学校での昼休み、自己紹介を終えて楽しい時間を過ごしていたユキ達の前にカバトンやシャドーが現れてしまうとランボーグを呼び出す事に。そして、そんなランボーグに対して四人はプリキュアへの変身を開始する。
「「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!」」」」
「ひろがるチェンジ!スノー!」
ちなみに今回のメイン変身担当はスノーであり、前回はスカイだった事から毎回変身時のメインは入れ替わるという事がわかる。
「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」
「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」
「静かにひろがる白い雪景色!キュアスノー!」
「夜明けにひろがる眩い朝日!キュアサンライズ!」
「「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」
そして、メイン担当が違うという事で掛け声を言う人の差異こそあるものの、大まかな変身順は同じであり何事も無く四人のプリキュアが変身を完了。その上で降り立ってランボーグと対峙する。
「出たなプリキュア!今日こそは四人纏めて叩き潰すのねん!」
「桜のランボーグ……一体どんな攻撃をしてくるんだろ」
「うーん。何となくにはなっちゃうけど、桜と言えば……」
プリズムはランボーグからの攻撃する手にある程度予想ができていた。そして、それを裏付けるかのようにランボーグが両腕を構えるとエネルギーを高めるかのようにそれが発光した。
「ッ、来ますよ!」
その様子からランボーグが攻撃態勢に入っていると見てスノー、スカイ、プリズムが構えを取る。
「良し、ランボーグ!早速舞い散ら……」
「うぉりゃああっ!」
「「「え!?」」」
その瞬間だった。突如として一人だけ構えていなかったはずのサンライズが真っ先にランボーグに向けて飛び出したのは。
「だだだだだだっ!」
「ランボ!?」
サンライズが突然飛び出したのにプリキュア側が困惑したように、カバトン達にとってもこれは想定外だったらしく。
「はぁ!?」
「……キュアサンライズ、いつもより苛立ってると思ってたが……。ここまでの力を発揮できる程か」
カバトンが唖然とする中でシャドーはあくまで冷静にサンライズがランボーグ相手に猛烈なラッシュを仕掛けるのを見ていた。そして、彼は他にも何かに気がつく。
「む……動きの無駄がまた減ってる」
シャドーがそう呟くとサンライズの動きが前以上に洗練されつつあるのを感じた。それは苛立っている状態でも攻撃までは感情的では無いという事を示すものである。
「サンライズの進化は日々続いてるというわけか。面白い」
「感心してる場合か!」
そのサンライズはランボーグへとラッシュを仕掛けていたが、ランボーグがどうにかして反撃しようと両腕を振り上げた隙に一旦地面に着地してから踏み込んで再度肉薄する。
「ラン!?」
「遅いんだよ!」
サンライズは右腕に炎を纏わせると強烈なボディブローを叩き込んでランボーグを吹き飛ばす。
「ラァアアッ!?」
ランボーグが地面に激突するとそのまま倒れ込む。するとたった一人でランボーグを圧倒する様にスノー達も混乱して動く事すらできてなかった。
「サンライズ凄い……」
「うん。トレーニングしてるから動きの無駄も減ってるし、一人であそこまで戦えるなんて」
「これもしかして、サンライズ一人で勝ってしまいませんか?」
そして、戦いがひと段落ついたためにようやくカバトンはサンライズへと今回の件についての異議申し立てが飛ぶ。
「キュアサンライズ、お前!ヒーローのくせに不意打ちとは卑怯なのねん!」
「はぁ?誰がヒーローだからって不意打ちをしないって言ったんだ。それに、俺は今苛立ってるって言っただろ!」
「言ったのか言ってないのかどっちなのねん!」
「あわわ……ランボーグを圧倒してても怒ってるのは変わらないよ!?サンライズ一旦落ち着いて!」
カバトンが思わずサンライズへとツッコミを入れ、スノーは勢いだけで戦いを継続するのはそろそろ不味いために慌てて声をかける。しかし、そこまで言ってもサンライズは聞く耳を持たない。
「大丈夫だスノー、このくらいの奴が相手ならこのままでも余裕だし!」
「ええっ!?」
