カバトンが呼び出したランボーグに対してらんこはキュアツイスターへと変身。それを見たカバトンはまさかのプリキュアの登場に唖然とする。
「な、何だと!?キュアツイスターなんてプリキュア、聞いた事無いのねん!」
「やっぱりアンタは私がプリキュアって事は知らなかったみたいね」
カバトンはただでさえ今の自分は既にいるプリキュア四人でさえ手に負えないのにまた新しいプリキュアが出た事に混乱。
「五人目のプリキュア……。何でこうもポンポンポンポン伝説の戦士が増えるのねん!まるでプリキュアのバーゲンセールなのねん!」
「どこかで聞いた事あるセリフだけど、容赦はしないわよ!」
ツイスターが構えを取ると体に僅かに疲労感が残っている事に内心で顔を顰めた。
「(……啖呵を切ったのは良いけど、やっぱり疲労が回復し切ってないわね。長期戦は不利になるわ。アイツが今言った五人目のプリキュアって言い方も気になるけど……、ここは素早く片付ける!)」
ツイスターは体力の消耗具合からして長期戦に付き合うのはやはり危険だと判断。短期決戦でランボーグを倒そうと考える。
同時刻、ツイスターとランボーグ睨み合っている所を建物の上から覗くシャドーの姿がいた。
「何だ?あのプリキュア……」
シャドーはツイスターの登場に少し混乱した様子である。これまでのプリキュアの覚醒の際はエルが絡む所を見るか、プリキュアの覚醒に自身がどこか懐かしさを感じるパターンが殆ど。ただ今回はそのどちらも該当しないケース。
つまり、ポッと出の如く急に現れたイレギュラーなパターンなのだ。そのため、シャドーはツイスターの事を警戒したような視線で見据える。
「……普段なら絡みに行く所だが、少しだけ様子を見るとしよう。もしかすると……とんでもない事が起きているのかもしれない」
そんなわけでシャドーは静観を決め込むと建物の屋上からジッと見るだけに留め、同時にツイスターが踏み込む事で戦闘が開始される。
「ランボーグ、そんな奴さっさと捻り潰すのねん!」
「ランボーグ!」
まずは向かってくるツイスターに対してランボーグが拳を構えるとツイスターはその動きの遅さに声をあげる。
「遅すぎるわ!」
ツイスターからの最短距離での蹴りが命中するとランボーグはそのパワーに後ろに押し戻される。
「ラァア!?」
「速っ!?」
それからツイスターはランボーグが踏ん張っている間を利用し、市街地の狭い道の端を走る形で接近してランボーグがまた前を向く頃にはその脇をすり抜けていた。
「ラ?ラ?」
ランボーグはツイスターが視界からいなくなったために慌ててキョロキョロと周囲を見渡す。その瞬間、ツイスターはランボーグの後ろに回り込んでいたためにその死角から踵落としを打ち込む。
「はぁああっ!」
「ランボ!?」
ツイスターはランボーグが脳天を攻撃されてフラフラとしている間にすかさず着地して手に風を纏わせると左のストレートパンチをぶつけた。
「ラァアアッ!?」
ランボーグはフラフラしていて踏ん張れないタイミングを狙われるとそのまままともに殴られて吹き飛んでしまう。
「くっ、アイツ速すぎなのねん!前みたいに電車ランボーグならあっという間なのに!」
カバトンは前回作り出したランボーグである電車のランボーグならあの速度にも着いていけると考えるが、生憎今回は電車ランボーグのようなスピード重視のランボーグでは無い。そのため、ツイスターのスピードに追いつくいうのは厳しいだろう。
「だが、スピードが足りないなら他の方法があるのねん!ランボーグ、あの手を使え!」
「ふん、どんな手を使ったとしても……」
ツイスターがこのランボーグがどんな手を使ったとしても怖く無い。そう思った瞬間。ランボーグは体についている戸を開けるとその内部から様々な形をした黒塗りの物が飛んできた。
「ッ!?何よそれ!」
ツイスターの元へと飛来してきたのはバケツ、ジョウロ、箒、塵取り、スペアのタイヤ、バーベキュー用のコンロ、折り畳み椅子など。出てきた物はどれも一般の物置に置かれていそうな物である。
そんな物置に入ってそうな物オールスターズがツイスターへと迫る中、彼女は近くにあった電柱に目を付けると首に巻いたマフラーを手にした。
「そんな布切れ一枚手にした所で無駄なのね……」
「それはどうかしらねっ!」
ツイスターがマフラーを外すとそれを一気に伸ばしていく。そして、マフラーを電柱に巻き付けるとそのマフラーを利用して一気に電柱に向かって移動。ランボーグから飛んできた道具を悉く回避してしまう。
「なあっ!?何でそれが当たらないのねん!」
「たかがマフラーと思って侮ったわね!はぁああっ!」
そして、移動した先にある電柱を足場にすると巻きつけていたマフラーを外しつつ電柱を蹴って飛び出す。彼女はその速度でランボーグへと近づくと風を纏ったままタックルをぶつける。
「だあっ!」
「ランボ!?」
ランボーグはツイスターにタックルされてよろけてしまう。カバトンはツイスターのスピードを軸にした速攻を受けて上手く対応できていなかった。スノー達四人の中にスピードを特徴としたプリキュアがいないため、機動力が高い相手への対策を練っておらず。そのため余計にツイスターへの対処が遅れていたのだ。
