熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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太陽と雪の参戦 狂気の科学者との対面

サンライズとスノーが疲れ切ったツイスターを避難させて安全な場所で待たせるとすぐに戦場へと戻ってきて少女やランボーグと対峙する。

 

「ランボーグ!」

 

「良かった、まだここにいてくれた」

 

「さっきの知らないプリキュア?の事とか色々気になるけど、今はコイツを倒すだけだ!」

 

スノー、サンライズのコンビが目の前にいるランボーグと戦うために構えを取っていると先程からスノーとサンライズを見て唖然としていた少女がいきなり興奮したように声を上げた。

 

「おぉ!まさか君達はこの世界に存在するオリジナルのプリキュアかい?」

 

「「……オリジナル?」」

 

少女からのいきなりの発言を聞いて首を傾げる二人。プリキュアにフェイク……偽物もオリジナルも無いと考えたサンライズは思わず反論する。

 

「何言ってるんだお前!」

 

「というか、博士みたいな服装を着てるけどここにいたら危ないよ!」

 

続けてスノーは非力な一般人がこんな所にいたらほぼ確実に戦いの巻き添えになるという事で逃げるように宣告。それを聞いた少女は親切に逃げる事を教えてくれた二人へと笑みを浮かべた。

 

「ほう?まさか君達が私に避難を促してくれるとは、これはご丁寧にどうも。けどお生憎様。私は色々事情があってここにいないといけないからね」

 

二人はそんな少女からの言葉に疑問符を浮かべる中、そんな少女を見たいスノーはある事実に思い至る。

 

「ッ、もしかしてこのランボーグを出したのって!」

 

「あははっ!大正解だよ!そう、ここにいるランボーグを呼び出したのはこの私……つまり君達プリキュアの敵って事になるね!」

 

少女からのカミングアウトに二人は衝撃を受ける。カバトンとシャドーのコンビだけでもかなり厄介な現状なのにここから更に敵が増えるのかと感じ取ったのだ。

 

「確かに科学者っぽい見た目だとは思ったけど、科学者は科学者でも悪の科学者かよ!」

 

「そうだよ?寧ろ君達はそんな事もわからなかったのかな?」

 

「くっ……」

 

サンライズは少女から挑発されて見抜けなかった事を少し悔しそうにするが、今はそんな事で感情的になっている場合では無い。

 

「サンライズ、挑発に乗ったらダメだよ。今はランボーグを倒さないと」

 

「ああ、そうだな」

 

「ふーん。案外冷静だね。そっちの赤い方は見るからに暑苦しそうな感じだから少しは感情的になってくれるかなと思ったけど」

 

「確かに俺は感情的にはなりやすいけど、今のじゃそこまで感情的にはならないな」

 

「へぇ。まぁ、それはそうとして。まさか私の知らないプリキュアが存在するなんてねぇ」

 

それを聞いて二人は疑問を感じる。もしカバトンやシャドーの知り合いだとしたら二人から何かしら情報を受け取っていそうなものだ。何しろ自分達から見たら初見でも、組織が同じであればその程度の情報共有くらいはできそうなのだから。

 

「ねぇサンライズ。もしかしてさっきの反応からしてあの子、私達の事を知らないのかな……」

 

「もしかするとカバトン達とは別の組織の敵なのかもしれない。……あんまり考えたくは無いけど」

 

少女はカバトンと同じランボーグを使役している所から恐らく同じ組織内の敵として見て取れるだろうが、それでも敵が増えたとなると無視はできない。すると少女が更に問いかけた。

 

「ふふっ。プリキュアが二人も増えて、ますますプリキュアというのは研究しがいがありそうだよ♪……っと、そういえば君達の名前はなんて言うんだい?」

 

そう言ってスノーとサンライズの二人が話している間にもテンションが上がり続ける少女。そんな彼女の姿にスノーとサンライズは困惑。ただ、質問の回答として一応二人は聞かれた通りに少女へと向けて名乗りをする事にした。

