熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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ひかるを助けたいらんこ 最凶コンビとの激突

ひかるの耳に仕込まれた謎のピアスが光り輝いた瞬間に彼の姿が消失。その様子を見たらんこ達は動揺した。

 

「えっ、ひかるさんが……」

 

「何が起きたの!?」

 

「この現象、まさかマッドサイエンティストが何かを仕掛けてた!?」

 

するとこのタイミングでいなくなったひかるを見つけるべく別の部屋を探していたユキやアサヒ、エルを抱えたあげはもようやく合流。

 

しかし、もうひかるの姿がいなくなってた後。そのため事情を知らない三人が来た時には既にその場は混乱していた。

 

「どうしたんだ!?」

 

「皆が長時間いた所を見るとひかる君、ここにいたんだよね?」

 

「はい……ですが、先程ひかる君の耳に見慣れないピアス?というものがあって。それが急に光ったかと思うとひかる君が消えしまったんです……」

 

「人が急に消える……もしかして、神隠しって事!?」

 

「あげはちゃん!?今はボケをしてる場合じゃ無いよ!」

 

あげはの言葉に思わずツッコミを入れてしまうましろ。ただ、そう言っている間にも時間は経過する。もし転移させたのがキメラングの場合、すぐにでも助けに行かないと彼が危険な目に遭う確率が高い。

 

それか若しく折角無事が確認できたのに再度後遺症が残るリスクのあるドローンでの洗脳行為を受けてしまうかもしれない。

 

「ひとまず探しに行きましょう!」

 

「待って。闇雲に探しても見つからないんじゃないの?」

 

「ッ……」

 

ソラがすぐに動こうとするが、あげはが考え無しの行動は危険と止める。まずは一度情報を集める必要があるという事で早速スマホを出して情報収集を始める。すると、その情報はすぐに見つかった。

 

「ッ、見てこれ!」

 

あげはが見つけたネットの投稿を見るとそこには先程ひかるが洗脳されてランボーグ化した際に出てきたランボーグと同じような姿をしたランボーグが街中に姿を現していた。

 

そして、それが意味する事はただ一つ。ひかるは再度キメラングの手によって洗脳されてランボーグとなってしまったという事だ。

 

「そんな……このランボーグの特徴は……」

 

「アイツ、どれだけひかるに固執してやがるんだよ!」

 

「あげはさん。この場所は……」

 

「えっと……」

 

ユキに言われてあげはがネットの投稿の場所を探そうとしたその時だった。らんこはひかるがランボーグ化してしまった事を確信すると一同を押し退けるようにドアの方へ向かう。

 

「ッ!」

 

「えっ、ちょっとらんこちゃん!?」

 

「どこに行くんですか!?

 

「待って!」

 

「まさか一人で行く気か!」

 

らんこはユキ達の静止を無視して玄関から家の外に出ていくとプリキュアへと変身。そのままひかるが変化したと思われるランボーグを探しに駆け出した。

 

「ひろがるチェンジ!」

 

そして、そんな彼女の後を追うようにしてユキ達プリキュアに変身可能な四人も外に出るとらんこがキュアツイスターになったのを確認する。

 

「らんこちゃん!」

 

「らんこさん、回復したとは言ってもまだ万全じゃ無いだろ」

 

「うん。私達も変身して追いかけよう」

 

「そうですね、あげはさんは……」

 

「私も行く。ひかる君を連れ帰るのに車がいるかもだし」

 

あげはは戦闘に巻き込まれないようにある程度後方で待機し、ひかるを助け出したら再度虹ヶ丘家にまで逃す役割を担う事になる。

 

「「「「ひろがるチェンジ!」」」」

 

そして、ユキ達四人はらんこを追いかけるためにプリキュアへと変身。先に行ってしまったツイスターのカバーに向かう。そして、先頭を走るツイスターはひかるの元に向かいつつも一人だけで飛び出した自分の行動に疑問符が湧いてきていた。

 

「(……何でひかるの事になると無性に助けたいって思うのかしら。一人で行ったって今のままじゃ勝てないのに。……だけど、まず間違い無いのはキメラングにひかるを好きなようにされるのが気に入らない事ね)」

 

ツイスター本人も今回の件で何故周囲の動きを放っておいて飛び出したのかわからない。それでも一人で先走ってしまうくらいには自分の中でひかるを放っておく事ができなくなったのだろう。そして、他の四人のプリキュア達は少しずつツイスターに追いつき始めていた。

 

「(ッ……スノー達、何で。いえ、多分これは私とソラ達の疲労の差ね……)」

 

四人がツイスターのペースに追いつきつつある事に彼女は自分の体はやはりまだ万全では無いのだと思い知る。

 

その頃、街中ではキメラングとシャドーがランボーグの近くに顔を揃えていた。するとシャドーが話しかける。

 

