアとしてのやるべき事だとわかっていたために力になろうと思ったのだ。

 

「じゃあ、私達ももっと頑張らないとね」

 

「スカイやスノーが楽しくいられるような」

 

「明るい未来を作るために!」

 

「今日も絶好調でいくなり!」

 

「そうね。そのためにも」

 

「私達で明日の」

 

「希望を作って」

 

「守り抜かないとですね!」

 

「どんな困難が待っていても」

 

「私達は頑張ってみせる」

 

「だから皆で力を合わせて行こう!」

 

プリキュア達が互いを鼓舞するために言葉を重ねる。そんな中、エルもプリキュアを応援するために声を上げた。

 

「えるぅ!ぷいきゅあああ!」

 

更にそこにプリキュアの妖精達もエルの元に集まるとプリキュアを応援。そして、プリキュア達は手を繋いで支え合った。こうして、プリキュア達は全員が一丸となってダークネス相手に立ち向かう事になる。




また次回もお楽しみに。
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