 

「私は静かにひろがる白い雪景色!キュアスノー!」

 

「俺は夜明けにひろがる眩い朝日!キュアサンライズ!」

 

二人がポーズを取りつつ名乗りを終えると少女は“うんうん”と頷く仕草を見せつつその名前に納得していた。

 

「キュアスノーにキュアサンライズ……。確かにそっちのスノーの方は雪みたいな白に水色の衣装だし、おまけに変身者の顔が良いから雪のような儚くて美しさもちゃんとある」

 

「ふええっ!?な、な、何ですか急に!」

 

スノーはいきなり自分の姿を褒められて思わず顔を赤らめてしまう。やはり彼女は幼い頃に同級生から貶されてばかりだったからか、褒められるのに慣れていなかったらしい。

 

「あははっ、そういう褒められるのに慣れてないのも予想通りだね。で、そっちの男の方。サンライズは夜明けって意味だけど、太陽のような熱さを連想できる赤い衣装。それに熱い情熱も秘めていそうな感じだしこれも解釈一致かな」

 

「何だコイツ……敵なのに何で俺達のプリキュアとしての名前やら色々褒めてるんだよ」

 

サンライズは少女の饒舌っぷりに唖然とした顔つきを見せていると正司はようやく二人と向き合って嬉々とした様子を見せる。

 

「ふふっ。私の元いた世界にいないこっちの世界だけのオリジナルプリキュア……面白くなりそうでゾクゾクするねぇ」

 

「で、一人でお楽しみな所悪いけど……さっきからお前誰だ?」

 

「そ、そうだよ!カバトンやシャドーの仲間かもしれないけど、私達はあなたとは初対面だから!」

 

少女はそれを聞いて先程から見せていた嬉しそうな顔を一度止めると真剣そうな顔つきとなる。

 

「へぇ。私の名前……知りたい?」

 

「え、何この空気感……」

 

「それで、知りたいのか知りたく無いのかどっちかな?」

 

「そりゃあ、知りたいけど……」

 

先程まであれだけ軽いノリで接していたのに急に空気感を重くした少女に身構えてしまう二人。そして、スノーが知りたいという意思をハッキリと見せたために少女は自身の周囲にドローンを呼んだ。

 

「ふふっ、では名乗らせてもらおう!初めまして、私の名はキメラング…ドクター・キメラング!!」

 

その瞬間、今し方呼び出して彼女の周りにフワフワと浮かんでいるドローンが紙吹雪を投げ、クラッカーを鳴らしていく。極め付けは彼女の後方斜め上に“よっ、天才!”と書かれた紙を展開して少女の名乗りを盛り上げていった。

 

そして、そんな事をいきなりやり出せば様子を見ていた二人はどうしても唖然としてしまうわけで。

 

「「……は?」」

 

「……まぁ。ドクターについては昔、ある事をやらかしたせいで博士号は剥奪されてしまったんだよね。だから今は自称・ドクターになるんだけどね……あっははははは!!!」

 

そう言って自虐ネタに走るキメラングと名乗った少女。そんな彼女をサンライズとスノーは未だに唖然とした顔のまま見ていた。

 

「ね、ねぇサンライズ。あの人……」

 

「ああ、この手の科学者のお約束でどこか頭のネジが吹っ飛んでるんだよな……」

 

「ああ、それね。自分で言うのもちょっとアレだけど、君達から見たら私の頭のネジは吹っ飛んでると思うよ?さっき君達が助けたプリキュア……キュアツイスターからはマッドサイエンティストって言われてるくらいだし」

 

「えぇ……」

 

キメラングはそういって更なる自虐ネタを話すとまたもや二人は気が抜けてしまう。カバトンやシャドーと比べると彼女は色々とマイペース過ぎて調子を狂わされるのだ。

 

「というかマッドサイエンティストって何?」

 

