熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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今回も読んでいただきありがとうございます。

前々から説明してますが、諸事情があってこの小説の初期の話をアップデートをしています。概要等はまた小説のあらすじの方に改めて載せますのでよろしくお願いします。それではどうぞ!



リメイク中 (アニメ8話)
鳥になれる少年とその正体


ソラとユキが初めて学校に行ってから暫くの時が経った。そんなある日の昼、エルはソラの部屋ではいはいしている。そして、ソラのベッドの上にあった玩具を取ろうとして掴まり立ちをしようとしていた。

 

「えるぅ……」

 

しかし、まだ上手くできないためにバランスを崩しそうになる。すると倒れそうになるエルの背中に手が添えられた。これにより、床への激突は避けられたのである。

 

「える!?」

 

そして、エルが上を見るとそこには茶髪でオレンジの服を着た小柄の少年がいた。

 

「……大丈夫?」

 

「える」

 

そして、その少年はベッドの上にあった玩具を取るとエルへと渡してあげる。すると下からどんどんと誰かが二階へと上がる音が聞こえてきた。それを聞いて少年はここにいては不味いと考えると空いていた窓から外に出ていく。そのタイミングでソラが扉を開けて入ってきた。

 

「エルちゃん、お待たせし……あれ?」

 

ソラはエルが何故玩具を持っているのか、そして先程感じた気配に疑問を抱く。それからソラは窓から外を見るとそこにはオレンジの毛並みの鳥がいるのみだった。

 

「鳥さん、誰か見かけませんでした?」

 

それを聞いた鳥は知らないとばかりに少し首を動かすばかりだ。その頃、別の部屋でドタドタと音が聞こえてくる。

 

「な、何の音ですか!?」

 

ソラが慌ててそちらの方に向かっていく。すると騒ぎを聞きつけたのかユキもいた。そして、音が聞こえたアサヒの部屋の扉を開けるとそこには開放された窓に僅かに苛立ったようなアサヒがいる。

 

「くそっ、アイツどこから喋ってるんだよ。出て来いこの卑怯者め!」

 

アサヒがそんな事を言う中、ソラとユキはアサヒに事情を聞く事になった。

 

「アサヒ君、何があったの?」

 

「あー、少し時間を遡るんだが……」

 

〜回想〜

 

ユキとソラが来る少し前。アサヒは一人ユキの事を考えていた。アサヒはユキの事を異性として好きになったあの日以降、少しでも自分を意識してもらうために恋愛関係の本を読んだりユキの隣でさりげなくユキをサポートするようにしたりとして関係を深めようと頑張っていた。

 

「どうやったらユキを振り向かせられるんだろ……」

 

そうやってボソッと呟いていると突如としてどこからともなくアサヒへと声が聞こえてきたのだ。

 

「お前なんかにユキ姉が振り向くわけねーだろ。身の程を知れよこの勘違い男!」

 

その声にアサヒは聞き覚えがあった。それは以前にあったユキと喧嘩したあの時の事。アサヒへと罵倒の言葉を投げかけた少年の声である。

 

「誰かと思えばその声、前に俺を罵倒しやがった挙げ句逃げた卑怯者か!」

 

「あ?逃げたって何だよ。どうせユキ姉とあんな事やこんな事をしたいとか思ってるだろ!」

 

アサヒは少年からの言葉を聞いて苛立ちを露わにした。そして、顔を赤く染めながら声のした窓へとドタドタと移動する。

 

「はぁあっ!?お前俺がそんなエッチな事考えるわけねーだろ!」

 

「口に出してる時点で考えてるだろ!このエロ男!」

 

そのタイミングでアサヒは窓に到達すると思い切り開け放つ。しかし、外には誰もおらず。そこには白い小さな鳥が背中を向けてチョコンと座ってるのみだった。

 

「クソッ。あの野郎また逃げたな。逃げるぐらいなら初めから来んなこの腰の引けた間抜けが」

 

こんな言い争いをしていたのだ。しかし、前と違うのは相手の少年がどこにもいない点である。

 

〜現在〜

 

「マジでアイツ神出鬼没かよ」

 

