熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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太陽と風の連携 シャドーの欠点

プリズムとキメラングの戦いが進む中でサンライズ、ツイスターが相手するシャドーとの戦闘へと移行する。

 

「「だだだだっ!」」

 

サンライズとツイスターが二人同時に攻撃を仕掛ける中でシャドーは手にした二本の刀で対応していく。

 

「ようやく少しは楽しくなってきたな。プリキュア!」

 

「アンタ二対一なのによく近距離で振りづらい刀で対応するわね!」

 

「残念だけどコイツにそういう常識求めても無意味なんだよ!」

 

ツイスターとしては流石に二人がかりなら刀相手に勝てると思っていたが、シャドーを常識で語ってはいけないのか……。割と余裕な顔つきで対応されてしまっている。

 

「お前達こそ、連携力で見たらどうしてもサンライズ、スノーと比べると数段落ちるな」

 

「ッ……」

 

「そんな事言っても仕方ないだろ!急造コンビなんだからさ!」

 

サンライズが至近距離から炎の拳を放つとシャドーはそれを刀で受け止める形で防ぐ。

 

「おらっ!」

 

ただ、サンライズは攻撃を止められた後も力で無理矢理押し込むとシャドーを下がらせる形で押し戻した。

 

「ツイスター、気にしたらダメだからな?俺達は俺達にしかできないやり方でやれば良い」

 

「ええ」

 

サンライズは二人の特徴を考える。するとサンライズは何かを思いついた。

 

「そうだ、ツイスター。ツイスターって風が使えるんだろ?」

 

「え?まぁそうだけど」

 

「だったら……」

 

サンライズがツイスターにある事を話すと彼女も了承したように頷く。それからまずはツイスターが走り出すと一人で飛び出す。

 

「お前一人でどうにかなるとでも?」

 

「ええ。どうにかしてみせるわ!」

 

「ふっ……。なるほど、それは楽しみだ!」

 

シャドーはツイスターの顔つきから彼女がただ闇雲に来たわけじゃないと予想。加えて先程までのようなひかるに意識を取られてるわけでも無い事もわかったのでシャドーとしては先程よりは楽しい戦いができると期待する。

 

「たあっ!」

 

ツイスターがまずは拳を繰り出すとシャドーはそれを刀で上手く防いでいく。勿論先程二人がかりでもシャドー相手に有効打を与えられなかった事からそう簡単に突破するのは厳しいというのは彼女もわかっている。

 

「む……」

 

するとシャドーは何かに気がついた。ツイスターの速度が先程よりも速くなっているのだ。そのため、シャドーは二刀流でも少しずつ対応が間に合わなくなっていく。

 

「(少しずつ攻撃が速くなってる……まさか、風を使って攻撃速度を上げてきたか)」

 

ツイスターの使う能力は風。つまり、風による肉体強化を行えば普段以上にスピードを出せる……そう考えたシャドー。ただ、ツイスターは攻撃に風を使っているようにな見えなかった。

 

「(いや、風を使ってるならもっと速い。これは……体の硬さが落ちてるのか?)」

 

「他事考えるなんてサムライソードマンも他人の事言えないわね!」

 

その瞬間、ツイスターが下から上にアッパーカットを繰り出すとそのタイミングでツイスターが拳と同時に風を生成。彼を上方向に吹き飛ばす。

 

「な!?がっ……」

 

シャドーはいきなり下からの風によって脚が地面から浮いてしまう。しかもその風は竜巻のようなエネルギーを作ると少しずつ彼の体を上に上に押し上げていく。

 

「この程度!ふん!」

 

シャドーが刀で竜巻を切り裂くと消失させる。だがその時点で既にサンライズがシャドーの真上に来ていた。

 

「なっ!?」

 

「おおらっ!」

 

サンライズがシャドーの不意を突いて上から一気に叩き落とす。彼が地面に激突すると顔を歪めた。

 

「チッ……貴様……」

 

「まだよ!」

 

シャドーがどうにか地面へと着地すると視線が上を向いている間にツイスターが走り込んで接近。

 

「はああっ!」

 

ツイスターが加速の勢いを利用すると跳び上がってのキックを放つ。シャドーはまたもやこれを刀で受け止める。

 

「くっ……」

 

その際にシャドーは刀を二本から一本に戻していた。これは両腕で一本の刀を支えた方が防御力が高いからだろう。刀というのは一本持つだけでもそれなりの重量が腕にかかる。

 

二刀流の時は一刀流よりも長さが短いとはいえその分刀を片手で扱わないといけない。そのため両手で一本を支えるよりは防御時の安定感が落ちてしまう。

 

「良し、守りに入ったわね!はあっ!」

 

ツイスターは更に脚に力を込めると蹴りを入れた脚先から再度竜巻を発生させてシャドーを吹き飛ばす。

 

「ぐあっ!?」

 

「サンライズ!」

 

シャドーがバランスを崩した所でサンライズが走ってくると彼が腕に炎を纏わせた拳を叩きつける。

 

「ぐうっ……」

 