この事から今のサンライズはある意味慢心している状態であった。シャドーは兎も角として、普通のランボーグ相手になら早々負ける事は無い。彼の中に自信と同時に多少の油断の気持ちもあるのだろう。
「さてと、戦いが始まったのに見ているだけというのはつまらないな。そろそろ俺もやらせてもらうか」
シャドーは良い加減目の前で繰り広げられる戦いに自分も参加したいという事で先程不良に変装するために持っていた竹刀を投げ捨てる。
「それと、やはり俺にはこっちの方がしっくり来るかな」
そして、そのまま背中に召喚する形で武装した刀を引き抜くとプリキュア達のいる方に向かって一気に突撃してきた。
「ッ!シャドーも来ちゃいましたよ!?」
「まずは私が牽制する!はあっ!」
スカイがシャドーの参戦に気がつくと同じくそれに反応したプリズムが手を翳して気弾を撃つ。
「無駄だ」
シャドーは正面から放たれた気弾に対し、最小限の動きでそれらを全て弾き飛ばしてしまう。シャドーにとってこの程度の攻撃では相手にすらならないという事だ。
「ッ……止まらない……それでも!」
プリズムは少しでもシャドーが近づくのを遅らせるために更に攻撃を継続。気弾でダメージを与えようとした。
「なるほど、俺の足止め目的か。だが!」
シャドーは次々飛んでくる気弾を片っ端から切り伏せており、彼の進撃は留まる所を知らない。そのためプリズムは弾幕では意味が無いという事で大技で止めようとする。
「これでも止まらない……」
「ヒーローガール!プリズム……」
「焦ったな」
しかし、シャドーからして見たらこれも予想済みだったのか。一瞬にしてスカイやプリズムの背後に回り込んでしまう。
「「なっ!?」」
二人が驚いている間にもシャドーは手にした刀を振り下ろそうとする。それによりシャドーからの攻撃をスカイ、プリズムが受けそうになった瞬間。
「はあっ!」
「させない!」
シャドーから振り下ろされた刀をスノーがカバーに入る形で白刃取り。たった一人で受け止めた。
「白刃取ったか……」
「く……ううっ……」
スノーはシャドーとの力の差の前に苦痛の顔を浮かべ、少しだけ刀を押し込まれる。ただ、それでも彼女は必死に踏ん張る形でどうにか持ち直す。
「「ッ、スノー!!」」
「大……丈夫。二人共怪我は無い?」
「うん、私達は平気」
「俺の一撃を止めたか。お前達の進化も目を見張るものがあるな」
シャドーは刀を受け止められて驚くどころか、嬉々とした様子であるために彼にはまだまだ余裕があるのだろう。そして、それを聞いたスノーは二人へとある事を言い出した。
「二人共、サンライズの援護をして。シャドーは私がここで止めるから!」
「「えっ!?」」
スカイとプリズムは今の発言に思わず耳を疑ってしまう。あのシャドーを一人で抑えるなんて無茶にも程があるからだ。
「そんな、あなた一人でなんて無茶です!」
「私達も一緒じゃないと」
スカイとプリズムがスノーを心配してそう言う。実際、多少改善したとは言ってもスノーは普段から他人のために頑張りすぎる所がある。そのため、不安に思うのも仕方ない。
「大丈夫!時間稼ぎが目的だし無理して倒しにはいかない。それに、今のサンライズはちょっと危ないと思うから……。私達全員がシャドーに構ってるわけにはいかないよ」
「でも……」
「……わかりました」
プリズムはまだ心配そうにしていたが、スカイは今のスノーが前とは違って焦って言ってるわけでは無いと感じるとスノーの言葉に了承する。
「ッ、スカイ……何で……」
「今のスノーならきっと前みたいに自己犠牲の気持ちで一人で危ない所に突っ込むなんて事はしませんよ」
「確かにそうかもだけど……」
プリズムが迷う間、シャドーは長々とお喋りして時間を使うつもりは無いからか……スノーが白刃取りした刀をわざと手放すとすかさずガラ空きのスノーの腹に回し蹴りを叩き込む。
「がはあっ!?」
「お喋りが過ぎるのは好きじゃない。良い加減戦いに参加させてもらおうか!」
シャドーがスノーを蹴り飛ばしてからさっさとスカイやプリズムと戦うため、近くに落ちていた自分の刀を回収。これはスノーが白刃取りをした後にシャドーから蹴られた事で思わず取りこぼしてしまったのだ。
「「くっ……」」
スカイとプリズムがシャドーに対して思わず構えるが、その時シャドーの後ろから声が聞こえるとそこにはスノーがシャドーに向けて蹴りの体勢で迫っていた。
「やぁああっ!」
「ッ、だがその程度……む!?」
