熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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囚われた雷を気にする風 シャドーとの戦い

プリキュア達がそれぞれの相手に向かっていくと早速戦闘が開始される。まずはシャドーとぶつかるツイスターからだ。

 

「ひかるを助けるためにも、アンタなんかに構ってる暇は無いのよ!」

 

「あの少年を助けたいか。気持ちは悪く無いが、そればかりに気を取られると命取りだぞ?」

 

シャドーはあくまで冷静にツイスターの攻撃を捌いていく。しかも刀であれば乱戦での対応は拳よりも遅いはずなのに彼はツイスターの速度について行っている。

 

「ッ、何でそんなに刀なのに対応早いのよ!」

 

「そう思うか?……俺もそう思う。だとしたらお前が焦ってるからだろうな?」

 

「はあ?私がいつ焦ってるですって!」

 

シャドーからの挑発にツイスターが足払いをかける。しかし、シャドーはわざと足払いにかかると体をそのまま捻ると体全体が空中で横倒しに。その状態から高速回転しつつ刀を上から振り下ろす。

 

「ッ、ぐあっ!?」

 

ツイスターはいきなり変化したシャドーの太刀をまともに受けるとダメージを受ける。更にシャドーは攻撃の手を緩める事は無く一気に踏み込むと刀での突きをツイスターへと打ち込んだ。

 

「うわぁああっ!」

 

ツイスターは目にも止まらぬシャドーからの二連撃を受けてその威力に息が荒くなってしまう。

 

「強い……」

 

「お前こそ、少しはやるようだが……あの少年を気にし過ぎて少し戦い方が単調になってるぞ?そんな物では俺を倒すなんて無理だ」

 

「言ってくれるじゃない。だったらこれでどうよ!」

 

ツイスターは踏み込むと一気に加速。ただ、流石に普通に速いだけの攻撃などシャドーに通じないのはツイスター自身も今の戦いで十分にわかっている。

 

「はあっ!」

 

シャドーはツイスターを迎え撃つためにカウンター気味の動きで刀を自身の右から左に横へと薙ぎ払うように振るう。

 

「かかった!」

 

しかし、ツイスターの狙いは正面からの攻では無い。シャドーの斬撃に合わせる形で首のマフラーを外して伸ばすとシャドーから見て右斜め後ろにある建物の柱にマフラーを巻きつける。そして、マフラーを引き戻すのと同時にツイスターは更に加速。シャドーからの斬撃を上体を逸らしつつ膝でスライディングするようにして回避。そして、シャドーから見た右側を通ってすれ違った直後にマフラーの巻きつけを外しつつ自身から発生させた風で加速力を相殺。

 

「この瞬間なら、反応できないでしょ!」

 

すかさず反転してシャドーを後ろ側から左腕で殴ろうとする。するとシャドーは死角からの攻撃に対して冷静な顔のまま右から左へと横に振り抜いていた刀を振るモーションをそのまま止める事なく左足を軸にしてツイスターがいる右後ろにまで斬撃を継続。

 

「甘いな」

 

「ッ、嘘で……ああっ!?」

 

ツイスターは不意を突いたはずなのに後ろにまで斬撃で対応してきたシャドーにはどうする事もできず。ガラ空きの左の脇を攻撃されてしまった。

 

幸いだったのが、シャドーの刃は真剣では無く。あくまでエネルギーによって生成された刃だったために直接的に体から血が出る……と言った直接的な怪我をする事は無かった。

 

ただ、それはあくまで外部から見えるダメージなだけであって当然ツイスターの体へのダメージは普通に通ってしまう。

 

「どうした?あまり俺の事を無視しつつ戦うのなら……これ以上やり合う事すら無駄だ。終わりにしてやる」

 

「くっ……コイツ、カバトンとかキメラングみたいな卑怯な手を使わないのに強すぎる。しかも、戦う姿はまるで日本の侍ね……さしずめ、サムライソードマンって所かしら」

 

「サムライソードマン?」

 

シャドーは聞き慣れない言葉に僅かに困惑するが、それでも隙を見せるにまでは至らない。

 

「サムライソードマンが他にどんな力を持ってるかはわからないけど、恐らくあの刀を無効化すれば勝てるわ……。その後はランボーグからひかるを……」

 

「む……。はぁ……」

 

シャドーはツイスターの言葉を聞いて呆れ果てる。この期に及んで尚自分を眼中にすら入れてないような物言いに自分の強さを見ても未だにツイスターが状況を楽観視しているように感じてしまった。

 

「キュアツイスター……俺の知らない別世界のプリキュア。少しは俺の期待に応えてくれると思っていたのだが、こうも俺を眼中に見てないとは」

 

「何よ、ちゃんと見てるわ」

 

「そうじゃない。今お前が見ているのは俺を倒したその先だ」

 

「……それの何が悪いの?」

 

