熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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狂気の科学者登場 乗っ取られる者

ランボーグを撃退したキュアツイスター。そして、その近くで彼女の姿に見惚れていたひかるを遠目に見ていたシャドーはカバトンを単騎で退けるツイスターの能力に興味が湧いたのか背中の刀に手をかける。

 

「なるほど、疲れている上に初戦で対応しづらいとは言えカバトンを一人で退けたか。面白い奴。俺もあの女の実力を……む?」

 

だが、行こうとした直前に彼の動きが止まる。それは近くにまた感じた事の無い別の気配がしたからだ。しかも、その気配は自分達に似たような物だったので余計に慎重になる。

 

「これは俺達の雇い主達と同じ……。いや、でも感じた事ない奴の気配だな」

 

シャドーはそれから少しだけ迷った後に刀から手を離す。新しく出てきた気配が少しずつ近づいてきていると感じたからだ。

 

「……気にはなるが、下手に行ってぶつかった時が面倒か。ひとまず様子を見るとしよう」

 

シャドーが静観を決め込む中でツイスターのカッコ良さを見たひかるは彼女に詰め寄っていた。

 

「ねぇ君!」

 

「……何よ」

 

「さっきは助けてくれてありがと!君が助けてくれなかったら俺はあの怪物にきっとやられてた」

 

「そうね……」

 

ツイスターは何故さっき出会ったばかりの自分の事を忘れているのか気になったが、今の自分はキュアツイスター。そのためパッと見た感じだと自分が風波らんこだとはわかってないのだと察する。

 

「なぁ、どうして見ず知らずの俺を助けようとしとくれたんだ?」

 

「……別に、あのまま見捨ててたら私の気分が悪かっただけよ……」

 

ツイスターはあくまで素っ気ない対応を見せているとひかるは彼女の受け答えを見て首を傾げる。それは、自分への対応する際の話し方がどこかで聞いた事あるような気がしたからだ。

 

「あれ……君の話し方、どこかで聞いた事あるような……」

 

「ッ!?」

 

また、ツイスターはひかるの返しに思わずギョッとしてしまう。まさか今ので変身者が自分とバレたのでは無いのかと。しかし、それを指摘される事は無かった。

 

何故ならツイスターにとって今のひかる以上にヤバい存在がいたからである。

 

「おや?まさか君がこんな所にまで来ているなんて思わなかったよ。キュアツイスター」

 

「えっ……ッ、はぁ!?アンタこそ何でいるのよ……」

 

そこにいたのは白衣を着た少女であった。彼女は白い髪が露出したヘルメットを装着しており、近くには少女が被っているヘルメットに似た形状のドローンが数台飛んでいた。その視線はツイスターを向いており、顔つきはツイスターの存在に驚きつつも嬉しそうであった。

 

「さっきぶりだね、キュアツイスター。……あ、でもここは元の世界からで考えたら数日経ってるからさっきぶりとは言わないのかな?」

 

「マッドサイエンティスト……」

 

ツイスターの前に現れた少女は新しい玩具を見つけた危ない科学者のような雰囲気を見せるとひかるも困惑したような顔を見せる。

 

「こ、今度は誰!?豚男とデカい怪物の次はドローンを従えたマッ……マッド……マッドサイエンティスト?」

 

「あー、違う違う。それはただの渾名だよ。でもやっぱりツイスターは渾名を付ける才能があるよね。豚男もマッドサイエンティストも相手の姿をよく見て的確に付けられてるし」

 

「ふん。アンタに褒められても嬉しくも何とも無いわ」

 

ツイスターは少女から褒められのにも関わらず、不機嫌そうな顔つきを浮かべる。

 

「えっと、ツイスター?で良いのか。話の流れからしてコイツと知り合いなのか?」

 

「そうそう!私とツイスターは長〜い付き合いでね」

 

「はぁ!?どこがよ!ついさっき初めて会ったばかりじゃない!」

 

少女がツイスターを揶揄うように話すと彼女もムキになって反応を返す。それを見てひかるは唖然としてしまった。すると少女は笑みを浮かべてから改めてツイスターへと話しかける。

 

「さて、笑える冗談はこの辺にして。折角君もこの世界に来たんだ。ついでに君の事を捕まえさせてもらおう」

 

「ッ、そんなのお断りよ」

 

「チッチッチ。残念だけど君に拒否権なんてあげるつもりは無いかな〜」

 

少女が手を上げるとツイスターの周囲に彼女のドローンが展開。取り囲もうとする。

 

「ッ……」

 

それを見たひかるはツイスターを助けようとする。しかし、何故か脚は動いてくれない。それもそうだろう。ツイスターが倒してくれたとは言え、つい先程まで怪物が目の前で暴れていたのだ。

 

幾らひかるが行動力があるとは言っても流石に怪物相手に向かっていく勇気は無かった。しかし、このままでは疲弊しているツイスターが一方的に攻撃されるのは目に見えている。

