熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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本気になれない二人 一時離脱するプリキュア

キメラングのドローンを一時的に無力化したスノー、サンライズのコンビ。それから二人がシャドーに叩きのめされてしまったツイスターを連れて撤退。それからツイスターとの話をしようとする。

 

……その前に、ここまで暫くの間放置されていたランボーグと戦うスカイとプリズムの方の話をしよう。

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグは地面を殴るとそこから蔓を生やすとそれによって攻撃を仕掛ける。

 

「「ッ!?」」

 

スカイとプリズムはどうにか跳び上がると自分達を追尾してきた蔓を足場にして駆け出す。

 

「プリズム!」

 

「ええ!」

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグがそれの撃退のために拳を引っ込める中、スカイとプリズムは息を合わせて同時に拳を繰り出す。

 

「「はぁああっ!」」

 

プリキュアとランボーグの拳がぶつかり合うと押し合う。ただ、ランボーグのパワーの方が二人を上回っているのかそのまま返り討ちにしてしまう。

 

「「うわぁああっ!?」」

 

「ラン!」

 

するとランボーグの体に黄色い稲妻が発生するとそれを一気に放出。その電撃が二人に迫るとプリズムはそれに対抗するために手を翳す。

 

「はあっ!」

 

プリズムの気弾はランボーグからの電撃を押し留めようとするが、ランボーグの電撃の方が強いせいか圧倒されてしまう。

 

「ッ、そんな……」

 

「プリズム!」

 

スカイはプリズムの攻撃が通用しないとなると彼女の身が危ないために急いでプリズムを抱えて退避する。

 

「ありがと、スカイ」

 

「ええ。でも……」

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグは拳に再度電撃を纏わせるとその力が未だに健在だと知らしめる。それを見てスカイとプリズムは悔しそうな顔を見せる。やはり二人はひかるが素体になっていると初めから知っているためになかなか踏み込んだ攻撃ができなかったようだった。

 

ランボーグ相手に二人がかりで挑んでも吹き飛ばされたのは恐らく無意識にセーブをかけてしまったのだろう。

 

「ランボーグ相手に遅れを取るなんてやっぱり悔しいです」

 

「でも、無理に強い攻撃をしたら……」

 

ひかるが洗脳を受けてしまうのはこれで二度目。もし無理な攻撃を仕掛けて彼にこれ以上負担をかければ今度こそ後遺症が残りかねない。そしてそうなればきっとツイスターも悲しんでしまう。

 

「プリズム、どうやってひかる君に負担をかけずに助けましょう」

 

「うーん……やっぱりさっきのツイスターみたいに攻撃しないとダメなのかも」

 

それはつまり先程のツイスターストライクのような回転式の攻撃でアンダーグエナジーを削り、抉るようにして外に弾き出せば良い……という事になる。ただ、残念ながらスカイやプリズムにそれをやるための都合の良い技なんて物は無い。

 

「ランボーグ!」

 

するとランボーグはいつまでお喋りしているつもりだと言わんばかりに二人へと迫ってきた。

 

「くっ、ここは任せてください!やあっ!」

 

スカイがそう言って前に出るとすかさずランボーグと拳をぶつけ合う。先程の反省を活かしてスカイは更に力を込めるが、やはりひかる相手に本気は出しにくいのか……。

 

「だあっ!せい!やあっ!」

 

「ラン!ラン!ラン!」

 

スカイとランボーグの拳がぶつかり合う中、やはり中途半端な力ではランボーグの攻撃を止める事はできても相手を押し切る……というのは不可能らしく。それから正面からの殴り合いでは突破できないと判断したランボーグが手に黄色い電撃のボールを作り出すとスカイに叩きつけようとする。

 

「しまっ……」

 

「させないよ!ヒーローガール!プリズムショット!」

 

プリズムが浄化技を使って巨大な気弾を作り出すとそれを発射。プリズムショットはそのままランボーグが放とうとした電撃ボールにぶつかると爆発。これによって電撃ボールは相殺される事になった。

 

「ラン!?」

 

「すみませんプリズム!」

 

そして爆発の際に発生した煙と衝撃波を利用して下がったスカイ、彼女はそのままプリズムの隣に立った。

 

「ううん、こういう時のカバーは私の役目だから良いよ」

 

「ただ、このままだと私達の体力が無駄に減らされますね……」

 

今はまだ互角にやり合えているが、二人にだってスタミナの限界はある。それにひかるも長時間汚染され続けるのはハッキリ言って好ましく無い。そう考えると長期戦になるほどに不利なのは確かだ。

 

「……ひかる君を何とか救出できれば……」

 

「でもどうやって!?私達の技じゃ、多分ひかる君を助けるのは厳しいよ」

 

どうにかひかるを助けるために考えを巡らせるスカイとプリズム。だが、二人には未だに有効な手段が浮かばない。その間にもランボーグはプリキュアを逃さないようにするために仕掛けてくる。

 

「ランボーグ!」

 

