熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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タイミングの悪いシャドー 硬いランボーグ

カバトンの絡み方に呆れ果ててしまったユキ達。カバトンがパフェを食べている間にその場からいなくなる事にしようとした。しかし、タイミングの悪い事にシャドーが来てしまう。

 

「シャドー、何でこんな所に……」

 

「そりゃあ、カバトンが一人でプリキュアに挑むって言っていなくなったらな。それを探していたらお前らを見つけたわけだ」

 

「えぇ……」

 

「あなたはどれだけ戦いが好きなんですか……」

 

こういう時のシャドーの性格も面倒な物である。折角カバトンの前からいなくなるチャンスだったのに彼が関与してきたせいでそれができなくなってしまった。

 

「そういや、カバトンの奴はどうした?お前らがここにいるのならカバトンもここにいるはずだが」

 

「え、えっと……隣にいるよ?」

 

シャドーがそう言われて振り向くとそのタイミングでカバトンは頬張っていた巨大パフェを食べ終わる。

 

「ご馳走様!美味かったのねん!」

 

「おい、さっき頼んでたパフェここで食ってたのかよ。せめて来る前に食べろアホ」

 

「はぁ?何でお前にそんな事を言われるのねん!」

 

「それと、その汚い食べ方はどうにかならなかったのか?」

 

「煩いのねん!どう食べようが俺様の勝手だろ!」

 

シャドーはカバトンの言い訳に呆れ果てているとカバトンは目の前にプリキュアがいる現状を思い出して改めて向き合う。

 

「っと、待たせたな。そろそろ行くのねん!カモン!アンダーグエナジー!」

 

カバトンがようやく長くてしょうもない前置きを終えると手を地面に置いていつものようにアンダーグエナジーを呼び出す。

 

これにより呼び出されたアンダーグエナジーが先程までカバトンが被っていたヘルメットへと吸い込まれていくとその姿をランボーグへと変化させる。

 

「ランボーグ!」

 

「ああもう!結局こうなるオチかよ!」

 

「でもランボーグを出された以上は……」

 

「やるしか無さそうだね」

 

「行きますよ!」

 

「「「うん!」」」

 

ソラの言葉と共に四人はミラージュペンを構え、その姿を光に包むとプリキュアへと変身。

 

「「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!」」」」

 

四人がそこまで言った所で今回のメインはスカイという事なのか、彼女の一人だけのシーンとなり掛け声を言う。

 

「ひろがるチェンジ!スカイ!」

 

それからプリキュア達は変身。そしてラストの分割シーンは四人で画面を四分割し、それぞれの真ん中部分に当たる顔のシーンだけが映される事に。その後、最初に名乗りをやるスカイの画面になる。

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「静かにひろがる白い雪景色!キュアスノー!」

 

「夜明けにひろがる眩い朝日!キュアサンライズ!」

 

「「「「レディ……ゴー!」」」」

 

四人が変身完了すると草原を踏み締めてから跳び上がった。そして、それは無限に広がる世界へと飛び出すようである。

 

「「「「ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

その後、四人は着地してチーム名を名乗る事に。そしてそれを見届けたカバトンも負けじと早速ランボーグへと指示を出していく。

 

「ぐぬぬ、プリキュアが最初から四人……こうなったら纏めて片付けてしまえ、ランボーグ!」

 

「来るよ!」

 

カバトンとしては最初からプリキュアが全員揃った状態で相手にするのは今回が初である。そのため、ランボーグに先制攻撃を指示。しかし、ランボーグが動くより早く動いた者がいた。

 

「はあっ!」

 

「「ッ!?」」

 

それは両手に二刀流の刀を構えたシャドーである。彼はランボーグが動くよりも先に飛び出すとスノーとサンライズの二人へと刀を振い、二人はそれを咄嗟に防御して防いだ。

 

「なっ!?」

 

「スノー、サンライズ!!」

 

「ちょっ、シャドーお前!?」

 

「悪いな、この二人は俺の相手として貰っていくぞ」

 