とうとうシャドーは刀では無く腕でサンライズからの拳を防御せざるを得ず。その結果彼は顔を歪める。

 

「だだだっ!」

 

更にサンライズはこれを好機と捉えると続けて連続での拳をぶつけようとした。しかしこれは流石にシャドーの対応力が早いのか……。

 

「あまり好き勝手できると思うな!」

 

シャドーは刀を敢えて捨てるとサンライズからの拳を防御してから最後の一発を正面から受け止める。

 

「ッ……あなた、武器無しでも普通に戦えるわけ!?」

 

サンライズからの拳を受け止めたシャドーを見てツイスターは動揺。彼女から見た場合、シャドー=刀使いというイメージなので刀を使わない戦闘を知らなかった。そのため刀無しでも普通に対応してきた事に困惑する。

 

「当然だろう?武器無しになった瞬間に戦えないのは情けなさ過ぎるからな」

 

「けど、その状態じゃ本領は発揮できないだろ!」

 

だが、刀を使った上で100%の戦闘力なら刀を失っている今なら多少は能力が落ちていると考えたサンライズ。そして、その瞬間を狙ったかのようにいつの間にか背後にまで回り込んでいたツイスターがシャドーを前にいるサンライズと共に挟もうとする。

 

「無駄だ!」

 

だがシャドーにとってはこれも想定済みなのか。左脚の踵から紫の刃のような物を展開。流石にリーチは通常の刀や二刀流の刀よりも短い……が、その左脚を後ろに伸ばしながら振り上げると同時に前のめりになってサンライズへと体重を預けるような姿勢となる。

 

「な!?くっ……」

 

サンライズはシャドーに拳を受け止められたまま体重を預けられたために反撃する事ができず。しかも後ろから迫るツイスターも下から刃付きの脚が迫るのを見て咄嗟にスライディングしつつ回避。これのせいでシャドーを前後から挟めなくなってしまう。

 

「対応力高いわね……まるで経験値が違う感じ……」

 

「まだこんな物と思うな。ふん!」

 

するとシャドーは後ろに伸ばしていた脚が最大まで開脚した直後。今度はそれを一気に前に向かって振る。それはまるでサッカーボールを思い切り前に蹴り込むような速度でだ。同時にシャドーはサンライズに預けていた重心を元に戻しつつ自分の方に引っ張った。

 

「えっ!?」

 

「ッ!サンライズ!」

 

このままでは前に引っ張られたサンライズにシャドーからの渾身の蹴りが当たってしまう。そしてツイスターがその危機的状況に気がつくとすかさず首に巻いていたマフラーを手に取るとそれを一気に伸ばす。

 

「ヤバっ……」

 

サンライズはシャドーの手に完全に引っかかったためにダメージを覚悟しているといきなりその体にマフラーが巻き付く。彼がそれを見て困惑している間に一気に後ろへと引っ張られた。

 

「うわっ!?」

 

「むっ……」

 

サンライズが後ろに引き戻されると同時にシャドーからの蹴り上げがサンライズの目の前を通過。そのためシャドーは攻撃を回避された事に困惑する。今のタイミングなら確実に当たったと思ったために尚更だ。

 

「っと、大丈夫?サンライズ」

 

「ああ。サンキュー」

 

「別に……サンライズがやられたら私が困るだけで……」

 

「素直じゃ無いなぁ……」

 

ツイスターからのフォローでどうにか窮地を脱したサンライズ。ただ、同時にシャドーが再度刀を手にする隙を与えてしまった。

 

「折角刀を手放させたと思ったんだけどなぁ」

 

「仕方ないわよ。アレはどう見てもアイツの方が上手だっただけだし。むしろよく粘ったわ。……それに、今のでわかったでしょ?」

 

ツイスターの言葉にサンライズは頷く。どうやら二人はこの一連の行動で何かを見たかったらしい。そして、それが見れたために二人は目的を達成したようにも見えた。

 

「それじゃあ行くわよ!」

 

ツイスターが手を翳すとそこから竜巻を射出。ただ、先ほどと同じように吹き飛ばす目的なら通用しないと言わんばかりにシャドーは構えた。

 

「愚かだな。同じ手ばかり使うとは」

 

サンライズとツイスターが何かに気がついたようにシャドーもまた、この二人のコンビの際のバトルスタイルが何となく理解し出す。

 

「(この二人の内、崩しはツイスター。メインの攻撃をサンライズが担っている。ツイスターは見た所発想で戦うのが上手いのに加えて風を使えば相手を崩す役に向いている。対してサンライズはここまでのやり合いで単純な力比べには滅法強そうだからメインの攻撃役と)」

 

つまり、連携力が低い分をツイスターの発想と二人が同時攻撃では無くあくまで独立した攻め方にする事で補っていると言える。

 

「役割がわかった以上対処も容易い。お前達の攻撃はもう……」

 

「はあっ!」

 

そんな時だった。ツイスターが風の刃を飛ばすとシャドーはそれを見切って全て刀で斬り捨てる。直後にサンライズが、突っ込んでくると前衛として攻撃を仕掛けてきた。

 

