熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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進行するプリキュアの作戦 ツイスターの懸念点

ツイスターがサンライズやシャドーの戦いから離脱した頃。プリズムは段々と動きが読まれ始めていた。

 

「はああっ!」

 

「だから、そんなのじゃ当たらないって」

 

プリズムからの気弾攻撃キメラング相手に完全に見切られているのか撃っても撃っても回避されてしまっている。

 

「どうして!?さっきまでは……」

 

「ああ、それね。いや〜まさか並行世界の君と私の世界の君で多少違いがあってもまるで同じような攻撃の軌道だもの」

 

それを聞いてプリズムは考える。キメラングの話ぶりからすると彼女が元いた世界にもキュアプリズムはいるようだった。そして、自分も同じキュアプリズム。世界線が違っても同じキュアプリズムであれば似たような動きをしてもおかしくは無い。

 

「とは言っても誤差修正するの早過ぎない!?」

 

「そんな事言われてもね〜。まぁ二人の思考が似てるから会えれば仲良くなれるんじゃない?」

 

「会ったら余計に混乱しちゃうよ!!」

 

プリズムがいつも通りツッコミをこなすとキメラングは弾幕の間を抜けて接近。プリズムの前に来ると右脚での回し蹴りを放つ。

 

「それっ!」

 

プリズムはそれをどうにか回避するとすかさず拳で反撃しようと前に出る。しかし、キメラングは笑みを浮かべた。

 

「おっと、それはフェイントだよ!」

 

その瞬間、キメラングはプリズムの場所を通り越した回し蹴りのキックを後ろに戻す形で不意打ち気味な攻撃を当てる。

 

「うわあっ!?」

 

プリズムがそんな攻撃に思わず驚き、喰らってしまうとすかさずそこにドローンからのレーザーが命中して爆発。その際の煙がキメラングを隠した。

 

「ッ、確かさっきまでのキメラングがいたのは……そこ!」

 

プリズムは爆発の直前にキメラングがいた場所に向かって気弾を放つと対応しようとする。だが、当然キメラングもそれがわかっているので攻撃はしっかりと回避。そのまま煙に紛れると先程までプリズムの右手側にいたのにも関わらず、左手側から出現。

 

「私がいつまでも同じ場所にいると思ったら大間違い!」

 

「ッ!?しまっ……うわあっ!?」

 

プリズムはまたキメラングに意表を突かれると殴られてしまう。最初こそ互角だったキメラングとの戦いはプリズムの動きが予想されるようになってからはワンサイドゲームになりつつあった。

 

「少しは期待通り頑張ってほしいんだけどねぇ。まぁ行動予想できるようになったのは少し反則だったかな?」

 

「それについては少しどころじゃ無いと思うけど……」

 

プリズムは何とか立ち上がるものの、今の現状ではキメラング相手に持ち堪える事すらできない。一応このキメラングとの対面に関しては足止めが目的となっている。

 

「(だから別に何かやらないといけないわけじゃ無いんだけど……)」

 

ただ、これではその最低限の足止めさえも保たない。せめてキメラングを崩すための方法を思いつかないといけないのだから。

 

「さてと。そろそろ新しいデータを取れ無さそうな感じだし、ダラダラと無意味な事を繰り返すのも時間の無駄だから終わりにしてあげよっかな〜」

 

「(……こうなったらもう別の戦い方をするしか無いのかな……)」

 

プリズムは上手くいかないとわかりつつも、普段と戦い方を変える手を使おうかと考えたそんな時。

 

「たぁああっ!」

 

「む!?」

 

そこに風の塊のような物が飛んでくるとキメラングはそれを思わず防御。少しだけ押し戻される。

 

「へぇ、君はシャドーと戦ってたはずなのによく来たね」

 

「プリズム、大丈夫?」

 

そこに降り立ったのは先程までサンライズと組んでシャドーと戦っていたツイスターだった。彼女はプリズムへと手を差し出すとプリズムがその手を取る。

 

「ありがとう、ツイスター」

 

「ふーん、その感じだとシャドーの相手をサンライズ辺りに押し付けてきたって事かい?」

 

「別に……押し付けじゃなくて決まってた事よ」

 

キメラングはツイスターがそう言った時にプリズムが何も言わない所を見るとそれは本当の事なのだと察する。

 

「へぇ、確かにそのようだねぇ」

 

「悪いけどアンタの相手は私よ」

 

「おや?キュアプリズムとの二人じゃないのかい?」

 

ツイスターが一人でやると言い出した事にキメラングは目を細めて指摘。実際、プリズム一人では圧倒的に負けていた現状。それがツイスターに変わったとしても所詮は時間稼ぎに過ぎない。最終的には先程のプリズムと同じ状態に落ち着くのがオチだろう。

 