「おのれ、好き放題やってくれて……ランボーグ、どうにか耐えるのねん!」
カバトンは今のままではツイスターの速度に対応できないと判断。そのため、ランボーグに敢えて防御を指示。ツイスターからの攻撃に耐え切る構えを取る。
「ッ、地味に厄介な事を……」
対してツイスターは体力の限界があるので速攻で決めないといけない場面。そのため、長時間耐えられると困ってしまう。そのため一気に浄化技を使おうとする。
「だったら、ヒーローガー……」
「ランボ!」
しかし、その瞬間。ランボーグはいきなり反撃として先程のように全部出しでは無く小分けにした数発きりの物による攻撃を放つ。
「くっ!?」
ツイスターはできる限り早くランボーグへと浄化技を撃ちたいのにランボーグが途切れ途切れとはいえ反撃をしてくるために浄化技を撃つ事ができない。
「(面倒な手を使ってきたわね……早く弱らせないと……)」
ここからは時間との勝負だ。ツイスターがランボーグの防御を崩すのが先か。彼女の体力が尽きてしまうのが先か。我慢比べの時間が始まるのだった。
少し時間を遡り、ソラシドモール内。ユキ達四人とエルは時間帯的に丁度お昼だったためにフードコートに来ていた。
「わぁ!ここがふーどこーとという場所なんですね!」
「大きな広間に沢山机と席があって、それを取り囲むように屋台が並んでるって感じ……」
「大体そんな感じで合ってるな」
「どのお店が良いとかある?」
「うーん……どれも美味しそうで迷っちゃいますね……」
「えっと、二人のオススメはある?」
ましろが何を食べたいかと質問するが、当のユキやソラはこちらの世界の料理についてあまり知識が無い事もあってどのお店にするべきか迷ってしまう。
「だったらあれとかどう?」
「焼きそばか。うん、あれにしよう!」
「「やきそば……?」」
四人は座るための席を確保するとお店から焼きそばを購入。それから四人は皿に盛られた焼きそばが乗ったトレーを持つと席に戻って座る。
「これが焼きそばですか!茶色く色づいた麺に美味しそうな湯気。緑やオレンジ、白と色んな色のお野菜もありますし美味しそうです!」
「ソラちゃん、いつも通りのレポーター魂炸裂だね……」
ソラが毎度の如くグルメレポーターのような解説をしているとユキがある物に気がつく。
「あれ?そういえば、この赤い物?これだけ混ざってないね」
「ああ、それは紅しょうがだな。焼きそばの付け合わせで食べられる事が多い。そもそも焼きそばとは別物だから分かれてるって感じ」
「他には牛丼やたこやきとかで一緒になる事が多いね」
ユキの疑問に二人が答えると彼女は納得したように頷く。そして、四人が席に座ると一緒に焼きそばを食べ始めた。
「「「「いただきます!」」」」
「える!」
尚、エルはいつも通りミルクなのでましろやユキが適度に箸を止めつつ飲ませている。
「んん〜!ほかほかで美味しいです!」
「うん、この世界の食べ物も美味しい物がいっぱい」
「ふふっ、良かった」
「ああ。二人がこうやって笑ってくれるだけでもここに来た甲斐がある」
この後はお出かけをソラシドモールだけに留めるのも勿体無いという事でソラシド市を知ってもらうためにもっと周辺の施設も回るという話になった。
「「ごちそうさまでした!」」
「それじゃあそろそろ行こっか」
「はい!この街にどんな施設があるのか。今から楽しみです!」
四人がご飯を食べ終わるとソラシドモールを出て移動を開始。ソラシド市にある他の施設について街の色んな場所を紹介するのに合わせて回っていく事になる。
場面は戻ってツイスター対ランボーグ。ランボーグはツイスターからの攻撃を受けて弱る中でツイスターの方も少しずつ余裕が無くなってきていた。
「ッ……トップスピードを維持するのもそろそろ限界かしらね……」
ここまでどうにか保たせてきた自慢のスピードが落ち始めていたのだ。加えて、それは自分の攻撃にも影響を与えているのかランボーグの受けるダメージも減りつつある。
「良い加減決めないと……」
ツイスターはどうにか浄化技を捩じ込むためのチャンスを探すが、ランボーグの方に余裕が戻りつつあったために反撃の頻度が増え始めてしまう。
「あん?そういえば、アイツのスピードが落ちてきてるのねん……。もしかしてバテてきたのねん!?」
「くっ、流石にバレるわよね……」
しかもタイミングが悪い事にカバトンもツイスターの動きが鈍ってきた事に気づき始めてしまった。そして、悪い事は連鎖する物である。
「……さっきからずっと外が騒がしいけど……一体何が……ッ!?」
そんな時、先程ツイスターことらんこと話をした少年。ひかるがこの場所にやってきてしまう。どうやらツイスターとランボーグの戦う音を聞きつけてその正体を確かめるために様子を見に来てしまったのだ。
「何だこれ、デカい怪物にコスプレした女の子……あ、もしかして新しい魔法少女作品の撮影とかなのか?」.
