具体的には変身シーンの名乗り直前にある画面が五分割されてプリキュアの体が色んな角度から映るという描写や同時変身シーンの変身担当の設定、後は同時変身時の名乗り前の分割シーンの描写を加えましたね。
変身担当というのは原作の変身シーンにて“ひろがるチェンジ!○○”という人の事です。ちなみにそれで担当が出てない場合はこれまで通り全員で言ってると思ってください。
それではどうぞ!
スノーとシャドーが交戦し、スカイとプリズムがサンライズの加勢に向かう少し前。一人でランボーグと交戦していたサンライズの方はランボーグへと拳の連打をぶつけていた。
「オラオラどうしたぁ!」
「ランボ……」
「ランボーグ、何してるのねん!良い加減舞い散らせるのねん!」
カバトンは良い加減やられっぱなしなのは不味いためにランボーグへと慌てて指示を出す。ランボーグはそれを受けて目を光らせる。
「ッ!?」
「ランボー……グ!」
ランボーグがサンライズからの拳を防御していた腕で彼を振り払うと早速腕を翳してそこから桜吹雪を放つ。
「ぐっ!?」
サンライズはそれをまともに受けると吹き飛ばされて後ろに押し戻されてしまう。
「この野郎、まさかそんな手を使えるなんてな」
「オラオラ!まだまだ舞い散らせろ!」
カバトンやランボーグは今の反撃で息を吹き返したのか。サンライズへと更に攻撃を継続。
「ッ、クソッ……」
サンライズはそれを受けるまいと走って回避するが、ランボーグは執拗に桜吹雪で攻撃。こうなると遠距離攻撃手段がそこまで多く無いサンライズは不利だ。
「ダメだ……近寄れない!?」
サンライズは近接戦になれば有利だと考えてどうにか接近しようとするが、近づく程にランボーグの攻撃の密度は上がる。それにサンライズの怒りが災いして動きがまた単純になりつつあった。
「おいおい、あそこまで言っておいて結局口だけなのねん!」
「まだだ。突破口が無いなら……こじ開ける!」
サンライズは急に方向転換するとランボーグからの桜吹雪へと真正面から向かっていく。
「あん?アイツ、この攻撃に正面から向かうとか馬鹿なのねん?」
「いいや、こうするんだ!ひろがる!サンライズブレイク!」
サンライズが拳を突き出すとそれによって巨大なエネルギーでできた炎の拳が生成。桜吹雪と激突すると激しくぶつかり合う。
「はぁあああっ!」
「ランボ……」
二つの攻撃の出力は拮抗しているのか。押し合ったまま膠着してしまう。すると、少しずつサンライズの方が押し始めた。
だが、カバトンはまだ余裕なのかニヤリと笑みを浮かべる。そして、ランボーグへと指示を出した。
「ランボーグ、お前の底力を見せろ!もっと猛烈に舞い散らせるのねん!」
「何!?」
「ラァンボー……グ!!」
その瞬間、ランボーグが桜吹雪を放っていた両腕に電流が走ると更に桜吹雪がパワーアップ。サンライズブレイクを打ち破ってしまうとそれがサンライズへと向かって行く。
「嘘……だろ!?」
サンライズはここまでの戦いでシャドーや電車ランボーグ等の強敵と戦っていく中で成長を重ねてきた。そのため、普通のランボーグ相手なら絶対に負けないという気持ちが今回悪い方に傾いてしまったのである。
「があああっ!?」
サンライズはランボーグからの桜吹雪をまともに受けてしまうと吹き飛ばされて校舎の壁に激突。その痛みが体を駆け巡った。
「あはははっ!油断大敵なのねん。お前、YOEEEくせして自分の事をTUEEEとか思ってただろ」
「ぐ……まだだ……」
サンライズは痛みに耐えながらどうにか動こうとする。そして、彼の脳裏には焦りもあったようで。
「(クソッ……カバトンのいう通り油断してた……。スノーに、ユキに良い所を見せようとしたばかりに……)」