シャドーがスノーに対して刀で返り討ちにしようとするが、その瞬間に足元を見ると地面が自分の両脚ごと凍結。それは前にも見せた相手の脚を奪ってから繰り出す一撃である。
「くっ……」
シャドーはスカイやプリズムの方を気にするあまり、脚を凍結させられている事にまで気が回らず。スノーからの蹴りに対して刀で受け止める事しかできなかった。
「たあっ!」
更にスノーは蹴りを放っている右足を刀で受け止められている状態からすかさず左足で刀を踏み込むように蹴る事でシャドーの両脚が地面ごと凍っている事も影響し、彼のバランスを崩す事に成功。
「ヒーローガール!スノーインパクト!」
そこに続け様の三撃目でボレーキックを叩き込み、その威力でシャドーの足元にある氷が砕けると彼を約10m程下がらせた。
「ぬう……」
「シャドー相手に押してる……」
「言ったでしょ、大丈夫だって。……だからお願い。サンライズを助けてあげて。私も無理はしないって約束するから!」
スノーの言葉と気迫は本気だ。しかも、大丈夫という事を口だけじゃ無くシャドー相手に互角に渡り合う事で示した。そのため、スカイは改めてプリズムへとスノーを信じるように伝える。
「プリズム、スノーはこうして大丈夫だって事を私達に見せてくれました。だから、私達も信じるべきです!」
「確かに……今のスノーなら大丈夫かもしれないけど」
プリズムはそう言われても、シャドーがまだ本気で無い事はわかっているわけで。それはスカイもスノー本人も理解している。シャドーが本気を出せばハッキリ言って今のスノーでも太刀打ちできないだろう。
「スノーは変わりましたよ。もう前みたいに他人を助けるため、自分を捨てるような無茶ばかりをしていた時とは違うんです。後は、私達がスノーを信じてあげれば……それだけできっと大丈夫なんです」
スカイは幼い頃からずっと一緒に過ごしてきただけあって彼女を熟知している。そのスカイが今のスノーの精神状態を見て大丈夫だと言っているのに加え、プリズム個人として見ても今のスノーなら大丈夫という安心感もちゃんと感じていた。そのため、プリズムもスノーを信じる事に。
「信じる……か。そうだね!スノー、絶対に助けに戻るから!」
「それまでお願いします!」
スカイやプリズムから信頼された事に対してスノーは頷きで返すとスカイとプリズムの二人はランボーグ相手に一人で突っ走ったサンライズの方へと向かう。そして、残されたスノーは目の前のシャドーと一対一の形で構えた。
「俺を相手に一人きりで来るか。……大した自信か、それともいつもの自己犠牲か」
「……どっちも違うよ。確かに、前の私ならきっとあなたと戦う時に自分の身を犠牲にすると思う。……だけど、今は私は私のやれる事をやるつもり」
スノーは今現在、良い意味で自然体でありシャドーも彼女のその自然な姿を見て笑みを浮かべる。
「だからあなたを侮るつもりはないし、あなたに負けるつもりもない!」
「ふふっ、成程。……成長したな。キュアスノー」
「……ッ、シャドー?」
するとスノーはシャドーと同じ声でありながらも、何故か別人のような優しい声色で自分に接してきたために困惑。
「今回はいつも以上に楽しめそうだ。行くぞ!」
シャドーはそのままスノーへと向かって行くが、シャドーの僅かな豹変に一瞬気を取られたスノーは反応がワンテンポ遅れてしまう。
「ッ、くうっ!?」
スノーはどうにかシャドーからの刀による攻撃に対し、腕での防御を間に合わせる形で防ぐ。ただ、スノーはこの時もシャドーから聞こえた声に違和感を感じていた。
「何?今のは……」
「どうした?俺を楽しませろ!」
「私はあなたを楽しませるために足止めしているんじゃないよ!」
スノーはシャドーの刀をどうにか押し返すとシャドーが手にする刀を見つめる。
「あの刀……やっぱり厄介。だったら、刀に対抗するならこっちも!」
スノーが両手を胸辺りで祈るように合わせると両腕を左右に広げつつ氷を生み出していき、その氷の一部が砕けると氷はまさかの剣の形状へと変化していた。
「シャドー、あなたを止める!」
「くくっ、俺を相手に剣で勝負するとは良い度胸だな。だが、剣を使ったからと言って俺に勝てると思うなよ」
そのまま二人は手にした剣を構えつつ走り込み、剣をぶつけ合う。そしてスノーはその時、頭の中にある考えが浮かんでいた。
「(今はシャドー相手に敵わなくても良い。せめて、三人がランボーグを倒す時間だけでも稼いでみせる!)」
それから二人はお互いに手にした剣をぶつけ合い、相手の力を試すのだった。
また次回もお楽しみに。