そう言ってシャドーは余計な邪魔が入らないようにするためにサンライズとスノーを巻き込んだまま押し出していく。これにより、狙われた二人はスカイやプリズムの元から離れてしまう。それを見たスカイは心配するように声を上げた。

 

「スノー、サンライズ!」

 

「俺達は大丈夫だ!」

 

「そっちに集中して!」

 

こうして、カバトンの使役するランボーグと対決するスカイ、プリズム。シャドーと対決するスノー、サンライズといういつもの構図が完成した。

 

「正直プリキュアを倒す手柄を取られるのは癪だが四人よりも二人だけの方が楽なのねん。気を取り直してランボーグ、あの二人を倒すのねん!」

 

「ランボーグ!」

 

カバトンはプリキュアが二人だけになった事でランボーグ単体でも勝てると判断。早速攻撃を指示するとランボーグは上下反転。そのまま回転しながら二人へと突撃した。

 

「そんなの、当たりません!」

 

「お返しだよ!」

 

二人はランボーグの突撃をジャンプで躱すとまずはプリズムが気弾でランボーグを攻撃。

 

「はあっ!」

 

「ランボーグ!」

 

しかし、プリズムの気弾はランボーグの固いヘルメットの装甲と高速回転に阻まれたのか……攻撃が回転によって簡単に弾かれてしまう。

 

「ッ、そんな……」

 

「でしたら私が!たぁああっ!」

 

遠距離からではダメージを与えるのは厳しいと判断したスカイはすかさずランボーグへと距離を詰めての拳を放とうとする。

 

するとランボーグは高速回転をいきなり止めるとスカイの前に堂々と姿を現して両腕を広げた。

 

「ラン!」

 

「ッ!?」

 

スカイはそれに一瞬動揺するが、その後お構い無しにランボーグを全力で殴る。……しかし、その瞬間鈍い音が鳴り響くと共にワンテンポ遅れてスカイが痛みで悲鳴を上げた。

 

「ッ、痛ぁあああい!?」

 

「スカイ!?大丈夫!?」

 

「にゃーはっはっは!そのヘルメットを甘く見たらいけないのねん。何しろキュアスカイの全力パンチすら耐えられる超装甲なんだからな!」

 

カバトンが得意げに笑い声を上げると右腕を抑えるスカイと心配して駆け寄るプリズムを見下す。

 

「スカイ、平気?まだ動ける?」

 

「ええ、プリキュアとしての体の頑丈さに救われました。まだ痛いですけど、右腕が使えないわけではありません」

 

スカイは未だにランボーグを殴った際の痛みが走る中でどうにか持ち直すと構える。

 

「ランボーグ、今度はこっちの番なのねん!」

 

ランボーグは先程のお返しとばかりに二人を目掛けて黄色いエネルギー弾を飛ばしてくる。

 

「「ッ!」」

 

二人はそのエネルギー弾を跳んで回避するとすかさず走り込みつつ接近。呼吸を合わせるように頷いた。

 

「一人でダメなら……」

 

「二人でだよ!

 

「「せーのっ!」」

 

ランボーグの硬い装甲を相手に二人での同時キックをランボーグに命中させる。しかし、ランボーグはそれでも尚平気そうな声を上げた。

 

「ランボーグ!」

 

「やっぱりダメだ。あのヘルメットが硬すぎるよ!」

 

「これ以上となると浄化技くらいしか……」

 

「あははっ!手も足も出ないとはこの事なのねん!ランボーグ、もう一度回転攻撃なのねん!」

 

「ランボー……グ!」

 

そしてカバトンの指示と共にランボーグは再度逆さになりつつ高速回転。二人はまた回避したものの、ランボーグは現状自らの硬さを武器にプリキュア側の攻撃を悉く無効化している。その証拠にプリズムからの再度の遠距離攻撃もまるで通じてない。

 

「やっぱりダメだよ!これじゃあ攻撃が通らない」

 

「はあっ!」

 

今度はスカイが一人で加速した勢いを利用して蹴りを命中させるが、ランボーグの硬さと高速回転のせいで簡単に弾かれてしまう。

 

