熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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友達との会話 嫉妬する太陽

ソラからの改めての挨拶が終わると早速机を囲んで昼食を摂る八人。すると早速ソラがユキへと話しかけた。

 

「ユキさん……」

 

「ん、どうしたの?」

 

ソラの声色は申し訳なさそうな罪悪感に満ちた物であり、ユキはそんな彼女に向き合うとソラが話し始める。

 

「あの、先程はすみませんでした。私、皆と仲良くしているユキさんを見て嫉妬してしまって。……本当はユキさんが学校で上手くやれているのを喜ばないといけない立場なのに……」

 

「……その事なら気にしなくて良いよ。寧ろ、私こそソラちゃんが苦しんでいるのに何の助けにもなれなくてごめんなさい」

 

ユキもユキでソラが自分へと嫉妬心を抱いたのは自分がちゃんとフォローできなかったのが悪いと思っている所があった。もっと自分が上手く立ち回れていればソラはこんな気持ちにならなくて済んだのだと。

 

ユキがそう言って後悔の気持ちをソラに伝えるとそれを言われたソラは逆にユキの手を取ると首を横に振る。

 

「それは違います!ユキさんはもう私の事を何度も助けてくれてるじゃないですか!……今の私があるのはユキさんがあの時背を押してくれたからです。だから……ユキさんには感謝してもしきれません!」

 

「そっか……じゃあこの話はもう終わりにしてこれからの学校を楽しも!」

 

「はい!」

 

そう言われてユキも嬉しくなったのかニッコリと笑い、ソラへと今回の件を気にしないように伝える。何にせよ、これで二人の仲は修復された。すると軽井沢がそのタイミングを見計らって二人へと声をかける。

 

「そう言えば思ってたんだけどさ。ソラさんとユキさんって同じ苗字だよな。ましろさんと虹ヶ丘みたいに親戚同士だったりするのか?」

 

「いえ、親戚同士ではあ……」

 

「うん、親戚同士だよ!」

 

その瞬間、ソラが思わず本当の事である親戚同士では無いと言おうとした瞬間にユキが慌ててそれを遮るように親戚同士だと伝える。

 

「ユキさん、どうして……」

 

「ヨヨさんから聞いたんだけど、学校に出した書類上は親戚同士って設定なの」

 

「あっ……」

 

ソラはユキからの話を聞くと自分の認識が間違っていたのだと察する。そのため、二人の説明の矛盾を正すために軽井沢へと答えを返した。

 

「えっと、どっち?」

 

「すみません、親戚で合ってます!」

 

「そっか。それで、ましろんとはどんな関係?」

 

「あ、それ気になる」

 

軽井沢の話に便乗する形で仲田や吉井も話を振ると二人はその質問に快く答える事に。

 

「ましろさんとはえっと……親が親戚で……」

 

「うんうん!ほら、親の親の親が兄妹だったの!」

 

「へぇ……じゃあ四人はほぼ他人ってくらいに遠いけど親戚同士なんだ」

 

一応これもヨヨからの公式設定ではあったが、指摘のあった通り親の親の親が兄妹となるともうほぼ他人である。それでも親戚という言葉には当てはまるためにかなりややこしい所ではあるし、その世代だと二つの家系が繋がるのはヨヨの親世代になるためある程度知り合っていてもおかしくは無いのだ。

 

「……なぁ、ましろさん。虹ヶ丘」

 

「何?ひかる君」

 

「馬鹿な俺でもわかるけど、これ……だいぶ強引な理由づけじゃね?」

 

「あはは……ひかる君もそう思うよね……」

 

そして、プリキュアメンバー以外だと唯一その事情を理解できるひかるは思わずこの状況にツッコミを入れていた。ましろはそれに対して苦笑い。

 

「じゃあさじゃあさ、四人が知り合ったのはいつなんだ?」

 

「え、えーっとね……」

 