サンライズは先程までの教室でユキがクラスメイトと仲良く話をしているのに対し、複雑な気持ちを抱いていた。特に男子生徒と話をしている時はそれが顕著に出ているくらいである。
「(ユキは容姿を見たら絶対に他の男達の目線を引く。それに謙虚で自分を主張し過ぎない。多分あっという間にモテるんだろうな……。だけど……俺は……)」
アサヒは自分が促した事もあるが、ユキがもう早速クラスメイトと仲良くしているのを見て自信を取り戻した本来の彼女ならこのくらい簡単なのだと痛感。同時にユキが自分の近くから離れる妄想もしてしまっており、少しでも自分の方を向いて欲しくて今回苛立ちながらランボーグ相手に一人で突撃。
同時にランボーグ相手に負けないという絶対的な気持ちがあったために尚更一人で倒そうと突っ走ったのだ。
「ランボーグ、更に舞い散らすのねん!」
「ランボーグ!」
ランボーグは再度の攻撃指示を受けて桜吹雪を放出。サンライズは回避する間も無くそれを正面から受けてしまう。
「くうっ……」
サンライズはその威力と先程のダメージで苦しい局面に立たされたが、先程啖呵を切った以上下手に他の三人に頼って情けない所を見せたく無いと意地になってしまう。
「このくらい……痛くも何とも……」
「にゃ〜っはっは!痩せ我慢はその辺にしておくべきだぞ。でないと、もっと痛い目を見る事になるのねん!舞い散らせ!ランボーグ!」
「ランボーグ!」
ランボーグは先程の猛烈時の威力には一歩劣るが、瞬間的に桜吹雪の火力を増強。
「ぐううっ……」
サンライズは正面から攻撃を受け続けて徐々に疲弊していく。対してランボーグはまだまだ余力が残っており誰が見ても不利は明らかになりつつある。
「いつまで意地を張るのねん。そろそろギブアップしたらどうだ?」
「チッ……この野郎調子付きやがって。誰がお前なんかにギブアップするか!」
「へっ、意地を張るのならこっちも遠慮無く潰させるねん。どんどんやれ!」
「ラァアアン!」
「ぐ……ああ……」
サンライズの体は桜吹雪の受け過ぎで悲鳴を上げつつあり、体への痛みで顔が歪んでしまう。
「どうにかしないと……そろそろヤバい。……でもどうやって……ッ!?」
サンライズがこの苦しい状況をどうにかするための考えを巡らせる中、そんな彼の視線の先にはスノーが一人でシャドーと戦うのが見えてしまう。
「スノー!?何で一人で……スカイやプリズムもいるはずなのに……」
サンライズは何故か他にも仲間がいる状況でシャドー相手に一人で戦いをしている事に困惑。
「(スカイ達は……ちゃんとスノーを助けてるよな?)」
サンライズは他の二人が近くにいるはずだと考えると慌てた様子で二人を探す。しかし、残念ながらスカイもプリズムもスノーの近くにいる様子は見られなかった。
「まさか、また一人で無茶してるんじゃないよな!?」
サンライズはそう声を上げるのと同時に嫌な予感がしてしまう。それはまた前みたいにシャドー相手に一人で突っ込むという無茶をしてそのまま返り討ちに遭い、傷ついて倒れてしまうイメージだった。
尚、今の自分が正にその状態に近いのだが……サンライズはスノーことユキを心配するあまり自分が似たような状態になっていると気が付けてない。
「何でスカイもプリズムもいないんだ……こうなったら俺が……」
「さっきから注意が散漫!お前の相手は俺様だって事、忘れたわけじゃないのねん?」
「ぐあああ!?」
サンライズはどうにかスノーを助けに行こうとするが、先程からランボーグの桜吹雪をずっと受けている状況なのは変わらない。そのためダメージの受け過ぎで上手く動く事ができず。ランボーグからの更なる追撃を許してしまう。
「お前、本当に馬鹿なのねん。俺様に喧嘩を売っておいて逃げようと考えるとは……お前のような口だけのYOEEE奴なんて俺様の敵じゃねぇ!ランボーグ、そろそろトドメを刺すのねん!」