ちなみにアサヒはユキについて考えていた事や罵倒合戦の内容についてはユキには言わなかったのでバレていない。こんな汚い言葉を吐いていたと知ればユキはドン引きだっただろう。

 

「うーん。もしかするとさっきの鳥さんって……」

 

ユキが何かを思いつくとそれを言おうとするが、その前にソラが自分の事を言い始めてしまう。

 

「そういえば、私も変な事がありました!」

 

「「……変な事?」」

 

それからアサヒとユキはソラが先程部屋であったいつの間にかエルが玩具を持っていた事について話す事に。そして、その後の夕ご飯の時間でましろにも共有された。

 

「ふうーん。じゃあ掴まり立ちして自分で玩具を取ったんだね!どんどん色んな事が一人でできるようになっていく。今まで以上に目を離さないように気をつけないとだよ」

 

ましろはそう言う中、ソラの胸にはまだ引っかかりが残っている。そのため、それを言う事にした。

 

「部屋に人の気配が……」

 

「え?誰の?」

 

「そこまでは……」

 

「気のせいじゃない?」

 

「まぁ、その後鳥に向かって“誰か見かけませんでしたか?”って聞くなんてな」

 

アサヒがそう言う中、ましろも同意するように頷く。しかし、ユキはキョトンとした顔をしていた。

 

「……あれ?でもそれは普通じゃない?」

 

「え?」

 

「あー、でもそっか。こっちの鳥は話さないものね」

 

ユキが納得した顔つきになるとましろとアサヒはユキの反応が気になって聞く事になる。

 

「えっと、どゆこと?」

 

「スカイランドには言葉を話す鳥がいるので」

 

「「そうなの!?」」

 

ソラがそう言う中、ましろとアサヒは身を乗り出して聞き返す。するとソラとユキの二人が説明した。どうやら、スカイランドでは人間と鳥は仲良しで鳥は移動手段や荷物運び、モデルに城で働く鳥も。多種多様な役割を果たしている。

 

「今更だけどソラちゃんやユキちゃんってファンタジー世界の人間なんだね……」

 

「あはは……あ、でも私達から見たらこちらの世界も十分ファンタジーだと思うよ」

 

「そうです!これだってこんなに美味しいものがチーンとするだけでできちゃうなんて……その方がよっぽどファンタジーです!カライライス、最高!」

 

「カレーライスだよ」

 

それを聞いてソラは疑問を浮かべる。てっきり辛いからカレーなのかと思ったからだ。

 

「あれ?辛いからカレーじゃないんですか?」

 

「それが違うんだよね。ちなみに、カレイっていう魚もいるよ」

 

それを聞いてソラがまたましろに聞き返す中、アサヒは何やら考えている様子だった。ユキはそれを見て何かを決心する。

 

その日の夜、ユキは宿題を終わらせて学校の準備を終えてから部屋にある窓を開放すると外に呼びかけた。

 

「……ねぇ、さっきから私を見てどうしたの?白い鳥さん」

 

それを聞いて近くにちょこんと座った白い鳥がビクンと肩を震わせる。しかし、バレてはならないと思ったのか割と今更平静を装った。

 

「………どうしてアサヒ君を罵倒したの?」

 

ユキが発したその声色は僅かに怒っているようにも見て取れる。そして、ユキは更に続けた。

 

「アサヒ君は私にとって大切な友達。だから、アサヒ君が罵倒されるのは私にとってはあまり良い気持ちじゃないの」

 

そう言うユキの言葉に白い鳥の顔は曇っていく。そして、ユキはトドメの言葉を言い放った。

 

「もうこれ以上、アサヒ君を罵倒するのなら本当に怒るからね」

 

そう言った途端。ユキが声をかけていた白い鳥は涙目でユキの方を振り向いた。

 

「どうして……どうしてそんなことを言うんだよ……ユキ姉」

 

「……ユキ姉?」

 

するとポンという音を立てつつ白い鳥は前にアサヒへと姿を見せた少年の姿となって現れる。

 

「あなたは確か……プニバードの……」

 

その瞬間、ドシーンという音と共にソラが小さなオレンジの鳥の上に馬乗りになった状態であった。

 

「何事なの!?」

 

