いや、もう、その…凄い嬉しいです…本当に…
誤字報告や感想を送ってくださる方々も含め、読者の皆様には感謝しか無いですね…
「…はぁ、なんで?」
「誤魔化そうったってそうはいきませんよ!!キャスパリーグと何やら密会を行い…そして、先程の発言…自警団のエースとして、裁かせてもらいます!!」
キャスパリーグ…西洋で語られる化け猫の名前が確かそんな感じの雰囲気だった気がする。
化け猫というとお燐だったり、あとは…あの困ったちゃんの所にいる式の式も元は化け猫だったか。
正直今その話はどうでも良いのだが、私にそんな化け猫様と会った記憶はない。
…ぁ、いや…黒い毛で猫のような容姿…?
「…もしかして、カズサの事…?」
「やはり杏山カズサと…!!」
…話が通じない、面倒くさいタイプである。
よく氷の妖精の事を
…流石にバカバカ言い過ぎたか、自重しよう。
それはそうと、だからどうしたと言うのだろうか。
「何が何だかサッパリだけど、十中八九誤解だと思うわよ…そもそもカズサとは知り合ったばかりだし…」
「…証拠はあるんですか…?」
「…ないわねぇ〜・・・」
裏を返せば、当然私とカズサが元々知り合いだったという証拠も見つかる訳がないのだが…
先程知り合うばかりだというのにお互いモモトークを交換しているのは些か距離の詰め方がおかしい。
そもそもの話をするなら、私達がカズサとナツに関わらなければこんな事にはなっていない筈だ。
…善意によって面倒事に導かれているというのが気に食わない、本当に妬ましい。
この行場のないどうしようもないストレスを私は一体何処にぶつければ良いのだろうか。
「やっぱり怪しいです!!!!」
「水橋様、此処は騒動になる前に逃走を…」
ストレス発散の為に爪を噛みながら地団駄を踏んでいた所、ケイがそう発言すると共に手を引いてくる。
優曇華…永遠亭の兎程の幻術は使えないが、多少周囲の認識を歪ませるくらいの幻術なら私でも使える。
仕方が無い、騒動になる前に逃げよう…と、そう思いながら能力の準備をし始めた所で…
「それに、貴女の隣のその生徒…ミレニアムを破滅に導こうとした『魔王』でしょう?」
「ぁ゛?」
───彼女は思いっ切りケイの地雷を踏み抜いた。
「ケイ、ステイ、ステイよ…落ち着きなさい…」
「…分かっています、えぇ…分かっていますよ…ですが一発くらいなら殴っても許される筈です…」
「分かってないのよそれは…」
ケイはアリスの事が大好きである。
それと同時に、アリスの事を『魔王』だと認識させるような事をしてしまった自身の行動を恥じて、本気で後悔している…私はその現場を見ていないのだが。
まぁ、簡潔に言うならば…ケイの前でアリスを『魔王』だとか『王女』だとか『AL-1S』だとか、そんな風に呼んでしまうのは
彼女はその一線を越えた…当然、ケイだって怒る。
その気持ちは私にもよ〜く分かるが、それはここで騒動を起こして良い理由にはならない。
「…ちょっと、言わせてもらうけどね…流石に今の発言はデリカシーが無いんじゃないの?」
だから、代わりに私が仕返しをしてやろう。
キヴォトスの生徒はすぐに暴力に訴え掛けるが、そもそも私の専門分野はこういった話術だ。
そりゃぁ、さとりや紫には勝てないが…それでも、種族的にも口論は強いと言っても良いだろう。
「言って良い事と悪い事があるし、今の発言だって証拠とアリバイを並べて確信を持って言った事?」
…子供に対してソレは大人げないんじゃないかって?
それを言ったらミレニアムの騒動で先生が取った行動も十分大人げないだろう。
そもそも、先に仕掛けて来たのは彼女だ。
ヒナとケイの事は責任を持って守ると決めている…だから、私は心を鬼にする…元々鬼女だろうというツッコミはしないでいただきたい。
「さては貴女、友達いないでしょ」
「っ…!!」
私が言い放ったその予想はやはり的を得ていたのか、表情を歪め僅かに声を漏らす彼女。
してやったり、と嘲笑って…私が悪役みたいじゃない、これ私が悪いの?ねぇ?黙らないで?
そんな彼女は今にも泣きそうな程に悲しそうな顔を…
「ぇ、ぁ、ちょ…大丈夫…?…いや、なんで私が貴女の心配しなきゃならないのよ…」
…薄々勘付かれているかもしれないが、私は実年齢に関係なく見た目が幼い子にめっぽう弱い。
ヒナ然りケイ然り…幻想郷ならこいしやキスメ、あとは先程も話題に出した氷の妖精ことチルノなど…
私は根からの悪人ではないのだ、可愛い子にそんな顔をされたら耐えられる筈がない。*1
Q,今にも泣きそうな子供相手にどうすれば良いか?
A.私のせいで泣きそうになってるのにそれ聞く?
別に、こういう時の対処が分からない訳ではない。
寧ろ長く生きている関係上、子供に対する対応などにもそれなりに理解がある方だと思う。
…まぁ、それも幼い子供に限った話でヒナや目の前の彼女のような高校生は少し専門外なのだが。
どうするべきかと内心焦りながら罪悪感で胸を抱えた時、ふとある物の存在を思い出す。
コユキのご機嫌を取る為に持ち歩いている…
「…その、何…飴でも舐める…?」
何の変哲もない、安い市販の飴玉。
凄く美味しい訳ではないが、不味いかと聞かれれば美味しいと答えるような、そんな代物。
まぁ、コユキの場合は味の方よりお土産を貰えているという事実の方が嬉しいのかもしれないが…
手に持ったソレを振ってみれば、彼女の視線が僅かに揺らいだのを確かに目にした。
「水橋様…!!」
「良いじゃない…彼女だって勘違いしてたんでしょう?…それに、私もちょっとやり過ぎたから…」
ケイが怒っていたのを見て、私も少しキレすぎた。
嫉妬心の化身たる私が本気で怒りでもしたら碌な事になる筈がない…それに、先程のアレは明らかに子供に向けるような言葉じゃなかった。
感情的になりすぎてしまった私にも非はある…だがケイには無い、彼女は何も悪くない。
それに、話を聞く限り色々と誤解も多そうだ。
「…だから…ちゃんと、お話しましょう?」
「…はいっ…」
…今回の件で改めて自覚したが、私はファーストコンタクトの取り方をもっと学んだ方が良いのだろう。
これ以上、勘違いからトラブルを起こしたくない…今までの経験から、切実に思った。