「私達、知り合ったのはつい最き……」

 

「ターイム!タイム!ソラちゃん、違うって!!」

 

「あはは、タイムを使う所とかましろんそっくり〜」

 

ユキがまたソラからの爆弾発言を事前阻止。これはつい最近会ったばかりでいきなり転校やらが決まったのはあまりにも不自然であるし、何しろソラは極度なまでの真面目なせいで言う事成す事が正直過ぎる。そのためどうにかユキがブレーキを踏む形でソラの暴走を止めている状態だった。

 

「ユキさんすみません……私、また素直に……」

 

「大丈夫、もしやらかしても私がフォローするから……」

 

ユキは幼い頃自分がソラに心の支えになってもらったように今度はソラの窮地に対して自分が頑張るべきと考えていた。そのためクラスメイトと話しつつソラのミスをユキが上手く拾う形で仲良く話を進めていく。

 

「………」

 

そんな時、一人少し不機嫌そうな顔つきでその様子を見ている者が一人いた。

 

「なぁ、虹ヶ丘。何でお前はそんなに不機嫌なんだ?」

 

「そうだよ。ソラちゃんもユキちゃんも問題無くクラスに馴染めてるよね」

 

それはソラへとクラスに溶け込むためのアドバイスをして今回の件を成功に導いた立役者の一人、虹ヶ丘アサヒである。

 

「いや、そうなんだけどさ……」

 

「何だか割り切れないって感じだな。二人共仲良くやってるからそれで良いだろ」

 

「ッ……それは、そうなんだけど」

 

アサヒは胸に手を当てると少しだけ苦しそうな、何とも複雑そうな顔つきを見せる。それを見たひかるはアサヒの向く視線の先を見て何となく事情を察した。

 

「……あー……」

 

「ひかる君?」

 

「いや、アサヒも青春してるんだなって思っただけ」

 

「……ああ、そういう事かぁ」

 

ひかるがそう言うとましろも何となく状況を理解して納得の顔になる。二人の視線の先を見るとそこには仲田、吉井、軽井沢と話すユキがおり、特に軽井沢と話している瞬間にアサヒは彼へと複雑な気持ちを抱いていた。

 

「ユキが女友達の仲田や吉井と話す分には良い。だけど、軽井沢と話す時だけ妙に胸がザワザワする……。ユキには俺の事だけを見て欲しいのに」

 

どうやらアサヒ視点だと女子である仲田や吉井と話す分にはまだ我慢できるが、男子である軽井沢と話すのを見ると気持ちがどうも落ち着かない。それどころか少しずつ荒ぶる感覚が大きくなるのを感じた。

 

そんなアサヒの姿を見たましろは思わず苦笑いを浮かべてしまう。そしてこれは彼が完全にユキの虜になってしまった事を示していた。

 

「(アサヒ、凄いわかりやすいなぁ……。この調子だと完全にユキちゃんに心惹かれちゃったみたい。もうユキちゃんの事が気になってますオーラが出ちゃってるよ……)」

 

アサヒがユキに向ける気持ちがもう殆ど八割方友人としての好きでは無く異性としての好きになっているのを見たましろ。ただ、ここで彼女にも疑問符が浮かぶ。

 

「(アサヒはもう完全にユキちゃんにぞっこんだね……。でも、ユキちゃんの方はアサヒの事をどう思ってるんだろう)」

 

ましろとしてはアサヒにもユキにも幸せになって欲しいと願っている。ましろ視点で見るとアサヒからユキへの気持ちは一方通行なのでユキからの気持ちを知りたくなるのは仕方ない。ただ、この話をソラに持ち込もうとは思えなかった。

 

「なぁ、ましろさん。ソラさんには話さなくて良いのか?」

 

「うーん、話したいけど……多分話が余計に大きくなりそうだから今はまだ言えない……かなぁ」

 

「なるほど、理由は大体察した」

 