ツイスターはシャドーが会話によって足止めするつもりだと考えると苛立ったような顔になる。自分としては一刻も早くひかるを助けないとアンダーグエナジーによって体に害があるかもしれないという思いがあったからだ。

 

「ふん。敵を前にしてそういう舐めた思考をした事、後悔してもらおう」

 

「そう。だけど悪いわ。アンタなんか……」

 

その瞬間、シャドーが一気に接近すると刀を抜き放って斬りつける。ツイスターはそれを手に纏わせた風の刃でどうにか受け止めた。

 

「ッ。不意打ちなんてアンタはしないと思ったけど……」

 

「このくらい普通だろ?つあっ!」

 

その瞬間、シャドーの眼光が光るとツイスターの体に衝撃波がぶつけられる。

 

「くうっ……」

 

「遅いな」

 

ツイスターが正面を見る頃にはシャドーの姿は無く。直後に背後から声がするとツイスターの背中に刀で斬られたような鈍い痛みが走る。

 

「く……ああっ!?」

 

「言ったはずだ。舐めた思考をしたお前に後悔させると」

 

シャドーは先程ツイスターを下から切り上げる形で斬った直後。手にしていた刀の峰と刃をすかさず反転。二度目の太刀と言わんばかりに片手持ちのまま振り下ろす。

 

「そうはさせない!」

 

ツイスターは痛みを堪えながら彼女も反対を向くと刀を振り下ろそうとするシャドーと向き合う。

 

「ここ!」

 

ツイスターはシャドーの刀を振り下ろす速度とタイミングを見切って見事に白刃取りを成功させる。尚、もう一度言うがシャドーの刀はエネルギーでできた刃。そのためツイスターはエネルギーの刃に触れても大丈夫なように手を風でコーティング。これでダメージを受けないようにする。

 

「そんな物?大口叩いた割……」

 

「誰がこれで終わりとでも?」

 

その瞬間、シャドーが振り下ろした刀の刀身が縮む。つまり、刀の長さが短くなった。勿論それだけなら何も問題は無い。逆に重く無くなった分ツイスターは重さに余計に耐えられるようになるだけ。だが、ここまではシャドーにとってデメリットしか無い。むしろここからが彼にとってのメリットだ。それは……。

 

「なっ!?しまっ……」

 

「はあっ!」

 

シャドーは刀を振り下ろした左手と逆の腕。つまり右手に左手と同じくらいの長さの刀を召喚。これは前にスノー達を苦しめたシャドーのもう一つのスタイル……二刀流だった。そして、二本目の刀はすかさずガラ空きのツイスターの体を容赦無く突きで吹き飛ばす。

 

「がはああっ……」

 

ツイスターはどうにか体勢を立て直すが、既にシャドーは目の前に迫っていると二刀流による刀をクロスさせる事での斬撃がツイスターの体を切り刻んでしまう。

 

「きゃあああっ!?」

 

ツイスターはその場で崩れると両手を前に付いて跪いてしまう。シャドーはそんなツイスターを見下ろすと冷めたような視線を向けていた。

 

「並行世界のプリキュアだから少しは楽しい勝負を期待していた。だが何だこの体たらくは。お前はあの少年の事ばかりを考え、俺の事を軽く見積もっている」

 

「ッ……煩いわ。アンタこそいなかったの?守りたいって思える大切な人は!」

 

「………いないと言えば嘘になるだろうな」

 

「だったらわかるでしょ!アンタなんかに構ってる暇は無いの!私は……」

 

ツイスターがそう声を荒げた瞬間、彼女の目の前を刀が横に通り過ぎる。否、シャドーがわざとツイスターに当たらないギリギリの所で刀を振ったのだ。

 

「そうやって先ばかり見ているから俺を相手に舐めた行為を取れるんだよ。今の敵は俺だろうが。何勝手に俺を過小評価した挙げ句その俺に成す術なくやられている」

 

「私を相手にするって勝手に言い出したのはサムライソードマン、アンタでしょうが!」

 

ひかるの事を助けたいツイスターと強い相手であるツイスター相手に本気でやり合いたいシャドー。二人の意思は絶妙に噛み合わない。そのため話は平行線を進むのみだ。

 

「ならば仕方ない。……これ以上話すのが無駄だと言うのであれば望み通り終わりにしてやろう」

 

シャドーは二刀流の刀の内、右腕の一本をツイスターへと突き付けるとそのまま走り出す。

 

「ふざけないで!アンタの勝手なプライドに私やひかる達を巻き込んでるんじゃないわよ!」

 

ツイスターは気持ちも乱れているせいでシャドー相手にイマイチ集中できていなかったが、それでも彼相手に隙を見せたらやられる。そのような事を念頭に置きつつ再度シャドーとの一騎打ちを行うのだった。

 

