透き通った世界の下の嫉妬心   作:хорошо!

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パルスィの供給もっと増えないかなぁ…



過ちを繰り返してはならない

「…駄目だ、既読が付かない」

 

スマホを手に持ちモモトークを開き、何度かに分けてケイにメッセージを送る。

アプリを閉じてスマホを再起動してみるが、相変わらず既読が付く様子はない。

メッセージが届いていない訳でもなさそうだし、いつもなら数分も待たずに連絡が返ってくる筈…

だが返ってこない、既読すら付かない。

 

普段の既読速度が早い事もあってここまで反応がないと色々と心配になってくる。

そもそも何も言わずに姿を消したのだ、楽観的に考える方が難しいとも言える。

一度電話を掛けてみるべきか、ならば一旦図書館から外へと出るべきだろうか…

とは考えたものの、そもそも電話に出る余裕があるのなら先程から何度も送っているメッセージに多少なりとも反応は出来る筈である。

 

「たまたまスマホを見てない、っていう線は…」

 

「んな事はないと思うけど…レイサの方は?」

 

「そもそもケイさんと連絡先を…」

 

「あぁ、交換してなかったわねそういえば…」

 

レイサとは明日の集合場所を連絡するために、と連絡先を交換したわけだが、一人で十分だろうという事でそれを行ったのは私だけである。

私の見ていない所で二人が何らかのアクションを取ってでもいない限りは彼女とケイは連絡先を交換していない筈である。

私がサクラコと話している間…とも思ったが、その時に交換していたというのなら私と連絡先を交換する時にあんな謎の行動はしなかっただろう。

 

となると、ケイに対して連絡を取る事が出来るのは私だけという事になる。

能力を使って彼女の居場所を…とも思ったが、ケイを含めた生徒達は別に常日頃から嫉妬心をばら撒いているような訳でもない。

私が探知できるのは嫉妬心だけ、それにその思いが余程膨大でもない限りは距離が離れすぎていてはその嫉妬心が誰の物かまでは判断出来ない。

 

「はぁ…全く、何処へ行ったのやら…」

 

昨日は『置いていかれるのが怖い』とか言っていた癖に今は私達が置いていかれる訳だが…

…まぁ、この話に関しては彼女の名誉のためにもあまり口に出さないでおこう。

 

「流石に事件に巻き込まれてるなんて事はないと思いますけど…ぁ〜・・・うぅ…心配です…」

 

「とは言え、例え巻き込まれたとしても対処できる程度の実力はあると自負しているのですが」

 

「まぁ、ケイも中々強いからねぇ…」

 

「ケイさんってそんなに強いんですか?」

 

…彼女が強いのか、難しい話である。

戦闘技術として見るのならば私より高いだろうし、エリドゥでのアレを見る限り頭の回転や機転の利かせ方などを活かした戦い方も出来るだろう。

とは言え、彼女の持っている身体も使っている武器もアリスのレプリカのようなものである。

 

「ん〜・・・頭の回転が早いから…それに肉体のスペックが追い付いているのかって話なんだけ…ん?」

 

…話の流れ上、完全に流してしまったが…

 

「…あれ、どうかなされました?」

 

「…いつ戻ってきたの?」

 

目線を僅かに後ろへと向ければ、最初からそこにいたと言わんばかりに立っている少女の姿…

言うまでもないが、私達が探していたケイである。

 

「先程です、それほど時間は経っておりません」

 

「…ぇっ!?ケイさっ…」

 

「レイサ、此処図書館、静かに」

 

「ぁっ、はい、すいません…」

 

驚きたい気持ちも分かるが此処で大声を上げる訳にもいかないため注意する。

私だって驚いた、いくら会話に夢中になっていたとは言えいつの間に戻ってきていたのか…

勘が鈍ったか…とでも言いたい所だが、そもそも私はそれを言える程の強者ではないため鈍ったも何もただただ気付けなかっただけであろう。

まぁ、それはそれとして…

 

「んで、ケイ…」

 

「連絡を返す事が出来ず申し訳ございませんでした、代わりと言ってはなんですが求めていた情報を…」

 

「ケイ」

 

言葉を遮るように、再び彼女の名前を呼ぶ。

自身が話している事が私の求めている言葉ではないと気付いたのか此方を見つめ黙り込んだ彼女に向かって、少々考えながら言葉を続ける。

 

「そういう問題じゃないのよ、おバカ」

 

そりゃぁ、情報は欲しいとは言った。

彼女がそれを理解した上で自分なりに行動して情報を得てきてくれたというのも分かる。

でも、それとこれとは話が別だろう。

 

「貴女の事を信じているとはいえねぇ…私だって心配なモンは心配なのよ…レイサもそうでしょ?」

 

「ぁ、そうですよ、私も心配してたんですよ?」

 

私の事を失うのが怖いと言った癖に自分は黙っていなくなる、とんでもなくたちが悪い。

あんまり声を大にしては言わないが私だってケイの事が大切だ、というか大切に思っていなかったらそもそも着いてくる事を許可していない。

 

「もう何も言わずにいなくならない事、良い?」

 

「…はい」

 

「そう、それで良いのよ」

 

…こう言ったからには、私も自分の判断で勝手な行動をする時はちゃんと伝えなきゃなぁ…

うん、まぁ、その方が無茶をする事も無くなりそうだし良いのかもしれないが…

 

「それで、さっきの話なんだけど…」

 

「…えぇ、私達が求めていた情報はちゃんと手に入れる事が出来ました」

 

と言うと、アズサが元々いたであろう学園の話か…

ケイが何処へ行っていたのかは知らないが、そんな情報を得られる場所があったのか…

それとも、誰がそんな事を知っていたのか…

 

「どうやったんですか?」

 

「…黙秘させていただきます」

 

「へぇ…どうして?」

 

「あまり今回の件を言いふらすなと、とある方と約束いたしましたので…」

 

…もしかしてあまり良くない手を使ったのだろうか。

あまり疑うような真似はしたくないが…うぅむ…

 

「…ふぅん…なら私からは言及しないわ」

 

…まぁ、ここで疑っていても仕方が無いだろう。

彼女が話したくないというのなら私がそれを詮索する権利も必要もないだろう。

 

「じゃあ、話してもらえるかしら」

 

「貴女が手に入れた、その情報についてね?」

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