「はぁああっ!」

 

シャドーはこれを見て僅かに困惑。先程までと動き方を変えてきたのかサンライズが何の小細工も無く攻めてきたのである。

 

「どういう事だ……真っ向から攻撃だと?」

 

シャドーはサンライズの技量は分かりきっている。成長したとはいえまだ力に頼った大雑把な攻撃では自分に勝てないという事も。

 

「キュアサンライズ。貴様、血迷ったか!?」

 

「血迷った?確かにそう思うかもな。ただ、悪いけど俺はこれでも大マジメだ!」

 

サンライズがそう言って炎を纏った拳を大振りする。シャドーはその動きに僅かに呆れた。

 

「マジメでそれだと?そんな攻撃、防ぐまでも無い」

 

しかし、シャドーはこの時ミスを犯した。それは先程キメラングに指摘したプリキュアを侮っての油断をやってしまった事だ。シャドーは油断した状態のまま攻撃を回避。

 

「ふん……甘過ぎる!」

 

「へぇ、どっちが甘いのかな!」

 

するとサンライズが笑みを浮かべると同時に油断した影響が悪い方で出てしまったかのように攻撃は空を切った後にそのまま地面にぶつかるとシャドーの足元から火柱が噴き出す。

 

「な!?ぐああっ!?」

 

シャドーは思わぬ下からの不意打ちに真上に打ち上げられてしまうとそこを狙っていたと言わんばかりにツイスターが飛び出す。

 

「はああっ!」

 

そして、ツイスターがシャドーが吹き飛ばされる先に回り込む形で飛び込む。

 

「ッ……まさか、役割を入れ替えたのか」

 

「そうよ。そして……あなたは後手に回った時に対応が鈍いわ!」

 

そう。戦闘能力が高く、一見隙が見えないシャドーだが彼にも明確な弱点は存在する。それが、彼にとって完全な想定外の手を打った時の反応がどうしても遅くなるという事だ。

 

思えば前の電車ランボーグが出た際もスノー、サンライズがコンビを組んで戦った際もシャドーにとって想定外の動きをした際に彼は多少対応が遅れている節があった。

 

その時は元々残っていた余裕があったためにすぐに立て直したものの、最後に使ったエレメントスクリューに至っては防げないと見るやすぐに撤退を決める程には追い込まれていた。今回対応できなかったのもその時と同じくシャドーにとっての完全な想定外が起きたからである。

 

「はぁあああっ!」

 

ツイスターがシャドーの目の前に来て両腕を翳すとそこから風が噴き出す。その際、普段よりも凄まじく大きな竜巻が発生するとそれがシャドーを襲った。

 

「えっ……!?」

 

「な、何!?」

 

技を使ったツイスターさえも驚く程に威力の出た竜巻は容赦無くシャドーを巻き込んで吹き抜けていく。その際にツイスターの手元には薄いエネルギーのような物だったが、何かのバトンのような物体が浮かんでいた。

 

「がぁああっ!?」

 

シャドーが近くの建物に激突するとツイスターが降り立つ。そこにサンライズが寄ると話しかけた。

 

「ツイスター、今のって……」

 

「ええ、私にもわからないけど何かが起きたのよ」

 

サンライズの問いにツイスターも今の威力をどうして出せたのか……訳がわからないようなそんな雰囲気を見せていた。

 

「……一応確認だけど今ので倒せたか?」

 

「いえ、多分無理ね。しっかり耐えられてるわ」

 

そして改めてサンライズが倒せたかの確認を取るものの、ツイスターは倒せていないと断定。それを裏付けるように煙の中に動く影が見えた。

 

「だろうな……アイツまだ本気出してないし」

 

「そうね。私もアイツが本気を出して無いってわかったし、これで負けるなら間抜け過ぎるもの」

 

このまま継続しても良いのだが今回は意表を突けたものの、流石に何度も同じようにやられてくれるなんてあり得ない。ひかるを助ける件もあるためにツイスターはサンライズへと目線を向ける。

 

「……サンライズ」

 

「わかった。攻略のヒントは何となく理解できたし、そろそろだな」

 

二人がある確認を済ませるとツイスターはさっさと走り出して戦線から離脱。その場にはサンライズだけが残った。

 

「……お前達、少しは楽しませてくれて嬉しいぞ……む?キュアツイスターはどこに行った?」

 

「ツイスターはこの後役目があるからここまでだ。折角楽しくなってきた所なのに悪かったな」

 

「……なるほど、だが今のお前なら少なくとも前のような無様は戦闘はしないとわかる。ならば問題は無い」

 

シャドーの言い回しからするとサンライズが成長している事をちゃんとわかっている様子だった。そのため彼も少し安心する。

 

「良かった。俺はお前が一騎打ちでやり合っても良いと思えるくらいに強くなったって事だろ?じゃあやろうぜ。本番までの繋ぎくらいにはなるからな」

 

「本番……」

 

シャドーはサンライズの思わせぶりな言い方が少しだけ気になるが、ひとまずは目の前の彼との戦いを楽しむ事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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