尚、ソラはソラでユキがアサヒに只ならない気持ちを抱いているというのは知っていた。それが恋愛感情か否かと言われたらソラは答えられないが、少なくとも二人がお互いに相手を意識しているというのはわかったかもしれない。そんな風に平和な昼休みが進む中で事態は急変する。

 

「皆、大変だ!なんか、あと二人……転校生っぽいのがいるぞ!」

 

「二人の転校生?」

 

すると教室の黒板側の扉が急に開けられるとクラスメイトの一人が慌てた様子で駆け込んでくる。

 

「一人はモヒカン頭の不良で購買のパンを買い占めたり、学食のカレーを飲み干したりでやりたい放題らしい。もう一人の方は特に危害は加えて来ないんだけどさ。身長が高いし何故か手に竹刀を持ってて、兎に角近寄り難い雰囲気で……。そいつがモヒカン頭のすぐ近くにいるから皆怖くて近寄れなくて」

 

どうやら二人共午前の授業は不良らしくサボっていたのか姿を見せておらず。昼休みの今になって姿を現しては好き放題しているらしい。

 

「それってまさか……」

 

「うん、多分だけどアイツらだよね」

 

「だとしたら私達のやる事は一つだけです」

 

ユキ、ソラ、ましろの三人はこの転校生(?)の不良二人組の話を聞き、特徴に当てはまる相手が彼等しかいないという事で頷き合う。

 

そんな時、アサヒは先程までユキが他の男と接していた事に対してモヤモヤしていた所にあの二人が来たという事で溜めていた気持ちが爆発してしまう。

 

「アイツらぁっ!何でこんな時に来るんだ、というか……しれっと学校特定までして……絶対許さん!潰す!!」

 

「うええっ!?」

 

「ちょっ、ちょっとアサヒ!」

 

アサヒはユキに対するモヤモヤを八つ当たりするかのように彼等に対する不満を爆発させると目撃情報を頼りに一人で先に出ていく。そのため、慌てて他の三人もアサヒの事を追いかけて飛び出すのだった。

 

その頃、先程ユキ達が屋上から見下ろしていた桜の木の下にて。そこには不良の転校生(?)コンビであるカバトンとシャドーがいた。その内、カバトンの方は購買で買い占めたであろうメロンパンを頬張り中。シャドーはその隣におり、桜の木にもたれ掛かる感じでその様子を冷めた目で見ていた。

 

「あーむっ!美味ぁああ!目を閉じれば北の大地でたわわに実ったメロン達が舞い踊るようなのねん!」

 

カバトンはこの学校で手に入れたメロンパンに舌鼓を打っている所でシャドーはそんなカバトンへと溜め息を吐く。

 

「カバトン、お前……これを当てた相手に復讐するんじゃなかったのか?」

 

「へっ、そんなのこの美味しい物を食べてからに決まってるのねん!さっきからお腹が空いて力が出なかったからな。“腹が減っては戦はできぬ”ってこの世界のことわざにあるのねん」

 

シャドーはカバトンからの返しにもう何を言っても無駄だと感じると仕方なく彼が食べ終わるのを待っていた。ちなみに、シャドーは正規ルートでお店から購入した三色団子を食べている。

 

「そういえば、何故俺もコスプレを?」

 

「あ?そんなのお前がいたらその背負ってる刀で危険人物感が満載なのねん。その点、竹刀なら学校にもあるしいかにも不良なのねん」

 

「それは……一理あるか」

 

シャドーはカバトンからの説明に珍しく納得した顔になる。何しろ普通の刀を背負っている男が学校に侵入したとなれば警察沙汰になって面倒な話になりかねない。その点竹刀であれば少し時代遅れではあるが、周りからはシャドーが割と大人しい事もあってただの不良として見てもらえる。そのため、珍しくカバトンにしては理に適った考えであった。

 

「それじゃあもう一個メロンパンをいただくのねん。このたわわなメロンの入ったメロンパン……想像しただけで美味そ……」

 