「確かにアンタを一人で相手するのは厳しいと思うわ。だけど、これはその事も覚悟した上での選択よ」

 

「そうかいそうかい。……だけど、そうと知った私が君達に何もしないとか思ってないよね?」

 

キメラングがそう言った直後、先制攻撃とばかりに二機のドローンからレーザー光線を発射。ツイスターはそれを手から発生させた小さめな竜巻を撃ち込む事で相殺する。

 

「っと、流石に対処早いなぁ」

 

「当たり前でしょ。……私の事を助けてくれた……その……お……お……」

 

ツイスターは“恩人”という言葉を言いたかったのだが恥ずかしさがあって中々言えなかった。そしてプリズムはツイスターへと何が言いたいのか気になってしまい、問いかける。

 

「ツイスター、何か言いたくて詰まってるみたいだけど何が言いたいの?」

 

「ッ、な、何でも無いわ!兎に角、プリズムは最初に決めた通りに行って!」

 

「うん!任せて!」

 

プリズムはツイスターと入れ替わる形でその場から移動。その場をツイスターに任せる事になる。

 

「あーあ、行っちゃった……」

 

「その割には随分と楽に見逃したわね?」

 

そしてプリズムが行ってしまったのを見たキメラングは僅かに残念そうな声を上げるものの、そこまで深刻そうには見えなかった。それをツイスターが指摘すると彼女は改めて笑みを浮かべる。

 

「そんなの当たり前じゃないか。だって私の目的は元々君だし。最悪モルモット君を救い出されたとしてもモルモットはモルモット。そこまで大した痛手にはならないさ。君との等価交換になるならの話だけどね」

 

「その感じだとやっぱり私を諦めるつもりは無いわけ」

 

「当然だよ。君をラボに連れて帰れば最初の目的は達成するからね。モルモット君はあくまでついでだし」

 

ツイスターは自分を連れて帰るための手段としてひかるを利用している事に怒りが湧いてくる。だが、それをキメラングの前で露わにすればそこを突かれてしまうのも明白だ。だからツイスターは怒りを表に出すのを堪える。

 

「それじゃあツイスター、君を捕まえるとしようか」

 

キメラングが指を鳴らすと早速ドローンがレーザー光線を射出。ツイスターはそれを見切って回避していった。

 

「どうしたの?そんな攻撃じゃ、前みたいな怖さは全然感じないわよ!」

 

ツイスターは余裕そうな表情で攻撃を回避し続ける。これはやはり、ドローンの手数が減った事でツイスターに対する射撃の圧が足りて無いのだろう。

 

「まぁそう慌てない。今度は私も参加するからさ!」

 

キメラングが踏み込むとツイスターへと向かってくる。彼女はキメラングが実際に戦闘もできる事はスノーやサンライズからも聞いてこそいたものの、その強さについては未だに懐疑的な所があった。しかし……」

 

「ッ、アンタ思ったより強いわね!?」

 

「当たり前じゃないか。そもそもある程度はドローンに任せてたとはいえ、スノーとサンライズの二人を同時に相手してたんだよ?そんな私が弱いなんて的外れも良い所さ」

 

キメラングはそう言いつつツイスター相手に肉弾戦で優位に立つ。これは単純な能力的にキメラングの方が上回っているというのはある。

 

ただ、それに加えて今のツイスターは体力が無くベストコンディションには遠く及ばない。

 

「はぁ……はぁ……うっ」

 

ツイスターはかなり消耗しているのか苦しそうな顔を見せる。やはり休んだとはいえ、先程一人で先走った時の蓄積ダメージとは相殺どころかマイナスらしい。

 

「おやおや、苦しそうじゃないか。敵に言うことじゃ無いけどあんまり無茶しない方がお勧めだよ?君はこれから私の実験台として沢山体に負荷がかかる役割を担ってもらうんだからさ」

 

「それって要するに、実験の負担で私が壊れたら困るって言いたいんでしょ……そんなのお断りよ」

 

ツイスターが息切れしながらもキメラング相手に抵抗の意思はしっかりと見せる。

 

「あくまで抵抗する……かぁ。なら仕方ない。チャチャっと終わりにしてあげよっか」

 

キメラングはドローンと自らでツイスター相手に三対一の状況を作ると早速攻撃を仕掛ける事になるのだった。

 

その頃、ランボーグと戦うスノー、スカイのコンビはランボーグからの電撃攻撃や植物の蔓による広範囲攻撃の影響で少しずつ追い詰められてしまっていた。

 

「私達に飛び道具が無いのが本当に辛いですねこれ……」

 

「一応私には礫があるけど……」

 

スノーの使う氷の礫。アレではこのランボーグを相手にするにはまるで威力が足りない。それ程までにランボーグ側の飛び道具が強力なのだと言える。

 