「ランボーグ!」
ランボーグはカバトンからの指示でとうとうサンライズへとトドメを刺すべく攻撃を継続。そして、サンライズからの反撃を許さないようにするために桜吹雪の勢いを強くしようとした。
「そうは……」
「させないよ!」
「へ?」
「「はぁああっ!」」
カバトンは突如として聞こえてきたスカイとプリズムの声に唖然としているとランボーグの横側から二人が同時にキックを繰り出してランボーグへと命中させる。
「ランボーグ!?」
ランボーグはいきなり横から不意打ちをされた事で横倒しになってしまうとようやくサンライズは攻撃から解放されて膝を付く。
「なっ!?」
「スカイ、プリズム……」
サンライズも何故一人でシャドーと戦うスノーの方では無くランボーグと戦っている自分の方に二人が来たのかまるで意味がわからずに困惑。するとスカイ、プリズムが話しかけた。
「サンライズ、大丈夫?」
「怪我はありませんか?」
「はぁ……はぁ……俺は平気だ。そんな事よりも……」
二人がサンライズを心配して声をかけるが、そのサンライズは自分が心配されているのをそっちのけでスノーを探す。
「スノーはどこに……」
「きゃああっ!?」
その瞬間サンライズの視界の外だったが、スノーの悲鳴と爆発音が響き渡る。そして、それを聞いたサンライズは慌ててしまう。
「ッ、ユキ!?やっぱり一人でシャドー相手なんて無茶だ!」
今のサンライズの目にはスノーしか映っておらず、先程まで自分が怒りで暴走していたという事実さえも忘れて急いでスノーを助けるために動こうとする。
「スノーを助けないと……ッ!?」
そんな時だった。何故かサンライズの前にスカイとプリズムが進路を塞ぐように立っており、彼へと真剣な眼差しを向けていたのは。
「スカイ、プリズム……そこを退いてくれ。俺はスノーを……」
「すみません。今のサンライズに言われても……ここを退くなんてできません」
「なっ……二人だって聞いただろ!スノーがヤバいんだ。だから……」
「サンライズ、まだ気が付かないの?」
プリズムからも冷たい声色で話しかけられるが、それでもサンライズはスノーの事ばかり気にしているようで。
「二人共、どうして……俺は……」
「良い加減にしてくださいよ!」
サンライズがまだ目を覚さないのを見て流石に限界なのか……スカイが彼の頬を叩くとようやく目の前にいるスカイの方に意識が向く。
「スカイ、何を……」
「さっきからスノーの事ばかり。何を焦っているんですか」
「それは……」
サンライズはそこまで言いかけて自分が何故スノーに執着したのか、その理由を改めて思い出すと二人に言いづらくなって口籠もる。
「はぁ……。大方ユキちゃんに良い所見せたかったんでしょ?」
「はあ!?ちょっ、プリズ……」
「そんな事考えている場合なの?ハッキリ言って今のサンライズ、ヒーローとして失格だよ」
「ッ……」
サンライズはプリズムにそう言われると自分の行動を改めて振り返る。そして、自分がランボーグの出現という非常事態にどれだけ勝手な考えで動いていたのかに思い至った。
「……その感じだと二人共ユキのあの現状は了承済みって事か。だったら何でユキは……」
それからサンライズは何故スノーが無茶だとわかっているはずのシャドー相手に一人でやり合ってるのか……その意味を考える。するとサンライズが答えを見つける前にスカイが彼へと告げた。
「スノーは、あなたのために一人で頑張ってるんですよ」
「!!」
スカイとプリズムはそれから簡潔にスノーが一人でシャドーを相手にするようになった経緯を説明。それを聞いてサンライズは項垂れる。
「ユキが一人で戦ってるのは……俺の……せいなのか?」