「カバトン、こっちに誰か来るぞ?」

 

「へ?」

 

「うぉりゃああっ!」

 

シャドーがカバトンへと忠告したその瞬間。カバトンの後頭部へと物凄い勢いで走ってきた何かがいきなりキックを叩き込んだ。これにより、キックを喰らったカバトンは吹き飛ばされると思い切り顔を地面へと打ち付ける事になる。

 

「のわああっ!?」

 

「残念だったな。そのパンは形がメロンっぽいだけでメロンは入って無いんだよ!」

 

「痛ててっ……って、キュアサンライズお前ぇえっ!よくもこの俺様に蹴りをかましてくれたのねん!」

 

「黙れコラァ。俺は今、機嫌が悪いんだよ」

 

「はぁ、こっちはこっちでイライラ中か……」

 

アサヒがカバトンへとガン飛ばす中、シャドーは前に自分が怒らせたのようにアサヒが不機嫌という事で少し面倒そうな顔をすると蹴り飛ばされたカバトンの元に行く。するとその直後に慌ててやってきたましろ達が声を上げる。

 

「ちょっとアサヒ、やり過ぎだよ!」

 

「そんなの、タイミング悪く来るコイツが悪い」

 

「えぇ……」

 

「それはそうとして、カバトンにシャドー。今度は何故こんな所に……」

 

ソラからの質問に対してカバトンが待ってましたとばかりに起き上がるとその質問に対する答えを返す。

 

「よくぞ聞いてくれたのねん!今日の俺はツイていたのねん。腹を空かせて空を眺めていたその時、目が覚めるような……いや、永遠の眠りにつくような衝撃が全身に走った。その衝撃に導かれて来てみれば……ここは美味い物が盛り沢山!パクッ」

 

カバトンは手にしていたメロンパンを一口で口の中に放り込むと食べてしまい、今度はユキ達四人を指差す。

 

「しかもお前らまで発見した。どうだ!流石は俺なのねん!」

 

カバトンが自慢げに解説をしていると彼の説明の補足という事でシャドーが二つのボール投げ用のボールを持ってそれを四人に見せる。

 

「要するに空を見てたらこのボールがコイツに当たったんだ」

 

「あっ、それって私達が投げたボール……」

 

「むっ、あのボールを投げたのはお前らだったか。だったらその報復として尚更丁度良いのねん!」

 

「まぁ、一発はダイレクト。もう一発は俺の方にまで来たからそれを弾いたら偶々コイツに命中したってだけの話だがな」

 

「「うわぁ……」」

 

シャドーからの解説にユキとましろの二人は今回ばかりはカバトンを気の毒に感じるが、カバトンは食事をして満足なのか思ったよりも怒ってはいなさそうだった。

 

「……一応これはお前らに返しておいてやる」

 

そう言ってシャドーはご丁寧にもボールは学校の物であるためにそれを二つとも近くに転がして置いておく。そして、カバトンの方は勢いに乗ったまま一気にやると言わんばかりに早速ランボーグを呼び出す事に。

 

「お前らを倒してから、ゆっくりプリンセス・エルを探してやる!カモン!アンダーグエナジー!」

 

その瞬間、またもやアンダーグエナジーが出て来て桜の木の中に注入。そのままそれはランボーグへと変化。今回はすぐ近くにある桜の木をモチーフにした個体だった。

 

「ランボーグ!」

 

するとランボーグを校舎の中から見た生徒達は慌てて避難していく。そして、ソラ達はランボーグを見据えた。

 

「よりにもよって、あの桜を!!」

 

「許せない……」

 

「こうなったらお前ら全員潰すだけだ!」

 

「ヒーローの出番だよ!」

 

そして、四人はミラージュペンを構えるとそのままプリキュアへと変身。その姿を変えていくのであった。




また次回もお楽しみに。
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