ドレスヒナ引きました、速攻で固有3にしました。
悔いはありません、満足しておりますわ〜!!
「…ん、んぅ…」
ヒマリとの電話を切り、暫くの経った後。
部屋に戻って紅茶を淹れようとしていた所で、背後からそんな声が聞こえたのを確認する。
私が起きたのが確か5時前くらいだった筈、現在時計の短い針は『6』を指していた。
「っと、ぁ〜・・・もう1時間ねぇ…」
思ったより長電話をしていたのか、はたまたボーっとしている内に思ったより時間が経ってしまったのか。
恐らく後者だろう、そもそも私は寝起きがあまり強いタイプではないのだ。
それでも通話中は意識を保てていたのは睡眠が浅かったからだろう…ある意味良かったかもしれない。
「…おはようございます、パルスィ様」
「はい、おはよう」
その点でケイは私と違って朝に強い。
今だって起きてすぐに立ち上がり洗面所へと向かった…私なら布団の中で数分唸る、絶対やる。
なんなら二度寝するかもしれない、やりかねない。
目的があるから起きたのか、普段からああなのかは知らないが、どちらにせよちゃんと起きられるという時点で十分偉いと思う。
電気ケトルで湯を沸かし、なんだかよく分からない茶葉のティーバッグを袋から取り出す。
アールグレイとかなら私でも分かるが、なに…この、小難しいアルファベットを並べないでほしい…
まぁ、流石に不味いという事はないだろう。
二つのカップをデスクの収納から取り出し、熱湯を注いでティーバッグを入れ…
「確か、受け皿か何かで蓋をするんだっけ?」
ガバガバな知識ではあるが、地霊殿にお邪魔した時にそんな話を聞いた…ような気がする。
極端に味が変わるとは思わないが、ものは試しだと受け皿で蓋をし蒸らしてみる。
…うん、なんか物凄い地味だ、何も分からない。
少し待ち、カップからティーバッグを取り出す。
二つある内の片方のカップを口元へと運ぶ。
色も香りも良いと思うが、肝心の味は…
「…うん、美味しい」
流石に不味くなるような事はないと思うが、ちゃんと飲んでみないとそれは分からない。
少なくとも私には合う味だった、良いモノなのかはしらないが美味しいとは思う。
丁度、ケイも洗面所から出てきた。
「よいしょっと…紅茶でも飲む?」
「ふむ…では、お言葉に甘えて」
結構熱い、と注意をした上で片方のカップを手渡す。
冷ましたりする必要はないのか、僅かに眺めた後にすぐに口に含み、此方へと向き直った。
「…なるほど、これはパルスィ様が?」
「あぁ、うん、適当に淹れてみた」
多分…いや、確実にさとりが淹れた方が何倍も美味しい、だって紅茶を淹れた事なんて片手で数えられる程度の回数しかないし…
というか飲んだ事すらあまりないと思う、幻想郷にも紅茶を好んで飲む者はいくらかいるが、地底の民で好んで飲む人はあまり…
…ん?ちょっと待った、何か違和感が…
「…あれ、パルスィ様…?」
私の記憶が正しければ…というか、昨日の時点では確実にケイは私の事を『水橋様』と呼んでいた筈。
何らかの原因があったのか、と困惑したような瞳で見つめてみれば全て察したといった様子でケイは語る。
「…名字か名前かなど些細な事です…それに、姉妹という体で来ているのですから、お互いに名前で呼び合う方が自然に見えるでしょう?」
…まぁ、確かにその通りではある。
名字が同じ筈なのに姉の事を名字で呼ぶ妹とか…何か複雑な家庭環境だとかそういう理由でもない限り基本的にはありえない状況だろう。
だからこそ一理ある、一理あるのだが…
「それにしては『様』付けなのねぇ…?」
「…ここだけは譲れません」
それで良いのか、それで…
…まぁ、どうしても譲りたくないというのなら私は別に咎めるつもりはないのだが。
「それで、本日の予定は?」
と、話題を変えるケイ。
「ん…ちょっと調べ事をしに図書館へ、って所かしら…他に行きたい所とかある?」
面倒事に首を突っ込み始めてはいるが、そもそも私達がトリニティに赴いた理由は見学…詰まる所、観光と言っても過言ではない。
ケイが行きたい所などがあるのなら私はそちらを優先する…ティーパーティーの諸々は…まぁ、先生もいるし何とかなるだろう…多分…
「いえ、特には」
まぁ、そもそもそんな必要はなかったようだが。
「じゃ、レイサに連絡入れましょうか」
スマホを取り出しモモトークを開き、レイサへとメッセージを送る。
最近ようやく変換機能が使えるようになってきたのだが、平仮名と漢字では読みやすさが全然違う、練習して良かったとつくづく思うわ…
『集合場所は図書館前、時間は8時』
『無理そうなら変える、来れそう?』
そんな事を思いながらメッセージを送り…
「…既読早っ!?」
「もう既読が付いたんですか…?」
数秒で既読が付いた、速度がおかしい。
…多分、たまたまスマホを見ている時に連絡が来たとかそういうオチだろう…そうであってくれ…
連絡を待ってスマホの前でずっと待機してたとかだと凄い悲しくなるから…
少しの間が空いて、手元でスマホが震える。
「っと、返信返信…ぇ〜・・・」
『おはようございます、パルスィさん!!』
『レイサです!!!!』
『図書館ですね、今から向かいます!!』
…その、なんだ、なんと言えばいいか。
「ただの文章なのにうるさく感じるわ…」
『!』が多い、文章がうるさい。
目の前にいるわけでも通話をしているわけでもないのに自然とうるさいと感じてしまうくらいには煩わしさを感じさせられる。
「…ま、コレはコレでレイサらしいか」
「えぇ、そうかもしれません…」
平坦な、淡々とした文章よりは何倍もマシだ。
彼女の個性が感じられると思えばこれもまた良いのだろう…にしても限度はあると思うが。
頼むから耳元で叫ぶのはやめてほしい、冗談とかじゃなく鼓膜がやられるから…
…まぁ、それはそれてして…
「っし…目的地は図書館、集合時間は8時!」
「5分前行動を心掛けて行きましょう」
紅茶を飲み終えた私達はカップを片付け、今から行う外出に向けて準備を始めるのだった。