「まさか本当に人間を一人ここに転送させられるなんてな」

 

「私が本当に天才だとわかってくれたかな?何しろ私は並行世界を行き来する装置を完成させたんだからね。このくらいできて当然さ」

 

「確かに規格外の頭脳を持っているのはわかった。……それで、お前はコイツを連れ帰るんじゃなかったのか?転送した直後にすぐに自分の世界に帰れば良かっただろう」

 

シャドーはランボーグの方に視線を向ける。勿論、このランボーグは転移させたひかるに再度洗脳用のドローンを被せた上でアンダーグエナジーを投入。ランボーグ化させたものだ。

 

しかし今回に関して言えばひかるを連れ帰るだけならわざわざランボーグ化させずとも、そのまま先にひかるを自分の世界に連れて帰ればツイスターをこの世界に置き去りにできる上に自分の目的を果たせるのではないのかと考えたのだ。

 

「あー。別にそうしても良かったんだけどさ。折角こっちの世界のプリキュアは四人いるし、モルモット君の潜在能力をテストしたくてさ。それに、多分ツイスターの方は私の力じゃなくて自力でこっちに来たから置き去りにしたとしても後から着いてくる可能性があるんだよ」

 

「そうなのか。確かにそれなら置き去りにしても無意味だな」

 

「それに、私の狙いはモルモット君だけじゃないって事は君も見てて知ってるだろ?」

 

シャドーはそれを聞いて納得すると共に先程自分がキメラングとプリキュア達が戦うのを遠目から見ていた事に気づかれていたのだと察する。

 

「そうか。なら、このままここで相手をしてツイスターも確保した方が良いのか」

 

「そゆこと。っと、やっと来てくれたようだねぇ」

 

キメラングとシャドーが気配を察知したのか話を止めるとそこに五つの影が到着。それはひかるを助けるためにやってきたスノー、サンライズ、スカイ、プリズム、ツイスターのプリキュア達であった。

 

「いた。ひかる君の変身したランボーグ……って、何かちょっと変わってない?」

 

そこにいたひかるが変身したランボーグは前よりも一回り大きくなっており、体も刺々しい装甲が黄色く変化。体からは電撃のようなスパークが僅かに散っている。恐らく、先程以上に大量のアンダーグエナジーに汚染されてしまったと言えるだろう。

 

「ちゃんと来てくれたねぇ。プリキュア」

 

「キメラング!それとシャドーまで……」

 

「あっちの奴がシャドーってわけね」

 

ツイスターはシャドーの姿はやはり見た事が無いのか、初めて会ったような反応を見せる。そして、それに対してシャドーもツイスターの姿を間近で見て笑みを浮かべていた。

 

「初めましてだな。キュアツイスター。こっちの世界のプリキュアから聞いていると思うが、俺の名はシャドー。せいぜい楽しませてくれよ?」

 

「悪いけど、アンタに構ってる暇は無いの。用があるのはアンタよ。マッドサイエンティスト」

 

シャドーからの言葉に対してツイスターは塩対応を見せるとすぐにキメラングの方を睨みつける。

 

「おー、怖い怖い。それで、用事と言うのは?」

 

「そのランボーグ、さっき転移させたひかるでしょ?アンタ達……彼に何をしたの!」

 

「えー?そんなの見たらわかるじゃないか。見た通り、モルモット君を洗脳し先程以上に大量のアンダーグエナジーを取り込ませた。ただそれだけだよ?」

 

「くっ……」

 

キメラングはまるで悪びれもしてない様子で話す。彼女からしてみればそれが当然の選択だと言わんばかりだ。ただ、それはあくまでキメラングのみの価値観。プリキュア達にそれは理解できない。

 

「そんな……」

 

「酷いですよ!」

 

「あなた、人の命を何だと思ってるのよ!こんな無理矢理洗脳なんてして……」

 

プリキュア達が口々にキメラングを非難する声を上げる中、キメラングはそれを受けてキョトンとした顔をすると平然とした顔でとんでもない事を言い出す。

 

「そんな事言われたってなぁ……。私にとって彼はただの実験の道具でしかないからねぇ」

 

「は?」

 

「だから、私は自分の目的を果たすために実験をしてるわけ。そのために必要な人間を見極めて実験の材料として使う。勿論その実験が成功するかは限らないし、失敗してモルモットが使い物にならなくなる時もある。だけどよく言うだろ?失敗は成功の母とか。どんな実験にだって尊い犠牲は付き物なんだよ」

 

キメラングからの説明を受けてプリキュア達は絶句してしまう。この狂気に包まれたキメラングの思想にドン引きする程の寒気がしてしまったからだ。

 

「嘘……でしょ」

 

「狂ってるだろそれ」

 