ひかるがそう言いながらツイスターとランボーグが戦闘をしている場所に近づいてしまう。そして、それを見逃すカバトンでは無い。
「あん?あっちにまたよくわからん脇役が来たのねん。アイツもプリキュアに……いや、プリキュアなら変身してくるはず。という事は……」
カバトンは少しずつスピードが落ちているツイスターに丸腰の一般人ことひかるがここに来た事からある考えを思いついてしまう。そして、早速彼はその考えを実行に移した。
「ランボーグ、飛び道具を使ってアイツを狙うのねん!」
「アイツ?……あっ!」
ツイスターもカバトンの言葉を聞いて振り向くとその指先にひかるがおり、彼が近くに来てしまった事に気がつく。
「ランボーグ!」
「ッ、仕方ないわね!」
そして、ランボーグはすかさず物置の扉を開けると今すぐ出せる最高火力を放とうとする。同時にツイスターも慌ててひかるをカバーするために動く。当の本人であるひかるは自分に向かって攻撃のターゲットが向いたのに気がつくが、もう逃げるには遅かった。
「ヤベッ!!」
「ランボーグ!」
そのまま放たれてしまう物置に入っていた物による弾幕攻撃。それに対してツイスターは猛スピードでカバーに動く。
「間に合って!」
ツイスターはどうにかひかるへと攻撃が当たる直前に彼の元に辿り着くともう避けている時間が無いために自分ごとその場に伏せさせる事でどうにか攻撃を回避。二人の真上を通過する形でランボーグからの攻撃は飛んで行った。
「ふぅ……危なかったわ」
ツイスターが安堵の顔を浮かべているとひかるはそんなツイスターの姿に見惚れてしまう。
「アンタ、大丈夫?」
「……」
「ねぇ、聞こえてるの?」
「あ、ああ!助けてくれてありがとう」
「早くここから離れなさい。ここは危険過ぎるわ」
「お、おう」
ツイスターは一度ボーッとしてしまったひかるに正気を取り戻させつつその場から離れるように伝えるとひかるは頷き、慌ててその場から退避する。対してカバトンは攻撃を回避された事に苛立っていた。
「あと少しでツイスターを潰せたのに!こうなったらもう一度……」
「もう一度?……そんな時間なんて与えないわよ!」
ツイスターはすかさず踏み込むと一気に加速ランボーグへと飛び膝蹴りを叩き込むとそのままその威力で吹き飛ばす。
「ラァアアッ!?」
ランボーグは攻撃を回避された動揺で隙だらけであり、そのまま後ろ倒しになってしまう。そのため、ツイスターは決めるなら今しか無いという事で着地してからすかさず踏み込むと跳び上がる。
同時に彼女はドロップキックの姿勢になると周囲の空気を風のエネルギーへと変換。体全体を捻る形で高速回転。周囲の風を取り込んだ状態で自身の体に強力な竜巻を纏う
そのまま彼女はランボーグを浄化するために高速回転したままドリルキック。それは周囲の空気も巻き込んで強力なエネルギーを高めていった。その技の名は……。
「ヒーローガール!ツイスターストライク!」
自らが旋風と化したツイスターは一気に加速するとランボーグの体を貫くように技が命中。浄化の光が流れ込むとランボーグはそれによって浄化。消滅していった。
「スミキッタァ〜」
そして、ツイスターが勝つという事はその場にはカバトンだけが残るわけで。
「くぅ……。また新しい奴の噛ませにされたのねん……カバトントン!」
カバトンはこれ以上戦闘は継続できないという事で最後にメタ発言を残しつつ撤退。その場からいなくなる。
「凄っげぇ……」
そして、ツイスターがランボーグ相手に勝利した事を遠目から見たひかるはまだ興奮が冷めない様子を見せる事になるのだった。
また次回もお楽しみに。