透き通った世界の下の嫉妬心   作:хорошо!

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異変解決、続くは宴会(幻想郷の常識である)

私が目覚めた時には、既に騒動は解決していた。

 

アリスは無事に目覚め、ゲーム開発部の皆と感動の再会を果たしていたし、Divi:Sionとかいうのも私の苦労した甲斐あってか全て機能を停止していたらしい。

そのせいで私は先程まで倒れていたのだというのだから、本当に妬ましいものである。

…まぁ、あの会長が珍しく焦っている表情を見れたのでお咎めは無しとしておこう。

 

会長はその後、セミナーに謝罪へと赴いた。

私も庇えるだけ庇ったつもりだったが、資金の横領の件やコユキに罪を擦り付けた件については他のセミナーのメンバーからしっかり説教を食らっていた。

立場的には会長を庇護してあげたい所ではあるが、まぁ…自業自得ではあるので何も言わないでおこう。

だが、コユキに関しては本人も色々とやらかしているらしくそこまで言われる事はなかったらしい。

なんというか、色々と可哀想になってくる。

 

トキは何食わぬ顔でC&Cへ合流していた。

色々あった仲ではあるが、あの子の事だから特に何のしがらみも無く馴染める事だろう。

チビメイドさんも何だかんだ、トキの事を認めてくれていたようだし…きっと、大丈夫だ。

それはそうと私が口を滑らせたせいでチビメイドさんことネルに怒られたのは別の話である。

他のメイドさんと並ぶと余計小ささが目立つから、うっかりそう呼んでしまっても仕方無いだろう…

 

一連の騒動の後、コユキの所へも顔を出した。

反省室にいた為に詳しい事は分かっていないようだったが、騒動があったという事は理解していたらしく、私の事を心配してくれていたらしい。

何だかんだで、純粋で良い子なのである。

空き時間にスマホの使い方を教えてもらい、モモトークとやらの連絡先も交換した。

これで離れていても会話をする事が出来るらしい。

やはりキヴォトスの技術は凄いものだなとつくづく思う…ついでにトキやアリスとも交換しておいた。

 

そう、アリスと言えばだ。

アリスに対しての謝罪…そして、Key(ケイ)の件について会長と共にアリスに話しに行ったのだ。

なんというか、本人は気にしていない様子だった。

 

『アリスは勇者なので復讐なんてしません!』

 

…とても、強い子だなと思わされた。

復讐に囚われた末に橋姫となった私からしたら、心に突き刺さる言葉だった。

きっとこれが、彼女の強さなのだろう。

物理的にも強いが…まぁ、そこは飲み込んでおこう。

 

ケイに関しても、上手くやれているようだった。

身体の主導権はアリスにあるようだが、望むのならケイと変わる事も出来るらしい。

だが、ケイはまだそれを望んでいないと言う。

…考える時間は必要だ、ゆっくり、彼女のやり方で歩み寄ればそれで良いのだろう。

 

「はぁ、どうしてこんな事になったのか…」

 

「それも運命ってやつなのではないでしょうか?」

 

そんなこんなで、ミレニアムの見学…時間が経つのは早いもので、今日はその最終日であった。

皆に軽い別れの挨拶を告げ、今私は全ての元凶(ヒマリ)に誘われ、共に夕食を取っていた。

正直断る気満々だったのだが、報酬を出すと…それに、お酒があると聞いたら断れなかったのだ。

 

「運命も何も、全部貴女の計画通りじゃない…結局、私は貴女に踊らされてただけでしょ…?」

 

「さぁ、何の事やら?」

 

全て終わってから改めて理解した事だが、目の前に座るヒマリという人間は超が付く程に頭が良かった。

会長のことは勿論…下手をしたら、ケイの事まで想定して私に押し付けていたのではないかという程に。

段々と苛立ちが込み上げて来たので、それを誤魔化すようにグラスに入ったワインを流し込む。

 

「もぅぅう…嫌になる…ゆぅぎぃ…」

 