 

「……安心しなさい。アンタだけでも絶対にここから脱出させるから」

 

「ッ……それなら俺も……」

 

ひかるはそれでも連戦での疲労が色濃そうなツイスター一人に戦わせるのは気が引けたが、だからと言って怪物相手に立ち向かう勇気が無い自分にできるのはせいぜい逃げる事ぐらい。そのため、ひかるがその先の言葉を言う事はできなかった。

 

「私なら大丈夫よ。こんな奴さっさと倒すから」

 

「おやおやぁ。随分とこっちの世界の人と仲良くなったんだね。ツイスター」

 

「別に。というかアンタ。こっちの世界って言い方をするのは……」

 

「ふふっ。そうだよ、君の予想通りさ」

 

ツイスターはそれを聞いて少し困惑する。まだ先程までは僅かにその事実を否定している自分がいた。そんな事普通なら起きるわけ無いと。しかし、目の前にいる少女の言葉には妙に説得力があった。そのためツイスターの予想は当たっているのだと察する。

 

「さてと、じゃあ早速……うん?」

 

すると少女はツイスターへの攻撃をドローンに指示しようとしたその時だった。彼女はひかるの方を見てある事に気がつく。

 

「ッ、何だよ……」

 

「ふむふむなるほど。これは中々面白いね」

 

少女は一人でブツブツ呟いているとツイスターは今の内にひかるを脱出させられないかと考えるが、その暇は与えてもらえずに独り言は終わってしまった。

 

「マッドサイエンティスト、俺を見てなんか一人で呟いてたけど。何なんだよ。

 

「ああ、ごめんごめん。いやー、君がなかなか面白そうな人間だったからね〜」

 

「……はい?」

 

少女が興味深そうにひかるの体を見て笑みを浮かべるとその本人であるひかるは僅かに寒気がするのを感じてしまう。

 

「プリキュアじゃ無い普通の人間にしては凄い潜在能力を持ってそうだったからついつい気になったんだ。ツイスターを連れ帰るだけのつもりだったけど……これは予定変更かな?」

 

その言葉を聞いてツイスターは次に少女が何をするのかを察するとすぐに警戒態勢となる。そして、少女はある言葉を告げた。

 

「決めたよ。そこの黄色い髪の子には……私がこれからする実験の実験台になって貰おっか♪」

 

ひかるがいきなり自分を実験台にすると言いました少女の言葉に驚く中、少女はニヤリと笑みを浮かべてらすかさず指を鳴らす。

 

その瞬間、突如として他の個体とは色が違うドローンが飛んでくるとそれがひかるの方へと向かってきた。

 

「ッ!?」

 

ひかるはいきなり自分の方に飛んできたドローンに驚いたせいでまた逃げられない。そこにツイスターがすかさずドローンを横から蹴り飛ばす形で弾き飛ばす。

 

「やっぱりアンタ、碌でもない事考えるわね!何のつもり?」

 

「流石ツイスター、良い反応だね。だけど良いのかな?一回蹴っただけで終わったと思って」

 

「は?」

 

ツイスターがひかるをカバーして一安心かと思いきや。蹴られたドローンは壊れておらず。すぐさま体勢を立て直すとひかるの頭へと被さってしまった。

 

「しまっ!」

 

「ッ!?ぐああああっ!!」

 

ツイスターは慌ててひかるからドローンを外そうとするが、触ろうとした瞬間に電撃が飛んでくるとツイスターは反射的に避けてしまう。

 

「くっ……」

 

「ああ、ごめんごめん。言い忘れてたけど、乗っ取る時はそれを邪魔されないように電気が出る仕組みなんだ」

 

「アンタ性格悪いわよ!」

 

「ふふっ、それは褒め言葉として受け取っておくね」

 

そして、暫くの間ドローンからの電撃による激痛に叫んでいたひかるはその抵抗力が無くなるかのように叫び声を収めていく。そのまま程なくして、ひかるからの叫びが無くなると上半身がダランと垂れ下がって意識を無くしてしまった。

 

「っと、上手く行ったようだね」

 

ひかるの抵抗……つまり意識が無くなったのを確認した少女は早速彼へと指示を出す。

 

「背筋を伸ばして。右手上げて、左脚上げて。両方降ろしてからファイティングポーズ」

 

すると、ひかるは少女の指示通りに動く。それはまるで少女の指示通り動く操り人形であった。そして、その動きに満足した少女は笑った。

 

「あははっ!成功だよ」

 

「アンタ、まさかその子を……」

 

「そ。……このヘルメットを被らせる事で私の指示した通りに動く操り人形になってもらったのさ」

 

「くっ、その子を今すぐ解放しなさい!」

 

ツイスターはひかるを思いのままに操る少女へとひかるの解放を要求するが、当然彼女が受け入れるわけが無い。

 