サンライズがそう呟くといつまでも自分そっちのけで話をしているプリキュアを見たカバトンは声を荒げた。
「ムッカーッ!この俺の事は無視なのねん!?ランボーグ、今の内にプリキュアを潰すのねん!」
「ランボーグ!」
ランボーグはガラ空きになっているスカイ、プリズムの背後から迫ると両腕を合わせてハンマーのように振り下ろす。
「「邪魔しないで(ください)!!」」
しかし、二人のプリキュアは振り返りながらランボーグへとダブルパンチを繰り出すとランボーグの巨体を簡単に吹き飛ばしてしまう。
「ラァアア!?」
「え?ちょっ、何でこっちに来るのね……のはあっ!?」
そのままランボーグが吹き飛ぶ先にいたカバトンはランボーグの体に巻き込まれる形で倒れ込んでしまう。そして、スカイはそれを見届けると未だに項垂れているサンライズへとそっと話しかけた。
「スノーは、強くなりました。初めてこの世界に来た時よりもずっと……」
「自己犠牲ばかりして、自分よりも他人を優先して傷ついてネガティブな事ばかり口にしていたユキちゃんがこうして明るくなれた。そしてそれはサンライズ……あなたのおかげだよ」
スカイに続いてプリズムも同じような雰囲気で話す。スノーことユキはこの世界に来たばかりの頃、ネガティブな気持ちばかりが前に出て自分に自信が無く。他人のために自分を犠牲にするような子だった。しかし、サンライズことアサヒの存在がそんなユキの考え方を一変させる。それによって彼女は比べ物にならないくらい明るくなり、色んな表情を見せるようになった。
そして、スノーは真面目だからその恩はちゃんとサンライズへと返したいと思っている。つまり、恩を感じてるからこそ今度はサンライズのために頑張りたい。彼女はそのためにサンライズが戻るまでの間、一人で戦っているのだ。
その話を聞いたサンライズは項垂れていたが、スノーがそれ程までの気持ちを抱いているのだと知って後悔の気持ちが湧いてきた。
「俺は……何をしてたんだ……一人で嫉妬して、八つ当たりして……。そんでもってただのランボーグだからって油断して戦った結果がコレかよ。俺は……俺は……」
サンライズの気持ちが後悔でいっぱいになる中で、先程スカイやプリズムに吹き飛ばされたカバトンとランボーグはそろそろ我慢の限界だからか声を荒げる。
「ぐぬぬぬ、俺様をコケにするのも良い加減にするのねん!ランボーグ、猛烈に舞い散らせ!!」
「ランボー……グ!!」
ランボーグは力を最大にまで高めるために両腕を突き合わせてから電撃を纏わせる。そして、それによって強化された威力での桜吹雪を放つ。
「「ッ!?」」
「二人共、任せろ」
スカイとプリズムがその威力に驚いていると二人の間に立ち上がったサンライズが並ぶ。そして、それと同時に三人は桜吹雪の中に飲み込まれてしまう。
「ぎゃははっ!流石にこの威力には手も足も出ないか!お前ら、YOEEE!そして俺TUEEE!」
カバトンが勝ち誇って高笑い。しかし、それは桜吹雪の中に燃え盛る炎を見た瞬間消え去った。
「……あれ?あの炎……まさか!?」
カバトンが唖然としているとそこにはスカイ、プリズムの二人も纏めて炎のエネルギーバリアのような物で覆われていた。それは文字通りの炎の壁であり、それが桜吹雪をシャットアウトしたのである。
「悪いな、お前の攻撃……全て焼き尽くしてやったぜ」
サンライズの力のおかげでスカイもプリズムも無傷であり、カバトンはランボーグの全力を簡単に止められた事に口をアングリと開ける。
「嘘ぉおん!」
「二人共悪い。頭冷えたわ。……さっさとここを終わらせて俺達でスノーを助けに行こう」
「勿論です!」
「うん!」
こうして、サンライズはようやく落ち着くとまずは目の前のランボーグへと立ち向かうのだった。
また次回もお楽しみに。