その頃、キメラングと交戦するスノーとサンライズは彼女を護衛するドローンからのビームを避けていく。

 

「中々厄介なビームだな」

 

「うん。しかも、ドローンとドローンがちゃんと連携してるって言えば良いのかな。それぞれの隙を上手くカバーしてる」

 

つまりこの事からドローンは一対一でまともにプリキュアを相手にすれば確実に負けるとわかっているのだろう。

 

「私の作ったドローン、気に入ってくれたかな?」

 

「お前、口だけじゃなくて本当に天才なんだな。こんな奴等まで自前で作ってよ」

 

「当たり前じゃないか。そもそも私が天才じゃなかったらこんな並行世界にまで簡単には来れないって」

 

「俺達からしてみたら迷惑でしかないけどな?」

 

サンライズはそう言いつつドローンからの射撃を回避。ただ、サンライズとスノーは顔を見合わせると頷く。

 

「はあっ!」

 

その直後にスノーが氷の礫をドローンに向けて発射。同時にドローンがそれを撃墜するためにレーザービームを放とうとする。

 

「喰らえ!はあっ!」

 

しかし、そのタイミングでサンライズは自身の持つ光の力を解放して周囲に眩い光を放出。ドローンはいきなり視界を光で覆いつくされたために撃ち落とすためにロックオンしていた氷を見失ってしまう。

 

「く……。へぇ、君達こそやるね」

 

キメラングがその光が消えて閉じていた目を開くと視界に映った光景を見て感心する。そこにはドローンの銃口が全て氷の礫を受けて凍りついており、これでドローンは反撃の手段を失った事になる。

 

「やった!」

 

「まずはお前らから順番に各個撃破だ!ひろがる!サンライズ……」

 

サンライズはキメラングよりも先にいきなり攻撃手段が無くなってエラーを起こしつつあるドローンから順番に破壊するために技を使おうとする。しかし、その瞬間にキメラングが笑みを浮かべつつ呟いた。

 

「ふふっ、そうはいかないね。キメランラン♪」

 

「えっ!?」

 

スノーがキメラングの声を聞いて慌ててその方を向くといきなりキメラングが姿を消してしまう。彼女は慌ててキメラングの移動した先を探すと既にサンライズの真後ろに見失ったキメラングが立っていた。

 

「サンライズ、後ろ!」

 

「は?」

 

「あははっ、残念!」

 

キメラングからの不意打ちを受けたサンライズは背中に重い衝撃と共にダメージを負い、その痛みを感じ取る。

 

「お前……何で」

 

「別に大した事はしてないさ。ただ後ろに移動して攻撃しただけだよ?」

 

サンライズがキメラングからの攻撃を受けて彼女から距離を取りつつ困惑。そして、それはスノーも同じだった。

 

「今の移動に使ったのってカバトンが言ってる」

 

「そうそう。カバトン君も言ってるワープの呪文だね。だけど、私はカバトン君とは違って呪文を攻撃のためとしても使う。だから油断してると痛い目を見るだろうね」

 

キメラングが二人へと忠告するように告げるとサンライズは今のキメラングの攻撃を受けて思う所があったのか呟く。

 

「お前、ただの科学者だと思ったから直接戦闘に関しては弱いと思ったけど……」

 

「へぇ。今ので気がついてくれたのなら嬉しいなぁ」

 

「サンライズ、どういう事?」

 

「スノー、気をつけろ。多分コイツ、殴り合いも普通に強い」

 

「……確かに、私も一瞬見ただけだけど、キメラングの動きって格闘技のプロがやってる動きに近いかも……」

 

そう。キメラングは見た目や言動から科学者キャラと勘違いして格闘戦は弱いと思いがち。しかし、どういうわけか彼女自身も純粋な殴り合いに強い。恐らく、キメラングの研究対象にはスポーツとかであるような格闘技とかも入っているのだろう。

 

つまり、キメラングはドローンを使う事による手数だけで無く純粋な力比べにも強い。更に言えば呪文による瞬間移動を駆使した神出鬼没な戦法も得意としているためにあらゆる面で万能な性能と言える。

 

「こんなのどうすれば……」

 

「いや、どこかに隙はできるはずだ」

 

「……そっか、そうだよね。まだ始まったばかりだから!」

 

スノーはキメラングの万能さに一瞬弱気になってしまうものの、サンライズから言われてやる気を取り戻す。ただ、同時にキメラングのドローンは凍らされていた銃口をレーザーの熱で全て溶かすと完全に復活してしまう。

 

「それじゃあここからはドローンに加えて私も参加させてもらおうかな」

 

「上等だぜ。絶対勝つ」

 

「うん。私達ならできるよ」

 

ドローンが戻っただけでなく自らも参戦するというキメラング。それに対し、スノー達もやる気を見せる。こうして、彼女達は再度激突する事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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