「えー?冗談よしてくれよ。ここからが面白いんだからさ」

 

「だったらアンタから無理矢理取り返すまでよ!」

 

拒否の返事を聞いたツイスターからの宣告に少女は彼女が向かってきてくれて嬉しそうな顔を浮かべると早速次の手を打った。

 

「それじゃあ、もう一つの目的も果たそうか。……インストール!アンダーグエナジー!」

 

その瞬間、少女が呼び出したアンダーグエナジーがひかるの全身を覆い尽くすように展開すると彼の体が巨大化。同時に人型のようなランボーグとなるとその体色は黒く。更に上半身に頑強な鎧に近い装甲を装着。それは緑色で茨の生えた蔓のような装飾が施されており、所々刺々しい見た目になっていた。また、四肢にも緑色の植物のような装甲が形成。勿論これも所々が刺々しく尖っている。

 

コンセプトで例えるとそれは人間に寄生した植物に近い見た目のランボーグと言えるだろう。

 

「ランボーグ!」

 

「ふふっ。なるほど、洗脳状態の人間にアンダーグエナジーを注ぐと人間のような姿をした兵士になるのか。なかなかに面白い変化だよ」

 

「そんな……。よくも無関係な一般人のあの子を……」

 

「ふふっ、良い結果が見られた所で。さ、ランボーグ。キュアツイスターを捕まえて」

 

少女が指を鳴らすとランボーグは地面を思い切り殴る。その瞬間、地面から棘付きの蔓が生えるとそれがツイスターを捕らえようとした。

 

「くっ……連戦に続きで身体中がヤバいけどやるしか無いようね……」

 

ツイスターはまたもや戦闘を強いられて厳しそうだったが、泣き言なんて言ってられないと言わんばかりに目の前のランボーグとの戦闘を始まるのだった。

 

同時刻。ソラシドモールではユキ達四人はご飯を食べ終わると早速午後の時間も楽しく過ごそうと移動中である。

 

「次は……」

 

そんな時だった。またましろの元に電話がかかってくると彼女は慌ててスマホを取り出す。

 

「うえっ、また電話?あ、お婆ちゃんからだ」

 

ましろはスマホに来た電話に先程のような迷惑電話*1だと思って身構えたが、今度は信頼できる相手のヨヨだった事に一安心すると早速電話に出る。

 

すると同時にユキとアサヒの持っていたスカイトーンが勝手に動き始めると二人の体を引っ張り始めた。

 

「うわっ!?ど、どうしたの!?」

 

「俺達を無理矢理連れていこうとしてるのか……」

 

「ユキさん、アサヒさん!?」

 

そして、スカイトーンに引っ張られている二人を見てソラが慌てているとユキがソラへと声を上げる。

 

「多分大丈夫。きっと何か外で異変があって、それをキャッチしたんだと思うから」

 

「でしたら私も……」

 

「いや、このまま全員で行ったらましろに話を伝えられる人がいなくなる。場所は先に行って連絡するからソラはここに残っててくれ」

 

「ええっ!?」

 

ソラはユキとアサヒがさっさと行ってしまう中、二人に言われて待機しないといけなかったためにましろの電話が終わるのを待つ。

 

「皆お待たせ……ってあれ?ユキちゃんとアサヒは!?」

 

「それが、お二人のスカイトーンに連れられてどこかに……」

 

「……え?ええっ!?どうしよ……」

 

ましろは二人がいきなりいなくなったのを聞いて唖然としてしまう。そして、ソラはその理由が気になってましろへと問いかけた。

 

「ましろさん、ヨヨさんからは何と?」

 

「そ、それが……“ランボーグが街中に現れたからすぐに向かってほしいって……”」

 

「える!?」

 

「それ、本当ですか!?」

 

「嘘でこんな事言わないよ!と、と、兎に角どうしよう……」

 

ましろが慌てまくっているとソラはある考えが脳裏に浮かぶ。それは、二人がいなくなった理由についてだ。

 

「そういえば、お二人はスカイトーンに連れられて行ったようで」

 

「えっ、スカイトーンに……って事は先代のプリキュアさん達にって事!?」

 

「はい。だとしたら、同じくランボーグか何かを先代のお二人が察知してくれたのかもしれません」

 

もしそうだとすれば、ソラとましろはランボーグがいるという現場に向かえばそこで先行しているユキとアサヒに合流できる可能性が高いという事だ。

 

「それだったら、ソラちゃん」

 

「はい、私達のやる事は一つだけです!」

 

「える!」

 

ソラ達もユキ、アサヒに少し遅れてしまったが、動き始める。そして、その先にいるのは勿論少女の出したランボーグと交戦するツイスター。世界を超えたプリキュア達の出会いの時は刻一刻と迫っているのだった。

*1
かけてきた相手はらんこ




また次回もお楽しみに。
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