その時、ランボーグが手を翳すと蔓が伸びてきて二人を拘束しようとする。

 

「嘘、地面に手を置かなくてもアレ出せちゃうの!?」

 

「恐らくパワーアップした際に能力も上がったんです!」

 

ただ、その代わりと言わんばかりに手から直接蔓を出す時の太さは地面からの時よりも細めになっていた。

 

「はああっ!」

 

「ラン!?」

 

二人はそれを回避しつつ、プリズムが気弾でランボーグへと攻撃を仕掛けていく。するとランボーグはその攻撃を両腕で防御して防ぎ切るとすかさず電撃を纏う。

 

「ッ!?」

 

「ランボーグ!」

 

「はあっ!」

 

ランボーグは再度電撃を放たれたら厄介なためにその前にランボーグの顎を蹴り上げる形でダメージを与える。

 

「ラ!?……ン!」

 

だが、ランボーグは蹴りを耐え切ってしまうと両腕から再度蔓が伸びてそれが鞭のような武装となる。

 

「なっ!?」

 

「アレは……」

 

ランボーグは手にした鞭を伸ばして地面に叩きつけるとその威力でアスファルトが抉れ、衝撃波として二人を襲う。

 

「「ああああっ!?」」

 

二人は、その衝撃波で吹き飛ばされると地面に叩きつけられてしまう。ランボーグはそれから二人を捕まえようと蔓を伸ばした。

 

「うわっ!?」

 

「しまった……」

 

二人がどうにか蔓を回避しようと動いたが、その動きも虚しく捕まってしまう。しかも次の瞬間には電撃を流されると二人の体を襲った。

 

「「うわああっ!?」」

 

ランボーグの力は電撃によって強化されているようで、蔓による締め付けからの電撃を流し込まれるというコンボ攻撃に二人の体はかなりのダメージを受けてしまう。

 

「ラン……ボウ!ボウ!」

 

そのまま二人はランボーグによって投げられると壁や地面にめり込むほどにぶつけられてしまう。

 

「ううっ……」

 

「なんてパワーなの……」

 

二人はランボーグの圧倒的な力を前に押されてしまっていた。だが、そんな時にプリズムはある事に気がつく。

 

「そういえば、このランボーグ……さっきから本気で攻撃してない?」

 

「あれ……そういえばそうですね」

 

それは二人がランボーグ相手に本気で攻撃できないのと同じでランボーグもまたプリキュア相手に全力で攻撃していないのか、強力なランボーグの割にダメージが以外にも小さかった。

 

「もしかして、ひかる君……」

 

「うん、多分ひかる君の意識が心のどこかに残ってるんだよ!」

 

それがわかれば二人の心の諦めない気持ちは大きく膨れ上がる。少なくとも、ランボーグに捕まっているひかるが無事だとわかれば尚更彼を助けるためにもここで倒れるわけにはいかなくなったからだ。

 

「ひかる君が頑張ってくれているのなら……」

 

「どうにかする手は……きっとある!」

 

 

二人が叩きつけられた場所から立ち上がるとしっかりと地面を踏み締める。それを受けたランボーグは手から再度電撃波を放つと二人を攻撃。二人はそれを回避しつつランボーグを撹乱していく。

 

「ラン!?」

 

「「はあっ!」」

 

その直後、ランボーグを両サイドから挟むようにしてスカイがパンチ、プリズムがキックをそれぞれぶつける。

 

「ラン……ボォオオグ!」

 

ただ、それでもランボーグは少し怯む程度。そう大したダメージにはなっていない。

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグは再度二人をターゲットにすると腕から蔓を生やすと捕まえようとする。

 

「スカイ!」

 

「ええっ!」

 

二人はそれに捕まらないように再度逃げに入る。幾ら手加減されているとは言っても捕まれば再度電撃を受けるのは確実。そうなるとまた体力を減らされてしまう。

 

「このままじゃ埒が明かない。どうしよう」

 

「そうですね……あっ!」

 

 

二人が考えを纏めている間、逃げに徹しているとスノーがシャドー相手に攻撃を止められた事に気がつく。

 

「あれは、シャドー!」

 

「確か、ツイスターを相手していたはずですが……」

 

二人の視線がツイスターの方に向くとそこではツイスターが倒れているのが映る。

 

「「ツイスター!!」」

 

「ランボーグ!」

 

二人はツイスターを心配するが、やはり目の前のランボーグを無視して助けに行くわけにはいかない。ただ、このままだとスノーとサンライズの二人だけで強敵であるシャドーや未知数の力を持つキメラングとやり合わないといけなくなる。

 

「スカイ、どうする?」

 

「私もひかる君を助けたいのは変わりませんが……」

 

「うん、そうだよね!」

 

スカイとプリズムの意見が一致すると頷き合う。そして、スカイはプリズムへとある行動を促す。

 

「プリズム、アレを!」

 

「うん!」

 