「えっと、直訳すると狂気の科学者って意味なんだけど……」

 

「えぇ……もう字だけで危なそうな感じだよね」

 

スノーはこちらの世界の言葉に少し疎い所があるためにサンライズへとマッドサイエンティストの意味を確認。それによって帰ってきた意味を聞いてキメラングがかなりヤバい奴なのだと改めて認識する。

 

「ふふっ。じゃあお喋りもその辺にして、君達の実力を見せてもらおっか。やれ、ランボーグ」

 

「ランボーグ!」

 

先程までの緩い雰囲気はどこへやらと言わんばかりに攻撃を指示したキメラング。それを受けてランボーグも早速動き出した。そのためスノーとサンライズは同時に頷くと直様飛び出していく。

 

「「はぁああっ!」」

 

「ラァアアン!」

 

二人の拳とランボーグからの巨大な拳がぶつかり合う。それによって衝撃波が発生。それから暫く拮抗するが、それでも余力があるのはプリキュア側だった。

 

「「せーのっ!」」

 

二人はランボーグとパワーが拮抗しているために更に力を上乗せするために息を合わせると腕に炎と氷の力を纏わせた状態で一斉に押し込む。

 

「ラァアア!?」

 

ランボーグはその一撃で吹き飛ばされるとどうにかバランスを崩さずに脚を地面に突き刺すようにして背中をぶつける事を防いだ。

 

「うぉおりゃああっ!」

 

だが、その間にサンライズが向かってきてランボーグへと再度拳を繰り出そうと構えている。

 

「ラン!」

 

ランボーグはそれを見るとサンライズの動きが大振りだと判断してすかさず回避しようとする。

 

「行かせない!」

 

だが、そこでスノーがトントンと地面へと爪先で軽く足踏み。同時に彼女の足元から発生した氷がランボーグの両脚を凍結。しかも先程脚を地面に突き刺したせいでランボーグは身動きが取れなくなった。

 

「ラ!?」

 

「おっ……」

 

「だぁああっ!」

 

ランボーグが身動きできなくなった瞬間。そこを狙ったかのようにサンライズが一気に距離を詰めて拳を叩き込む。その際に発生した炎がランボーグの体を包むと足元の氷を溶かしたが、同時に炎によるスリップダメージが体に響き渡る。

 

「ボォオオッ!?」

 

「まだまだ!」

 

ランボーグがダメージで膝を着いた瞬間。そこを狙ったかのようにスノーが走り込むと跳び上がる。

 

「ラン!」

 

そのタイミングでランボーグもスリップダメージを振り切るとカウンターする形で地面に手を置きつつ蔓でスノーを拘束しようとする。

 

「させねぇよ!」

 

だがこれも二人には通用しない。地面から搦手を繰り出すのなら同じく地面を封じると言わんばかりにサンライズが地面を殴るとそれによって地面の中に炎が投入。それが火柱として噴き出しながら進んでいくとランボーグが呼び出そうとした蔓を焼き尽くしてしまう。

 

「ふふっ、面白い対処するね。でもそれだと味方も巻き込むんじゃない?」

 

「あ?そんなの問題無いに決まってるだろ!」

 

キメラングは地面から火柱を出している時点でスノーを襲う物が蔓から火柱に置き換わっただけだと考える。しかし、そこはスノーがすぐに対応してくれた。

 

「はあっ!」

 

その瞬間、スノーはまさかのキックの体勢に入ったまま自らを氷漬け。身動きを取れなくしたところに地面からの火柱が直撃。

 

「ほぉほぉ、これはもしや……」

 

「そう、さっきの応用技!」

 

しかも先程に加えて氷が炎によって溶かされる事により周囲に水蒸気が発生。それによってランボーグからしてみたらいきなり視界が奪われたような物。

 

「ラ!?」

 

「たあっ!」

 