「…水橋さんって、素はそんな感じなのですね」

 

ヒマリが何か言っているようだが、聞こえない。

生意気な事にヒマリの用意した食事というのは、絶品と言える程には美味しいものであった。

紅魔館で出るような物と比べても、遜色がない程度には良く出来ている料理だった。

所々ズレている…洋食の中に無駄に古臭い和食が混じっていたりするのだが、私は寧ろ此方の方が食べ慣れているので特に気にならない。

 

「…それで、今話しても良いのかは分からないのですが…報酬は、現金でよろしいのでしょうか?」

 

私は、この世界で稼ぐ手段というものがない。

だから素直に現金を受け取るというのが賢明な判断なのだが…生憎、金銭的な問題はヒナが全て解決していく為、特に困ってはいないのだ。

稼ぎはあるのに使い道がない、難儀なものである。

 

「…ぁ〜・・・そうだなぁ…じゃあ、お願いを〜・・・」

 

「お願い、とは?」

 

というわけで、私はある事を頼む事にした。

私じゃ何があっても実現する事の出来ない…それこそ、ミレニアムにしか頼めないような事を。

 

「ケイに、器を作ってあげられる?」

 

ケイがそれを望んでいるかどうかは別として、作っておくに越したことはない。

アリスと交代交代で遊ぶとか、そんな事になってしまったら色々と不便である。

 

「…意外ですね、貴女が自身の得にならない…そのような事を頼んでくるとは…」

 

「実は私の得になるんだなぁ、これが〜・・・」

 

私は自分の得にならないような、単なる善意では滅多に動く事はない。

ケイの件だって、嫉妬心という自分を形作る上で重要な事項が関わっていたから手を出したのだ。

 

「さては、既にだいぶ出来上がってますね…?」

 

「あらら、何の事〜・・・?」

 

もう飲み始めてから結構な時間が経つ。

普段は勇儀のストッパーとなる為に控えているが、久々のお酒となると…まぁ、欲が止まらない。

普段の倍近い…下手したらそれ以上の量を飲んでいた。

 

「…それで、その得と言うのは?」

 

「ふふっ…この世に妬む人が増える度、私の力は増していくのだぁ〜・・・なんて、そんな感じ〜・・・」

 

私の力の糧になるのは他者のものも含めた、此の世に存在する嫉妬心の大きさである。

私自身が嫉妬心の塊と言っても良い程に、私にとって嫉妬というものは大事であった。

 

「歪んだサービス精神ですね、理由はともかく、行動については褒めるべきことですけど…」

 

そうそう、私は実は良い人なのである。

なのでもっと褒めても良い、もっと崇め給え。

 

「そりゃぁ当然…何せ私、妬み嫉むるジェラシッター・・・泣く子も黙る嫉妬の化身ですのでぇ〜・・・?」

 

「…エイミ…この光景、動画に撮ってリオに送ってみたら一体どんな反応をすると思います?」

 

「う〜ん…多分、面白い事にはなると思う」

 

後日、実際にその動画がヒマリから送られてきた会長が、それを見て椅子から転げ落ち怪我をしたと言う。

後からその事をトキから聞いたパルスィがヒマリにマジギレするのだが、それはまた別のお話。




これにて、パヴァーヌ編は終わりです!
いやぁ、長…くもなかったですね、ハイ。
この後少し番外編というか…具体的に言うなら、ヒナヒナのシナに対するフォローを入れたり、ケイに関しての補足した後に2章に入ろうと思っております。
その前にパヴァーヌの掲示板回ですけど。
その後は…うん、アビドス辺りですかね…?
ここまで続くとは思ってなかったので…行き当たりばったりなんです、許してください…
ぁ、相変わらずラジオ回の質問は募集しているので、良ければ活動報告を覗いて行ってください!

パルスィ以外の東方キャラを出しても良い?

  • 別に良い
  • やめて欲しい
  • 結果を見たい人用
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