「うわあっ!?」

 

このランボーグの体の頑丈さに普通通りの攻撃をしても通じないのはここまでの戦いでよくわかっている。しかし、だからって何もしないわけにはいかない。ランボーグに対抗するための何かが必要となるだろう。

 

「どうしよう、このまま攻撃してもまたさっきみたいに……」

 

「ええ、厄介な硬さをしてますよ。あのヘルメット」

 

するとそんな時にプリズムがランボーグを観察していると何かに気がつく。

 

「……あれ?スカイ、あんな小ちゃな傷……さっきまであったっけ?」

 

「傷……本当ですね。カバトンは気がついてないみたいですけどありますよ」

 

二人の視線の先。ヘルメットをモチーフにしたランボーグの体の一部に本当に小さい物だったが、僅かにヒビが入っていた。そして、スカイはカバトンが気がついてないのを良い事に小声でプリズムに話しかける。

 

「あっ、多分あれ……私が殴った場所です」

 

「もしかして、スカイのパンチで傷ついたって事かな」

 

確かにこのランボーグは硬い。それこそ二人のプリキュアが力を合わせてもダメージすらまともに入らない程に。だが。それでも全く通用しないわけでは無いようで、見ての通りスカイの全力の拳なら表面に小さなヒビくらいだったら入れる事ができていた。

 

「だったらきっとあそこが突破の鍵だよ」

 

「はい、私達ならきっとできます!」

 

こうして二人はランボーグに見つけた小さなヒビを狙うために動き出す事になる。

 

その頃、サンライズとスノーはいつもの如くシャドーと対決。ただ、二人同時なのにシャドーはまるで余裕のまま。プリキュア達も強くなってる実感はあるが、結局シャドーにとっては自分には届かないという事実は変わらない。

 

「そんな物か」

 

「ううん、まだまだだよ!」

 

「いつまでも余裕こいていられると思うなよ。はあっ!」

 

それでも二人は怯まない。まるでシャドーに稽古をつけてもらうように全力でぶつかる。

 

「む、これは……」

 

するとシャドーの顔色が少しだけ変わる。それは二人の攻撃の連携力の向上のみならず、攻撃の際の一撃の威力が上がっていたのだ。

 

「はぁああっ!」

 

「やぁああっ!」

 

シャドーから見て右側からのサンライズのストレートパンチと左側からのスノーの跳び上がっての斜め上から振り下ろしキックを同時に防御した瞬間にシャドーは何かを感じ取る。

 

「(二人の力が前よりもどんどん増している。特にサンライズの方は戦いに慣れてきた影響で目覚ましい成長を遂げているな)」

 

シャドーは二人のプリキュアが自分の力に順応して少しずつ強くなっている事に喜びを覚えた。更に自分からはあまり戦いには行かないものの、スカイとプリズムの事も前と比べて強くなっている事を認めている。

 

「(だが、まだここで止まってもらっては困る。もっと高みに来て欲しいものだ)」

 

シャドーはそう内心で思いつつ二人を押し返す。それを受けて二人揃って着地するとまた前へと走り出した。

 

「はぁあああっ!」

 

「だだだだだっ!」

 

スノーとサンライズがまたシャドーに肉薄して激しく拳や蹴りで攻め立てるのに対し、シャドーはここまで接近されたら扱いづらいはずの短めな二刀流で受け止めている。

 

「やっぱり距離詰めても刀を平気で使える辺り強い……」

 

「だけど、俺達だって強くなってるはずだ!」

 

「ああ、お前達が腕を上げた事は凄く伝わってくる。俺としてもその方が楽しくて良い」

 

「はっ、そう言っていつまでも余裕こいてられると思うなよ!」

 

スノーとサンライズはそう言いつつも、やはりシャドーを崩すのは厳しいのかそこまで大きな隙は作れていない。そのため二人はアイコンタクトを取ると一旦二人揃って距離を取る。

 

「む?」

 

「喰らえ!」

 