「ソラ、何かあったのか!?」

 

騒ぎを聞きつけてアサヒやましろも窓を開けて様子を見る。そして、そのタイミングでアサヒと白い髪の少年は目があってしまう。

 

「「……あ」」

 

するとそこにヨヨがやってくると心配そうな顔つきでソラへと声をかけた。

 

「その子を離してあげて、ソラさん」

 

「え……」

 

「私の知り合いなの。ユキさん、あなたが話していたその子もね」

 

すると少年は一度屋根から飛び降りると地面に着地。そしてまたプニバードの姿で二羽の鳥が並んだ。

 

「あなたは……」

 

「ボクはツバサ」

 

「俺はヒョウ」

 

オレンジの方がツバサで白い方はヒョウと名乗る。そして、ソラは少年から鳥に変身したツバサを見てある事実に思い至った。

 

「あなたは言葉を話して、人間に変身できる鳥さん……あなたは、スカイランドのプニバード族!!」

 

それからまずツバサが自分の身の上話を始める事になる。それは一年と少し前、ある嵐の日のこと。ツバサはスカイランドからソラシド市へと落ちてきた。その時にツバサはヨヨに助けられてこの虹ヶ丘家でお世話になるようになったのだ。

 

どうやら大きな嵐が起きると世界の繋ぎ目にひび割れが生じ、一瞬だけ二つの世界が繋がる。それが原因でスカイランドから物がソラシド市に流れつくそうだ。そして、一同は居間に集まるとゆっくりと話をする事になった。

 

「それからずっとここでヨヨさんのお世話になってます」

 

「一年前って……」

 

「丁度俺達がこっちの家に越してきた頃だな」

 

「ずっとタダの鳥のふりをしていたんだ。それってどうして?」

 

ユキからの問いにツバサは申し訳無さそうに言葉を紡ぐ。

 

「話しても信じてもらえないと思って……」

 

その瞬間、ソラが割って入るように声を上げる。それは前にましろやアサヒが言った事のある言葉だった。

 

「ターイム!」

 

「うわあっ!?」

 

その瞬間、ツバサは驚いた衝撃で人間態へと戻ってしまう。どうやら驚くとこうなってしまうらしい。

 

「ファンタジーだね……」

 

「話を逸らさないでください!私とユキさん、エルちゃんが来た後ならいつだってスカイランドの事を話せたはずです。なのに黙ってた。どうしてですか!」

 

そう言ってソラがジタバタしながら文句を言う。その顔はかなり怖い顔つきになっていた。

 

「そ、それは……」

 

「怖い顔になってるよ、ソラちゃん」

 

「ワン!」

 

「でも、ツバサ君。おばあちゃんにトンネルを作って貰えばとっくにスカイランドに帰れてるはずだよね?」

 

それを聞いたツバサは俯く。そして、ソラは納得がいかないとばかりにヨヨへと聞くことにした。

 

「ヨヨさん!エルちゃんに信用できない人を置いておくわけにはいきません!きちんと説明してください!」

 

ソラの問いにヨヨがツバサの方を見るとツバサは話さないでほしいと言わんばかりの顔つきをしたためにソラの不満は爆発する。

 

「もう!良い加減に……」

 

「待って、ソラちゃん」

 

ソラの言葉に対してユキはすかさず話を止める。これ以上は不味いと判断したのと、自分の考えを言うためだ。

 

「……ツバサ君、きっと言いたくない事情があるんだよね?私もあまり人に話せない事があるからその気持ちはわかるよ。だからソラちゃん、今はそっとしておこう。それに、ツバサ君が信用ならない人ならきっとエルちゃんは今頃攫われてると思うから……ね?」

 

「むう……ユキさんがそう言うなら……」

 

そう言って何とかその場を抑えたユキ。それを見てヒョウは内心ユキの事を誇りに思っていた。

 

「(やっぱりユキ姉は凄い。昔俺を助けてくれたあの時からその優しさは変わってない……)」

 

結局翌日に学校を控えているのと、あまり寝るのが遅くなるとダメなのでヒョウの事はまた明日聞くことになるとその場は解散となる。




また次回もお楽しみに。
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