「ツイスターがマッドサイエンティストって言うのも納得かも……」

 

「そんな事でひかる君を……」

 

「ああ、でも安心して良いよ。彼は二度目のアンダーグエナジーを注いだ際にランボーグ化して面白い進化を遂げたから。少なくともすぐにポイはしないからね」

 

キメラングはそう言いつつ視線をランボーグに向けるとランボーグは拳を突き合わせつつ体に電撃を纏ったようなエフェクトが飛び出す。これは先程までのランボーグには無かった特徴である。

 

「ひかるの変身したランボーグ、確かに見るからにヤバそうだな」

 

「うん、ここは慎重に……」

 

「……るさない」

 

スノーやサンライズがランボーグの雰囲気が明らかに危険だと判断。慎重に行く事を確認しているとその隣ではツイスターの声色には明らかに怒りが入っていた。

 

ツイスターは、らんこは過程はどうあれこの世界に来てひかるによって心の傷を癒してもらったのだ。そのひかるの命を無碍にするようなキメラングからの物言いにどうしても怒りの感情が高まっていく。

 

「ちょ、ちょっとツイスター」

 

「私はアンタ達を絶対に許さない!」

 

スノーがどうにかツイスターの暴走を止めようとするが、それで止まるのならとっくに止める事ができている。

 

「覚悟しなさいよ!はぁっ!」

 

ツイスターは怒りに震えると先制攻撃とばかりにキメラングへと突撃。そのタイミングでキメラングが笑みを浮かべるとツイスターとキメラングの間に一つの影が割って入る。それは勿論シャドーだった。そしてシャドーは背中に差していた刀を一瞬で抜くとツイスターからの拳を防いでしまう。

 

「はぁ!?」

 

「おっと悪い悪い。私が君の相手をしても良かったんだけどさ。彼が相手してみたいって言って聞かなくて」

 

「キュアツイスター、とにかくそういう事だ。悪く思うなよ?」

 

シャドーの言葉にツイスターは苛立つ。ひかるを助けたいのにこうも邪魔が入るとやはり気持ちが抑えられない。

 

「このっ、アンタはお呼びじゃ無いのよ!そこを退きなさい!」

 

そのままの流れでツイスターとシャドーが戦闘を開始。それを見たスノー、サンライズの二人は勝手に飛び出したスノーをカバーするために動き出す。

 

「もう!ツイスターちょっと焦りすぎだって!」

 

「兎に角私達が……」

 

「おっと、君達の相手は私がしよう。君達の存在は私の元いた世界にはいないからね。折角だから色々と調べさせてもらいたいかな」

 

「誰がそんなの受けるんだよ、さっさと倒させてもらう!」

 

「はあっ!」

 

二人は自分達の前に立ち塞がったキメラングへと向かっていくと彼女はツイスターを助けるなら向かって来るしか無いと思っていた。だからこそ予想通りとばかりに笑みを浮かべると二人からの同時攻撃を周囲に飛ばしたドローンが展開したバリアで防御してしまう。

 

「「ッ!?」」

 

「残念だったね。私の作ったドローン君はその程度じゃ破れないよ。じゃあ、反撃よろしく」

 

キメラングが指を鳴らすといきなりドローンが展開したバリアが消失。直後にレーザービームがドローンから発射されると二人は咄嗟に上体を逸らして回避した。

 

「ッ!?」

 

「危なっ!」

 

「おー。今のよく避けたねぇ」

 

「お前こそドローン使うとか姑息だろ」

 

「いやいや。これも立派な戦い方だと思うけどね?まぁでもそれだと君達は納得しなさそうだから、少しくらいなら相手してあげても良いかな」

 

するとキメラングが自分で戦うと言わんばかりに軽めの準備運動をする。それを見てサンライズはやる気十分と言った顔になった。

 

「科学者キャラって大体発明した武器が使えないと弱いのが相場だからな。下手に出てきた事後悔すんなよ?」

 

「サンライズ、油断しないの。私もフォローするけど、相手の力は未知数なんだから」

 

そのまま二人はキメラングとの戦闘に入っていく。そして、残された二人はと言うと。

 

「プリズム、私達はあのランボーグを相手しましょう」

 

「そうだね。ひかる君を放置するわけにはいかないし、ランボーグが暴れたら街に被害が出ちゃうから」

 

「ラン?ランボーグ!」

 

ランボーグも二人が自分に攻撃するという主旨の会話を聞いたからか、やる気十分とばかりにターゲットをスカイ達に定める。そのままスカイとプリズムはこれ以上街がメチャクチャにされないようにランボーグとの戦闘を開始。

 

こうして、ツイスター対シャドー。スノー、サンライズ対キメラング。スカイ、プリズム対ランボーグという三つの構図が完成するのだった。




また次回もお楽しみに。
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