毎日投稿って…結構キツいんですね…
「…足、速いね?」
「ぁ〜・・・まぁ、そうね」
自転車を漕ぐ彼女の後ろを、バレない程度にほんの少し浮きながら着いてゆく。
足が速いも何も、走っているわけではなく飛んでいるのだから速いに決まっている。
本気を出せば…まぁ、天狗や吸血鬼達には敵わないにしろ、そこそこ速く飛ぶ事くらいは出来る筈だ。
私は今、シロコにアビドスへ案内してもらっている。
独特な雰囲気を纏う少女だなとは思ったが、何と言うか…我が強いと言うか、色々とぶっ飛んでいた。
少し話すだけでも理解できるヤバさなのだ、ちょっと色々と心配になるレベルだ。
ただ…まぁ、悪い子というわけではないのだろう。
こうして今、道案内をしてもらっているわけだし…嫉妬心も薄いように見える。
『無い』のと『薄い』のは大きな違いだ、少しあるくらいが普通であり、健康な人間の証拠なのだ。
稀に、全く嫉妬心を抱いていない聖人のような人間がいる事もあるが…本当に、極稀である。
大体は嫉妬を知らないか…嫉妬する事を抑圧されているような可哀想な人間である。
そういう面で、彼女は一般的な少女に見えた。
まぁ、道中での会話でヒナとの関係について
『ん、ヤッたの?』
とか聞いてくる少女が普通かは分からないが。
いくら同性だとはいえ、色々とあるだろう…
それに、ヒナはまだ学生で私は一応だが大人…一般常識として考えて、問題がある。
…先生も大人な筈なのに風紀委員の足を舐めたとかいう噂を聞いた気がする、どうなっているんだ。
「着いたよ、此処が私達の学校」
そんなこんなで、目的地へと到着した。
色々な所に砂が散乱しており、少しばかり廃れたような箇所があるが…外見を見るなら、外の世界でよく聞く一般的な学校と同じような感じだ。
ゲヘナは何と言うか…中々に大きいし全体的に白いしで少し学校とはかけ離れた雰囲気であった為、此方の方が見ていて安心できる感じだ。
シロコはタオルで汗を拭いながら入口を指差し、着いてこいと案内してくれる。
別にアビドスも狭いというわけでは無く、普通に迷いそうな程には広いので、案内がいて助かった。
今度菓子折りでも持って礼をしに来るべきか、そんな事を考えながら校内へとお邪魔する。
「100kmは超えてた筈なのに、疲れてる様子がない…?」
その一方で、自身の速度に楽々と着いてきた上、汗の一つもかいている様子がない彼女を見て、シロコは引くと同時に困惑していた。
外の世界から来たという大人、先生はアレなのに彼女は何故こんなにも身体能力が高いのか…
少し警戒しながらも、彼女は案内を続けるのだった。
◇◇◇
「最近はお客様が多いですねぇ〜」
「先生は私達が呼んだんですけどね…」
シロコの案内の甲斐あって、私はアビドスの生徒達が集まる教室に辿り着く事が出来た。
まぁ、肝心のホシノは見当たらないのだが…
教室の中にいたのはホシノとシロコ以外の生徒…名前はノノミとアヤネ、セリカと言うらしい。
ノノミが2年生、アヤネとセリカが1年生だと言う。
因みにホシノは3年生でシロコは2年生だそうだ。
今私の視界に映っている生徒は…ノノミ。
初めて目にした時も言った気がするが…デカい。
妬ましい…なんで学生なのにそんなに豊かなのか…
エイミにも同じ事が言えるが、あの子は服装が色々と痴女なので妬ましいのとはまた違う気がする。
アヤネは何と言うか、苦労人といった感じだ。
まだ詳しく彼女の事を知った訳では無いが、雰囲気というか…滲み出る感情が、そう言っているのだ。
彼女も苦労しているのだろう、真面目過ぎても人生は辛いものだ…上手く、息抜きをしてほしいと思う。
次にセリカ…アビドスには獣耳が多いのか?
ゲヘナには角が生えた生徒が多いし、何だかそういう流れ的なものがあるのだろうか…
彼女は、典型的なツンデレキャラと言ったところか。
分かりやすくツンツンしている…が、まぁ、彼女も悪い子というわけではないのだろう。
寧ろ、私の予想では割と良い子に見える。
…やはり一番自由なのはシロコなのでは…?
2年生の先輩ともあろうものがソレはどうなんだ、と思ったがいつもシナシナしているヒナは3年生だし、色々と有能なトキはアレでも1年生である。
学年というのは当てにならないのかもしれない、その理論でいくとヒマリやリオに刺さる気がするが…
あの二人も、色々と大概だろう。
「改めて…私は水橋パルスィ、今日はアビドスの見学をしようとお邪魔させてもらったわ」
嘘は言っていない、コレも事実である。
私はキヴォトスに来てから日が浅い…色々な学校を知るというのは重要なことだ。
だからミレニアムにも見学に行ったわけだし…なんだか、騒動に巻き込まれてしまったわけだが。
だからこれも一つの理由である事は本当である、それと同時にホシノの件もあるというだけで…
まぁ、その目的であるホシノがいない訳なのだが…
「ホシノ先輩なら、隣の部屋で寝てるわよ」
疑問に思ってセリカに聞いてみれば、此方を睨むような視線を送りながらそう教えてくれた。
何と言うか、居心地が悪いと言うか…
初対面がアレだし、アビドスの生徒達は大人に騙された経験があるらしいし…仕方が無いのかもしれない。
そもそも私は存在自体がとても怪しい、ヒナが異常なだけで普通は警戒される筈なのだ。
「そう…じゃ、挨拶してくるわね」
私は逃げるように部屋から退出する。
彼女達が悪い子ではないというのは当然分かっている、警戒されるのは当然のことだろう。
どうにか信頼を得られたら良いが…私は、信頼を得すぎても行動に制限が掛かってしまう。
私はそういう妖怪なのだ、嫌われていた方が動きやすいし力を出しやすい。
自分の事でありながら面倒な能力だなと思う、だがそういうものなのだから仕方が無いだろう。
ミレニアムでの私は…何と言うか、嫉妬嫉妬と言いながら無理に理由を付けて人助けばかりしていた。
ゲーム開発部の皆からも嫌われていないようだったし、ミレニアムの生徒から、私はどちらかというと友好的な目で見られるようになってしまった。
未だに恐怖混じりの視線を向けてくるのはエンジニア部だけだろう…アレを見せたのだから仕方が無い。
鬼女としての力をフルに使えば、怖くも見えるだろう。
アビドスではあまり好かれないように行動しようか…そう思いながら、私は目の前の扉に手を伸ばす。
取り敢えず、まずは先日も会った彼女に改めて挨拶をする事を優先したのだ。
そもそも、私の目的は彼女なのだ…早めにコンタクトを取っておくに越した事はない。
そう思い、私は扉をゆっくりと開けた。
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