「……スカイ、私が囮になるからその間にランボーグに攻撃して。多分私の持ってる技の方が気を引くのが簡単だから」

 

「待ってください。流石にそれはちょっと……」

 

ここは少しでも状況を好転させるべきだとスノーが囮役を買って出た。しかし、スカイはそれには反対派の意見を見せる。

 

「どうして……」

 

「今スノーは左脚を怪我してるんですよね?そんな状況で脚を酷使する囮役だなんて……」

 

それを聞いてスノーは僅かに目線を左脚にやった。確かにスノーだって脚の痛みが無いかと言えば嘘になる。ただ、それでも今は自分がやるべき事をやらないといけないという気持ちだった。

 

「うん。脚は確かに不安だよ。だけど、このくらい大丈夫。それに、今は皆が苦しい時だから。少しくらい痛いのを我慢しながらでも戦いたい」

 

スノーの決意の硬さにスカイは少し迷う。できるなら彼女の意思は尊重したい。ただ、もし脚を痛めているのが原因で途中でダウンして動けなくなるよりはリスクは低い方が良いのではないのかと思っているのだ。そして、その迷いが判断をほんの少しだけ遅くしてしまう。

 

「ラン……ボーグ!」

 

その瞬間、ランボーグが蔓を地面ではなく腕から生やすと二人を捕えようと迫っていく。二人は話していたせいで反応が遅れてしまっていた。

 

「「しまっ……」」

 

「させないよ!」

 

すると蔓に気弾が命中。二人がその方を向くとそこにはツイスターとバトンタッチしてきたプリズムが戻ってきていた。

 

「二人共お待たせ!」

 

「「プリズム!」」

 

そして、彼女がこちらに来たという事でプリキュア達の作戦が次の段階に移行した事を示す事になる。

 

「プリズム、このまま私達で……」

 

「……ちょっと待って」

 

スカイは目的のメンバーが揃ったという事でひかる救出作戦を次に進めようとした。ただ、プリズムは僅かに迷ったような声色で待ったをかける。

 

「……ツイスター、多分だけどかなり無茶してる気がする」

 

「「えっ……」」

 

プリズムは先程ツイスターを見た際に彼女が体力的な面で無茶をしていると見抜いていた。勿論確証は無いし、本人はそんな素振りすら見せていない。……だからこそプリズムは何となくの勘頼みではあるが、ツイスターの窮地を悟った。

 

「多分、並行世界の私が見ても同じ事を思ったって言い切れる。だから……ツイスターを一人にしちゃうのは……」

 

「……だったら私が行く」

 

そんな時に声を上げたのはスノーである。するとスカイは真っ先に反対した。

 

「ちょっ、ちょっと待ってください。幾らツイスターが危険だからってスノーもさっき左脚の事を……」

 

「うん。そうなんだけどさ……。この後の役割的に交代できそうなのが私だけでしょ?それに、向こうにはシャドーと戦ってるサンライズがいる。最悪一対一が危険でも二対二にしてお互いにカバーできる状態にしたら耐えられる。だからお願い」

 

スノーの言ってる事は正直詭弁である。仮にサンライズ、シャドーを入れた上での二対二になっても勝てる見込みはあまり無い。ただ、それはあくまでいつまでも状況が変わらなければの話。そして、それなら自分達が素早くひかるを助け出せば良いという事でもある。

 

「……わかりました。スノー、お願いします」

 

「うん。プリズムも良い?」

 

「わかったよ。だけどどうしても危険だったら私達のいる方向に逃げてきても良いからね」

 

スノーはそんな事態にはしたく無いと思いつつも頷く事はした。あくまでそれは最後の手段としての話であったからだろう。

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグが再度スカイ達に向かっていくとスノーは素早くツイスターをこちらの方に逃がすために移動を開始する。

 

「プリズム、第二ラウンド行きますよ」

 

「任せて!」

 

プリズムが手を翳すと気弾を放出。ランボーグが展開した蔓や電撃を牽制、阻害するためにばら撒く形で放ったそれらはランボーグからの攻撃を止めていく。

 

「はぁあっ!ヒーローガール!スカイパンチ!」

 

そして、ランボーグが怯んだ一瞬のチャンスを逃さずにスカイがスカイパンチを撃ち込むとランボーグはそれを正面から喰らう。

 

「ラン……ボォオ……グ!」

 

「うわっ!?」

 

しかし、単独ではやはりパワー不足が明白なのか……ランボーグを浄化するまでには至らない。

 

「やはり単体ではダメですか」

 

「そうだね。そうなると、スノーがツイスターを上手くこっちに来させられるかだと思う。

 

「信じましょう。スノーの事を」

 

スカイとプリズムは予定変更してツイスターがこちらに向かってくるまでの間、少しだけ守りに徹する事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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