スノーはそのままランボーグへと不意打ち気味に蹴りを命中させるとすかさずそれを反動にして上に跳ぶと体を捻りつつ真上からオーバーヘッドキックのように脚を振り下ろしてランボーグを頭から地面に打ち付けさせる。

 

「ンボオォオオ!?」

 

「なるほどなるほど……。確かにこれは強いねぇ」

 

一方のキメラングはランボーグが一方的にやられているにも関わらず、割と興味深そうな視線を向けていた。

 

「キュアサンライズは純粋なパワー特化タイプ。その一方で先程の大振りな攻撃と言い、まだ少しだけ戦い慣れしてなさそうな面が目立つね。そしてそんな彼の隙を相方のスノーがカバーしている。彼女は純粋なパワーこそサンライズより下だけど、それを戦闘慣れしてる動き方や技で補う事でサンライズの隙さえも塞いでいる」

 

キメラングは二人の一連の攻撃でこのコンビが強いのだと認識。そして、だからこそ彼女の心は踊った。

 

「(これはもっと見てみたいねぇ。あの二人の力を……)」

 

そんな中、当のスノー、サンライズのコンビはこの時点でランボーグを圧倒して地面へと激突させる。

 

「ボォオオッ……」

 

「さてと、あの子の事も心配だし……そろそろ決めるぜ」

 

「うん、お願い」

 

スノーとサンライズはキメラングの口振りから自分達を見るのを初見だと判断。加えて目の前のランボーグが前の電車ランボーグやシャドー程強く無いために合体技を敢えて見せずに倒すべくサンライズの個人技で決めようとする。

 

「終わりだ!ひろがる!サンライズ……」

 

「おっと、良いのかな?このままランボーグを倒しちゃったら中に囚われてる一般人の子がどうなっても知らないよ?」

 

「……は?」

 

サンライズが炎の拳をランボーグへと撃ち出そうとした瞬間、キメラングがランボーグの中に囚われたひかるの存在について言及。それを聞いたサンライズは思わず攻撃を止めてしまった。

 

「どういう事!?」

 

「いやぁ、このランボーグを作る時に近くに君達くらいの歳の子が生身で不用意に近づいててさ。丁度私も試したいことがあったからそいつをランボーグにしたんだよ」

 

「コイツ……。でも、キメラングが言ってる事がマジだとしたら……」

 

サンライズはキメラングからの言葉に彼女に人質を取られてるかもしれないというプレッシャーに侵された。そしてそれはスノーも同じである。

 

「どうしよう……。ランボーグの浄化自体は私達二人でもできるだろうけど、人があの中に捕まってるんじゃ……」

 

「さ〜てランボーグ。プリキュア二人は手出しできないみたいだし、さっさと……うん?」

 

キメラングは形勢逆転と言わんばかりに戦いにくくなってしまった二人を攻撃しようと考えた瞬間。彼女の視線の先にある光景が映る。

 

「はぁ……はぁ……。あの二人は……中に人がいる事を知らないから……伝えないと」

 

そこにいたのは避難したはずのツイスターだった。彼女はほんの少しだけ休んで体力が戻ったのは良いものの、それでも立って歩くので精一杯。そのため、せめてランボーグの中にひかるが捕まっている事だけでも伝えないといけないと考えて戻ってきてしまったのである。

 

「ほう。わざわざ捕まりに戻ってきてくれるなんて嬉しいねぇ」

 

「ッ?まさか!!」

 

そして、キメラングがツイスターについて言及したためにようやく二人も彼女が戻ってきてしまったのだと察する。

 

「キメラングお前、止めろ!」

 

「やーだよ!ランボーグ!」

 

「ラン!」

 

サンライズが慌てて止めるように言うが、キメラングがそう言われて止めるはずが無い。そのためキメラングはランボーグへと指示するとランボーグはまた地面から蔓を呼び出して戻ってきたツイスターを捕まえようとするのだった。




また次回もお楽しみに。
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