サンライズがそう言いつつ両腕に炎の力を高めると炎の拳をエネルギー状の赤い拳としてシャドーへと飛ばす。

 

「ぐ……」

 

シャドーはまさかサンライズがその手を使うとは思ってなかったのか直撃こそ免れたものの、多少ダメージを受けた様子だった。そのためチャンスと見たスノーは踏み込むと氷の力を脚に集約して技を使う。

 

「ヒーローガール!スノーインパクト!」

 

「ッ、舐めるな!」

 

スノーは浄化の力を込めたボレーキックをシャドーへと繰り出すが、その一撃が彼に命中する寸前。

 

「嘘!?」

 

「危なかったが、やはりまだ力不足だな」

 

シャドーはすかさず左手に持っていた刀を解除すると右手側の方に連結するようにして再生成。これにより長い一刀流に戻るとすかさず蹴りとして繰り出した右の足首の辺りを掴んでしまう。

 

「そんな……」

 

「野郎!」

 

また、この影響で技も強制中断されるとサンライズがスノーのフォローのために走り出す。それを見てシャドーはすかさず足首を掴んだままスノーを振り回してサンライズへと投げ飛ばす。

 

「まだまだお前らにやられる程俺は甘く無い」

 

「ッ、きゃああっ!?」

 

「なっ!?ぐあっ!」

 

スノーとサンライズは纏めて吹き飛ばされるとバラバラになって地面に激突。二人揃って倒れ込んでいた。

 

「く……ううっ……」

 

「本当に反則レベルで強すぎだろ……」

 

「まずは楽な方から倒すか」

 

シャドーはいきなりそう呟くと経験が浅めなサンライズ……では無くスノーを狙ったのか一気に彼女へと接近する。

 

「ッ、私!?きゃあっ!?」

 

「スノー!?」

 

スノーはいきなりの事で対応する間もなく刀で斬りつけられると痛みに声を上げ、サンライズは慌ててフォローしようと拳を放とうとした。

 

「ふん!」

 

しかし、シャドーはそんなサンライズの拳を刀で受け流してしまうとバランスを崩した一瞬の間にスノーへと斬撃波を放つ。

 

「くっ……ああっ!?」

 

「テメェ、またスノーを!」

 

「言ったはずだ。楽な方から片付けると!」

 

スノーがまた攻撃に被弾してダメージを負う中、サンライズは自分よりもスノーを集中攻撃された影響で怒りを露わにするとシャドーへと踏み込むと先程以上に力を込めて殴る。

 

「だぁああっ!」

 

「ぐ……何だと……まだ力が上がるのか」

 

先程よりも更に強くて重い一撃を放ってきたサンライズに対し、シャドーは考えるとある思考に至った。

 

「(先程からサンライズが感情的になったタイミングで力を増しているな。もしかして……試してみるか)」

 

「何一人で考え込んでる!」

 

サンライズは一人で考え事をしているシャドーへと接近し、容赦無く腕に炎を発生させて拳を放とうとしたその時。シャドーがサンライズの攻撃を回避しつつ耳元で囁くようにある言葉を口にする。

 

「……キュアスノー、弱いくせに出しゃばって。あんな奴はここにいる資格は無い」

 

「……は?」

 

シャドーから言われたスノーへの悪口を聞いてサンライズは困惑しつつも改めてその意味を飲み込み、その上で彼女への侮辱を行ったシャドーへの怒りが一瞬で沸騰した。サンライズにとって好意を抱くくらい気に入っていたスノーを、ユキを馬鹿にされた事で彼の怒りによる力が一気に解き放たれる。

 

「貴様……貴様ぁああっ!」

 

「ぐうっ……良いぞ、お前の真の力を見せてみろ」

 

その瞬間、サンライズは体に赤い炎のオーラを纏わせるとシャドーへと殴りかかる。彼の一撃はシャドーを一発で押し倒す程であり、そのまま馬乗りになるとシャドーへと攻撃を開始。

 

同時に彼はサンライズの隠されていた力を呼び起こせた事に喜びを感じるのだった。




また次回もお楽しみに。
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