プリズムは両手に生成した気弾を放つとランボーグはアッサリとそれを受け止める。しかし、プリズムの狙いはランボーグへの攻撃では無い。

 

「狙い通りだよ、煌めけ!」

 

「ラァアアン!?」

 

その直後、眩い光と共にランボーグが目を眩む。するとランボーグの目が潰されている間に二人のプリキュアはすかさず離脱。

 

「ラン!?ラン!?」

 

ランボーグがいきなりいなくなってしまった二人を見てキョロキョロと周囲を探す。その後、ランボーグはシャドーによってこれ以上の追跡は無用とされるのだが……ひとまずその件はさておこう。

 

同時刻、シャドーとキメラングが話をしている間にツイスターを連れて離脱したスノー、サンライズ。その中でスノーがツイスターを抱いて移動をしているとサンライズが僅かに苦しそうにする。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「サンライズ、もしかしてさっきの……」

 

「ああ、ちょっと無茶した影響が出たみたいだな……」

 

どうやら先程サンライズがフルパワー以上に熱を使ったせいか、体へのダメージが残っている様子だった。

 

「そんな……」

 

「というか、それを言うならスノーもだろ?」

 

「ふえ!?」

 

スノーがサンライズに無茶をさせた事で僅かに罪悪感を抱く。ただ、サンライズがスノーも無茶していると言われて彼女は動揺してしまう。

 

「別に私は……」

 

「左脚……まだ痛むんだろ?」

 

「ッ、あはは……バレてるよね」

 

サンライズはスノーが脚の痛みを完治しないまま戦っているせいで彼女にも少しずつ負担になっていると見抜いていた。

 

「スノーの事だから痛みを我慢しながら戦ってる事くらいわかるよ」

 

「そっか」

 

「っと、あそこに隠れるぞ」

 

それから二人はツイスターと共に移動すると近くにあった細い路地へと隠れる。

 

「ここなら大丈夫かな……」

 

「いや、多分アイツらにドローンを使われたらここもすぐに見つかるだろうな」

 

それを聞いてスノーは困惑する。先程サンライズが自らの力でドローンを全て故障させたのに何故ドローンが使えるのか疑問に感じたのだ。

 

「どうしてそう思うの?さっきサンライズが全部動きを止めたんじゃ……」

 

「そりゃあ、あの感じだと冷却装置を壊したからすぐには来ないだろうな。だけど、ドローンって多分あのキメラングが作った物だ。故障を全部直せなくても戦えなくなった時にある程度補修できるだけの機材は持ってるはずだ」

 

「そっか、キメラングはドローンの事を全部知ってるから」

 

スノーがサンライズの話に納得した顔になる。実際サンライズのこの予想は当たっていた。キメラングは今現在、可能な分だけドローンを修復中。そしてそれが終わればドローンも動き出してしまう。

 

「ドローンは小回りが効く分、この前の電車ランボーグよりも見つけるまでの時間も速いはず」

 

「ひとまず私達であの二人に勝つ方法を……」

 

二人がどうするべきか考えようとしたその時、離れていたスカイとプリズムがスノー達の近くに降り立つ。

 

「お二人共、大丈夫ですか?」

 

「ああ、二人揃ってちょっと懸念要素は残ってるけどまだ平気だよ」

 

「ツイスターの方は?」

 

「大丈夫……だとは思う。けど……」

 

四人がツイスターの方を向くと彼女はどうにか痛む体を動かして立ちあがろうとしていた。

 

「く……ううっ……」

 

「無茶したらダメだよ、ツイスター」

 

「わかってるわ……でも……このままじゃひかるが……」

 

それを聞いて四人は今のツイスターはひかるのためだったら無茶でも何でもやりかねないと判断。そのため一旦止めようとする。

 

「待って、多分このまま同じように仕掛けても勝てない」

 

「ですから私達で足並みを揃えて……」

 

「……そんなの、そんなの無理よ!」

 

ツイスターは焦ったように声を上げる。それを聞いてスノーは落ち着いたまま問いかけた。

 

「……それはどうして?」

 

「シャドーは強い……シャドーだけじゃ無い。キメラングも……」

 

「そうだな。あの二人は侮って勝てる程甘くは無い」

 

「……勝つには連携しないとダメな事くらい私にもわかる。だけど、だけどそれは……」

 

ツイスターの脳裏に浮かぶのは自分の世界にいるスカイとプリズム。そして、その二人はツイスターの目の前にいない。

 

「もしかして、私達がツイスターの知ってる私達じゃ無い事を気にしてたりするの?」

 

「ッ……」

 

ツイスターは口をつぐむ。それを見て四人はその答えが彼女にとっての図星だと察した。

 

「……そうよ……。そして、多分私は信頼できる私の世界のソラやましろと組まないと……シャドーにもキメラングにも……きっと勝てない」

 

ツイスターは悔しそうな声色をしつつ先程シャドー相手に負けてしまった記憶を思い起こす事になる。




また次回もお楽しみに。
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